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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W01
管理番号 1360677 
審判番号 取消2017-300873 
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-12-04 
確定日 2020-03-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第5525562号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5525562号商標の指定商品及び指定役務中、第1類「化学品,自動車用コーティング剤」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5525562号商標(以下「本件商標」という。)は、「Ultimate」の文字と「アルティメイト」の文字とを上下二段に書してなり、平成24年4月13日に登録出願、第1類「化学品,自動車用コーティング剤」及び第37類「自動車の修理又は整備」を指定商品及び指定役務として、同年9月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成29年12月19日にされたものであるから、商標法第50条第2項にいう「その審判の請求の登録前三年以内」とは、同26年12月19日ないし同29年12月18日(以下「要証期間」という場合がある。)である。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由を審判請求書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 本件商標の商標権者は、その経営に係るプロショップ「カービューティーマックス」のウェブページ(甲3)の内容によれば、自動車の修理又は整備に属するサービスと認められる自動車表面へのガラスコーティング、板金、塗装、ガラス交換等の業務を行っている一方、当該プロショップを経営する株式会社エムエーエックス(以下「エムエーエックス」という場合がある。)を含め、自動車用コーティング剤の製造や販売をしている様子は全くない。
また、エムエーエックスの商業法人登記情報(甲4)によれば、その目的には、物販として「2.自動車及び自動車部品・自動車用品の販売及びこれに関するアフターサービス」が明記されているものの、いまだ「化学品や自動車用コーティング剤の製造や販売」はなされていないものといわざるを得ない。
そして、「カービューティーマックス」において、オリジナルの自動車用コーティング剤を使ってコーティングサービスを行っているとしても、そのサービスとは別に、商品として製造、販売をしていない限り、顧客(自動車所有者)に対して商標「Ultimate」や「アルティメイト」を標榜して提供しているのはガラスコーティングサービスのみであって、自動車用コーティング剤を販売しているとはいえないのであり、この点については、本件商標の商標権者と同様に自動車用コーティングサービスを業としながら、併せて自動車用コーティング剤を販売しているショップのウェブページ(甲5)を提出する。
そうすると、本件商標の商標権者は、本件審判の請求に係る第1類「化学品,自動車用コーティング剤」の製造、販売には携わっていない。
なお、本件審判の請求に係る第1類「化学品,自動車用コーティング剤」について、本件商標の商標登録原簿に登録されている専用使用権者又は通常使用権者は存在しない(甲1)。
2 以上のとおり、本件商標は、要証期間に、商標権者等により、その指定商品及び指定役務中の第1類「化学品,自動車用コーティング剤」について使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める旨主張し、その理由を答弁書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1 被請求人は、本件審判の請求に対し、主位的には、商標法第50条第2項本文に基づき、商標権者又は通常使用権者が本件商標を使用していた事実を主張し、予備的には、同項ただし書に基づき、商標権者が本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを主張するものとする。
(1)主位的主張
ア エムエーエックスが通常使用権者であることについて
エムエーエックスの代表取締役は、平成29年10月30日時点でTであった(甲4)ところ、Tは、エムエーエックスに対し、本件商標権の使用を許諾していた(乙1)。
したがって、エムエーエックスは、本件商標権についての通常使用権者である。
イ エムエーエックスの使用に係る時期及び商標について
請求人が提出した甲第3号証に係るウェブページは、平成29年7月24日に紙出力したものと思料されるところ、被請求人は、乙第2号証として、同号証と同等の内容について、同月7日時点におけるインターネットアーカイブシステム上の記録を提出する。インターネットアーカイブシステム上では、システムの限界から全てが記録されていたわけではないが、甲第3号証の内容と同等の内容が乙第2号証にも現れていることから、甲第3号証が平成29年7月24日時点で存在していたものであることが証明される。
そして、甲第3号証において示されているとおり、エムエーエックスは、商標として、「Ultimate」の文字、「アルティメイト」の文字及び「アルティメイト(R)プロ」の文字(「(R)」は、○の中に「R」の文字を配した記号。以下同じ。)を使用しており、また、「PROGLASS COAT/Ultimate(R)/マックスだけの究極のコーティング『アルティメイト』」の文字を含むバナー画像を使用している。
よって、エムエーエックスは、少なくとも平成29年7月24日時点で、「Ultimate」の文字、「アルティメイト」の文字及び「アルティメイト(R)プロ」の文字を商標として使用していた。
ウ エムエーエックスが使用する商品について
(ア)甲第3号証(全5葉)には、以下の表示がある。
a 「アルティメイト(R)プロは、撥水・撥油機能を長期間持続させることが可能なコーティングです。また、汚れ難いボディを作るために考えられたコーティングです」(1葉目下欄)
b 「アルティメイト(R)プロはシリコーン骨格の中に撥水成分を導入しています。撥水成分が塗装表面で反応。局在化することで撥水・撥油効果を長期間持続させることが可能です。」(2葉目上欄第1段落)
c 「アルティメイト(R)プロの被膜はベースコートとトップコートの二層式コーティングです。」(2葉目中欄第1段落)
d 「アルティメイト(R)プロはエアガンによる吹きつけ施工と手塗り施工と両方に対応しています。」(2葉目下欄第1段落)
(イ)上記(ア)のとおり、甲第3号証において「アルティメイト(R)プロ」と表現されている箇所では、いずれも「アルティメイト(R)プロ」と称される材料の特性が説明されており、そこに記載されている表現より、「アルティメイト(R)プロ」という材料は、自動車用コーティング剤を指し示していることは明らかである。
また、甲第3号証においては、「アルティメイト(R)プロガラスコーティングを施工したお車は艶が断然違います。」(1葉目中欄)のように、施工方法について述べられている箇所があるが、それは、本件商標の指定役務である第37類「自動車の修理」について使用しているのであり、施工方法に係る表現が甲第3号証にあるからといって、エムエーエックスが、本件商標の指定商品である第1類「自動車用コーティング剤」について「Ultimate」の文字、「アルティメイト」の文字及び「アルティメイト(R)プロ」の文字を使用していないということにはならない。
よって、エムエーエックスは、上記「自動車用コーティング剤」について、「Ultimate」の文字、「アルティメイト」の文字及び「アルティメイト(R)プロ」の文字を使用している。
なお、本件商標の指定商品である第1類「化学品」は、「自動車用コーティング剤」の総括概念であるため、エムエーエックスは、当該「化学品」についても「Ultimate」の文字、「アルティメイト」の文字及び「アルティメイト(R)プロ」の文字を使用している。
エ 社会通念上の同一性について
エムエーエックスが使用する「Ultimate」の文字、「アルティメイト」の文字及び「アルティメイト(R)プロ」の文字について、「Ultimate」の文字は、「究極の、最終の」という意味を有する語として辞書に掲載されている単語であり、「アルティメイト」とのみ称呼されるものである。
よって、「Ultimate」の文字、「アルティメイト」の文字及び「アルティメイト(R)プロ」の文字は、本件商標と社会通念上同一の商標である。
オ 小括
上記アないしエによれば、要証期間である平成29年7月24日時点で、通常使用権者であるエムエーエックスは、本件商標と社会通念上同一の商標をその指定商品である第1類「化学品,自動車用コーティング剤」について使用していたものである。
(2)予備的主張
上記(1)において述べたエムエーエックスによる使用が本件商標の使用と認められなかった場合、被請求人は、本件商標を使用していないことに正当な理由があることを予備的に立証する。
すなわち、乙第3号証によれば、Tは、平成29年11月11日に死亡していることから、その日から本件審判の請求の予告登録日までの間、Tにより本件商標を使用することは不可能であり、また、その間、相続人又は相続財産管理人も決まっていなかった(請求人が提出した平成30年6月12日付け手続補正書に添付の官報参照)。
また、Tは、上記(1)に係る乙第1号証に示されているように、本件商標をその指定商品である「化学品,自動車用コーティング剤」に使用したいと考えており、平成29年11月11日から本件審判の請求の予告登録日までの間にその使用をすることができたわけであるが、突然の死亡により、その使用の道が断たれたわけである。
よって、要証期間に本件商標を使用することができなかったことにつき、正当な理由が存在することになるから、本件商標は、取り消すことができない。
(3)まとめ
上記(1)及び(2)によれば、本件審判の請求には理由がないから、本件商標は,取り消されるべきものではない。
なお、審判長が令和元年8月21日付けでした審尋(被請求人提出の乙各号証に関する合議体の暫定的な見解を示したもの)に対し、被請求人は、回答書を提出しない。

第3 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人提出の乙各号証並びに同人の主張において言及されている甲各号証を併せみるに、本件商標の使用については、以下のとおりである。
(1)本件商標の設定登録時における商標権者Tは、少なくとも平成19年3月12日から同29年10月30日までの間、大阪府豊中市に所在するエムエーエックスの代表取締役を務めていた(甲4)ところ、エムエーエックスでは、同29年7月に、インターネット上に自己の業務に係るウェブサイトを設けていたことがうかがえる(甲3)。
そして、上記ウェブサイトにおいて、冒頭部には、「大阪にある車のガラスコーティング・ボディーコーティング・カーフィルム施工のプロショップ『カービューティーマックス』」や「Car Beauty/MAX/カービューティーマックス」の表示があるほか、「Coating Menu」として、「アルティメイトプロガラスコーティング」、「クオーツガラスコーティング」等の表示、「Other Menus」として、「カーフィルム」、「セキュリティカーフィルム」等の表示があり、末尾には、事業者名としてのエムエーエックスの名称及び住所等の表示並びに施工に関する問合せ先としての電話番号やメールアドレスのほか、「大阪、北大阪、神戸、京都のあらゆる車のガラスコーティングを施工。究極のコーティングを追求しています。」の表示がある。
また、上記「アルティメイトプロガラスコーティング」については、「Ultimate Pro Glass Coat アルティメイトプロガラスコート」や「PROGLASS COAT/Ultimate(R)/マックスだけの究極のコーティング『アルティメイト』」の大見出しの下、例えば、「マックスだけが取り扱う、究極のコーティングです。」の小見出しに続けて、「アルティメイト(R)プロ・ガラスコートはカービューティーマックスだけが取り扱う、最高峰のガラスコーティングです。」の表示、「アルティメイトプロ・ガラスコーティングは『撥水耐久性』に優れたガラスコーティング。」の小見出しに続けて、「アルティメイト(R)プロは、撥水・撥油機能を長期間持続させることが可能なコーティングです。」の表示、「アルティメイト(R)プロは2層式のコーティング」の小見出しに続けて、「アルティメイト(R)プロの皮膜はベースコートとトップコートの二層式コーティングです。」の表示がある。
そうすると、上記ウェブサイトによっては、エムエーエックスは、自らが施工するいわゆる自動車のボディコーティングに関して「Ultimate」又は「アルティメイト」の文字からなる標章を使用しているとはいえるものの、本件審判の請求に係る指定商品である第1類「化学品,自動車用コーティング剤」について当該標章を使用しているとは認められず、その他、被請求人の主張及び同人提出の乙各号証を総合してみても、本件商標権者又は本件商標に係る通常使用権者等により、要証期間に、当該「化学品,自動車用コーティング剤」について、本件商標(社会通念上同一の商標と認められるものを含む。)が使用されたと認めるに足る事実は見いだせない。
なお、被請求人は、上記ウェブサイト(甲3)において、「アルティメイト(R)プロ」と表現されている箇所においては、いずれも「アルティメイト(R)プロ」と称される材料の特性が説明されており、その表現からすれば、「アルティメイト(R)プロ」という材料が自動車用コーティング剤を指し示していることは明らかである旨主張するが、その主張に係る箇所の表示(記述)に照らしても、「アルティメイト(R)プロ」の文字からなる表示が「自動車用コーティング剤」という商品を指し示すものとして用いられているとは認め難い。
(2)被請求人は、要証期間に、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品について使用していないことにつき、商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」がある旨主張するところ、当該「正当な理由」とは、地震、水害等の不可抗力によって生じた事由、放火、破壊等の第三者の故意又は過失によって生じた事由、法令による禁止等の公権力の発動に係る事由その他の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者(以下「商標権者等」という場合がある。)のいずれの責めに帰すことができない事由(以下「不可抗力等の事由」という場合がある。)が発生したために、商標権者等において、登録商標をその指定商品について使用することができなかった場合をいうものと解される(知的財産高等裁判所、平成19年11月29日、平成19年(行ケ)第10227号判決)。
そこで、この点に係る被請求人の主張及び同人提出の乙第3号証についてみるに、その内容によれば、本件商標の設定登録時における商標権者Tが、平成29年11月11日に死亡したことは認められるものの、そのことのみをもって、要証期間に、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品について使用していないことにつき、商標権者等において不可抗力等の事由が発生したとは到底いえず、その他、そのような事由が発生したと認めるに足る事実を裏付ける証拠は、一切提出されていない。
そうすると、被請求人は、本件審判の請求について、商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」があることを明らかにしていない。
(3)小括
上記(1)によれば、商標権者等は、要証期間に、本件審判の請求に係る第1類「化学品,自動車用コーティング剤」について、本件商標(社会通念上同一の商標と認められるものを含む。)の使用をしていたと認めることはできない。
また、上記(2)によれば、本件審判の請求において、商標権者等が、要証期間に、その請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一の商標と認められるものを含む。)を使用していないことについて正当な理由があると認めることはできない。
2 まとめ
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品についての本件商標の使用をしていることを証明していない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第1類「化学品,自動車用コーティング剤」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

審理終結日 2019-12-27 
結審通知日 2020-01-07 
審決日 2020-01-21 
出願番号 商願2012-29468(T2012-29468) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (W01)
最終処分 成立 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 小松 里美
田中 敬規
登録日 2012-09-28 
登録番号 商標登録第5525562号(T5525562) 
商標の称呼 アルティメイト、アルティメット、アルティメート 
代理人 特許業務法人銀座マロニエ特許事務所 
代理人 ▲高▼山 嘉成 
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