• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W03
審判 査定不服 外観類似 登録しない W03
審判 査定不服 観念類似 登録しない W03
管理番号 1361673 
審判番号 不服2019-11320 
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-08-28 
確定日 2020-04-02 
事件の表示 商願2018- 45052拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成30年4月10日に登録出願され,指定商品については,原審における同31年1月30日付け提出の手続補正書により,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,つけづめ,つけまつ毛」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下に掲げるとおりであり,現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1684148号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和55年2月23日登録出願,第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同59年5月29日に設定登録,その後,平成16年5月12日に,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされ,さらに,同26年3月25日には,第3類についてのみ商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第1975686号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,昭和59年10月16日登録出願,第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同62年8月19日に設定登録,その後,平成19年12月26日に,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされ,さらに,同29年8月1日には,第3類についてのみ商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第5013335号商標(以下「引用商標3」という。)は,「BRILLIANT」の文字を標準文字で表してなり,平成18年4月17日に登録出願,第21類「デンタルフロス,デンタルピック,なべ類,水筒,魔法瓶,霧吹き,植木鉢,愛玩動物用ブラシ,洋服ブラシ,せっけん用ディスペンサー,電気式歯ブラシ,歯ブラシ,歯間ブラシ,その他の化粧用具,靴ブラシ,靴磨き布」を指定商品として,同年12月22日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,デザイン化された「Y」及び「F」の欧文字を組み合わせたモノグラム(以下「モノグラム部分」という。)及びその下に「MEDICATED」の欧文字と「BRILLIANT」の欧文字を二段に書してなるところ,その構成中の「MEDICATED」の文字は,「薬用の」の意味を,「BRILLIANT」の文字は,「光輝く」等の意味を有する英語(いずれも「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店発行)として知られているものである。
そして,モノグラム部分を構成するデザイン化された文字と,「MEDICATED」の文字及び「BRILLIANT」の文字(以下「両文字部分」という。)とは書体も大きさも異なることから,モノグラム部分と両文字部分とは,視覚上分離して看取されるものである。
また,モノグラム部分は,上記のとおり,デザイン化された「Y」及び「F」の欧文字を組み合わせたものであり,全体としてまとまりのある一つの図形として認識し,把握されるとみるのが相当であるから,特定の称呼及び観念は生じない。
以上のことからすると,本願商標は,その構成上,モノグラム部分と両文字部分とは,それぞれが視覚上分離して看取されるものであって,かつ,観念上のつながりもないことから,両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難い。
そして,「MEDICATED」の文字は,本願の指定商品との関係において,「薬用の商品」であることを示す語として広く知られているものであるから,商品の出所識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
そうすると,本願商標は,その構成中のモノグラム部分と「BRILLIANT」の文字部分とがそれぞれ独立して,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,「BRILLIANT」の文字部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって,本願商標は,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「BRILLIANT」の文字部分に相応して,「ブリリアント」の称呼及び「光輝く」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は,「BRILLIANT」の文字を横書きしてからなるところ,上記アと同様に「ブリリアント」の称呼及び「光輝く」の観念を生じるものである。
(イ)引用商標2について
引用商標2は,「BRILLIANT」及び「ブリリアント」の文字を二段に書してなるところ,上記アと同様に「ブリリアント」の称呼及び「光輝く」の観念を生じるものである。
(ウ)引用商標3について
引用商標3は,「BRILLIANT」の文字からなるところ,上記アと同様に「ブリリアント」の称呼及び「光輝く」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
(ア)本願商標と引用商標1及び3について
本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分と引用商標1及び引用商標3とを比較すると,外観においては,「BRILLIANT」の文字つづりが同一であることから,両者は,外観上,類似するものである。
次に,称呼においては,本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分と引用商標1及び引用商標3とは,共に「ブリリアント」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者は同一である。
さらに,観念においては,本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分と引用商標1及び引用商標3とは,共に「光輝く」の観念を生じるものであるから,観念上,両者は同一である。
そうすると,本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分と引用商標1及び引用商標3とは,外観上,類似するものであって,かつ,その称呼及び観念を同一にするものであるから,その外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すれば,両者は,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似のものというべきである。
したがって,本願商標と引用商標1及び引用商標3とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(イ)本願商標と引用商標2について
本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分と引用商標2とを比較すると,「BRILLIANT」の文字つづりが同一であって,「ブリリアント」の片仮名の有無に相違があるとしても,外観上,近似した印象を与えるものである。
そして,称呼においては,本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分及び引用商標2は,共に「ブリリアント」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者は同一である。
また,観念においては,本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分及び引用商標2は,共に「光輝く」の観念を生じるものであるから,観念上,両者は同一である。
そうすると,本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分と引用商標2は,外観上,近似した印象を与えるものであり,称呼及び観念を同一にするものであるから,その外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すれば,両者は,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似のものというべきである。
したがって,本願商標と引用商標2とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品中「せっけん類,歯磨き,化粧品」は,引用商標1及び引用商標2の指定商品に含まれるものであり,本願商標の指定商品中「歯磨き,つけづめ,つけまつ毛」は,引用商標3の指定商品中「歯ブラシ,歯間ブラシ,その他の化粧用具」とは,その需要者,用途,販売場所,流通経路等を共通にするものであり,類似の商品といえるものである。
オ 小括
本願商標と引用商標とは,互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「『BRILLIANT』の文字は,日本語で『光輝く』といった意味で,我が国において比較的知られている英単語であって,本願商標の指定商品との関係において,これらの商品の品質を直接的に表示するものとまではいえないものの,これらの商品を使用することによって効果・効能を示す意味合いで当該指定商品の商品名に使用されている。また,『BRILLIANT』を意味する『輝く』等の語は化粧品等の商品の宣伝文句としても使用されており,当該指定商品の需要者層においても一般的,普遍的な意味で認識されている。これらのことからすると,該文字は,取引者,需要者に特定的な印象を与える力を有するものではなく,指定商品との関係においては,いわゆる自他商品識別機能の弱い語であるから,該文字部分のみをもって取引に資される場合があるとは到底考えられない」旨主張している。
しかしながら,請求人の提出する甲第1号証ないし甲第8号証によっては,本願指定商品との関係において, 商品の品質等を直接的に表示するものとして需要者,取引者に認識されている等,該文字部分が出所識別標識としての機能を果たし得ないと見るべき事情を認めることはできず,また,当審において調査するも,そのような事情を発見することはできなかった。
したがって,本願商標は,常に一体不可分のものとしてのみ認識され,取引にあたるものとはいい難く,むしろ,簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては,これに接する需要者,取引者は,本願商標の構成中の「BRILLIANT」の文字部分に着目し,取引に資する場合が少なくないというのが相当である。
イ 請求人は,過去の審決例(甲8)を挙げて,本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら,この審決例は,本願商標とは,図形要素の有無や構成文字の違いなど,その構成及び態様等が異なり,事案を異にするものであり,かつ,具体的事案の判断においては,過去の審決例や登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから,これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
ウ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲 別掲1 本願商標

別掲2 引用商標1

別掲3 引用商標2


審理終結日 2020-01-31 
結審通知日 2020-02-04 
審決日 2020-02-18 
出願番号 商願2018-45052(T2018-45052) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W03)
T 1 8・ 262- Z (W03)
T 1 8・ 263- Z (W03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 緋呂子浦辺 淑絵片桐 大樹 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 平澤 芳行
須田 亮一
商標の称呼 メディケーテッドブリリアント、メディケーテッド、ブリリアント、ワイエフ 
代理人 大澤 豊 
代理人 大沼 加寿子 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ