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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0510
審判 全部申立て  登録を維持 W0510
審判 全部申立て  登録を維持 W0510
審判 全部申立て  登録を維持 W0510
管理番号 1356247 
異議申立番号 異議2018-900164 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-06-25 
確定日 2019-09-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第6030793号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6030793号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6030793号商標(以下「本件商標」という。)は、「ガイストリッヒ ファーマ株式会社」の文字及び「GEISTLICH PHARMA CORPORATION」の欧文字を2段に書してなり、平成29年6月21日に登録出願、第5類「歯科材料」及び第10類「医療機械器具」を指定商品として、同30年2月5日に登録査定、同年3月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する国際登録第1259777号商標(以下「引用商標」という。)は、「GEISTLICH」の欧文字を書してなり、2014年12月15日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2015年(平成27年)5月12日に国際商標登録出願、第5類「Pharmaceutical and veterinary preparations and substances; sanitary products for medical use; hemostatic products; dressings, compresses; vulnerary sponges; tissue adhesives for medical purposes; materials for dental fillings of natural origin; filling and implant materials comprising living tissue for maxillofacial and orthopedic surgery, especially for the regeneration of bone and soft tissue; adhesive plasters and dressings.」、第10類「Surgical, medical, dental and veterinary apparatus and instruments; orthopedic articles; dental implants of artificial origin; filling and implant materials consisting of artificial materials for use in maxillofacial and orthopedic surgery, in particular for the regeneration of bone and soft tissue; biocompatible collagen-membranes for medical purposes; surgical instruments made from biocompatible collagen-matrixes or biocompatible collagen-sponge for use in dental, maxillofacial and orthopedic surgery, especially for the regeneration of bone and soft tissue, or for use as a hemostatic agent in surgery, all the aforesaid goods included in this class; surgical collagen-implants included in this class; surgical collagen-sponges.」及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、平成28年12月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第8号及び同項第11号に該当するものであるから、本件商標に係る商標登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標は、スイス連邦ヴォルフーゼンに本拠を置く「Geistlich Pharma AG」(申立人)及びその持ち株会社である「ED.Geistlich Sohne AG Fur Chemische Industrie」(「Fur」の「u」の文字はウムラウト記号を有している。以下同じ。以下、これら2社を合わせて「申立人ら」という。)の社名の要部を含み、かつ、同社の承諾を得ていないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、引用商標と類似の関係にあり、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の関係にある商品を指定するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「ガイストリッヒ ファーマ株式会社」の文字及び「GEISTLICH PHARMA CORPORATION」の欧文字を上下2段に書してなるところ、申立人らの名称である「Geistlich Pharma AG(ガイストリッヒ ファーマ アーゲー)」及び「ED.Geistlich Sohne AG Fur Chemische Industrie」のいずれとも異なるものである。
また、商標法第4条第1項第8号に該当するには、「Geistlich(ガイストリッヒ)」又は「Geistlich Pharma(ガイストリッヒ ファーマ)」の文字が申立人らの名称の著名な略称であることを要するところ、申立人は、これを認めるに足る証拠を提出していないから、上記各文字は、いずれも、申立人らの名称の著名な略称とは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「ガイストリッヒ ファーマ株式会社」の文字及び「GEISTLICH PHARMA CORPORATION」の欧文字を上下2段に書してなるところ、その構成中、「株式会社」及び「CORPORATION」の文字は、会社組織の一形態を表す語及び「法人」の意味を有する語であるから、自他商品の識別標識として機能が無いか又は弱いというべきものである。
そうすると、本件商標は、その構成中の「ガイストリッヒ ファーマ」及び「GEISTLICH PHARMA」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るといえるから、当該文字部分を他人の商標と比較して、商標の類否を判断することが許されるというべきであるところ、上記「ガイストリッヒ」と「ファーマ」、「GEISTLICH」と「PHARMA」の各文字の間に1文字分の空白があるものの、同じ書体及び大きさをもって表されており、視覚上、その構成全体をもって、まとまりある一体的なものとして看取、把握されるといえ、そのうちのいずれかの文字のみが強く印象付けられることはないとみるのが相当である。また、上段の片仮名は下段の欧文字の読みを表したと理解されるものであり、その構成文字全体から生じる「ガイストリッヒファーマ」の称呼も格別冗長ではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、その構成中「PHARMA」の文字を含む「pharma company」が「pharmaceutical company」、「pharma industry」が「医薬品産業(pharmaceutical industry)」、「phama major」が「製薬[医薬品]大手、大手製薬[医薬品]会社[企業]」の意味をそれぞれ有するもの(甲4)であるとしても、「ファーマ」及び「PHARMA」の文字それ自体が、本件商標の指定商品との関係において、商品の品質等を表すものとして普通に使用されているものであるなど、当該文字部分が捨象され、「ガイストリッヒ」及び「GEISTLICH」の文字部分のみをもって、取引に資されるというべき実情は見いだせないものであり、また、「GEISTLICH」の文字は、ドイツ語で「宗教(上)の、教会の」の意味を有する語(甲5)であるところ、我が国において当該語が広く一般に知られているとはいえない。
してみれば、本件商標は、その構成中の「ガイストリッヒ ファーマ」及び「GEISTLICH PHARMA」の文字部分に相応して、「ガイストリッヒファーマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
なお、申立人は、「ファーマ」及び「PHARMA」の文字部分は、普通名称としての「調剤、薬剤」を意味する「ファーマスーティカル」及び「PHARMACEUTICAL」の短縮形であることから、その要部は「ガイストリッヒ」及び「GEISTLICH」の部分であると評価するのが妥当である旨主張し、証拠を提出しているところ、上記のとおり、「ファーマ」及び「PHARMA」の文字が本件商標の指定商品との関係において、自他商品識別力を有しないとまではいえないものであり、また、申立人の挙げる「Pharma」の文字が使用されている製薬会社(甲4)において、「Pharma」の文字部分を除いた表示をもって称されていることを裏付ける証拠の提出はなく、さらに、申立人自身の使用例(甲6、甲7)は、単に「Geistlich(ガイストリッヒ)」の文字を他の文字と結合して使用しているにすぎないものであり、「Geistlich Pharma AG」の文字とともに申立人の名称を表すものとして「Geistlich(ガイストリッヒ)」の文字を表示しているものではなく、その他、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、本件商標の構成中、「ファーマ」及び「PHARMA」の文字部分を捨象すべきと認めるに足る証拠は見いだせない。
したがって、申立人の提出に係る証拠によっては、上記申立人の主張は、認めることができない。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり「GEISTLICH」の欧文字からなるところ、その文字に相応して「ガイストリッヒ」の称呼を生じ、上記アと同様に、当該語が広く一般に知られているとはいえないから、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標の要部である「ガイストリッヒ ファーマ」及び「GEISTLICH PHARMA」の文字部分と引用商標とを比較してみると、両者は、「ファーマ」及び「PHARMA」の文字の有無という顕著な差異を有するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、本件商標の要部から生じる「ガイストリッヒファーマ」の称呼と引用商標から生じる「ガイストリッヒ」の称呼とを比較すると、両者は「ファーマ」の音の有無の差異を有するものであり、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、両者は共に特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号及び同項第11号のいずれにも違反してされたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-09-10 
出願番号 商願2017-90492(T2017-90492) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W0510)
T 1 651・ 263- Y (W0510)
T 1 651・ 261- Y (W0510)
T 1 651・ 23- Y (W0510)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 稜早川 真規子 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 中束 としえ
小松 里美
登録日 2018-03-30 
登録番号 商標登録第6030793号(T6030793) 
権利者 ガイストリッヒ ファーマ株式会社
商標の称呼 ガイストリッヒファーマコーポレーション、ガイストリッヒファーマ、ガイストリッヒ、ファーマ、ファルマ 
代理人 特許業務法人 津国 
代理人 山村 大介 

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