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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W091242
審判 全部申立て  登録を維持 W091242
審判 全部申立て  登録を維持 W091242
管理番号 1354339 
異議申立番号 異議2018-900250 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-09-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-09-03 
確定日 2019-08-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第6051010号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6051010号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6051010号商標(以下「本件商標」という。)は,「3D OS NAND」の数字及び欧文字を標準文字で表してなり,平成29年6月1日に登録出願,第9類,第12類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同30年5月23日に登録査定され,同年6月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するから,その登録は取り消されるべきであるとして,その理由を次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性
本件商標「3D OS NAND」の「3D NAND」は,「3次元NAND/3次元に積層したNAND型フラッシュメモリ」を意味する識別力のない語であり(甲1?甲5),同じく「OS」の部分は,「Oxide Semiconductor(酸化物半導体)」の略語「OS」であり(甲6,甲7),いずれも識別力がない語である。
よって,本件商標「3D OS NAND」は,識別力のない記述語「3D NAND」に,識別力のない記述語「OS」を組み合わせた語にすぎず,全体として,「酸化物半導体を使用した3次元に積層したNAND型フラッシュメモリ」の観念が生ずるにすぎず,「酸化物半導体を使用した3次元に積層したNAND型フラッシュメモリ」を使用した指定商品又は指定役務については,識別力がなく商標法第3条第1項第3号に該当し,同フラッシュメモリを使用していない指定商品又は指定役務については,品質又は質の誤認が生じ商標法第4条第1項第16号に該当する。
また,本件商標は上述のように全体として識別力がないので,商標法第3条第1項第6号にも該当する。
(2)結語
以上述べたとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同項第6号について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張並びに職権調査(インターネット情報,新聞記事情報)によれば,フラッシュメモリには「3D NAND(フラッシュメモリ)」と称される商品があること,及び「OS」の文字が「酸化物半導体」の略語として用いられる場合があることが認められる(甲1?甲5,職権調査)。
しかしながら,本件商標は,上記1のとおり,「3D OS NAND」の文字よりなるところ,「3D」,「OS」及び「NAND」の各文字は,それぞれの文字の間に1文字分の空白はあるものの,同じ書体,同じ大きさで視覚上まとまりよく一体的に表され,かかる構成からなる本件商標は,これに接する者をして,全体として一つのまとまりのあるものと理解,認識させるとみるのが自然である。
そして,当審において職権をもって調査したところ,本件の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において,「3D NAND」の文字は,この構成をもって「3次元に積層したNAND型フラッシュメモリ」を指称する語として一体的に使用されている語であり,また,「OS」の文字が,これに接する取引者,需要者をして直ちに「酸化物半導体(Oxide Semiconductor)」の略語であることを認識させるほど普通に使用されていること,及び,本件商標の構成文字「3D OS NAND」が,「酸化物半導体を使用した3次元に積層したNAND型フラッシュメモリ」を意味する商品の品質等及び役務の質等を表示したものとして用いられていること等の事実は発見できなかった。
さらに,当該「3D OS NAND」の文字が,「酸化物半導体を使用した3次元に積層したNAND型フラッシュメモリ」の意味合いを認識させるというべき事情はもとより,何らかの特定の意味合いを想起,認識させるというべき事情も発見できなかった。
そうすると,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者をして,全体で特定の意味合いを想起,認識させることのない一種の造語として認識,把握させるものと判断するのが相当である。
してみれば,本件商標は,本件商標の登録査定時において,これをその指定商品及び指定役務に使用しても,商品の品質及び役務の質を表示するものでなく,自他商品・役務識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって,本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものといえない。
(2)商標法第4条第1項第16号について,
本件商標は,上記(1)のとおり本件商標の指定商品の品質及び指定役務の質を表示するものではないから,これをその指定商品及び指定役務に使用しても商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものといえない。
したがって,本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものといえない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものでなく,その登録は,同法第3条第1項及び同法第4条第1項に違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-07-25 
出願番号 商願2017-73574(T2017-73574) 
審決分類 T 1 651・ 16- Y (W091242)
T 1 651・ 13- Y (W091242)
T 1 651・ 272- Y (W091242)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 浜岸 愛
薩摩 純一
登録日 2018-06-08 
登録番号 商標登録第6051010号(T6051010) 
権利者 株式会社半導体エネルギー研究所
商標の称呼 サンデイオオエスナンド、スリーデイオオエスナンド、スリーディーオオエスナンド、オオエスナンド、ナンド 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 

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