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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W10
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W10
審判 査定不服 外観類似 登録しない W10
審判 査定不服 観念類似 登録しない W10
管理番号 1362429 
審判番号 不服2019-6255 
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-14 
確定日 2020-04-23 
事件の表示 商願2018-89600拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「HIMAC」の文字を横書きしてなり,第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年8月8日に登録出願された商願2017-104089に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同30年7月11日に登録出願され,その後,指定商品については,当審における令和元年5月14日受付の手続補正書により,第10類「重粒子線がん治療装置」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4961710号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成15年11月14日に登録出願,第10類「医療用遠心分離機並びにその部品及び附属品」を指定商品として,同18年6月16日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,上記1のとおり,「HIMAC」の欧文字を大文字で普通に用いられる方法で横書きしてなるところ,当該文字は辞書類に載録された成語とは認められないから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。
したがって,本願商標は,その構成文字に相応した「ハイマック」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は,別掲のとおり「himac」の欧文字を小文字で普通に用いられる方法の範ちゅうで横書きしてなるところ,当該文字は辞書類に載録された成語とは認められないから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。
したがって,本願商標は,その構成文字に相応した「ハイマック」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討すると,外観においては,欧文字の大文字と小文字という差異があるものの,そのつづりを共通にすることに加え,いずれも普通に用いられる方法の範ちゅうで横書きしてなるものであるから,両者は,外観上,近似した印象を与えるものである。
次に,称呼においては,両者は「ハイマック」の称呼を同一にするものである。
そして,観念においては,本願商標と引用商標は,特定の観念を生じないものであるから,両者は,観念上,比較することができないものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,観念においては比較することができないとしても,外観において近似した印象を与えるものであり,称呼を同一にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両者は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品「重粒子線がん治療装置」(以下「本願指定商品」という。)は,レーザー加速技術や超伝導技術等を用いた重粒子線によるがん治療装置(医療用重粒子加速器)であるから「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品であり,国内のがん治療センター等医療目的の施設で使用されている(甲3?甲12,甲20?甲29,甲31?甲35)。
そして,引用商標の指定商品「医療用遠心分離機並びにその部品及び附属品」(以下「引用指定商品」という。)は,「遠心分離機」であっても「医療用」に該当するものであるから「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品であり,病院等医療目的の施設で専ら使用されているものと認められる。
また,両商品を使用する者は,主に医療従事者であることから,需要者の範囲も共通するものである。
そうすると,本願指定商品と引用指定商品とは,ともに「医療用機械器具」であり,その用途,使用場所及び需要者の範囲等を同じくする場合もある類似の商品と判断するのが相当である。
(5)小括
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似の商標であって,かつ,本願指定商品は引用指定商品と類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は,「HIMAC」の文字は本願指定商品と関連する粒子線がん治療の世界において,引用商標の出願日より前に請求人の業務に係る重粒子線がん治療装置・設備を表す標章として需要者に広く知られていたことは明らかであり,現在でも粒子線がん治療の世界において著名であって,本願指定商品に本願商標を使用しても,需要者は商品の出所を引用商標の商標権者ではなく,請求人であると認識するため引用指定商品と出所の混同を生ずることはないから,本願指定商品と引用指定商品は取引の実情の下では非類似である旨主張している。
しかしながら,上記(4)のとおり,本願指定商品と引用指定商品は類似の商品というべきであり,また,現実に出所混同が生ずることは商標法第4条第1項第11号に該当する要件とされていないから,そのことが商標法第4条第1項第11号に該当しないことの理由にはならない。
そして,商標法第4条第1項第11号は,当該商標登録出願に係る商標の著名性の有無にかかわりなく適用されるものであるから,先に出願・登録された引用商標と類似する本願商標は本号に該当するものといわざるを得ない。
したがって,請求人の主張は採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 引用商標


審理終結日 2020-02-18 
結審通知日 2020-02-20 
審決日 2020-03-11 
出願番号 商願2018-89600(T2018-89600) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W10)
T 1 8・ 263- Z (W10)
T 1 8・ 264- Z (W10)
T 1 8・ 261- Z (W10)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 浦崎 直之 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 浜岸 愛
大森 友子
商標の称呼 ハイマック、ヒマック、マック、エムエイシイ 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 

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