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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W25
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W25
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W25
管理番号 1358714 
審判番号 不服2019-1074 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-28 
確定日 2020-01-10 
事件の表示 商願2017-134033拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「叶える」の文字を標準文字で表してなるものであり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成29年10月10日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
(1)登録第5415109号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「Canaelle」(標準文字)
指定商品 「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,げた,草履類,仮装用衣服」を含む第25類、第16類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品・役務
出願日 平成22年7月5日
登録日 平成23年5月27日
(2)登録第5600076号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 別掲のとおり
指定商品 第25類「ブラジャー」
出願日 平成25年3月14日
登録日 平成25年7月19日

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「叶える」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は「願いを成就させる。」(「広辞苑第六版」参照)の意味を有するものであるから、本願商標からは「カナエル」の称呼及び「願いを成就させる。」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「Canaelle」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、特定の観念を生じないものである。
そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で親しまれている英語の発音に倣って称呼することが多いことから、引用商標1からは、英語風に「キャナエル」又は「カナエル」の称呼を生じるものとみるのが自然である。
イ 引用商標2
引用商標2は、前記2(2)のとおり、上段に「かなえるブラ」の文字、下段に「叶えるブラ」の文字を横書きした構成からなるところ、それぞれの構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく一体的に表されているものである。
また、その構成中の「かなえる」及び「叶える」の文字は「願いを成就させる。」の、「ブラ」の片仮名は「ブラジャーの略。」(「広辞苑第六版」参照)の意味を有する語であって、いずれも上記意味を容易に理解させる平易な語であるから、「かなえるブラ」及び「叶えるブラ」の文字全体から、「(着用することにより)何らかの願いが成就されるブラジャー」程度の意味合いを暗示させるものである。
そうすると、引用商標2に接する取引者、需要者は、一部の文字部分のみに着目することなく、その構成全体を一連一体のものとして看取、把握するとみるのが相当である。
以上のことからすると、引用商標2からは、「カナエルブラ」の称呼及び「何らかの願いが成就されるブラジャー」程度の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の比較
ア 引用商標1との比較
本願商標と引用商標1とを比較すると、外観においては、それぞれの構成各文字の相違により、明らかに区別し得るものであり、相紛れるおそれはない。
また、本願商標から生ずる「カナエル」の称呼と、引用商標1から生ずる「キャナエル」又は「カナエル」の称呼とを比較すると、「カナエル」と「キャナエル」のように、称呼の識別における重要な語頭において、「カ」の音と「キャ」の音の差異を有し、それぞれを称呼するときは、語調、語感が異なり容易に聴別できる場合と、互いに「カナエル」の称呼を共通にする場合があるといえる。
さらに、本願商標からは「願いを成就させる。」の観念が生じるのに対して、引用商標1からは特定の観念を生じないから、本願商標と引用商標1とは、観念上相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、引用商標1から生じる複数の称呼のうち1つを共通にする場合があるとしても、外観において明確に区別することができ、観念においても相紛れるおそれがあるとはいえないことから、その外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、商品の出所について混同を生ずるおそれはない非類似の商標と判断するのが相当である。
イ 引用商標2との比較
本願商標と引用商標2とを比較すると、一段書きと二段書きの差異及び「ブラ」の文字の有無という差異があることから、外観上、明らかに区別できるものである。
また、本願商標から生ずる「カナエル」の称呼と、引用商標2から生ずる「カナエルブラ」とを比較すると、語尾において、「ブラ」の有無という差異を有するものであるから、構成音や構成音数の明らかな違いにより容易に聴別できるものである。
さらに、本願商標からは「願いを成就させる。」の観念が生じるのに対して、引用商標2からは「何らかの願いが成就されるブラジャー」の観念を生じるから、本願商標と引用商標2とは、観念上も区別できるものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、外観、称呼、観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれがあるとはいえないことから、商品の出所について混同を生ずるおそれはない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、その指定商品と引用商標の指定商品とを比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標2)


審決日 2019-12-11 
出願番号 商願2017-134033(T2017-134033) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W25)
T 1 8・ 263- WY (W25)
T 1 8・ 261- WY (W25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 板谷 玲子
黒磯 裕子
商標の称呼 カナエル 
代理人 藤本 昇 
代理人 野村 慎一 
代理人 白井 里央子 
代理人 田中 成幸 

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