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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W33 審判 全部申立て 登録を維持 W33 審判 全部申立て 登録を維持 W33 |
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管理番号 | 1358863 |
異議申立番号 | 異議2019-900159 |
総通号数 | 242 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-02-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-05-23 |
確定日 | 2019-12-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6130625号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6130625号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6130625号商標(以下「本件商標」という。)は、「伝統辛口」の文字を横書きした構成からなり、平成30年2月26日に登録出願され、第33類「清酒,合成清酒,焼酎,泡盛,白酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同31年2月27日に登録査定、同年3月15日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第5814340商標(以下「引用商標」という。)は、「伝統」の文字を標準文字により表してなり、平成27年5月8日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年12月18日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由(要旨) 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)を提出した。 本件商標は、「伝統」と「辛口」の二語を結合してなるところ、「辛口」の文字は、酒の味覚、品質の表示として普通に使用されており、主たる銘柄に付加して表示することが広く行われている実情がある。 そうとすれば、本件商標は、「伝統」の文字部分が商標の要部として強く支配的な印象を与えるものであり、取引者、需要者は「伝統」の部分に着目して「『伝統』ブランドの辛ロタイプの商品」であるかのごとく認識して取引に当たる場合も少なくないといえる。 したがって、本件商標は、商標の要部である「伝統」の文字部分から、「デントウ(伝統)」の称呼及び観念を生じる。 他方、引用商標は、「伝統」の文字よりなるから、「デントウ(伝統)」の称呼及び観念を生じる。 してみれば、両商標は、称呼及び観念を共通にし、かつ「伝統」の構成文字も共通にする類似の商標であり、その指定商品も互いに抵触する。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 1 本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「伝統辛口」の文字からなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔により表してなるものであり、「伝統」の文字又は「辛口」の文字部分のいずれかが看者の注意をひくような事情は存在せず、外観上まとまりよく一体的に看取させるものであって、その構成全体から生じる「デントウカラクチ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 また、本件商標は、「伝統」の文字部分と「辛口」の文字部分がいずれも辞書に掲載され広く知られている一般的な語であり、構成文字全体として、「伝統のある辛口」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものである。その他に本件商標において、「伝統」の文字部分だけが、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。 以上からすれば、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものというべきである。 したがって、本件商標は、その構成文字全体から「デントーカラクチ」の称呼のみを生じ、「伝統ある辛口」ほどの観念を生じるものと判断するのが相当である。 2 引用商標について 引用商標は、前記第2のとおり、「伝統」の文字からなり、該文字に相応して「デントウ」の称呼を生じ、「伝統」の観念を生じるものである。 3 本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、「辛口」の文字の有無に差異を有するから、外観上十分に区別することができるものである。そして、称呼においては、本件商標から生じる「デントーカラクチ」の称呼と引用商標から生じる「デントー」の称呼とは、「カラクチ」の音の有無に差異を有するから、称呼上十分に聴別することができるものである。また、観念においては、本件商標は「伝統のある辛口」ほどの観念を生じるものであり、引用商標は「伝統」であるから、両商標は、観念上も相紛れるおそれはない。 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似するものではないから、両者を同一又は類似の商品について使用しても商品の出所について混同を生じさせるおそれのない非類似の商標というべきである。 他に本件商標と引用商標とが類似するとすべき事情は見いだせない。 4 商標法第4条第1項第11号該当性について 上記3のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 5 申立人の主張について 申立人は、「辛口」の文字は、指定商品との関係において、品質表示にすぎず、自他商品識別力を有しないものであり、また、これまでの審査例をみても、識別力を有する語のみからなる登録商標と、それに「辛口」の文字を結合した商標の出願とが類似すると判断されている旨主張する。 しかしながら、本件商標が一体不可分のものと認識されることは上記1のとおりであり、また、申立人の挙げた事例は、いずれも商標の構成態様において、本件とは異なるものであるから、事案を異にするばかりか、商標の類否判断は、対比される商標ごとに、個別具体的に判断されるものであるから、過去の審査例によって上記判断が左右されるものではない。 したがって、申立人の主張は、採用することができない。 6 まとめ 上記のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2019-12-17 |
出願番号 | 商願2018-22951(T2018-22951) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W33)
T 1 651・ 263- Y (W33) T 1 651・ 262- Y (W33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉野 晃弘 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
金子 尚人 中束 としえ |
登録日 | 2019-03-15 |
登録番号 | 商標登録第6130625号(T6130625) |
権利者 | 麒麟山酒造株式会社 |
商標の称呼 | デントーカラクチ、デントー |
代理人 | 特許業務法人みのり特許事務所 |