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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W44
審判 全部申立て  登録を維持 W44
管理番号 1359804 
異議申立番号 異議2019-900059 
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-02-15 
確定日 2020-02-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6102722号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6102722号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6102722号商標(以下「本件商標」という。)は、「バストグロウ」の片仮名と「BUST GROW」の欧文字を二段に書してなり、平成30年3月13日に登録出願、第44類「美容整形外科医業及びこれに関する情報の提供」を指定役務として、同年11月13日に登録査定され、同月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「バストグロウ」の片仮名からなり、同人が女性の乳房を増大させる美容医療の方法として使用し、周知されていると主張するものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第10号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標において、片仮名「バスト」部分は、身体の「胸」又は「乳房」であることを意味し、「グロウ」部分は、「育つ」又は「成長」の意味であると理解するのが自然であり、「バストグロウ」とは「胸が育つ」、「乳房が成長する」と理解することが自然である。英語部分については、上記日本語の元になる英語、若しくは英訳を表記したにすぎない。また、「バストグロウ」及び「Bust Grow」の書体及び配列は、通常の工夫の範囲を超えるものとはいえず、記述的商標である(甲1)。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、商標権者による出願がなされる以前より、申立人が、主に女性の乳房を増大させる美容医療(美容整形)の方法として、長年使用し、ホームページ、誌面、インターネットのウェブ広告等により周知がなされ、現在も使用中のものである(甲2?甲13)。
なお、申立人としては、一般的な表現の域を出ないものと解し、商標登録出願を行っていない。

4 当審の判断
(1)申立人提出の証拠について
申立人提出の証拠によれば、申立人は、名古屋市及び東京都渋谷区において、「南クリニック 名古屋院」及び「南クリニック 渋谷院」(以下、両院を合わせて「南クリニック」という。)を開業していること、南クリニックにおいては遅くとも2015年(平成27年)頃から、乳房を大きくする施術を「バストグロウ」「バストグロウW」「バストグロウF」などと称していることがうかがえる(甲2?甲13)。
しかしながら、申立人(南クリニックを含む。以下同じ。)以外の者が、本件商標の指定役務に係る業務について、「バストグロウ」又は「BUST GROW」の文字を用いていると認め得る証左は見いだせない。
また、南クリニックにおける上記「バストグロウ」等と称する施術(以下「申立人役務」という。)について、ブログやメールなどで紹介、相談等があることは認められるものの、申立人役務に係る来院者数はもとより、南クリニック(全体)への来院者数など役務の提供実績を示す主張はなく、その証左も見いだせない。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「バストグロウ」及び「BUST GROW」の文字からなるものである。
そして、上記(1)のとおり、申立人提出の証拠によっては、申立人以外の者が、本件商標の指定役務に係る業務について「バストグロウ」又は「BUST GROW」の文字を用いていると認め得る証左は見いだせず、また、当該文字が、乳房を大きくする施術を表すものとして、本件商標の指定役務を取り扱う業界において、一般に使用されていると認め得る証左、及び取引者、需要者が認識するというべき事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字「バストグロウ」及び「BUST GROW」から「胸が育つ」、「乳房が成長する」程の意味合いを想起させる場合があるとしても、その指定役務について使用するときは、当該役務の具体的な質などを表示するものでなく、自他役務識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)のとおり、申立人は、遅くとも2015年(平成27年)頃から、乳房を大きくする施術を「バストグロウ」「バストグロウW」「バストグロウF」などと称していることがうかがえ、申立人役務について、ブログやメールなどで紹介、相談等があることは認められるものの、申立人役務に係る来院者数、及び南クリニックへの来院者数など役務の提供実績を示す主張はなく、その証左も見いだせない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
したがって、本件商標と引用商標が同一又は類似の商標であり、本件商標の指定役務と引用商標が使用される役務が同一又は類似のものであるとしても、引用商標は、需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第10号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同法第3条及び第4条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
異議決定日 2020-01-31 
出願番号 商願2018-29590(T2018-29590) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W44)
T 1 651・ 13- Y (W44)
最終処分 維持  
前審関与審査官 根岸 克弘 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
登録日 2018-11-30 
登録番号 商標登録第6102722号(T6102722) 
権利者 山川 謙輔
商標の称呼 バストグロウ、バストグロー、バスト、グロー 

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