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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W07
管理番号 1356109 
審判番号 不服2018-13136 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-02 
確定日 2019-09-18 
事件の表示 商願2017-77696拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「BINDERLESS」の文字を標準文字で表してなり,第7類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年6月12日に登録出願されたものである。
その後,指定商品については,原審における平成30年3月28日受付の手続補正書により,第7類「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は,「本願商標は,『BINDERLESS』の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の『BINDER』の文字は,一般的な金属加工機械器具との関係では,『(粒子を固結させる)結合剤』の意味を有する語として使用されていることから,全体として,『(粒子を固結させる)結合剤を用いないこと。』の意味合いを有する語として理解されるものである。また,金属加工機械器具を取り扱う業界においては,例えば,CBN工具を成形する際に,CBN(立方晶窒素化ホウ素)を焼結体として用いる場合の結合相を『BINDER(バインダ)』と言い,このような結合相『BINDER(バインダ)』を用いない工具を『バインダレス(BINDERLESS)工具』と称し,取引が行われている実情がある。そして,本願の補正後の指定商品は『ナノ多結晶ダイヤモンド工具』であるところ,請求人が提出した証拠によれば,『ナノ多結晶ダイヤモンド』は,『焼結助剤や結合材を一切含まない,ダイヤモンド単相の強靭な多結晶体』とされているものである。そうすると,本願商標を,その指定商品『(粒子を固結させる)結合剤を用いない工具(すなわち,ナノ多結晶ダイヤモンド工具)』に使用しても,これに接する取引者,需要者は,商品の品質『(粒子を固結させる)結合剤を用いないこと。』を誇称して表示したと認識するにすぎず,単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきであるから,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べをした結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して,平成31年2月19日付け証拠調べ通知書によって通知し,期間を指定してこれに対する意見を求めた。

第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
1 本願の指定商品は,請求人が開発し,独占販売している「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」であって,ナノ多結晶ダイヤモンドの製造において結合材の使用はそもそも予定されておらず,その生成過程において結合材が介入する余地はない。したがって,本願商標をもって取引される「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」に接した取引者,需要者が,「BINDERLESS」の文字から「結合材がないこと」の意味を把握し,内容記述語と認識することはあり得ない。
2 証拠調べ通知で引用した書籍(別掲1)及び特許公報等のうち3件(別掲3(1),(4),(5))における「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字の使用事例は,いずれも,請求人の商品「BINDERELESS」に言及したものと理解される。したがって,これらの事例は,「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」との関係において,「BINDERLESS」の文字が,「結合材がない」の意味を表す語として一般的に使用されていたことを示すものではない。
3 証拠調べ通知で引用した新聞記事(別掲2),特許公報等のうち2件(別掲3(2),(3))及びインターネット情報(別掲4)における「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字の使用事例は,いずれも,請求人の開発にかかる「直接変換法」とは異なる技術的アプローチに基づいて製造された多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンド工具に関するものである。したがって,これらの事例は,「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」との関係において,「BINDERLESS」の文字が,「結合材がない」の意味を表す語として一般的に使用されていたことを示すものではない。

第5 当審の判断
請求人は,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当しない旨主張し,その証拠方法として,原審において,資料1ないし資料3を提出し,さらに,当審において,第1号証ないし第12号証を提出している(以下,当該資料1ないし資料3を甲第1号証ないし甲第3号証と読み替え,第1号証ないし第12号証を甲第4号証ないし甲第15号証と読み替える。)。
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は,上記第1のとおり,「BINDERLESS」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「BINDER」の文字は,一般的には「縛る人やもの,固めるもの,つなぎ」の意味を有する語として,化学分野においては「結合剤:混合物の成分を凝集させる原因になる物質」の意味を有する英語として辞書類に載録されており,また,「LESS」の文字は,名詞の後について「・・・のない」の意味の形容詞を作る英語の接尾語として,辞書類に載録されていることから(いずれも「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館発行),両文字とも,我が国において親しまれた英語として理解されるものである。
そうすると,本願商標は,上記の意味を有する「BINDER」の語と「LESS」の接尾語とを組み合わせた語として認識されるとみるのが自然であるから,全体として,「結合剤がない」との意味合いを容易に理解させるものである。
(2)本願の指定商品は「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」であるところ,これは,「単結晶ダイヤモンドより高い硬度を有する,ナノ多結晶ダイヤモンドを刃先素材に用いた切削工具。」(甲7)である。ここで,「ナノ多結晶ダイヤモンド」とは,「グラファイト(Gr)を出発物質とした超高圧高温下における直接変換焼結によって(得た),焼結助剤や結合材を一切含まない,ダイヤモンド単相の強靱な多結晶体」である(甲2)。また,本願の指定商品「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」は,切削工具に関する書籍において,結晶構造が「多結晶」で,合成物質が「バインダレス(BL)」である「ダイヤモンド切削工具」に含まれる工具の名称の一つとして,「CVD多結晶ダイヤモンド工具」とともに,掲載されている(別掲1(1))。
(3)本願商標を構成する「BINDERLESS」の片仮名表記と認められる「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字は,「ダイヤモンド切削工具」又はそれに用いられるダイヤモンドとの関係において,例えば,切削工具に関する書籍には,「近年,日本企業が数10nmの微細なダイヤモンド粉末を緻密で強固に結合させた『人工で結合剤をつかわない(バインダレス)多結晶ダイヤモンド』を製造することに成功しました。」の記載(別掲1(2)),ダイヤモンド焼結体の超精密加工に関する博士論文には,「ダイヤモンド焼結体の製造法は,・・・ダイヤモンド表面をバインダ物質によって溶解析出させる液相焼結法や,ダイヤモンド相互の結合形成を目指してバインダレスでダイヤモンド結晶同士を接合させる固相焼結方法が広く知られている」(別掲4(2))の記載,ダイヤモンド切削工具に関する商品カタログには,「バインダレスの純粋な多結晶ダイヤモンド」及び「バインダとしての不純物を含んだ多結晶ダイヤモンド」(別掲4(3))の記載等があるように,「バインダ(結合剤)がない」の意味合いを表す語として,普通に使用されている実情がある(別掲1?別掲4)。
(4)上記(1)のとおり,本願商標を構成する「BINDERLESS」の文字が,全体として,「結合剤がない」との意味合いを容易に理解させるものであって,我が国において,日常の様々な場面で文字種を変更して使用することはごく一般的であり,同一語の英語表記及び片仮名表記は,併用されることが普通にみられることを考慮すると,本願商標は「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字を,単に英語表記したものと容易に理解されるといえること,上記(2)のとおり,本願の指定商品「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」はダイヤモンド単相の強靱な多結晶体を刃先素材に用いた切削工具であって,「ダイヤモンド切削工具」に含まれる工具の名称の一つであること,上記(3)のとおり,「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字が,「ダイヤモンド切削工具」又はそれに用いられるダイヤモンドとの関係において,「バインダ(結合剤)がない」の意味合いを表す語として,普通に使用されている実情があることを踏まえると,本願商標は,これをその指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者をして,「バインダ(結合剤)のないナノ多結晶ダイヤモンド工具」であること,すなわち,商品の品質を表示したものとして認識させるにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)本願の指定商品は,請求人が開発し,独占販売している「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」であって,ナノ多結晶ダイヤモンドの製造において結合材の使用はそもそも予定されておらず,その生成過程において結合材が介入する余地はない。したがって,本願商標をもって取引される「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」に接した取引者,需要者が,「BINDERLESS」の文字から「結合材がないこと」の意味を把握し,内容記述語と認識することはあり得ない旨主張する。
しかしながら,たとえ,本願の指定商品「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」は請求人が開発し,独占販売し,ナノ多結晶ダイヤモンドの製造において結合材等の使用は予定されていないものであるとしても,上記2(4)のとおり,本願の指定商品「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」は「ダイヤモンド切削工具」に含まれる工具の名称の一つであって,「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字が,当該「ダイヤモンド切削工具」又はそれに用いられるダイヤモンドとの関係において「バインダ(結合剤)がない」の意味合いを表す語として,普通に使用されている実情があることを踏まえると,本願商標を構成する「BINDERLESS」の文字は,本願の指定商品との関係において,「バインダ(結合剤)のないナノ多結晶ダイヤモンド工具」であることを認識させるにとどまるものであるから,商品の品質を表示するものとして理解されるというべきである。
(2)請求人は,証拠調べ通知で引用した書籍(別掲1)及び特許公報等のうち3件(別掲3(1),(4),(5))における「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字の使用事例は,いずれも,請求人の商品「BINDERELESS」に言及したものと理解されるから,これらの事例は,「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」との関係において,「BINDERLESS」の文字が,「結合材がない」の意味を表す語として一般的に使用されていたことを示すものではない旨主張する。
しかしながら,上記事例において,「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字は,それが請求人に係る商標ないし請求人に係る特定の商品の名称であると認識し得る記載は見あたらず,別掲1ないし別掲4における「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字の使用事例においても,いずれも「ダイヤモンド切削工具」又はそれに用いられるダイヤモンドとの関係において,「バインダ(結合剤)がない」という商品の品質,特性を表示記述するものとして使用されているから,本願商標は,本願の指定商品の関係では,商品の品質を表示するものとして理解されるというべきである。
(3)請求人は,証拠調べ通知で引用した新聞記事(別掲2),特許公報等のうち2件(別掲3(2),(3))及びインターネット情報(別掲4)における「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字の使用事例は,いずれも,請求人の開発にかかる「直接変換法」とは異なる技術的アプローチに基づいて製造された多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンド工具に関するものであるから,これらの事例は,「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」との関係において,「BINDERLESS」の文字が,「結合材がない」の意味を表す語として一般的に使用されていたことを示すものではない旨主張する。
しかしながら,商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かを判断するにあたっては,当該商標がその指定商品に使用された場合における,指定商品の取引者,需要者の認識を基準として判断すべきであるところ,たとえ,本願の指定商品「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」の製法が,他の「ダイヤモンド切削工具」とは技術的に異なるものであるとしても,上記1(2)のとおり,「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」は,「ダイヤモンド切削工具」に含まれる工具の名称の一つであるから,「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」と他の「ダイヤモンド切削工具」とは,その用途(切削)に共通性を有しており,それらの取引者,需要者は共通する場合があるといえる。
そうすると,「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」の取引者,需要者が,本願商標に接した場合に,本願商標がその商品の品質を表示したものと理解することは十分にあり得るというのが相当である。
(4)したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 「バインダレス」又は「バインダーレス」の文字の使用事例
1 書籍
(1)「生産加工技術を支える機械と工具 2013年3月号」(日本工業出版株式会社発行)の9頁において,「表1 結晶構造および製法からみたダイヤモンド&cBN切削工具の分類」と題する表には,種類の欄に「ダイヤモンド切削工具」,結晶構造の欄に「多結晶」,「合成物質」の欄に「バインダレス(BL)多結晶体(?10mm)」及び「バインダレス(BL)多結晶板(厚さ?数mm)」並びに「工具名称」の欄に「ナノ多結晶ダイヤモンド工具」及び「CVD多結晶ダイヤモンド工具」の記載がある。
(2)「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい 切削工具の本」(2015年5月28日 日刊工業新聞社発行)の38頁において,「人工バインダレス多結晶ダイヤモンド」の見出しの下,「近年,日本企業が数10nmの微細なダイヤモンド粉末を緻密で強固に結合させた『人工で結合剤をつかわない(バインダレス)多結晶ダイヤモンド』を製造することに成功しました。」の記載があり,39頁において,「単結晶ダイヤ,ダイヤモンド焼結体,バインダレス多結晶ダイヤの特性比較」と題する表には,「材質名」として,「単結晶ダイヤ」及び「ダイヤモンド焼結体(多結晶ダイヤモンド)」と並んで「バインダレス多結晶ダイヤモンド」の列見出しがあり,硬さ,等方性,強度等が比較されている記載がある。
(3)「精密工学会誌 2012年2月 78巻2号 通巻926号」(公益社団法人 精密工学会発行)の108頁において,「バインダレスナノ多結晶ダイヤモンドの実用化開発」の見出しの下,「数十nmの非常に微細なダイヤモンド粒子が,結合材なしに強固に直接結合したナノ多結晶ダイヤモンド(Nano-Polycrystalline Diamond,以下NPD)の合成に成功した。・・・このようにNPDは,非常に硬いだけでなく,強靭で,かつ,耐熱性にも優れた画期的な硬質材料である。また,単結晶ダイヤモンドの欠点である劈開性や機械特性の異方性がなく,バインダレスであるため耐熱性も高い。特に機械加工用工具素材として,従来のダイヤモンド材料を大きく超える,非常に高いポテンシャルを有し,次世代の高性能切削工具や耐摩工具として大きな展開が期待できる。」の記載がある。
2 新聞記事
1983年1月12日付け日経産業新聞の17頁において,「爆薬の高度利用(2)粉体の衝撃処理に有効(未来技術)」の見出しの下,「・・・特にこれら難焼結物に混入されていた焼結助剤を入れず,純度の高い原料粉で焼結したバインダーレス物の製造に,これら活性微粉の混入が役立つことが期待される。これによって耐熱性・強度はさらに向上するはずである。ダイヤのバインダーレス焼結体といわれるカーボナードも,単結晶よりすぐれた面をもつ夢の材料である。」の記載がある。
3 我が国の特許公報等
(1)特開2018-183854号公報において,「【発明の名称】」には,「回転切削工具」の記載があり,「【特許請求の範囲】」の「【請求項8】」には,「前記ダイヤモンドは,単結晶ダイヤモンド,多結晶ダイヤモンドおよびバインダレス多結晶ダイヤモンドからなる群より選ばれた一種である,請求項7に記載の回転切削工具。」の記載がある。
(2)特開2018-122365号公報において,「【発明の名称】」には,「ボールエンドミル」の記載があり,「【発明を実施するための形態】」の「【0022】」には,「本発明はダイヤモンド焼結体であれば,Co等のバインダーを含有するものやバインダレスのダイヤモンド焼結体にも適用することができる。」の記載がある。
(3)特表2015-530263号公報において,「【要約】」には,「本開示は,地下掘削用途に使用するための,多結晶ダイヤモンドボディを組み込んだ切削工具に関し,より具体的には,基材に接合されて切削要素を形成する,熱的に安定な多結晶ダイヤモンドボディに関する。熱的に安定な多結晶ダイヤモンドボディは,バインダレス多結晶ダイヤモンド又は非金属触媒多結晶ダイヤモンドとすることができる。」の記載があり,「【特許請求の範囲】」の「【請求項17】」には,「触媒物質を用いずに炭素に超高圧高温焼結プロセスを施して熱的に安定なバインダレス多結晶ダイヤモンドを形成することによって,前記熱的に安定な多結晶ダイヤモンドボディを形成するステップをさらに含むことを特徴とする,請求項15に記載の方法。」の記載がある。
(4)特開2013-227164号公報において,「【要約】」の「【解決手段】」には,「ダイヤモンド工具の製造方法は,単結晶ダイヤモンドまたはバインダレス多結晶ダイヤモンドからなるダイヤモンド工具の製造方法であって,単結晶ダイヤモンドまたはバインダレス多結晶ダイヤモンドからなる工具母材を形成する工程と,・・・」の記載がある。
(5)特開2003-25118号公報において,「【発明の名称】」には「切削用ダイヤモンド工具」の記載があり,「【特許請求の範囲】」の「【請求項7】」には,「前記ダイヤモンドの材料は,単結晶ダイヤモンド,気相合成ダイヤモンド,バインダレスの焼結ダイヤモンドの中のいずれかであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の切削用ダイヤモンド工具。」の記載があり,「【発明の実施の形態】」の「【0021】」には,「また,これ以外にも,バインダレスの焼結ダイヤモンドや気相合成ダイヤモンドを使用することも好適である。」の記載がある。
4 インターネット情報
(1)「トーメイダイヤ株式会社」のウェブサイトにおいて,「ダイヤモンド焼結体」の見出しの下,「ダイヤモンド焼結体の製造法はいくつかの方法があります。ダイヤモンド(炭素)の溶融温度が高いことを考慮し,高融点材料の焼結手法に従い,ダイヤモンド表面を溶かすバインダー物質による溶解析出機構を用いた液相焼結方法。天然の多結晶体と同様のダイヤモンド-ダイヤモンド相互結合(D-D結合)による,バインダーレスでダイヤモンドの結晶同士を接合させる固相焼結方法があります。」の記載がある。
(http://www.tomeidiamond.co.jp/tec/8.html)
(2)博士論文である「PCDの超精密加工に関する研究」(2009年3月 熊本大学大学院自然科学研究科 中野貴之)の2頁には,「ダイヤモンド焼結体の製造法は,ダイヤモンドの溶融温度が高いことを考慮してダイヤモンド表面をバインダ物質によって溶解析出させる液相焼結法や,ダイヤモンド相互の結合形成を目指してバインダレスでダイヤモンド結晶同士を接合させる固相焼結方法が広く知られている」の記載がある。
(http://reposit.lib.kumamoto-u.ac.jp/bitstream/2298/14299/2/24-0424-1.pdf)
(3)「フジBC技研株式会社」の「レーザー仕上げダイヤモンド切削工具」に関する商品カタログの5頁には,「従来多結晶ダイヤモンド(PCD)との違い」として,「バインダレスの純粋な多結晶ダイヤモンド」と「バインダとしての不純物を含んだ多結晶ダイヤモンド」の記載とともに多結晶ダイヤモンドの顕微鏡写真が掲載されている。
(http://www.fuji-bc.com/images/diamond/N.D.CAT_hp.pdf)
(4)「トラヤテレビサービス株式会社」が運営する「機械要素技術展2015ガイド静岡県版」のウェブサイトにおいて,「応援ブログ2014」の頁には,「常に,人がやらないことを先んじてやる。(株)オリオン工具製作所」の見出しの下,「4月24日(木),本日2社目の取材先は,株式会社オリオン工具製作所さんです。・・・1980年には日本で最初の『人造多結晶ダイヤモンドチップソー』の開発・製品化に成功し,以来,高品質の超硬工具を世に送り続けている,歴史ある会社です。」及び「バインダレス(金属結合相を含まない)チップソーとは,耐食性のある超硬工具」の記載がある。
(http://mtech.555toraya.com/blog116/)

審理終結日 2019-07-12 
結審通知日 2019-07-16 
審決日 2019-07-29 
出願番号 商願2017-77696(T2017-77696) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W07)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 渡邉 あおい
平澤 芳行
商標の称呼 バインダーレス、レス 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
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