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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W03
管理番号 1356179 
審判番号 不服2015-19654 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-02 
確定日 2019-10-19 
事件の表示 商願2014-75883拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「アクアコラーゲンゲル」の文字を横書きしてなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年9月9日に登録出願、その後、本願の指定商品については、原審における同26年9月9日付け並びに当審における同27年11月2日付け及び令和元年7月24日付けの手続補正書をもって、第3類「コラーゲンを配合してなるゼリー状の化粧品,コラーゲンを配合してなるゼリー状成分を含有する化粧用マスク,コラーゲンを配合してなるゼリー状成分を含有する入浴用美容液,コラーゲンを配合してなるゼリー状成分を含有するボデイ用化粧水」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標の構成中の『アクア』の文字は『(他の語と複合して使う)水。水の』の意味を、『コラーゲン』の文字は『動物の皮革・腱・軟骨などを構成する硬蛋白質の一種。温水で処理すると溶けてゼラチンとなる。膠原質』の意味を有し、また、『ゲル』の文字は、『コロイド溶液が流動性を失い、多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したもの』を意味する語として、それぞれ広く知られ、理解されている語である。そして、コラーゲンは、『化粧品』との関係において、水溶性コラーゲンという形で使用されており、水溶性コラーゲンを配合したジェル状の化粧品が、開発、販売されている実情があるから、本願商標は、全体として『水溶性コラーゲンを配合したゲル状の商品』ほどの意味合いを容易に認識させるものである。そうすると、本願商標をその指定商品中、『水溶性コラーゲンを配合してなるゼリー状せっけん,水溶性コラーゲンを配合してなるゼリー状の歯磨き,水溶性コラーゲンを配合してなるゼリー状の化粧品』等、水溶性コラーゲンを配合したゲル状の商品に使用しても、単に商品の品質、原材料を表示したものと理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。また、出願人は、本願商標が、商標法第3条第2項に該当する旨主張するが、『アクアコラーゲンゲル』の文字は、出願人のハウスマークとその下に『Aqua-Collagen-Gel』の文字を表示し使用されているアクアコラーゲンシリーズの化粧品の宣伝・広告用の文字として使用されてはいるものの、『アクアコラーゲンゲル』の文字単独で、商品『コラーゲンを配合してなるゼリー状の化粧品』に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っているとは認めることができない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「アクアコラーゲンゲル」の文字を横書きしてなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで等間隔に外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
ところで、請求人の主張及び同人提出の甲各号証によれば、請求人は、1999年2月の設立以来、我が国のスキンケア市場における有力メーカーの一つであり、とりわけドクターズコスメの分野では、パイオニア的な存在であるとともに、圧倒的なシェアを誇るトップメーカーであって、スキンケア化粧品やドクターズコスメの取引者、需要者らに広く知られる存在であること(甲19?甲22、甲25、甲26)、請求人が製造、販売する商品の中でも、本願商標「アクアコラーゲンゲル」の文字を使用した、コラーゲンを配合してなるゼリー状の化粧品(以下「コラーゲンゲル化粧品」という。)は、請求人の設立当初から20年にわたって継続的に販売される主力商品であり(甲2?甲25、甲27、甲28)、全国でのテレビCMをはじめとする大規模かつ長年に及ぶ宣伝・広告等(甲45?甲56、甲58?甲81、甲83、甲84、甲87?甲91、甲93?甲96)により、近年においては、年間100億円を超える売上高を維持し(甲28)、各種の人気投票等でも常に上位にランクされるなど、人気商品としての地位を確立し(甲97?甲105)、スキンケア化粧品やドクターズコスメの取引者、需要者らに広く知られていたこと、コラーゲンゲル化粧品に係る上記宣伝・広告等の多くにおいては、本願商標「アクアコラーゲンゲル」の文字とともに、コラーゲンゲル化粧品容器の画像が表示され、請求人が、設立以来、自己の業務に係る商品であることを示すものとして継続して使用していることが認められる。
そして、これらの事実を総合すると、コラーゲンゲル化粧品に使用した「アクアコラーゲンゲル」の文字からなる本願商標は、請求人が製造、販売するコラーゲンゲル化粧品を表示する商標として、全国のスキンケア化粧品やドクターズコスメの取引者、需要者らの間において広く認識されていたものと認めることができる。
加えて、本願商標の構成中の「アクア」の文字部分が「水」の意味、「コラーゲン」の文字部分が「動物の皮革・腱・軟骨などを構成する硬蛋白質の一種」の意味、「ゲル」の文字部分が「コロイド溶液が流動性を失い、多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したもの」の意味をそれぞれ有する語であるとしても、これらを結合させてなる本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字について、原審で説示するような具体的な商品の品質、原材料を表記したものとして看取、把握するとまではいい難い。
以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、本願商標に接する取引者、需要者が、商品の品質、原材料を表したものと認識するとはいい難く、それよりは、請求人に係る商品の出所を表したものと認識すると判断するのが相当である。
また、上記のとおり、本願商標は、商品の品質を表示したものとはいえないものである以上、商品の品質について誤認を生ずるおそれもない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2019-09-10 
出願番号 商願2014-75883(T2014-75883) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W03)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山本 敦子赤星 直昭 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 石塚 利恵
金子 尚人
商標の称呼 アクアコラーゲンゲル、アクアコラーゲン、アクア 
代理人 大津 洋夫 

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