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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W29
審判 全部申立て  登録を維持 W29
管理番号 1356274 
異議申立番号 異議2018-900119 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-05-08 
確定日 2019-10-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6023128号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6023128号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6023128号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、平成29年6月7日に登録出願、第29類「乳製品」を指定商品として、同30年1月24日に登録査定、同年3月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第2268942号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、昭和62年12月10日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成2年9月21日に設定登録され、その後、同22年10月27日に、指定商品を第33類「フランス産の洋酒,フランス産の中国酒,フランス産の日本酒,フランス産の果実酒,フランス産の薬味酒」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第55号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人のグループ会社の業務に係るスパークリングワインを表すものとして世界的な周知著名性を獲得し、引用商標に代表される「CAFE DE PARIS」(カフェドパリ)(「CAFE」の「E」には、アクサン・テギュがある。以下同じ。)と同一又は類似の商標であり、その指定商品は、引用商標が周知著名性を獲得した商品と強い関連性を有するものであって、需要者の範囲も一致すること等から、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、引用商標を想起、連想し、あたかも申立人が取り扱う業務に係る商品であるかのごとく認識して取引に当たると考えられるため、その商品の出所について混同を生ずるおそれが高いものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、申立人のグループ会社の業務に係る高級スパークリングワインとして世界的に周知著名な商標となっていた引用商標に代表される商標「CAFE DE PARIS」(カフェドパリ)と同一又は類似するものであって、申立人の「CAFE DE PARIS」(カフェドパリ)の周知著名性に便乗し、本件商標の独占排他的使用を得ようとする不正の目的に基づいて出願し登録されたものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標及び使用標章の周知性について
申立人は、別掲2のとおりの構成からなる引用商標を提示して、その著名性について述べているところ、申立人が提出した証拠からは、引用商標をその指定商品について使用した事実は見当たらないから、引用商標は、著名性を獲得しているとはいえない。
また、申立人の提出に係る証拠には、「CAFE DE PARIS」(「CAFE」の「E」には、アクサン・テギュがある。以下同じ。)の文字からなる別掲3のとおりの構成からなる標章(以下「使用標章」という。)が使用されていることから、当該標章についての周知性を以下検討し、判断する。
ア 申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、フランスの食前酒メーカーとして長らく競合であったペルノ社(1805年創業)とリカール社(1932年創業)が世界進出を目指して合併した1975年に設立されたフランス法人であり、ペルノ・リカールグループは、現在、世界86か国以上で事業を展開し、我が国では、1990年に「ペルノ・リカール・ジャパン株式会社」が設立され、東京の本社のほかに、全国に7つの営業拠点を構えている(甲3の1)。
(イ)「CAFE DE PARIS」の文字を使用したスパークリングワインは、1967年にフランスで生産が開始され、世界70か国以上で販売されており、我が国では、1991年から使用標章をラベルに表示したスパークリングワイン(以下「申立人商品」という場合がある。)が販売されている。また、申立人商品は、「ストロベリー」「マスカット」「サクランボ」味等の様々なバリエーションのフルーツフレーバーを定番商品としているが、季節限定、我が国限定の商品も販売されており、例えば「カフェ・ド・パリ 桜の香り」が2013年2月から(甲5の1)、「ヨーグルト風味」の「カフェ・ド・パリ パリの雪」が2013年11月から(甲5の7)販売され、新製品や季節限定商品の発売時等にはニュースリリースが出されているところ、その回数は、2013年から2018年にかけて、年に3回から8回ほどである(甲3の1、甲5)。
また、上記ニュースリリースには、例えば、「女子会などにお勧めです。」(甲5の1、甲5の9、甲5の14、甲5の20)、「『女の子に、カラフルなときめきを。』」(甲5の14、甲5の16、甲5の20?22)のように、若い女性向けの商品であることをうかがわせる記載がある。
(ウ)2012年12月から2018年3月までの期間に発行されたとされる新聞及び雑誌並びにウェブサイト等において、申立人商品の紹介及び申立人商品についてのイベントに関する記事並びにプレゼント商品として申立人商品が掲載されている(甲6の1?113、甲6の115?甲13)ことがうかがえ、これには、例えば、申立人商品のターゲットは20代の女性(甲8の78、甲8の86、甲8の88、甲8の89、甲8の91)である旨の記載がある。
(エ)申立人商品は、2013年3月頃に大阪市所在の「世界のお酒ニューヨーク玉出本店」で販売され、また、「ドン・キホーテ」において2015年8月頃に「カフェ・ド・パリ パイナップル」が限定販売されたことがうかがえ、2017年10月20日から2018年1月4日までの期間にメール会員限定のキャンペーンが行われ(甲18?甲20)、さらに、申立人商品について、他企業等との協同イベント、例えば、2016年にはメイドカフェ12店舗と提携してスタンプラリー、2013年から2015年には料理教室において申立人商品を試飲する1dayレッスン、2012年及び2013年には「TOKYO NAIL EXPO」に特別協賛・協力としての参加などが行われた(甲22?甲28、甲30?甲36)。
また、申立人は、2014年12月には渋谷においてプロジェクションマッピングを使用したイベント、2015年11月には六本木ヒルズにおいてリアル脱出ゲームのイベント、2016年12月には名古屋において電車の中吊り広告、2017年12月には表参道で期間限定のワインバーをオープンするなど、申立人商品に関する広告やイベントを行った(甲16、甲17、甲37?甲46等)。
イ 上記アによれば、申立人は、1975年にフランスにおいて設立された法人であり、現在、同社は世界86か国以上で事業を展開し、申立人商品を世界70か国以上で販売しているとされている。
そして、我が国においては、使用標章をラベルに表示した申立人商品が、1991年から販売が開始され、現在まで継続して販売されているところ、申立人商品について、新製品や季節限定商品の発売時等にはニュースリリースが出され、また、2012年12月から2018年3月までの期間に発行されたとされる新聞及び雑誌並びにウェブサイト等において、申立人商品の紹介及び申立人商品についてのイベントに関する記事並びにプレゼント商品として申立人商品が掲載されていることがうかがえ、上記ニュースリリース及び新聞等には、「女子会などにお勧めです。」やターゲットが20代の女性である旨の記載などがあることからすれば、当該商品は、主として若い成人女性向けの商品として販売されて、その需要者の間においては、ある程度知られているものと推認することができる。
しかしながら、我が国における申立人商品の販売実績(販売額、販売エリア、取扱い店舗数等)を具体的に確認できる証拠の提出はなく、申立人が、我が国におけるスパークリングワイン分野(シャンパンを除く。)において、申立人商品が第1位の売上げであると主張し、提出している調査会社の陳述書とされるもの(甲4の1)は、外国語で作成されたものであり、翻訳は提出されておらず、かつ、その記載内容をみても、その49ページに「Brand Name」の項目の下、「French Other Sparkling Wines Standard」の下に「Cafe de Paris」の記載があることは認められるものの、申立人商品が2017年に我が国において、スパークリングワインの販売額で1位であることまでは確認をすることができないものである。
そして、申立人商品について、2013年から2018年5月までの期間にニュースリリースが出されたとしても、その頒布先、頒布部数等の詳細は明らかではなく、また、申立人商品が紹介等された、2012年12月から2018年3月までの期間の、新聞、雑誌、ウェブサイト等は、申立人商品に関する紹介等が掲載された部分の抜粋と上部にその出典及び発行日が記載されているものであって、申立人商品が紹介等されたことはうかがえるものの、ウェブサイト以外は掲載に係る出典び発行日を具体的に確認することができないものであり、さらに、広告や期間限定のイベントが行われたことが認められるとしても、その範囲及び回数は限られたものであることなどからすれば、申立人商品が周知性を獲得したものとはいえない。
そうすると、申立人商品に表示された使用標章は、申立人の業務に係る商品(スパークリングワイン)を表示するものとして、我が国の需要者の間において広く知られているとまでは認めることはできない。
また、ほかに、使用標章が本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国において、広く認識されていると認めるに足る証拠は見いだせず、かつ、申立人商品の外国における周知性を裏付ける証拠の提出はない。
してみれば、使用標章は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の需要者の間に広く認識され、周知著名性を獲得したものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 使用標章の周知著名性について
上記(1)イのとおり、使用標章は、申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く知られていたと認めることができないものである。
イ 本件商標と使用標章との類似性について
本件商標は、別掲1のとおり、黒地の四角内に「CAFE」、「DE」及び「PARIS」(「CAFE」の「E」には、アクサン・テギュがある。)の欧文字を白抜きで3段に書してなるものであり、「CAFE DE PARIS」の欧文字からなる使用標章とは、その構成文字を同じくするものであるから、両者の類似性の程度は高いものである。
ウ 使用標章の独創性について
使用標章は、「CAFE DE PARIS」の文字からなるところ、当該「CAFE」、「DE」及び「PARIS」の文字は、いずれも、我が国において広く親しまれているフランス語といえるものであり、構成文字全体として、「パリのカフェ」といった意味合いを容易に理解させるものであるから、その独創性の程度は高いとはいえないものである。
エ 本件商標の指定商品と申立人商品との間の関連性について
本件商標の指定商品「乳飲料」と申立人商品「スパークリングワイン」とは、一般的に、商品の生産部門、販売部門、原材料、用途及び流通経路等が異なるものであり、本件商標の指定商品の需要者が広く一般消費者であるのに対し、申立人商品の需要者は、アルコール飲料を飲む成人であることからすれば、本件商標の指定商品と申立人商品とは、需要者において一部を共通にするものの、それ以外の共通点を見いだすことができないから、両商品の関連性の程度は高いとはいい難いものである。
オ 出所の混同のおそれについて
上記アないしエによれば、本件商標と使用標章とは、構成文字を同じくする類似性の程度が高いものではあるものの、使用標章は、申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであり、また、その独創性の程度は高いとはいえず、本件商標の指定商品と申立人商品との関連性も高いとはいい難いものである。
そうすると、これらを総合勘案してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が、使用標章ないし申立人を連想、想起して、当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように認識することはなく、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。また、その他、本件商標が商品の出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
使用標章は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示する商標として、我が国の需要者の間はもとより、外国の需要者の間で広く認識されていたとは認められないものである。
そして、申立人が提出した甲各号証を総合してみても、本件商標権者が、使用標章の名声と信用にフリーライドする意図など、不正の目的をもって本件商標の使用をするものと認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
本件商標



別掲2
引用商標



別掲3
使用標章



異議決定日 2019-10-11 
出願番号 商願2017-81357(T2017-81357) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W29)
T 1 651・ 222- Y (W29)
最終処分 維持 
前審関与審査官 上山 達也守屋 友宏 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 中束 としえ
小松 里美
登録日 2018-03-02 
登録番号 商標登録第6023128号(T6023128) 
権利者 株式会社GTクリエイション
商標の称呼 カフェドゥパリ、カフェ 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 克郎 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 池田 万美 
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