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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W3742 審判 全部申立て 登録を維持 W3742 審判 全部申立て 登録を維持 W3742 審判 全部申立て 登録を維持 W3742 |
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管理番号 | 1360702 |
異議申立番号 | 異議2018-900128 |
総通号数 | 244 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-04-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-05-25 |
確定日 | 2020-03-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6024036号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6024036号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6024036号商標(以下「本件商標」という。)は,「転倒予防ナビ」の文字を標準文字で表してなり,平成29年3月29日に登録出願,第37類「建設工事,リフォーム工事,リフォーム工事に関する情報の提供,リフォーム工事の媒介又は取次ぎ,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,医療用機械器具の修理又は保守,家具の修理,家具の保守,医療用機械器具の殺菌・滅菌」,第42類「建築物の設計,建築物のリフォーム設計,建築物のリフォーム設計に関するコンサルティング,建築物のリフォーム設計に関する情報の提供,デザインの考案(広告に関するものを除く。)」,第35類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として,同30年1月26日に登録査定,同年3月2日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5203893号商標(以下「引用商標」という。)は,「転倒防止ナビ」の文字を標準文字で表してなり,平成20年4月8日に登録出願,第37類「建設工事,機械器具設置工事,耐震補強工事及び耐震建築工事,機械等の騒音・振動防止工事,建設工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,電子応用機械器具の修理又は保守,騒音・振動計の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,土木機械器具の貸与」及び第42類「建築物の設計,測量,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築物の耐震性に関する調査・試験又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として,同21年2月13日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標は,それらの観念において共通若しくは酷似するものであって,それらの称呼並びに外観についても共通する点が認められるため,両商標が与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に観察すれば,本件商標は,引用商標との間で出所混同のおそれがある類似商標である。 また,指定役務も第37類及び第42類について互いに抵触する。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用商標は,相互に関連性を有する商標であるから,本件商標権利者の事業と競合する第37類及び第42類の指定役務(以下「申立対象役務」という。)に使用された場合,双方の出所について広義又は狭義の混同を生ずるおそれがある。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は,「転倒予防ナビ」の文字からなるところ,その構成は,同一の書体,同一の大きさ,等しい間隔で表されているから,外観上,まとまりよく一体的に看取,把握されるというのが相当であり,これから生じる「テントウヨボウナビ」の称呼も,格別冗長でなく,よどみなく一連に称呼できるものである。 また,その構成文字中,「転倒」の文字が「ひっくりかえること」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店。以下同じ。),「予防」の文字が「悪い事態がおこらないように前もってそれをふせぐこと」,及び「ナビ」の文字が「ナビゲーター・ナビゲーションの略」の意味を有する語としてそれぞれ辞書に掲載されているとしても,その構成全体をもって,特定の観念を生じるものといえず,むしろ,一体不可分の造語を表したものと認識されるというのが相当である。 そうすると,本件商標からは,「テントウヨボウナビ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は,「転倒防止ナビ」の文字からなるところ,その構成は,同一の書体,同一の大きさ,等しい間隔で表されているから,外観上,まとまりよく一体的に看取,把握されるというのが相当であり,これから生じる「テントウボウシナビ」の称呼も,格別冗長でなく,よどみなく一連に称呼できるものである。 また,その構成文字中,「転倒」の文字が「ひっくりかえること」,「防止」の文字が「ふせぎとめること」,及び「ナビ」の文字が「ナビゲーター・ナビゲーションの略」の意味を有する語としてそれぞれ辞書に掲載されているとしても,その構成全体をもって,特定の観念を生じるものといえず,むしろ,一体不可分の造語を表したものと認識されるというのが相当である。 そうすると,本件商標からは,「テントウボウシナビ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標との類否について検討するに,本件商標は,「転倒予防ナビ」の文字からなり,引用商標は,「転倒防止ナビ」の文字からなるところ,外観については,第3文字目及び第4文字目において「予防」の文字と「防止」の文字の差異を有するものであり,その相違する「予防」の文字と「防止」の文字は,いずれも小学校程度で習う一般に親しまれている語であるから,当該漢字2字の差異が,全体に及ぼす影響は決して小さくないものとはいえない。 そうすると,その構成中の前半の「転倒」及び後半の「ナビ」の文字部分において共通するものであるとしても,需要者がたやすく見間違えるものとはいい難く,外観上,判然と区別し得るものというのが相当である。 次に,称呼については,本件商標から生じる「テントウヨボウナビ」の称呼と引用商標から生じる「テントウボウシナビ」の称呼とは,第5音目から第7音目において「ヨボウ」と「ボウシ」の差異を有するものである。 そして,相違する「ヨボウ」と「ボウシ」の音は,それ自体,明瞭に発音され,聴取される音であることから,この差異が両称呼全体に及ぼす影響は小さくなく,両者をそれぞれ一連に称呼したときは,音調,音感が異なるものとなり,明瞭に聴別し得るものである。 また,観念については,本件商標と引用商標とは,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することはできない。 以上のことから,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において明らかに異なるものであるから,これらを総合して判断すれば,両者は,非類似の商標というのが相当である。 (4)小括 以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似するものとは認められないものであるから,その指定役務が引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するというためには,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,引用商標が他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていることが要件の一つと解されるものであるところ,申立人はその点について何ら主張しておらず,証拠の提出もない。 また,当審において職権をもって調査するも,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,引用商標の商標権者の業務に係る役務を表示するものとして,取引者,需要者の間に広く認識されるに至っていると認めるに足る事実を見いだし得なかった。 そうすると,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標の権利者の業務に係る役務を表示するものとして,取引者,需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。 (2)出所の混同のおそれについて 本件商標と引用商標とは,上記1のとおり,非類似の商標であって,かつ,上記(1)のとおり,取引者,需要者の間に広く認識されていると認めることができないものであり,他に両者を関連づけてみるべき理由もないことから,本件商標がその申立対象役務に使用された場合,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想,想起し,該役務が引用商標の商標権者又は同人と経済的,組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その出所について,混同を生ずるおそれがあるとはいえないものである。 なお,申立人は,本件商標と引用商標とが類似の商標であることを前提に,役務の出所について混同を生ずるおそれがあると主張するが,申立人の主張は,その前提を欠くものである。 (3)小括 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 結び 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものではなく,その登録は,同条第1項の規定に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2020-02-28 |
出願番号 | 商願2017-42166(T2017-42166) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W3742)
T 1 651・ 263- Y (W3742) T 1 651・ 262- Y (W3742) T 1 651・ 261- Y (W3742) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 白鳥 幹周 |
特許庁審判長 |
半田 正人 |
特許庁審判官 |
小松 里美 小俣 克巳 |
登録日 | 2018-03-02 |
登録番号 | 商標登録第6024036号(T6024036) |
権利者 | マツ六株式会社 |
商標の称呼 | テントーヨボーナビ、テントーヨボー、ナビ |
代理人 | 特許業務法人あーく特許事務所 |