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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1355115 
異議申立番号 異議2018-900323 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-11-09 
確定日 2019-09-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第6071628号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6071628号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6071628号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成29年11月10日に登録出願、第5類「サプリメント,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く)」を指定商品として、同30年7月10日に登録査定、同年8月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する商願2017-80204号商標(以下「引用商標」という。)は、「XTEND」の欧文字を標準文字により表してなり、第5類「サプリメント」を指定商品として、平成29年6月16日に登録出願されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第8条第1項、同法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、黒色の直線で四角く囲われた、ややデザイン化された「X-ten」の欧文字を横書きに表してなる商標であって、その構成文字に照応して、「エックステン」の称呼を生じ、該文字に相当する(外来)語は存在しないことから、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、「XTEND」の欧文字を書してなり、その構成文字に照応して、「エックステンド」の称呼を生じ、該文字に相当する(外来)語は存在しないことから、特定の観念は生じない。
(3)引用商標の周知性について
引用商標は、申立人が製造・販売するサプリメントについて使用され、本件商標の出願日までに、我が国において広く知られるに至っていた周知商標である(甲3?甲16)。
また、申立人は、我が国だけでなく、世界各国・地域において、引用商標及び「XTEND」の文字をその構成中に含む商標の保護に努めており、その周知性は世界中で維持されている(甲17)。
(4)本件商標と引用商標の類似性
ア 本件商標は、5文字のうち語頭を含む4文字を引用商標と共通にし、相違する2文字は、ハイフンの有無と、取引の際に外観上看過されやすい語尾部分の「D」の有無のみであることから、需要者が時と所を異にして両商標に接した場合、これらは全体の外観において近似した印象を与えるものであるから、両商標は、外観上、類似する商標である。
イ 本件商標は、その構成文字に照応して、「エックステン」の称呼を生じ、引用商標は、その構成文字に照応して、「エックステンド」の称呼を生じる。
本件商標は、全ての音を引用商標と共通にし、語尾の1音「ド」の有無のみにおいて引用商標と相違するものである。
そうすると、この差異音が印象に残り難い語尾に位置することとも相まって、全体としての称呼の識別に及ぼす影響は少ないものであり、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、その語感、語調が相似たものとなって、聴者をして彼此聞き誤らせるおそれがあるといえる。
よって、両商標を全体として称呼した際は、互いに近似する音として聴取されるものであるから、両商標は、称呼上類似するということができる。
ウ 本件商標と引用商標は、いずれも直接的かつ一義的に何らかの特定の観念が生じるものではなく、一種の造語を表してなるものと認識、把握されるとみるのが相当であるから、両商標は観念において比較することができないものである。
エ 以上のすべてを考慮すると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観上及び称呼上において類似するものであるから、本件商標は、引用商標に類似する商標というべきである。
(5)商標法第8条第1項該当性について
本件商標は、その出願日前の出願に係る申立人の引用商標に類似する商標であって、その引用商標に係る指定商品と同一の商品について使用するものであるから、商標法第8条第1項に該当する。
(6)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、申立人の業務に係る商品「サプリメント」を表示する商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するというべきであって、かつ、同一の商品「サプリメント」について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(7)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、申立人が指定商品「サプリメント」について使用した結果、我が国の取引者・需要者の間で高い周知性を獲得した引用商標に類似し、また、その指定商品も同一とする第5類「サプリメント」を含むものであって、関連性が極めて高いものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接した取引者及び需要者が、あたかも申立人又はその関連会社が業務において取り扱っている商品であるかのごとく誤って認識する可能性が高い。
したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
ア 申立人提出の証拠によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)申立人は、2004年に米国で設立され、栄養補助食品を販売している会社であって、本件商標の登録出願前におけるウェブサイトには、申立人が製造・販売する「XTEND」の文字(「X」の文字が他の「TEND」の文字より大きく表されているものを含む。)を容器に付したサプリメント(「以下「申立人商品」という。)が掲載されている(甲3?甲5、甲7、甲8、甲13)。なお、甲第13号証には、「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日 2014/1/15」の記載がある。
また、申立人は、引用商標及び「XTEND」の文字をその構成中に含む商標について、我が国だけでなく、米国、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド等の国において、登録出願をしている(甲17)。
(イ)「楽天市場」のウェブサイト「BCAA配合ランキング」(甲9、2019年1月26日更新)、「YAHOO!JAPANショッピング」のウェブサイト「BCAAランキング1位?20位」(甲10、更新日:1月25日)及び「Amazon.co.jp」のウェブサイト「売れ筋ランキング」(甲11、「ランキングは1時間ごとに更新されます」と記載されているものの、具体的な掲載日時は不明。)において、申立人商品が1位から上位を占めている状況が掲載されているが、いずれも本件商標の登録出願及び登録査定後あるいは掲載日時が不明のものである。
(ウ)上記(ア)及び(イ)以外の申立人の提出に係る証拠は、掲載日が確認できないもの(甲6)やその出力日が2019年1月27日とするもの(甲12、甲14、甲15)であって、本件商標の登録査定後のものである。
イ 上記アの事実を総合して判断すれば、申立人は、我が国において、2014年頃には、引用商標と同一の文字列である「XTEND」をサプリメントに使用していることがうかがえるが、我が国における申立人商品の市場シェア、広告の範囲等については不明である。
また、その他、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして周知著名性を獲得していたと認めるに足りる証拠も見いだすことはできない。
したがって、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られていたと認めることはできない。
(2)商標法第8条第1項該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、黒色の直線で縁取りされた長方形の枠内に、ピンク色で縁取りし、それぞれの文字に影をつけたかのごとき「X-ten」の文字をまとまりよく書してなるものである。そして、アルファベットの1字である「X」と数字の10を意味する英語「ten」とをハイフンで結んだ語は、辞書等に掲載がなく、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものと理解されるといえる。そして、本件商標を構成する「X-ten」の文字からは、慣れ親しんだローマ字読み、又は英語風読みで「エックステン」の称呼を生じるものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「エックステン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「XTEND」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載がなく、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものと理解されるといえる。そして、引用商標の構成文字からは、慣れ親しんだローマ字読み、又は英語風読みで「エックステンド」の称呼を生じるものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「エックステンド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、外観については、色彩、文字の態様及び四角形の有無において顕著な差異を有するものであるから、外観において紛れるおそれはない。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「エックステン」の称呼と引用商標から生じる「エックステンド」の称呼とは、語尾に位置する「ド」の音の有無に差異を有するものであって、該差異音は、有声の破裂音である上に、響きの弱い鼻音「ン」の音の後に位置していることから、相対的に一層響きの強い音として明瞭に聴取し得るばかりでなく、全体としても5音と6音という比較的短い音構成であることとも相まって、これらを一連に称呼する場合、その語調、語感を異にし、聴き誤るおそれはないというのが相当である。
そして、観念においては、本件商標及び引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、「サプリメント」を共通にし、互いに類似するものである。
以上を総合すると、両商標は、指定商品において類似し、観念において比較することができないとしても、外観において顕著な差異を有し、称呼において紛れるおそれのない、非類似の商標であって、その印象が明らかに異なる別異の商標とみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
ア 引用商標の周知著名性について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られていたと認めることはできないものである。
イ 本件商標と引用商標との類似性について
本件商標及び引用商標は、上記(2)のとおり、非類似の商標であって、類似性の程度は低いものといえる。
ウ 出所の混同のおそれについて
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものであり、また、本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり非類似であって、その類似性の程度は低いものである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想又は想起し、その商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項、同法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。




別掲(本件商標:色彩については原本参照。)

異議決定日 2019-09-02 
出願番号 商願2017-155028(T2017-155028) 
審決分類 T 1 651・ 4- Y (W05)
T 1 651・ 271- Y (W05)
T 1 651・ 25- Y (W05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浦辺 淑絵片桐 大樹 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 金子 尚人
石塚 利恵
登録日 2018-08-17 
登録番号 商標登録第6071628号(T6071628) 
権利者 有限会社あんでぱんだん
商標の称呼 エックステン、エックス 
代理人 小林 奈央 
代理人 田中 克郎 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 稲葉 良幸 

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