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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W44 |
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管理番号 | 1359700 |
審判番号 | 不服2019-7532 |
総通号数 | 243 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-06-06 |
確定日 | 2020-02-25 |
事件の表示 | 商願2018-153033拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「姿勢堂」の文字を標準文字で表してなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成30年12月13日に登録出願され、その後、指定役務については、審判請求と同時に提出された令和元年6月6日付け手続補正書により、第44類「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,整体,整骨,産後骨盤矯正」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『姿勢堂』の文字を標準文字で表してなるところ、これは株式会社資生堂(東京都中央区銀座7-5-5所在)が、本願商標の登録出願日以前から現在に至るまで、商品『化粧品』などに使用して著名な商標である『資生堂』、『SHISEIDO』と類似するものというのが相当である。そして、上記企業が、そのグループ会社・関連会社も含め、様々な分野において事業を展開していることを踏まえて考えれば、本願商標を、上記企業と何ら関係のない出願人が、その指定役務に使用する場合には、それがあたかも上記企業又は上記企業と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものといえる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)「資生堂」及び「SHISEIDO」の文字の著名性について 原査定の引用する、東京都中央区銀座7-5-5所在の「株式会社資生堂」が、商品「化粧品」等に使用する「資生堂」及び「SHISEIDO」の文字からなる商標(以下、これらをあわせて「引用商標」という場合がある。)は、「化粧品」を取り扱う分野において、本願の登録出願前から、現在に至るまで、我が国の需要者に広く認識されていることは、顕著な事実である。 (2)本願商標と引用商標との類似性の程度について 本願商標は、「姿勢堂」の文字からなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさをもって等間隔に表されており、外観上まとまりよく一体のものとして把握し得るものである。 そして、本願商標の構成中の「姿勢」の文字は、「からだの構え」等の意味を、「堂」の文字は、「商店の屋号または人の雅号などに添えていう語」等の意味を有する語(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第6版」)であるとしても、「姿勢堂」の構成文字全体としては辞書等に載録がなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。 そうすると、本願商標は、構成文字に相応して「シセイドー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 他方、引用商標は、「株式会社資生堂」が、商品「化粧品」等に使用する「資生堂」及び「SHISEIDO」の文字からなるところ、これよりは、「シセイドー」の称呼を生じ、「化粧品」を取り扱う分野において著名なものと認められることから、「(化粧品のブランドとしての)資生堂(SHISEIDO)」の観念を生じるものである。 そこで、本願商標と引用商標を比較すると、両者は、称呼においては、「シセイドー」の称呼を共通にするものであり、外観においては、その構成文字が相違し、外観上明確に区別できるものであって、観念においては、本願商標が特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、「(化粧品のブランドとしての)資生堂(SHISEIDO)」の観念を生じることから、相紛れるおそれはないものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼を共通にするとしても、外観及び観念において、相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して考察すれば、両者は、非類似の商標というのが相当である。 そうすると、本願商標と引用商標とは、その類似性の程度は低いものといえる。 (3)本願の指定役務と引用商標の使用に係る商品の関連性の程度、取引者及び需要者の共通性等について 本願の指定役務は、上記1のとおり、第44類「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,整体,整骨,産後骨盤矯正」であるのに対し、引用商標の使用に係る商品は「化粧品」であり、これらの役務の提供と商品の販売が同一の事業者によって一般的に行われているとはいい難く、役務の提供場所と商品の販売場所も相違するといえるものであることからすれば、取引者、需要者が必ずしも一致するとはいえないものである。 さらに、当審における職権調査によれば、「株式会社資生堂」が、グループ会社等を通じて、化粧品事業のほか、レストラン事業、小売事業、教育事業、保育事業などの事業を展開していることがうかがえるとしても、上記会社が、本願の指定役務の分野に進出する蓋然性、可能性は見いだせなかった。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性について 上記(1)ないし(3)のとおり、引用商標が、「化粧品」を取り扱う分野において、「株式会社資生堂」の業務に係る商品を表すものとして、取引者、需要者間に広く知られているとしても、本願商標と引用商標の類似性の程度は低いものであり、本願の指定役務と引用商標の使用に係る商品は、役務の提供場所と商品の販売場所が相違するものであって、役務の提供と商品の販売が同一の事業者によって行われているとはいい難く、取引者、需要者の範囲も一致するとはいえないものであり、かつ、上記会社が、本願の指定役務の分野に進出する蓋然性、可能性も見いだせない。 そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起することはなく、その役務が「株式会社資生堂」又は同社と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (5)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2020-02-12 |
出願番号 | 商願2018-153033(T2018-153033) |
審決分類 |
T
1
8・
271-
WY
(W44)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 白鳥 幹周 |
特許庁審判長 |
冨澤 美加 |
特許庁審判官 |
木住野 勝也 小田 昌子 |
商標の称呼 | シセードー、シセー |
代理人 | 河野 元 |