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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09
管理番号 1357758 
審判番号 取消2016-300894 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-12-20 
確定日 2019-11-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第5427548号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
登録第5427548号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成23年1月18日に登録出願,第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」を指定商品として,同年7月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
なお,本件審判請求の登録日は,平成29年1月6日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標を取り消す,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その理由を審判請求書,平成29年5月31日付け及び同30年1月22日付け審判事件弁駁書,口頭審理陳述要領書及び上申書において,要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 本件商標権者による日本人顧客に対する眼鏡の直接販売について
(1)被請求人が,提出した請求書(インボイス)(乙3の1,乙4の1,乙5の1,乙6の1,乙7の1)は,本件商標権者が日本に居住する者に対して交付した請求書の原本ではなく,本件商標権者が保有していると思われる原本の写しにすぎず,このような原本の写しは,本件商標を故意に表示させる等の改ざんが可能であるので商品等に関する取引書類を頒布した事実を立証することにはならない。
加えて,請求書の項目が商品「眼鏡」であることを示す証拠は一切提出されていない。
また,これらの請求書(インボイス)が顧客に郵送又はメールで送信された事実を示す書証を一切提出しておらず,発行者である本件商標権者の署名がなされてないことから信ぴょう性は低く,これらの書証は証拠能力が乏しい。
(2)被請求人が提出した入金明細及び発送書類の写し(乙3の2・3,乙4の2・3,乙5の2,乙6の2,乙7の2・3)では,商品の譲渡行為があった事実が証明されることにはならない。
加えて,これらの書証には,本件商標は一切表示されていない。
さらに,当該発送書類の写しからは,被請求人の主張する作成年月日に当該書証が作成された事実を看取することはできず,本件審判請求の登録前3年(以下「要証期間」という。)内の使用を立証するものではない。
(3)請求書(インボイス)(乙6の1)と入金明細(乙6の2)の眼鏡のサイズの相違が,注文者のオーダーの変更によるものかを確認することはできない。
同様に,請求書(インボイス)(乙7の1),入金明細(乙7の2)及び発送書類の送り状の写し(乙7の3)の住所が相違していることについても,被請求人は,誤記であることの立証を一切していないから,これらの取引書類が同一の取引に係るものであるかどうかは依然として不明である。
また,被請求人が新たに提出した発送書類の送り状の写し,税関申告書と発送通知書(乙9?乙11)は,審尋を受けて被請求人が新たに作成したものであるから,証拠能力を有していない。
(4)眼鏡の写真(乙8)が,請求書(インボイス)に記載されている商品であることを示す証拠についても,提出されていない。
また,答弁書で提出の書証(乙3?乙7)のいずれにおいても,被請求人のウェブサイトの写し(乙12)中に被請求人が赤の下線を引いている記載と一致する記載は見当たらない。
したがって,眼鏡の写真(乙8)又は被請求人のウェブサイトの写し(乙12)に表されている商品が,答弁書で提出の書証(乙3?乙7)の顧客に発送した商品と一致するかについては,何ら立証されていない。
(5)通常の商取引においては,まず販売者が請求書を発行し,それを受けて購入者が代金を支払うのが,取引の自然な流れと解されるところ,請求書(インボイス)の写し(乙3の1,乙4の1,乙5の1,乙6の1,乙7の1)に記載されている日付はすべて,入金明細の写し(乙3の2,乙4の2,乙5の2,乙6の2,乙7の2)に記載されている日付より,後の日付となっており,通常の商取引の流れからすると,不自然というほかなく,被請求人は,顧客に対して常に前払いによる支払いを求めている事実を立証する書証を何ら提出していない。
そして,前払いによって入金がされていることが確認されているのに,さらに,その代金を請求することは極めて不自然といわざるを得ない。
(6)乙第3号証ないし乙第7号証に記載されている者は,すべて日本国内に所在する個人であり,これらの個人消費者が本件商標権者との間で譲渡契約を締結し,本件商標権者が商品を日本国外から日本国内に発送したとしても,それは本件商標権者による日本国内における「譲渡」には該当しない(甲2)。
3 本件商標権者と眼鏡店BLINCとの取引について
(1)眼鏡店BLINCが制作した本件商標権者の広告
ア 情報サイトの記事(乙18)が商標法第2条第3項第8号の「広告」でないことは明らかであるし,そもそも当該書証には本件商標が表示されていない。さらに,当該ウェブサイトの印刷日は要証期間外の2018年(平成30年)11月12日であるし,当該ウェブサイトに「発売日2014年3月28日」と記載されているが,これは,被請求人のいうところの「広告」がされた日ではない。
イ 眼鏡店BLINC(以下「BLINC」という。)が本件商標の使用許諾を受けた使用権者であることの証明はー切なされていない。
ウ 眼鏡の写真(乙19)には,本件商標と同一の標章が表示されているものの,「広告」でもなければ,BLINCによって2014年(平成26年)3月14日に作成された写真であるか不明である。
エ T氏に係るウェブサイトの印刷日(乙20)は要証期間外の2018年(平成30年)11月12日であるし,当該ウェブサイトには,本件商標は表示されていない。
オ そして,インボイス(乙21,乙22)の日付は,要証期間外の2013年(平成25年)11月13日である。
(2)BLINCによる2014年(平成26年)1月の商品発注に係る取引について
ア 2014年(平成26年)4月9日付インボイス(乙24)には,他のインボイスに記載されている取引条件の記載及び太字の文字の記載がない。それどころか,当該インボイス以外のインボイスでは明細欄に必ず記載されている「Subtotal」(小計)及び「Shipping」(送料)の欄が当該インボイスにのみ記載されていない。
加えて,2014年(平成26年)2月26日以降のインボイスの下部には,必ず記載されている電子メールアドレスの記載もないのみならず,遅くとも同日には,本件商標権者の電話番号が変更されていたにも拘らず(甲4の7),同年4月9日付インボイスであるとされる当該インボイス(乙24)に記載されている電話番号は,変更前の電話番号である。
さらには,当該インボイスにはそれ以外のインボイスに記載されている文言の記載がない及び記載内容が異なっている。
以上の点において,当該インボイス(乙24)は不自然かつ不可解なものである。
このことは,本件審判の請求を受けて,BLINCのウェブサイト(乙27)に表示されている文字列と一致するように当該インボイス(乙24)を被請求人が作成したものであり,当該書証は,証拠能力を著しく欠くものである。
イ 海外送金取組依頼書(乙25)及び送金通知書(乙26)に記載されている金額は,3通のインボイス(乙21,乙22,乙24)に記載されている金額の合計と相違する。
これに関し,被請求人は,乙第21号証に記載されている金額は「$0.00」であるが,実際は「$660.00」であると主張するのみで,実際の商品代金が「$660.00」であることについての証明を一切していない。
よって,2014年(平成26年)4月9日付インボイス(乙24),海外送金取組依頼書(乙25)及び送金通知書(乙26)は,何ら関連を有するものでない。
被請求人は,T氏及びA氏に宛てたインボイス(乙21,乙22)に記載の商品が存在したことを証明する書類として,電子メールの写し(乙46,乙47)を提出しているところ,これらの書証に記載されている日付は,いずれも要証期間外である。
ウ 被請求人が本件商標を使用しているとする写真(乙30?乙38)について
これらの書証は,要証期間外の2018年(平成30年)11月14日に被請求人により撮影された写真にすぎない。
(3)BLINCのA氏による陳述書(乙44)について
被請求人は,被請求人代理人がA氏に送ったメールの写しを商標登録第5427549号取消審判事件(取消2016-300742)において乙第27号証として提出しているが,当該文章は,過去に本件商標権者とA氏との間に「購入代金」に関するトラブルが存在したことうかがわせるものであり,購入代金に係るトラブルということは,購入の有無にも関連する可能性がある。
そして,上記陳述書が,本件商標権者とA氏との間の同トラブルに対する「誠意ある対応」と引き換えに提出されたものではないかという疑念を禁じ得ない。
そうすると,このような本件商標権者と金銭トラブルがあったことが推測されるA氏による本件商標権者に全面的に有利な陳述書は,信ぴょう性を著しく欠くといわざるを得ず,当該陳述書(乙44)によっては,本件商標権者発行のインボイスが実際に日本の顧客に頒布されたことについて,証明されたということはできない。
(4)BLINCによる商品の販売が,本件商標権者による本件商標の使用にあたるかについて
平成24(行ケ)第10310号判決(乙48)は,流通業者による,商標権者の製造に係る商品の販売であればすべて商標権者による登録商標の使用となる,と判示しているわけではない。
本件にあっては,BLINCのオンラインストア(乙27)において,本件商標は一切表示されていないし,BLINCのA氏による陳述書(乙44)の信ぴょう性に疑念が残ることは上記(3)のとおりである。
そうすると,本件においては,上記判例における事例と同様に扱うべき証明がされたということはできない。
してみれば,BLINCによる商品の販売が,本件商標権者による本件商標の使用にあたるとはいえないし,被請求人自身も認めているとおり,BLINCに本件商標の使用を許諾していないことから,使用権者による使用にもあたらない。
加えて,本件においては本件商標権者が外国の法人である等,本件と上記判決とは全く事案を異にするのであって,当該判決は本件の参考とはなり得ない。
4 ウェブサイトについて
(1)答弁書において提出したウェブサイトの写し(乙1,乙2)は作成日が平成29年4月4日であり,また,インターネットアーカイブ(乙17)の日付は,2013年(平成25年)12月11日であるから,要証期間内の使用を立証するものではない。
加えて,本件商標権者の英語による会社ホームページを印刷したもの(乙1,乙13,乙17,乙29,乙39)は,2016年(平成28年)3月7日にアクセス可能(乙13)であったとしても本件商標の日本国内における使用の事実をなんら立証するものではない。
また,小売店のウェブサイト(乙2)には,本件商標は一切表示されておらず,そもそも本件商標の使用の事実をなんら立証するものではない。
(2)BLINCのウェブサイト(乙40)上における本件商標の使用について
当該書証からは,本件商標と同一の標章すら確認することができない。また,前述のとおり,BLINCが本件商標の使用権者であることの証明もなされていない。
5 商品保護ケースについて
(1)商品保護ケースとする写真(乙23)は,いつ撮影されたのか不明であるばかりか,これらの写真に表示されている袋が,商品保護ケースであるとの証明もなされていない。さらには,乙第23号証の1の写真にある,2つの円図形や文字は不自然なほどに鮮明に表示されており,ケース自体に印刷(表示)されているとは考え難く,当該写真は,保護ケース自体の写真ではなく,ケースの写真に円図形や文字を重ねて合成したものなのではないか,との疑念を抱かざるを得ない。
(2)米国特許商標庁の「TART」の記事(乙42)及び写真(乙41)のプロパティ画像(乙43)をもって,日本国内において,本件商標が本件商標権者等によって使用されていたことを立証するものでないことは明らかである。
6 インボイスについて
(1)本件審判及び商標登録第5427549号取消審判事件において,被請求人によって提出された2013年(平成25年)11月13日から2017年(平成29年)1月18日までのインボイス(甲4,乙第24号証及び商標登録第5427549号取消審判事件の乙第28号証の1を除く。)においては,本件商標と同一の標章が表示されているものと表示されていないものがある。
そうすると,被請求人が提出したインボイスは信ぴょう性が極めて低いということにほかならず,被請求人の提出に係るインボイスとされる乙号証は,いずれも証拠能力を欠くといわざるを得ない。
もっとも,インボイスとされる乙号証の原本が,実際に日本の顧客に頒布されたかについての証明も一切なされておらず,インボイスとされる乙号証は,要証期間内に,日本国内において,「眼鏡,眼鏡の附属品」について,本件商標権者等によって本件商標が「使用」されていたことを何ら証明するものではない。
(2)被請求人は,中小企業においては,インボイスを作成する際に,過去に使用したインボイスを使い回し,他のインボイスの一部をコピー&ペーストするというインボイスの作成方法が国内外を問わず取られていると主張するのみで,そのような手法が現実に取られていることについて,一切証明していない。
よって,被請求人の主張によっては,インボイスの記載についての疑義が解消されているとはいえず,乙号証に係るインボイスの信ぴょう性は依然として低い。
7 結論
以上のとおり,被請求人の提出に係る証書及び証拠のいずれをもってしても,商標法第50条第2項で定める商標登録の使用を証明したということはできない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を,答弁書,平成29年10月30日付け及び同31年1月10日付け上申書,口頭審理陳述要領書において要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第48号証(枝番号を含む。)及び参考資料1を提出した。
1 本件商標権者について
本件商標権者は,米国カリフォルニア州に本社を置く法人であり,主に「眼鏡,眼鏡の附属品」などを製造販売する企業である。現在,日本においても東京都目黒区自由が丘の店舗内で,自社商品を販売している(乙1,乙2,乙13)。
2 本件商標権者による日本人顧客に対する眼鏡の直接販売について
(1)本件商標権者は,日本人顧客に宛てて商品である眼鏡を販売し,その代金は,本件商標権者に入金され,本件商標権者は商品(眼鏡)と本願商標を付した請求書(インボイス)を各顧客に対して送付した。
そして,上記の取引は要証期間内に行われている(乙3?乙7,乙9?乙11)。
なお,提出した各証書における商品のサイズ又は顧客の住所の相違は,オーダーの変更又は誤記によるものである。
(2)本件商標権者が日本人顧客に発送した眼鏡には,本件商標が付されている(乙8,乙12)。
(3)また,日本人顧客は,要証期間内に,本件商標権者のウェブサイトより眼鏡を購入することが可能である(乙12,乙13)。
(4)小括
以上より,本件商標権者は,要証期間内に,本件商標を商品「眼鏡」に関する取引書類に付して,日本国内で頒布していたこととなり,本行為は,商標法第2条第3項第8号の商標の使用に該当するものである。
さらに,本件商標権者は,眼鏡を日本の顧客に販売していたところから,商標法第2条第3項第2号の商標の使用にも該当する。
3 本件商標権者と眼鏡店BLINCとの取引について
(1)BLINCについて
BLINC(荒岡眼鏡)は,東京に店舗を構える眼鏡販売店である(乙14,乙15)。
BLINCは,1940年代から続く眼鏡店であり,現在は,三代目であるA氏が店主を務める(乙16)。
BLINCは,本件商標権者の「TART」眼鏡の販売代理店として,要証期間内に数多くの「TART」眼鏡の輸入・販売・プロモーションを行っていた。
本件商標権者の販売代理店のリストには,要証期間内においてBLINCが販売代理店として掲載されている(乙17)。
(2)BLINCよる宣伝広告活動
ア BLINCが制作した本件商標権者の広告
BLINCは,本件商標権者の国内販売代理店として,ファッション関連サイト「ChangeFashion」のウェブページにおいて,商品の宣伝・広告を行った(乙18)。
そして,BLINCが制作した本件商標権者の広告に使用された写真5枚のうち,下段の左から二番目のサングラスのレンズの拡大写真には,本件商標が表示されている(乙18,乙19)。
イ BLINCが制作した本件商標権者の広告の写真の制作者及び使用された眼鏡について
上記アのBLINCが制作した本件商標権者の広告の写真は,BLINCの依頼の下,クリエイターのT氏により作成され,それが要証期間内に掲載された(乙20)。
本件商標権者がT氏宛に送付したインボイス(乙21)の明細欄に記載されている商品は,上記アに係る広告のウェブページ(乙18)に記載されている商品情報及び展開カラーと一致する。
また,当該明細欄の「配送費」の欄の記載の番号は,BLINCの番号であるから,インボイス記載の商品は,BLINCのFED-EXのアカウント番号を使用して配送されたものであり,BLINCが当該広告作成の指示を行ったものである。
よって,当該明細欄に記載された眼鏡は,広告制作のために,ニューヨークのT氏へ送られたものである。
以上より,BLINCが,本件商標権者の商品,ブランド広告を制作し,要証期間内に,国内で,本件商標権者の販売代理店として広告活動をしていたものである。そして,BLINCは,広告発表するに際し,本件商標権者より広告で使用する商品を日本で販売するために輸入した(乙22)。
ウ 上記広告における「指定商品に係る本件商標の使用」について
(ア)「眼鏡」についての使用
本件商標権者は「眼鏡」について,登録商標を使用していた(乙18,乙19)。
そして,かかる使用は,商品の販売情報と商品写真をインターネット上に掲載していたものであるため,商品に標章を付したものを譲渡のために展示する行為に該当する(商標法第2条第3項第2号)。
また,プロモーション用のウェブサイトに掲載されていた写真でもあるため広告的使用ともいえる(商標法第2条第3項第8号)。
また,後述のとおり,本件商標権者の眼鏡は,そのすべてのフレーム部分に,本件商標が刻印されているから(乙29?乙35),本件商標権者は,BLINCに販売(譲渡)した「眼鏡」について,本件商標を使用した(商標法第2条第3項第2号)。
(イ)商品の包装(商品保護ケース)についての使用
本件商標権者は,BLINCからのオーダーを受けて商品を送る際,本件商標を商品の包装(乙23)に付して発送し,これをBLINCに譲渡した(商標法第2条第3項第2号)。
(ウ)インボイス(納品書)についての使用
本件商標権者が商品と共に送付したインボイス(納品書)には,本件商標が付されている(乙22)から,本件商標権者は,「取引書類」について登録商標を使用し,これを頒布した(商標法第2条第3項第8号)。
エ 小括
以上のとおり,BLINCが,要証期間内に本件商標権者の商品プロモーションを行った事実があり,これらの商品,商品の包装及び取引書類に本件商標を使用していた事実は明らかである。
(3)BLINCによる2014年(平成26年)1月の商品発注に係る取引について
ア 本件取引では,2014年(平成26年)1月にBLINCが本件商標権者に対して合計163本の「TART」ブランドの眼鏡を発注し,同月に海外送金,その後,本件商標権者のイタリアの工場で商品を製造,同年4月末にイタリアから日本に商品を発送,同年5月1日にBLINCへ商品が到着,その後,BLINCにより日本の顧客に対して「TART」ブランドの眼鏡が販売された(乙24?乙28)。
なお,電子送金の金額(乙25,乙26)は,以下(ア)ないし(ウ)のとおり,インボイス(乙21,乙22,乙24)の商品代金の総計である。
(ア)本件商標権者よりT氏宛のインボイス(乙21)の商品代金は「0」となっているが,これは,当該インボイスの眼鏡フレーム3本は広告写真撮影用としてデザイナーのT氏に送られたものであり,T氏にこの商品代金の支払いを求めるわけではないから実際の代金を記載していない。
(イ)当該インボイス(乙21)の3点の眼鏡は本件商標権者よりA氏(BLINC)に宛てたインボイス(乙22)の3点の眼鏡とそれぞれ同一の商品であり,インボイス(乙21)の実際の代金は,インボイス(乙22)と同一の金額,660米ドルであるから,電子送金の金額(乙25,乙26)は,インボイス(乙21,乙22,乙24)の商品代金の総計である。
(ウ)また,本件商標権者は,イタリアの工房に対し,ニューヨークのT氏宛の眼鏡フレームと同じ商品を,日本のBLINCへも送るよう依頼をし(乙46),BLINCのA氏に対し,T氏宛の3本の眼鏡フレームはニューヨークへ発送済であり,もう3本の眼鏡フレームもBLINCへ発送されたことを報告した(乙47)。
以上より,インボイス(乙21)の眼鏡3本とインボイス(乙22)の眼鏡3本は,いずれも存在している。
イ 当該取引行為の過程において,本件商標は,その指定商品「眼鏡」について,以下のとおり使用している。
(ア)「眼鏡」及び「眼鏡の附属品」についての使用
本件商標権者の眼鏡は,そのすべてのフレーム部分とレンズ部分に,本件商標が刻印されている(乙29?乙35)。
また,上記の取引にかかるインボイス(乙24)の明細に記載されている,小眼鏡ケースと眼鏡ふき(乙36?乙38)は,眼鏡の附属品であり,本件商標が付されている。
そして,当該インボイス(乙24)に記載の商品が,BLINCに届いた事実より,これらの附属品も眼鏡と一緒にBLINCに届いている。
よって,本件商標権者が本件商標を付した「眼鏡」及びこれの附属品をBLINCに譲渡した(商標法第2条第3項第2号)。
(イ)商品保護ケースについての使用
本件商標権者は,当該インボイスに記載の商品についてBLINCからのオーダーを受けてこれを送る際,本件商標を商品の包装(乙23)に付して発送し,これをBLINCに譲渡した(商標法第2条第3項第2号)。
(ウ)インボイス(納品書)における使用
当該インボイス(納品書)には,本件商標が付されている(乙24)。
そして,このインボイス(乙24)に記載の商品が,BLINCに届いた事実は明らかであるので,本件商標権者が「取引書類」について本件商標を使用し,これを頒布したものである(商標法第2条第3項第8号)。
(4)A氏の陳述書について
A氏は,要証期間内に本件商標権者から,BLINC及びこの姉妹店である「BLINC VASE」において販売するために,添付のインボイスの明細欄に記載された眼鏡フレーム計420本余を購入したことを陳述した(乙44)。
そして,BLINCが要証期間内に購入した眼鏡フレーム・サングラス,及び附属品であるレザーケース及び眼鏡ふきには,本願商標が付されている(乙44,乙45)。
以上より,本件商標権者が,要証期間内に本件商標を我が国で使用した事実は明らかである(商標法第2条第3項第1号,同項第2号)。
(5)BLINCによる商品の販売が,本件商標権者による本件商標の使用にあたるかについて
本件商標の使用者は,本件商標権者である。
中間業者が商標権者の商品を販売するにあたり商標権者の商標を使用する行為は必然的であるところ,これを,全ての中間業者と商標使用許諾契約をしなければならないと商標権者に課することは非現実的であり,かえって我が国の市場の流通を阻害する要因となり,商標法制定の趣旨に反する。
よって,眼鏡店が一般需要者へ商標権者の商品を販売するにあたり,ここでの「中間業者」たる眼鏡店が商標権者の商標の使用をする行為は,商標権者による商標の使用行為と認められるべきである(乙48)。
4 ウェブサイトにおける本件商標の使用
(1)本件商標権者のウェブサイト上における本件商標の使用
本件商標権者は,自身のウェブサイト(乙39)において,要証期間の相当前である2010年(平成22年)から要証期間を経て現在に至るまで,本件商標と同一の商標を使用している。
(2)BLINCのウェブサイト上における本件商標の使用
BLINCのウェブサイト(乙40)上において,要証期間の相当前である2012年(平成24年)4月から要証期間を経て現在に至るまで,本件商標権者の商品を紹介するウェブページに,本件商標が使用されている。
5 本件商標権者による商品保護ケースの使用時期及び製造時期
日本においては,要証期間前からすでに商品保護ケースが譲渡されていた(乙40の4)こと及び,本件商標権者が米国特許商標庁へ提出した写真(乙41,乙42)から,米国で使用されていた商品保護ケースと同一の商品保護ケースが我が国における取引において使用されていたと考えるのが合理的であるから,「本件商標は,眼鏡の包装に使用されていた」と考えるべきである。
6 インボイスについて
(1)取引におけるインボイス(納品書)について
「インボイス」という英語は,そもそも「納品書」,「送り状」という意味も有し,商取引上「インボイス」が商品と同封して送られてくることは一般的に行われている。
したがって,「インボイス」は,購入者が商品を受け取った際,自分がオーダーした商品や値段,個数を確認するために非常に重要な書類である。
一般的な商取引において,対面販売でない限りは,販売者が納品書を作成し,商品に同封して配送する,というのが常識である。まして外国との取引において商品明細が記載された納品書が同封されないということは,ほぼ考えられない。
さらに,被請求人が提出したインボイスには,取引ごとの状況が反映された内容が記載されていることからも,実際の取引ごとに,真正に作成されたものと考えるのが自然である。
(2)インボイスの記載の不一致について
ア 複数フォーマットの存在
被請求人が提出したインボイスにおける記載の不一致は,異なるフォーマットが複数存在したという理由による。
本件の要証期間内は,厳密に決められたフォーマットは存在しておらず,本件商標権者は,注文を受注した際に,過去に使用したインボイスの中でオーダー内容が似たものを見つけて利用し,さらに実際のオーダーに合わせて他のインボイスをカスタマイズし,ケースバイケースで新たなインボイスを作成していた。
このような本件商標権者のインボイス作成方法により,結果的に同時期に異なるフォーマットのインボイスを発行するという状況となっていた。このような文書作成方法は中小企業であれば国内外を問わずに現実に行われている方法であり,何ら不自然な点はなく,また商取引においても問題はない。
イ 電話番号の相違
上記した本件商標権者のインボイス作成方法に鑑みれば,電話番号を変更した後に,従来の番号が掲載されたインボイスを利用し,電話番号をそのまま残してしまうという事態は当然起こり得ることであり,何ら不自然でも不可解でもない。
さらに,電話番号は,2013年(平成25年)11月頃には二つとも存在し,継続して使用されていたものである。
7 まとめ
以上より,本件商標権者が,要証期間内に日本国内において,本件の指定商品「眼鏡,眼鏡の附属品」について本件商標を使用していた事実が明らかになった。

第4 当審の判断
1 当事者が提出した証拠及び当事者の主張によれば,以下の事実が認められる
(1)本件商標権者,「blinc」及びT氏について
ア 本件商標権者(タート オプティカル エンタープライゼス エルエルシー)は,米国カリフォルニア州に所在する眼鏡の製造,販売業者である。
本件商標権者に係るウェイバックマシン(過去のウェブページの保存閲覧サービス。以下同じ。)を使用した2014年(平成26年)10月31日及び2016年(平成28年)3月7日のウェブサイト情報からすると,少なくとも要証期間内の2014年(平成26年)10月31日には,英文により記載された本件商標権者のウェブサイトにおいて,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。以下同じ。)を付した商品「眼鏡」の画像が掲載され,また,2016年(平成28年)3月7日には,ウェブサイト内に商品「眼鏡」の画像とともに,本件商標を表示していることが認められことからすると,本件商標権者は,要証期間内に,少なくとも米国国内において,本件商標を付した商品「眼鏡」を販売していたことが認められる。
そして,当該ウェブサイト上の,「All frames 100%,Handmade in Italy.」(全てのフレームは100%,イタリアにおけるハンドメイド。)の文字の記載からすると,本件商標権者の製造に係る眼鏡フレームは,イタリアにおいてハンドメイドで生産されていることが認められる(乙12,乙13)。
イ 「blinc aoyama」は,平成13年にオープンした東京都港区に所在する眼鏡店で代表者はA氏である。また,平成20年には別店舗,「blinc vase」が同じく東京都港区にオープンしている(乙16,乙44)。
なお,A氏を紹介したウェブサイトの写しには,A氏について「『荒岡眼鏡』の三代目」の記載があり,また,有限会社荒岡眼鏡(以下「荒岡眼鏡」という。)より本件商標権者に宛てた海外送金依頼書には,「Payment for blinc」(blincの支払い)の文字があることから,A氏は,眼鏡店である有限会社荒岡眼鏡の関係者でもあると認められる(乙16,乙25)。
以下,眼鏡店「blimc aoyama」及び「blinc vase」を合わせて「blinc」ということがある。
ウ T氏はアメリカ在住のクリエイター(創作家)であって,2014年(平成26年)に本件商標権者に係るキャンペーンの広告画像の制作を担当した(乙20)。
(2)本件商標権者とblincとの取引の状況について
ア 本件商標権者は,2013年(平成25年)11月3日付けでアメリカ在住の創作家であるT氏宛に眼鏡3本をケース及びクロスとともに,写真用として送付した(乙21)。当該商品の送付に係るインボイスの商品欄には,「Arnel 55」の色及びサイズ違いの3種類の商品をそれぞれ1本ずつ送付した旨が記載されており,その合計金額は「0」である。
また,商品欄の「*Photo Shoot Not For Sale」(撮影用,販売用ではない)の文字より,当該インボイスに係る商品は写真用であり,販売用ではないことが認められる(乙21)。
そして,当該インボイスの「Shipping use」(送料)の番号は,「Belong to: Blinc Aoyama」(Blinc Aoyamaに属する)の「FED?EX」(送付用番号)として記載されている9桁の番号と同一の番号である。
イ 本件商標権者は,2013年(平成25年)11月3日(上記アと同日)付けでblinc宛に上記アのインボイスの商品名と同じ「Arnel 55」の3種類の商品をそれぞれ1本ずつ送付した(乙22)。当該商品の送付に係るインボイスの商品欄の「*Photo Shoot Not For Sale」(撮影用,販売用ではない)の文字より,当該商品は写真用であり,販売用ではないことが認められる(乙22)。
そして,3本の商品の合計金額は660米ドルである。
また,「Shipping use」(送料)の番号は,上記アに係るインボイスに記載の「FED?EX」(送付用番号)として記載されている9桁の番号と同一の番号である(乙21,乙22)。
ウ 本件商標権者は,2013年(平成25年)11月19日にA氏に対し,T氏とA氏に同じ商品を発送した旨を報告した(乙47)。
エ 荒岡眼鏡は,2014年(平成26年)1月29日に28,715米ドルを「blincの支払い」として,本件商標権者に送金し,本件商標権者は,同日に同金額を受領した(乙25,乙26)。
オ 本件商標権者は,2014年(平成26年)4月9日にblinc宛に商品を送付する旨のインボイスを作成した。当該インボイスには,上部の「TART OPTICAL ENTERPRISES」の文字の右側にある盾の形の図形の内部に「OTE」の文字が表示された商標(以下「使用商標」という。)が付され,「DESCRIPTION」(物品の説明)欄には,商品の内訳として「Ex-Man Glossy Black 50-24」,「FDR Glossy Black 44-24」等の70種類の商品名,色,サイズが記載され,商品の総数は163個であり,合計金額は27,395米ドルである(乙24)。
カ 本件商標権者より,blincに宛てた2014年(平成26年)4月30日付けのメールによると,本件商標権者は,同月25日にイタリアよりblincに貨物便を利用して,商品を発送し,blincは同年5月1日(日本時間)に当該商品を受領した(乙28)。
キ blincに係る2015年(平成27年)2月16日のウェイバックマシンのウェブサイト情報によると,blincは,2014年(平成26年)5月5日及び同年7月15日付けのブログ記事において「『Ex-Man』col.Glossy Black ¥43,000(税込)」及び「・・・タートの人気モデルF.D.R.。」の記事とともに商品「眼鏡」の画像を掲載した(乙40の1)。
これらの記事に係る商品名「F.D.R.」及び「『Ex-Man』col.Glossy Black」は,表記が多少異なるものの,上記オに係るインボイスの商品名とぼぼ同じものと認められる。
2 判断
被請求人は,本件商標権者が2014年(平成26年)4月9日付けの「blinc」宛のインボイス(乙24,以下「本件インボイス」という。)に本件商標を付して,頒布したとして,これをもって本件商標の使用をした旨主張するので,これについて検討する。
(1)本件インボイスの頒布について
ア 本件インボイスは,上記1(2)オのとおり,2014年(平成26年)4月9日に作成されていることが認められる。
そして,上記1(2)キのとおり,2014年(平成26年)5月1日のblincへの貨物便の到達後の同年5月5日付け及び同年7月15日付けのblincのブログにおいて,本件インボイスに係る商品とほぼ同じ商品名の商品が紹介されている。
イ また,本件商標権者は,上記1(2)エのとおり,2014年(平成26年)1月29日に,荒岡眼鏡より「blincの支払い」とする代金を受領しており,受領の2か月後に本件インボイスを作成していること及び本件インボイスの作成より2週間後に,イタリアより貨物便を利用した商品の発送を行っているところ,上記1(1)アのとおり,本件商標権者の製造に係る眼鏡フレームがハンドメイドであることから,入金後,163本のフレームを作成するまで2か月程度の期間が必要なことは当然であって,また,米国におけるインボイスの作成後に商品がイタリアよりblincへ送付される期間を考慮すると,インボイスの作成から商品の発送までに2週間程度の期間があっても不自然ではない。
ウ 以上よりすると,本件インボイスに係る商品代金は,2014年(平成26年)1月29日に荒岡眼鏡より本件商標権者に送金され,本件インボイスに係る商品は,同年4月25日に貨物便を利用して発送され,同年5月1日(日本時間)にblincによって受領されていると認められるものでるから,本件インボイスは,同年5月1日頃にはblincによって受領されていると推認できる。
(2)使用商標について
本件商標は別掲のとおりの構成よりなるところ,本件インボイスの上部の「TART OPTICAL ENTERPRISES」の文字の右側に付された使用商標と本件商標を比較してみるに,本件商標と使用商標とは,その大きさは異なるものの,共に構成する盾の形の図形及びその内部に表示されている「OTE」の文字を配する構成よりなるものであるから,両商標は,外観において同視される図形からなるものである。
したがって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用商品について
本件商標権者は,上記1(1)アのとおり,米国に所在する眼鏡の製造,販売業者であり,本件商標権者は,要証期間内に,少なくとも米国国内において,本件商標を付した商品「眼鏡」を販売していたこと,及び本件インボイスの宛先であるblincは,上記1(1)イのとおり,眼鏡の小売店であることが認められる。
しかも,上記(1)のとおり,本件インボイスは2014年(平成26年)4月9日に作成され,本件インボイスに係る商品がblincに同年5月1日に配送されたと推認できること,及び本件インボイスに記載の商品とほぼ同じ商品名の商品が,同年5月5日及び同年7月15日付けのblincのブログに商品「眼鏡」の画像とともに掲載されたことを踏まえると,本件インボイスにおいて取引された商品は,商品「眼鏡」(以下「使用商品」という。)であるといえる。
そして,使用商品は,本件審判の請求に係る指定商品に含まれるものであることは明らかである。
(4)使用期間及び本件インボイスについて
上記(1)のとおり,本件インボイスは,要証期間内である遅くとも2014年(平成26年)5月1日(日本時間)頃にはblincに頒布されたといえる。
そして,本件インボイスは,使用商品に関する取引書類であるといえる。
(5)小括
以上によれば,本件商標権者は,要証期間内に使用商品である「眼鏡」に関する取引書類である本件インボイスに本件商標と社会通念上同一の商標を付して日本国内の眼鏡店に頒布したものと認めることができる。
3 請求人の主張について
(1)請求人は,被請求人より提出された各インボイスのフォーマットが異なることをもって,本件インボイスの信ぴょう性も極めて低い旨を主張する。
しかしながら,同一の者に係るインボイス等のフォーマットが必ずしも統一されていなければならないとする理由はなく,上記2(1)のとおり,本件インボイスは,要証期間内に日本国内において頒布されたものと認められるから,その信ぴょう性は低いとはいえず,請求人の主張は採用できない。
(2)請求人は,海外送金取組依頼書等(乙25,乙26)に表示されている金額「USD28,715.00」と本件インボイスに記載されている「$27,395.00」は一致しないから,これらは何ら関連性を有するものではない旨主張する。
ア 確かに上記1(2)エに係る荒岡眼鏡より本件商標権者への支払額と本件インボイスの合計金額に1320米ドルの差額が認められるところ,上記1(2)イのとおり,本件商標権者より,blincへ写真用として送付された2013年(平成25年)11月3日付けのインボイスに係る金額が660米ドルであり,上記1(2)ア及びイのとおり,上記インボイスに記載された商品と同一の商品がT氏に送付されていることからすれば,T氏宛のインボイスに係る商品も660米ドルと推認できる(ケース等は附属品であるため無償と認められる。)。
イ 上記1(2)ア及びイのとおり,T氏宛の上記インボイスの「Shipping use」(送料)の番号は,「Belong to: Blinc Aoyama」(Blinc Aoyamaに属する)の「FED?EX」(送付用番号)と同一の番号であり(乙21),blinc宛のインボイスの「Shipping use」(送料)の番号も上記の「FED?EX」(送付用番号)と同一の番号である(乙21,乙22)ことからすると,T氏宛の商品の送料はblincが負担しているものと認められる。
ウ 上記1(2)ウのとおり,本件商標権者よりA氏に対して,T氏にblincと同じ眼鏡を送っている旨の報告があり,blinc(A氏)もその旨を了承していることからすれば,送料と同様に商品の代金もblincが負担しているものと推認できる。
エ 上記1(2)ア及びイのとおり,2013年(平成25年)11月3日付けのT氏宛及びblinc宛の両インボイスに係る商品(眼鏡)は,写真用であり,販売用ではないところ,このような商品(眼鏡)と販売用の商品(眼鏡)の代金を一括で支払うことがあっても,取引上不自然ではない。
オ そうすると,2013年(平成25年)11月3日付けのblinc及びT氏宛のインボス並びに本件インボイスに係る商品の合計金額は28,715米トルとなり,荒岡眼鏡の本件商標権者への支払額に一致する。
(3)したがって,被請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
4 まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,本件商標権者が本件請求に係る指定商品中「眼鏡」に関する取引書類に,本件商標を付して頒布していたことを証明したと認め得る。
そして,本件商標権者の上記使用行為は,商標法第2条第3項第8号の「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)


審理終結日 2019-07-23 
結審通知日 2019-07-25 
審決日 2019-10-01 
出願番号 商願2011-2445(T2011-2445) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 佐藤 松江内藤 隆仁 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 榎本 政実
大森 友子
登録日 2011-07-22 
登録番号 商標登録第5427548号(T5427548) 
商標の称呼 オオテイイイ 
代理人 中山 真理子 
代理人 篠田 貴子 
代理人 近藤 友紀 
代理人 松澤 由香 
代理人 松本 慶 
代理人 林 栄二 
代理人 山頭 めぐみ 
代理人 達野 大輔 
代理人 竹中 陽輔 
代理人 稲垣 朋子 
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