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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W41 |
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管理番号 | 1356237 |
審判番号 | 不服2018-11824 |
総通号数 | 239 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-11-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-09-04 |
確定日 | 2019-10-29 |
事件の表示 | 商願2017- 66150拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「翻訳実務士 ホンヤクジツムシ」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成29年5月16日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、その構成中に『翻訳』、『実務』及び『士』の文字を有する『翻訳実務士 ホンヤクジツムシ』の文字からなるところ、通常、業務や役割などを表す語に続けて『士』の語が付される場合には、『一定の資格・役割をもった者』との意味に理解され、例えば『通訳案内士』などのように『○○士』と称する国家資格も多いことからすると、『翻訳実務士』及びその読みを片仮名で表した構成からなる本願商標は、国家資格等と一見紛らわしく、誤認を生ずるおそれのあるものであるから、このような商標を登録し、本願商標の指定役務について使用することは、国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては社会公共の利益に反するものといわざるを得ず、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「ある言語で表現された文章の内容を他の言語になおすこと。」を意味する「翻訳」の語、「実際の事務。実地に扱う業務。」を意味する「実務」の語及び「一定の資格・役割をもった者。」を意味する「士」(いずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行)を結合した「翻訳実務士」とそれを片仮名で表示した「ホンヤクジツムシ」とを「翻訳実務士 ホンヤクジツムシ」と標準文字で表してなるものである。 ところで、例えば、弁護士、弁理士、税理士等のように、法律で規定され、その使用が規制される「士」の文字を有した国家資格も存在することから、一般国民が、末尾に「士」の文字が付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表したものと理解される場合もあるが、一方で、このような法律には準拠しない、いわゆる民間資格として、「士」の文字を含む資格名称が使用されている事実も少なからず見受けられるところである。 そして、本願商標の構成中「翻訳実務士」が、構成各語の意味合いから、「翻訳の実務の有資格者」のような意味合いを想起させるものであるとしても、「翻訳実務士」は、法律等に規定されたものではなく、かつ、その構成文字の一部を含め、その使用が制限されているものではない。 また、「翻訳実務士」を含む本願商標と誤認を生ずるおそれのある国家資格又は公的資格も見いだし得ないことから、本願商標は、国家又は公的機関が付与する資格や称号と紛らわしいものともいい難い。 してみれば、本願商標をその指定役務に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、国家資格又は公的資格を表す名称や称号を表したものであるかのように誤信するようなことはないというべきであるから、これが、直ちに国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとはいうことはできない。 さらに、本願商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、また、その構成自体がそのようなものではなくとも、本願商標をその指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものでもない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-10-17 |
出願番号 | 商願2017-66150(T2017-66150) |
審決分類 |
T
1
8・
22-
WY
(W41)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 旦 克昌、根岸 克弘 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
冨澤 美加 豊田 純一 |
商標の称呼 | ホンヤクジツムシホンヤクジツムシ、ホンヤクジツムシ、ホンヤクジツム |
代理人 | 鈴木 泰彦 |