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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W10
管理番号 1357792 
審判番号 不服2019-1701 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-06 
確定日 2019-12-03 
事件の表示 商願2017-95655拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第10類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年7月18日に登録出願されたものである。
その後,指定商品については,当審における平成31年2月6日付けの手続補正書により,第10類「治療用機械器具(歯科用のものを除く。),光線治療器(歯科用のものを除く。)」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4165858号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成8年12月17日に登録出願,第10類「プロテン又はゲル並びにプロテン混合物を歯科治療用に注入する注射器,その他の歯科用機械器具,その他の医療用機械器具」を指定商品として,同10年7月10日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
ア 本願商標は,別掲1のとおり,「VIORA」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)の右側に,間隔を設けて,「V30」の欧文字及び数字の組合せとそのすぐ下に影のように黒色の横長楕円図形を配してなるところ(以下「V30」と横長楕円図形を合わせて「V30部分」という。),本願文字部分は,セリフ(字画末端部の爪のような張り出し部)を有する標準的な活字体の書体をもって,まとまりよく一体的に表されており,また,V30部分は,大きくやや太い線で表した「V」の欧文字のすぐ右横に,「V」に比してやや小さく細い線で「30」の数字を表してなり,「V30」のすぐ下に位置する横長楕円図形は,横幅が上部の「V30」の欧文字及び数字の組合せと同じであって,「V30」を強調する影のようにも見えることから,V30部分は,視覚上まとまりよく一体的な印象を強く与えるものである。
イ そして,本願文字部分とV30部分とは,欧文字のみからなるものと欧文字及び数字の組合せ並びに横長楕円図形からなるものとで構成態様が異なること,間隔を設けて配置されていること,大きさが異なること,および,本願文字部分及びV30部分のそれぞれが,いずれもまとまりよく一体的に表されているものであることから,両者は視覚上,明確に分離して看取されるものである。
ウ また,V30部分は,直ちに特定の意味合いを表すものとして理解され,親しまれているというべき事情は認められないことから,V30部分からは,特定の称呼及び観念は生じないものである。
エ さらに,本願文字部分を構成する「VIORA」の欧文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解され,特定の観念を生じないものであり,また,特定の語義を有しない欧文字は,一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,英語の読みに倣って「ビオラ」又は「バイオラ」の称呼を生じるものである。
したがって,「VIORA」の欧文字からなる本願文字部分は,「ビオラ」又は「バイオラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
オ 以上のことからすると,本願商標は,その構成上,本願文字部分と,V30部分とは,それぞれが視覚上分離して看取されるものであって,かつ,観念上のつながりもないことから,両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難い。
そうすると,本願商標においては,その構成中の本願文字部分及びV30部分が,それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るといえるものであるから,本願商標は,その構成中の「VIORA」の文字部分を要部として抽出し,当該文字部分のみを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである(以下「VIORA」の文字部分を「要部」という場合がある。)。
したがって,本願商標は,その要部たり得る「VIORA」の文字部分に相応して「ビオラ」又は「バイオラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は,別掲2のとおり,「BIORA」の欧文字を,サンセリフ(字画末端部に爪のような張り出し部がない)のやや縦長の書体をもって,各文字の間隔を狭く表してなるところ,その構成中の「O」の文字はその内部を灰色に着色し,「R」の文字は中央部を切り離して表し,構成全体としてシンプルで統一的なデザインが施されているものである。
そして,「BIORA」の欧文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,上記(1)エと同じ理由により,英語又はローマ字の読みに倣って「ビオラ」又は「バイオラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
したがって,引用商標は,その構成文字に相応して「ビオラ」又は「バイオラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標と引用商標との類否について検討するに,両商標は,外観においては,V30部分の有無の差異を有することから,全体の構成を異にするものである。
イ 本願商標の要部と引用商標との類否について,両者は,外観においては,「IORA」のつづりが共通するとしても,文字商標における外観の識別上重要な要素である語頭において「V」と「B」の文字の差異を有し,この差異がともにわずか5文字という少ない文字構成からなる両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく,両者は別異の語であるとの印象を強く与えるものである。また,本願商標の要部と引用商標とは,文字の態様においてもデザイン化の有無の差異を有することからすれば,両者は,視覚的な印象が著しく相違し,外観上,判然と区別し得るものである。
ウ 次に,称呼においては,本願商標と引用商標は,ともに「ビオラ」又は「バイオラ」の称呼を生じるから,称呼上,同一である。
エ さらに,観念においては,本願商標と引用商標は,特定の観念を生じないから,比較することができない。
オ そうすると,本願商標と引用商標とは,「ビオラ」又は「バイオラ」の称呼を共通にするとしても,外観においては,全体の構成を異にし,かつ,本願商標の要部と引用商標との対比においても,両者の構成及び態様において際立った差異を有するものであって,その印象が著しく相違し,判然と区別し得るものであり,また,観念においては,比較することができないものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,本願商標は,引用商標と商品の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標


別掲2 引用商標


審決日 2019-11-18 
出願番号 商願2017-95655(T2017-95655) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W10)
T 1 8・ 263- WY (W10)
T 1 8・ 261- WY (W10)
最終処分 成立  
前審関与審査官 齋藤 健太浦崎 直之 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 平澤 芳行
渡邉 あおい
商標の称呼 ビオラブイサンジュー、ビオラブイサンゼロ、ビオラブイ、ビオラ 
代理人 佐藤 勝 

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