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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W1020
審判 査定不服 観念類似 登録しない W1020
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W1020
管理番号 1361564 
審判番号 不服2019-5105 
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-17 
確定日 2020-03-11 
事件の表示 商願2017-154861拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第10類及び第20類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年11月24日に登録出願されたものであり,その後,指定商品については,原審における同30年8月20日受付の手続補正書により,第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,業務用美容マッサージ器,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,医療用手袋,しびん,病人用便器」及び第20類「美容院用椅子,理髪用椅子,クッション,座布団,まくら,マットレス,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),家具,つい立て,びょうぶ,揺りかご,幼児用歩行器」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである(なお,引用商標1ないし3をまとめて「引用商標」ということがある。)。
(1)登録第5253610号商標(以下「引用商標1」という。)は「りらくシート」の文字を横書きしてなり,平成21年3月19日に登録出願,第10類「ゼリー状の化学物質を塗布したシート状の患部用保温保冷具,ゼリー状の化学物質を充てんしたシート状の患部用保温保冷具,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,業務用美容マッサージ器,家庭用電気マッサージ器」を指定商品として同年7月31日に設定登録されたものである。
(2)登録第5392875号商標(以下「引用商標2」という。)は「りらく」の文字を標準文字で表してなり,平成22年6月30日に登録出願,第12類「電動式車いす,その他の車いす並びにその部品及び付属品,老人用手押し車,その他の手押し車並びにその部品及び付属品,乳母車,荷車,ショッピングカート,老人用の歩行補助車,その他の歩行補助車」を指定商品として同23年2月25日に設定登録されたものである。
(3)登録第5743704号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成26年9月16日に登録出願,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,うちわ,扇子,愛玩動物用カーシート,愛玩動物用マット,愛玩動物用ベッド,愛玩動物用クッション,愛玩動物用運搬容器,愛玩動物用小屋,小鳥用巣箱,座椅子,ソファー,その他の家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,日よけ,揺りかご,幼児用歩行器,スリーピングバッグ」,第24類「織物,メリヤス生地,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,シーツ,ベッド用敷きパッド,ブランケット,膝掛け,織物製テーブルナプキン,シャワーカーテン,織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳」及び第28類「愛玩動物用おもちゃ,プレイテント,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」を指定商品として,同27年2月27日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,頭部に被り物をかぶり,右手に四角の機器を持ち,当該機器と胴体部が黒色の線で連結されたキャラクターの図形と,当該キャラクターの頭部の被り物に白抜きで「りらく」の文字が記載された図形と文字の結合商標と認められる。
そして,本願商標の構成中の「りらく」の文字は,当該キャラクターの頭部の被り物の中央に目立つように白抜きの大きな文字で明瞭に記載されているから,外観上,当該キャラクターの図形部分と一見して明瞭に区別して認識できる。
また,当該キャラクターの図形は,特定の観念,称呼をもって親しまれたものとは認められないから,当該「りらく」の文字と観念的に密接な関連性を有しているか又は一連一体となった何らかの称呼を生ずるものとも認められない。
そうすると,当該キャラクターの図形部分と「りらく」の文字部分とが,不可分的に結合していると認めることはできないから,当該キャラクターの図形部分と「りらく」の文字部分とは,それぞれが独立して出所識別標識としての機能を有する要部であるというべきである。
したがって,当該「りらく」の文字部分を抽出し,この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することが許されるものである。
そして,当該「りらく」の文字は「まがき。かき。(広辞苑第六版 株式会社岩波書店)」の意味を有する文字として辞書に載録されているとしても,親しまれた語とは認められないものであるから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると,本願商標は,構成中の要部の一である「りらく」の文字部分(以下「本願商標文字部分」という。)に相応した「リラク」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は「りらくシート」の文字を横書きしてなるところ,引用商標1の構成中「シート」の文字は,引用商標1の指定商品中の「ゼリー状の化学物質を塗布したシート状の患部用保温保冷具,ゼリー状の化学物質を充てんしたシート状の患部用保温保冷具」(以下,これらをまとめて「引用シート状商品」ということがある。)との関係では,商品の形状を表示したものと認識されるというのが相当であるから,自他商品の識別標識としての機能を有しないか,又は極めて弱い語というべきものである。
よって「りらく」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから,当該文字部分を要部として抽出し,この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるということができる。
そして,当該「りらく」の文字は,上記(1)と同様に一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると,引用商標1は,これをその指定商品中「引用シート状商品」に使用するときは,要部である「りらく」の文字に相応した「リラク」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2は「りらく」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,上記(1)と同様に一種の造語として理解されるとみるのが相当であるから,引用商標2は「リラク」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標3は,別掲2のとおり「RI・RA・KU」の欧文字及び符号と「リラク」の片仮名を上下2段に表してなるところ,下段の「リラク」の片仮名は上段の欧文字及び符号の読みを表したものであると認められる。
また,上段の「RI・RA・KU」の欧文字及び下段の「リラク」の片仮名は,上記(1)と同様に一種の造語として理解されるとみるのが相当であるから,引用商標3は「リラク」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との比較
ア 本願商標と引用商標1及び2との類否について
本願商標と引用商標1及び2の類否について検討するに,本願商標文字部分と引用商標1を「引用シート状商品」に使用したときの引用商標1の要部及び引用商標2とは,外観において,共に「りらく」の平仮名よりなるものであるから,色彩の差異を考慮しても両者は酷似するものであり,また「リラク」の称呼を同じくするものである。
そして,観念においては,両者は比較することができない。
そうすると,本願商標文字部分と引用商標1の要部及び引用商標2とは,観念において比較できないとしても,外観において酷似し,称呼を同じくするものであるから,これらを総合して考察すれば,両者は,互いに類似するものであり,本願商標と引用商標1及び2とは類似の商標といわざるを得ない。
イ 本願商標と引用商標3との類否について
本願商標と引用商標3の類否について検討するに,本願商標文字部分が,外観において,「りらく」の平仮名であるのに対し,引用商標3は「RI・RA・KU」の欧文字及び符号と「リラク」の片仮名を2段に表したものであって,文字種を異にするものであるが,本願商標文字部分と引用商標3は共に態様上の特徴が認められない普通に用いられる方法で表されていることに加え,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり,デザイン化したりすることが一般的に行われている。
また,引用商標3の上段の「・」(黒丸)は,「文字の傍または語の間などに用いる記号の一つ。(広辞苑第六版 株式会社岩波書店)」であって,引用商標3に接する取引者・需要者には,それ以上の格別の観念を生じるものではないから,「・」(黒丸)自体が外観上の特徴を有する符号であるとは認められない。
そうすると,本願商標文字部分と引用商標3における文字種の相違及び符号の有無が,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
次に,称呼及び観念についてみると,両者は「リラク」の称呼を同じくし,観念については比較することができない。
したがって,本願商標文字部分と引用商標3とは,観念において比較できないとしても,外観における差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず,称呼を同じくするものであるから,取引者・需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両者は互いに相紛れるおそれのある類似のものというべきであるから,本件商標と引用商標3とは類似の商標といわざるを得ない。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品中,第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器」は,引用商標1の指定商品中,第10類「ゼリー状の化学物質を塗布したシート状の患部用保温保冷具,ゼリー状の化学物質を充てんしたシート状の患部用保温保冷具」(引用シート状商品)と類似の商品と認められる。
また,本願商標の指定商品中,第10類「医療用機械器具」は,引用商標2の指定商品中,第12類「電動式車いす,その他の車いす並びにその部品及び付属品,老人用の歩行補助車,その他の歩行補助車」と類似の商品と認められる。
さらに,本願商標の指定商品中,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,家具,揺りかご,幼児用歩行器」は,引用商標3の指定商品中,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,座椅子,ソファー,その他の家具,揺りかご,幼児用歩行器」,第24類「かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,シーツ,ベッド用敷きパッド,ブランケット,膝掛け」及び第28類「プレイテント,おもちゃ,人形」と同一又は類似の商品と認められる。
(5)小括
以上によれば,本願商標は,引用商標と互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は,「リラク」の文字は「リラクゼーション」の略語として広く一般に親しまれているものであって(甲5?甲11),「リラクゼーションサロン」には,例えば,酸素カプセル等の機械や設備を使う施設もあるところ(甲12),本願商標は,「医療用機械器具」も指定商品に含むものであるから(甲13),「リラク」を平仮名表記した「りらく」の文字部分からは,その指定商品の用途,品質,効能を認識し,あるいは想起させるものであって,自他商品の識別力がないか,あるいは非常に弱いものである旨主張する。
しかしながら,「リラク」の文字が「リラクゼーション」の略語として使用されている場合があるとしても,「りらく」の文字が,本願商標の指定商品中,引用商標の指定商品と類似する全ての商品において用途,品質,効能等を直ちに表したものであることを証する証拠の提出はない。
そして,上記(1)のとおり「りらく」の文字は,一種の造語として理解されるとみるのが相当であって,自他商品の識別標識として機能を果たすものと認められる。
イ 請求人は,他の審決例を挙げて,本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張する。
しかしながら,商標の類否の判断は,対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ,上記審決例は,商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり,本願商標と引用商標については,上記(3)においてした判断のとおりであるから,上記審決例をもってその判断が左右されることはない。
ウ よって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標 色彩は原本参照)


別掲2(引用商標3)


審理終結日 2019-12-24 
結審通知日 2020-01-06 
審決日 2020-01-28 
出願番号 商願2017-154861(T2017-154861) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W1020)
T 1 8・ 262- Z (W1020)
T 1 8・ 263- Z (W1020)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤澤 聡美 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 大森 友子
浜岸 愛
商標の称呼 リラク 
代理人 橋本 良樹 
代理人 幡 茂良 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 小出 俊實 

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