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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W05
審判 査定不服 観念類似 登録しない W05
審判 査定不服 外観類似 登録しない W05
管理番号 1358768 
審判番号 不服2019-5273 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-22 
確定日 2019-12-26 
事件の表示 商願2018-29216拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「プレッソ」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,尿吸収用パッド,おりものシート,脱脂綿,綿棒,医療用接着テープ,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,失禁用パンツ,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、平成30年3月12日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
登録第5497508号商標(以下「引用商標」という。)
商標の構成 「ブレッソ」(標準文字)
指定商品 第5類「薬剤」
登録出願日 平成23年12月22日
設定登録日 平成24年6月1日

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「プレッソ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般の辞書類に掲載されているものではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないものである。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「プレッソ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「ブレッソ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般の辞書類に掲載されているものではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「ブレッソ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標の類否について検討すると、外観については、両商標は、ともに片仮名4文字の標準文字で構成されるものであり、その構成中、「レッソ」の3文字を共通にし、語頭の「プ」と「ブ」の文字に差異を有するものであるところ、それらの文字は、「フ」に半濁点を伴うか又は濁点を伴うかの差異を有するにすぎないものであるから、その差異が両商標の構成における文字の共通性を大きく超えるほどに影響を及ぼすとはいい難く、互いに近似した印象を与えるものとみるのが相当であり、相紛れるおそれがある。
次に、称呼については、本願商標は「プレッソ」の称呼を生じ、引用商標からは「ブレッソ」の称呼を生じるところ、両称呼は、いずれも4音で構成されるものであって、そのうちの「レッソ」の3音を共通にし、語頭における「プ」と「ブ」の音に差異を有するにすぎないものである。そして、差異音である「プ」の音と「ブ」の音については、前者が両唇で調音する無声の破裂音「p」に母音「u」を伴う音、後者が両唇で調音する有声の破裂音「b」に母音「u」を伴う音であって、調音位置や音の性質において少なからず共通点があり、近似した音として聴取され得るものといえるし、加えて、促音を伴う中間の「レッ」の音が比較的強く発音されることも併せ考慮すれば、たとえ、上記差異音が語頭に位置するものであるとしても、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が近似し、互いに相紛れるおそれがあるものといわなければならない。
さらに、観念については、本願商標及び引用商標は、ともに特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することはできないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願の指定商品中、第5類「薬剤,医療用試験紙」は、引用商標の指定商品である第5類「薬剤」と同一又は類似する商品である。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、両商標は称呼において、実質上3音の短い音構成のなかで「ブ」と「プ」の音の差異があり、該差異音はいずれも比較的強く明瞭に発音され音感を異にするものであり、しかも、称呼の識別上重要な語頭に位置し、アクセントの置かれる強音として明瞭に発音され、また、両商標の指定商品である薬剤の取引者、需要者は、一般的に他の商品よりは注意深く対応し、商品に表示された文字を正しく把握する傾向があるし、両商標を構成する片仮名は我が国における基本的な文字であって、その特徴について知悉しているから、外観上、両商標が互いに紛れるおそれはない旨主張する。
しかしながら、薬剤の取引者、需要者について、請求人の主張を裏付ける証拠は見いだせないし、また、本願商標と引用商標とがそれぞれの外観、称呼及び観念を総合勘案したときに、相紛れるおそれのある類似の商標というべきことは、上記(1)のとおりであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
イ 請求人は、3文字又は4文字程度の片仮名から構成され、第1番目又は第2番目の文字に「ブ」と「プ」の差異を有し、これ以外の文字を同じくする商標が、多数、併存して登録が認められており、このような商標が非類似と判断され登録された理由についての参照として、異議決定又は審決の例を挙げ、同様の理由が本願商標についても適用されるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる異議決定又は審決の例は、対比する称呼を含め、商標の構成態様において本願とは事案を異にするものであるから、それらの例が上記判断を左右するものではなく、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2019-10-29 
結審通知日 2019-10-30 
審決日 2019-11-14 
出願番号 商願2018-29216(T2018-29216) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W05)
T 1 8・ 261- Z (W05)
T 1 8・ 262- Z (W05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 緋呂子 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 有水 玲子
小松 里美
商標の称呼 プレッソ 
代理人 高梨 範夫 

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