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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09
管理番号 1358822 
審判番号 取消2018-300323 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-02-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-05-22 
確定日 2020-01-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第4080262号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4080262号商標(以下「本件商標」という。)は,「LIPS」の欧文字を横書きしてなり,昭和62年5月22日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成9年11月7日に設定登録され,その後,同20年8月20日に指定商品を第7類「家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」,第8類「電気かみそり及び電気バリカン」,第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」,第10類「家庭用電気マッサージ器」,第11類「家庭用電熱用品類」及び第21類「電気式歯ブラシ」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,平成30年6月6日である。
また,本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成27年6月6日から同30年6月5日までの期間を,以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の指定商品中,第9類「電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取消す,審判費用は,被請求人の負担とする,との審決を求める。
本件商標は,その指定商品中,第9類「電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という。)について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお,請求人は,被請求人の答弁に対して,何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を答弁書において要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証(枝番を含む。)を提出した。
1 被請求人及び本件商標権の移転について
本件審判は,平成30年5月22日付にてドイツ法人「ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング」(以下「旧商標権者」という。)を被請求人として請求されたものであるが,その時点でキヤノン株式会社(以下「キャノン社」という。)は同社から商標権を譲り受けており,商標権移転登録申請中であった(乙1,乙2)。
なお,キャノン社は平成29年11月7日までは本件商標について「電気通信機械器具,電子応用機械器具」を内容とする専用使用権者であった(乙1,乙2)。つまり,被請求人であるキャノン社は平成29年11月7日までは本件商標の専用使用権者であり,同日以降は実質的な商標権者である。
2 本件商標について
商標権者は,本件商標をその指定商品中「ソフトウエア」,「プリンター機能・コピー機能・FAX機能搭載の複合機」及び「レーザービームプリンター」等について,要証期間に日本国内において使用している。
(1)「ソフトウエア」及び被請求人独自の印刷技術の名称としての商標的使用について
ア 「レーザビームプリンタ Satera」シリーズのカタログ中,「LIPS(5)ソフトウエアガイド」(以下「(5)」は,ローマ数字を表す。以下(2)ないし(4)も同じ。)の表紙である(乙3)。
イ 被請求人のホームページ中,「Q&A検索」のサイトページのうち「【オフィス向け複合機】LIPS(5)について」「【オフィス向け複合機】LIPS LXについて」と題されたQ&Aのページの中において,「LIPS(5)について」,「過去の豊富なLIPS対応ソフトウエア資産を生かしたプリント環境を実現します。」等の記載の下,ソフトウエアの変遷を図示したイラスト中に「LIPS(2)+」,「LIPS(3)」,「LIPS(4)」,「LIPS LX」及び「LIPS(5)」の文字が独立して目立つように大きく表示されている。また,ページ右上には「更新日2017年11月10日」の記載がある(乙4)。
また,「LIPS LXについて」,「安定した高速プリントを実現した『LIPS LX』」及び「トータルプリント処理タイムを短縮できる技術です。」等の記載の下,プリント処理過程を図示したイラストの上部に「LIPS LX」の文字が独立して大きく表示されている。また,ページ右上には「更新日 2017年11月10日」の記載がある(乙5)。
ウ 被請求人のホームページ中,ソフトウエアダウンロードページにおいて,「ソフトウエアダウンロードメニュー」,「LIPS LX プリンタードライバー(32bit)Ver.14.02」及び「更新日:2017年8月24日」の記載があり,ソフトウエア概要の欄には「本製品は,印刷するためのソフトウエアです。」の記載がある(乙6)。
また,「ソフトウエアダウンロードメニュー」,「LIPS4 プリンタードライバー(64bit)Ver.21.75」及び「更新日:2017年2月9日」との記載があり,ソフトウエア概要の欄には「本製品は,印刷するためのソフトウエアです。」の記載がある(乙7)。
エ 以上のことから,被請求人は「LIPS」を被請求人が製造販売するプリンターや複合機の「ドライバーソフトウエア」の商標として,また,被請求人独自の印刷技術の名称として継続的に使用していることが明らかであり,ソフトウエアの変遷により,語尾に「V」(ローマ数字の5)「LX」などの記号を付与した態様にて使用している(乙3?乙7)。
(2)「プリンター機能・コピー機能・FAX機能搭載の複合機」への商標的使用について
ア 被請求人のホームページ中,スモールオフィス向け複合機「MF417dw」の製品紹介サイトページ中に「LIPS LX標準装備。」との記載や,「おもな特長」として濃い青色の「LIPS」と薄い青色の「LX」を組み合わせた特徴的な字体によるロゴが目立つように独立して表示されている。また,「LIPS LX搭載」の文字を,独立して,太く,アンダーラインを引いて目立つように表示している(乙8)。
イ 上記複合機「MF417dw」の電子マニュアルトップページの末尾に作成・掲載月として「2018-04」と記載されている。ここから,上記複合機「MF417dw」は2018年4月の時点で製造販売されていることが確認できる(乙9)。
ウ 被請求人の複合機(プリンター機能・コピー機能・FAX機能搭載)の製品カタログにおいて,いずれも,トップページに「LIPS LX プリンター機能」の欄を設け,該当する製品に「○」が付けられている。
当該カタログの各最終頁には,カタログ中に記載された製品仕様がいつのものであるかを明確にするための年月(2018年2月現在)が記載されている(乙10?乙15)。
以上のことから明らかなように,被請求人が製造販売する複合機のうち,被請求人独自のプリント処理技術「LIPS」が搭載されている製品については,他の複合機等と識別可能となるように本件商標「LIPS」を使用しているものである(乙8?乙15)。
なお,本件商標使用に係る「プリンター機能・コピー機能・FAX機能搭載の複合機」が指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に該当する点については,同製品にはプリンター機能・コピー機能が搭載されていることから明らかである。
(3)「レーザービームプリンター」への商標的使用について
ア 被請求人が製造販売しているレーザービームプリンターの総合カタログにおいて「LIPSモデル」と題する青色の枠内に「大規模で複雑なネットワークの共有プリンターから,個人使用やSOHOまでの使用に適したモデル。」との記載がある(乙16)。
ここから,被請求人は被請求人独自のプリント処理技術「LIPS」が搭載されている製品については,「LIPSモデル」と名付けて他のプリンターと識別可能となるように本件商標「LIPS」を使用していることが明らかである。
また,「Specification」の欄では「主な仕様」の枠内にプリンターの写真とともに,青色に塗られた枠内に白抜きの文字にて「LIPS(5)」「LIPS LX」の文字が,独立して,目立つように表示されている。カタログの最終頁にはカタログ中に記載された製品仕様がいつのものであるかを明確にするための年月(2018年5月現在)が記載されている。
このことから,各カタログの複合機はいずれも要証期間内に製造販売されていることが立証される。
イ 被請求人のホームページ中,乙第16号証の総合カタログに掲載されているプリンターの一種である,「LBP843Ci」の製品概要についてのサイトページでは製品写真の下に四角い枠を並べ,その内側に製品の特長が容易に認識できるように簡潔に記載されている。ここに「LIPS(5)」の文字が,独立して,目立つように表示されている(乙17)。
ウ 以上のことから明らかなように,被請求人が製造販売するレーザービームプリンターのうち,被請求人独自のプリント処理技術「LIPS」が搭載されている製品については,他の複合機等と識別可能となるように本件商標「LIPS」を使用しているものである(乙16,乙17)。
(4)以上のとおり,本件商標は日本国内において,要証期間内に「ソフトウエア」,「プリンター機能・コピー機能・FAX機能搭載の複合機」及び「レーザービームプリンター」等について被請求人により実際に使用されているものである。そして,「ソフトウエア」,「プリンター機能・コピー機能・FAX機能搭載の複合機」及び「レーザービームプリンター」等はいずれも指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に該当する商品である。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る乙各号証及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件商標の商標原簿(乙1)の記載によれば,本件商標は平成30年4月26日に特定承継による本件の移転によりキャノン社に移転されたのであるから,キャノン社は,平成30年4月26日以降,本件商標の商標権者となったと認められる。
(2)キャノン社のウェブサイトの「Q&A検索メニュー」(乙5)(以下「本件Q&A」という。)には,「回答」の項に,「安定した高速プリントを実現した『LIPS LX』/・・・従来のPDLに比べ最大5倍とプリント処理がスピードアップしたLIPS LX。」の記載があり,下部に「この質問の対象商品(商品ごとの詳細は本文内を参照してください。)」の項に,「・・・iR-ADV C5560F・・・」の記載がある。
そして,本件Q&Aの更新日が2017年(平成29年)11月10日であり,印刷日が2018年(平成30年)8月8日と記載されていることに照らせば,本件Q&Aは,上記期間において,キャノン社のウェブサイトに継続して掲載されていたものと推認できる。
(3)キャノン社の製品カタログ(乙13)は,2018年(平成30年)2月に制作され,同社の8類の商品「プリンター,ファックス,スキャン等が可能な複合機」(以下「本件複合機」という。)に係る商品価格及び仕様の一覧表等詳細な仕様とともに本件複合機の商品画像が掲載されている。
そして,当該カタログの「機械本体価格」の項における表中,「名称」の欄には「iR-ADV C5560F(2)」(以下「(2)」は,ローマ数字を表す。)の記載があり,「LIPS LX/プリンター機能」の欄には「○」印が記載されている。
(4) 以上よりすると,キャノン社の製品カタログ(乙13)は平成30年2月に制作され,仕様の一覧表等の詳細な仕様とともに本件複合機の商品画像が掲載されていること,及び「機械本体価格」の項における表中に名称「iR-ADV C5560F(2)」が表示されていることからすると,本件複合機には,名称「iR-ADV C5560F(2)」とする商品(以下「使用商品」という。)が含まれ,遅くとも平成30年2月頃には,使用商品が製造され実存していたと推認できる。
また,当該カタログには,使用商品について,「LIPS LX/プリンター機能」の欄には「○」印が記載あることからすると,印刷機能としての「LIPS LX」を搭載した商品であると認められる。
さらに,本件Q&Aは,平成29年11月10日から同30年8月8日まで継続してキャノン社のウェブサイトに掲載されていたと認められ,その記載によると,印刷機能としての「LIPS LX」に関するものであり,そして,「LIPS LX」の対象商品として使用商品の名称(iR-ADV C5560F(2))が記載されていることからすると,少なくともこの期間に使用商品に搭載された「LIPS LX」に関する機能について紹介したものといえる。
2 上記1によれば,以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は上記第1のとおり,「LIPS」の文字からなるものである。
一方,本件Q&Aには,「回答」の項に「LIPS LX」の文字をカギ括弧で強調して表示されているから,これに接する需要者は,当該文字をキャノン社に係る商標(以下「使用商標」という。)として看取するものというのが相当である。
そして,使用商標は,欧文字2字の組合せが商品の品番,型番,型式,規格等を表した記号又は符号として一般的に使用されるものであることからすると,使用商標の構成中「LX」の文字部分が,商品の型式,規格等を表示したものと理解されというのが相当であるから,使用商標の構成中「LIPS」の文字部分が出所識別標識として需要者に認識されるものである。
そうすると,本件商標と使用商標の要部である「LIPS」の文字部分とは,同一の文字からなるものであるから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商品は,上記1のとおり,「プリンター,ファックス,スキャン等が可能な複合機」であり,ファックス,スキャン等も可能な商品「プリンター」であることから,取消請求商品の範ちゅうに含まれるものである。
(3)使用者について
キャノン社は,平成30年4月26日以降,本件商標の商標権者である。
(4)使用期間について
本件Q&Aは,上記1(4)のとおり,キャノン社のウェブサイトにおいて,使用商品の印刷機能を紹介するものであるから,これは,使用商品に係る広告であるといえる。
そうすると,キャノン社は,上記(3)のとおり,平成30年4月26日以降,本件商標の商標権者であることを踏まえると,同日から要証期間の満了日である同年6月5日まで,本件商標を表示した使用商品の広告をウェブサイトに掲載したといえる。
(5)小括
以上よりすると,本件商標の商標権者であるキャノン社は,要証期間内に,日本国内において取消請求商品の範ちゅうに属する使用商品に関する広告を内容とする情報に,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して電磁的方法により提供していたもの認められる。
そして,上記の使用行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して,これらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が取消請求商品について,社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定によりその指定商品中の取消請求商品について取り消すべき限りでない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2019-07-11 
結審通知日 2019-07-16 
審決日 2019-09-03 
出願番号 商願昭62-57495 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X09)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 榎本 政実
薩摩 純一
登録日 1997-11-07 
登録番号 商標登録第4080262号(T4080262) 
商標の称呼 リップス、エルアイピイエス 
代理人 保崎 明弘 
代理人 鈴木 亜美 
代理人 魯 佳瑛 
代理人 水野 勝文 
代理人 和田 光子 
代理人 村井 康司 
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