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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W09
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
管理番号 1354283 
審判番号 不服2019-2683 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-27 
確定日 2019-08-09 
事件の表示 商願2018-79423拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第9類「人工知能(AI)によりユーザーの質問・相談を分析・解析し適切な回答を生成するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)によりユーザーの質問・相談に回答するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)により恋愛に関する質問・相談に回答するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)により旅行に関する質問・相談に回答するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)によるデータの科学的・技術的分析に用いるコンピュータソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,スマートフォン用・携帯電話用カバー,スマートフォン・携帯電話用ケース,スマートフォンの液晶画面保護フィルム,スマートフォンの画面保護用フィルム,スマートフォン又はカメラ用自撮り棒,スマートフォン用の無線ヘッドセット,スマートフォン用イヤホンジャック,スマートフォン用クリーナー付きストラップ,スマートフォン用ストラップ,スマートフォン用ホルダー,スマートフォン用布製ケース,時計の形をしたスマートフォン,電子計算機用プログラム,アプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),タブレット型コンピュータ用アプリケーションソフトウェア,ネットワーキングアプリケーション用のコンピュータソフトウェア,携帯情報端末用コンピュータアプリケーションソフトウェア,コンピュータネットワークを通じてダウンロードされる携帯電話の待ち受け画面用画像データ,電子計算機の表示モニタの待ち受け画面用又は携帯電話の待ち受け画面用のダウンロード可能な静止画又は動画,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,業務用テレビゲーム機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」の商品を指定商品として,平成29年9月7日に登録出願された商願2017-118525に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同30年6月15日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願商標の拒絶の理由に引用した登録第5976810号商標(以下「引用商標」という。)は,「Oshieru」の文字を標準文字で表してなり,平成29年1月25日に登録出願,第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として,同年9月1日に設定登録され,現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,頭上に黄色の楕円及び羽を有する子供のキャラクターを描いた図形を大きく表してなり,その下部に,「オシエル」の片仮名をピンク色で小さく横書きしてなるところ,図形部分とは上下に明確に分かれ,視覚上,分離して認識されるものである。
そして,本願商標の構成中「オシエル」の文字部分は,本願商標下部のほぼ中央に普通の活字で読み取りやすく表示されており,また,当該文字部分は,我が国で親しまれた「教える」の語を単に片仮名で表したものと容易に認識させることから,当該文字部分が図形部分に比べて小さく表されているとしても本願商標に接する取引者,需要者の注意を強く引くものであるというのが相当である。
他方,本願商標の構成中の図形部分は,頭上の黄色の楕円及び羽等を有することより天使をモチーフとしたキャラクターを想起させる場合があるとしても,図形部分自体は特定の称呼,観念をもって親しまれているものとは認められないから,図形部分と文字部分とが,観念的に密接な関連性を有しているとは考え難く,一連一体として何かしらの称呼が生じるともいえない。
また,図形部分及び「オシエル」の文字部分は,指定商品との関係で,当該商品の品質等を表すものともいえない上,このほかに各部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる証拠も見当たらない。
これらの事情を総合すると,図形部分と文字部分とが,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできないから,図形部分と文字部分は,それぞれが独立して出所識別機能を有する要部であるというべきである。
以上によれば,本願商標は,その要部である「オシエル」の文字部分から,構成文字に相応した「オシエル」の称呼及び「教える」の観念が生じると認められる。
イ 引用商標について
引用商標は,「Oshieru」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は既成の英単語として辞書等に載録されている語ではないため,我が国で親しまれた「教える」の語を単にローマ字で表記したものと理解されるのが自然であり,その構成文字に相応して「オシエル」の称呼及び「教える」の観念が生ずるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討すると,外観においては,本願商標の要部である「オシエル」の文字と引用商標の「Oshieru」の文字は,片仮名と欧文字という文字種を異にするものの,両者は共に態様上の特徴が認められない普通に用いられる方法で表されていることに加え,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり,デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば,両者における文字種の相違が,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
次に,称呼及び観念についてみると,両者は「オシエル」の称呼,「教える」の観念を同一にするものである。
以上のとおり,本願商標の要部と引用商標とは,称呼及び観念を同一にするものであって,外観における差異についても,称呼及び観念の同一性をしのぐほどの顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないことから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品中,第9類「人工知能(AI)によりユーザーの質問・相談を分析・解析し適切な回答を生成するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)によりユーザーの質問・相談に回答するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)により恋愛に関する質問・相談に回答するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)により旅行に関する質問・相談に回答するためのコンピュータソフトウェア,人工知能(AI)によるデータの科学的・技術的分析に用いるコンピュータソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,スマートフォン用・携帯電話用カバー,スマートフォン・携帯電話用ケース,スマートフォンの液晶画面保護フィルム,スマートフォンの画面保護用フィルム,スマートフォン又はカメラ用自撮り棒,スマートフォン用の無線ヘッドセット,スマートフォン用イヤホンジャック,スマートフォン用クリーナー付きストラップ,スマートフォン用ストラップ,スマートフォン用ホルダー,スマートフォン用布製ケース,時計の形をしたスマートフォン,電子計算機用プログラム,アプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),タブレット型コンピュータ用アプリケーションソフトウェア,ネットワーキングアプリケーション用のコンピュータソフトウェア,携帯情報端末用コンピュータアプリケーションソフトウェア」は,引用商標の指定商品中の第9類「電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品」と,同一又は類似の商品である。
オ 小括
以上によれば,本願商標は,引用商標と互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似する商品であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「本願商標は,『天使』をモチーフとする擬人化された一種のキャラクターの図形を有することから,これに接した取引者,需要者が『天使』の観念を想起することも少なくなく,また,本願商標の『オシエル』は,『ミカエル』,『ガブリエル』,『ウリエル』といった天使の名前をもじったものであることから,一層『天使』という観念が導かれやすい」旨を主張している。
しかしながら,仮に本願商標の図形部分から「天使」をモチーフとした一種のキャラクターを想起する場合があるとしても,本願商標の指定商品の取引者,需要者の間において,上記のような天使の名前が広く知られているという実状は見いだせないから,「オシエル」の文字が,図形部分の愛称として,天使の名前に似せて名付けられたものと直ちに理解されるとは考え難く,他に「オシエル」の文字が,図形部分の愛称であると認めるに足りる証拠も見当たらない。
イ 請求人は,「請求人のウェブサイトにて,本願商標のキャラクター図形とほぼ同一の図形が,その名前を『オシエル』として表示されていること,及びテレビ番組や全国紙等の多数のメディアにて,請求人の提供するサービスが本願商標のキャラクター図形とともに『AIサービス オシエル』のように紹介されていること」,そして「請求人の『オシエル』のサービス提供が開始された2016年9月から2019年1月までの同サービスのウェブサイトの閲覧数(ページビュー数)は135,909回にものぼり,実際の訪問者数(ユニークユーザー数)で計測しても100,924人が訪問している。最も注目を集めたサービス開始月の2016年9月のみを見ると,閲覧数は43,160回で,実際の訪問者数は33,767人にもなり,相当数の需要者が本願商標のキャラクター図形と文字『オシエル』に接した」ことから,「『オシエル』が請求人の提供するAIシステムのサービス名称であること,又は本願商標のキャラクター図形の名称が『オシエル』であることは我が国の取引者,需要者の間で,相当程度知られている」旨を主張している。
しかしながら,請求人が提出した証拠(請求人は,本件審判に関して第1号証ないし第35号証を提出しているが,当該証拠の番号を甲第1号証ないし甲第35号証と読み替える。)中の請求人ウェブサイト(甲3)は,図形部分と「オシエル」の文字部分がやや離れて記載されているため,「オシエル」の文字が,図形のキャラクター名とは直ちに理解し難いといわざるを得ない。
また,提出された証拠の中で,キャラクターの名称と理解できる使用例は僅か3件であり(甲9,甲20,甲22),その他の証拠(甲4?甲8,甲10?甲19,甲21)からは,請求人が開発した「恋愛相談専用のAI(サイト)」のサービス名称が「オシエル」であることが理解できるにすぎず,加えて,ウェブサイトの閲覧数等について具体的な証拠の提出はなく,示された数字も多いものとはいえないものであるから,図形部分の名称が「オシエル」であることが,我が国の取引者,需要者の間で相当程度知られているとは認められない。
ウ 請求人は,「称呼が共通する商標につき,その外観及び観念の相違が称呼の共通性を凌駕(りょうが)し,取引者,需要者の間に誤認混同が生じるおそれがなく,両商標は非類似の商標であると判断された結果,登録が認められた過去の審決,異議決定例を列挙し,本願商標も登録されるべき」旨を主張している。
しかしながら,請求人が挙げる事例は,いずれも本願商標とその構成態様を異にするものである。また,商標の類否判断は,登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において,個別具体的に判断されるものであるから,請求人の挙げた商標登録の例などがあるからといって,本願商標も必ず登録されるものであるということにはならない。
エ よって,請求人の主張は,いずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標(色彩については,原本参照。)


審理終結日 2019-05-31 
結審通知日 2019-06-05 
審決日 2019-06-24 
出願番号 商願2018-79423(T2018-79423) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W09)
T 1 8・ 263- Z (W09)
T 1 8・ 261- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 大森 友子
浜岸 愛
商標の称呼 オシエル 
代理人 眞島 竜一郎 
代理人 恩田 俊郎 
代理人 村山 靖彦 
代理人 及川 周 

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