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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W25 |
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管理番号 | 1354224 |
審判番号 | 取消2018-300038 |
総通号数 | 237 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-09-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2018-01-18 |
確定日 | 2019-07-22 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5637971号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5637971号商標の指定商品中第25類「運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5637971号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年5月2日に登録出願、「運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」を含む第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月20日に設定登録されたものである。 そして、本件審判請求の登録は、平成30年1月31日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を以下「本件要証期間」という。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(以下「甲1」等のように表示する。)を提出した。 1 請求の要旨 本件商標は、その指定商品中第25類「運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」(以下「本件商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 2 請求人の弁駁 請求人は、被請求人提出の平成30年4月5日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対し、同年5月31日付け審判事件弁駁書で次のように述べた。 (1)弁駁の要旨 被請求人の答弁は、以下の理由より承服し難い。 (2)理由 被請求人は、本件商標を「運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」について使用しているとして、乙1ないし乙12を提出している。しかし、これらの証拠に記載されたストリートダンスシューズは、ダンス用に加工を施されてはいるものの、「履物」の範ちゅうに帰属する商品と思料される。 「特許情報プラットフォームにおける『ダンスシューズ』等の商品・役務名検索(結果一覧)写し」(甲3)によると、ダンスシューズはもとより、例えば、「バレエシューズ(ダンスシューズ)」や「舞踏場用ダンスシューズ」は、それぞれ、バレエ(又はクラシックバレエ)や社交ダンスに適した加工が施されているが、「運動用特殊靴」の範ちゅうではなく、「履物」の範ちゅうに属する商品として分類されている。 そして、使用にかかるストリートダンスシューズは、当然にストリートダンス用に適した加工が施されているが、その外観形状などは、普通のスポーツシューズやスニーカーなどと実質的に何ら変わらないものである。 また、被請求人は、答弁書の「6.答弁の理由」の(3)で、「タウンシューズとしても使用することも可能である」と自認している。 そうすると、使用にかかるストリートダンスシューズは、通常の「履物」と同様にタウンシューズにも使用可能な点で、「ダンス競技専用」の商品ではないことは明らかである。 第3 被請求人の答弁書による主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙12を提出した。 (1)本件商標の使用者 本件商標の使用者は、愛知県名古屋市瑞穂区豆田町5丁目2番地在の「マドラス株式会社」(商標権者)である。 (2)使用商標 使用商標は、別掲2のとおりの構成からななり、本件商標(別掲1)と同一の商標である。 (3)使用に係る商品 本件商標は、特殊な加工を施した競技用ストリートダンスシューズの商標として使用している(乙1?乙12)。競技用ストリートダンスシューズは、ダンスのカテゴリー毎に特殊な構造が採用されている。例えば、ヒップホップダンス用の場合、ノンマーキングラバーソール(突起がないソール)で、グリップが効きすぎずなめらかな動きを可能にするためソール面に化粧を施さず、さらに、激しい動きでもバランスを保てるよう前方と後方のラバーにブリッジをかけた構造としているなど、特殊な構造になっている。そのため、タウンシューズとして使用することも可能であるが、基本的にはスパイクレスゴルフシューズやボーリングシューズ等と同様に運動用特殊靴の範ちゅうに属する。 (4)使用時期 本件商標は、少なくとも、平成27年から同29年にかけて、その指定商品中「運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」について使用していたことは明らかである。 (5)使用場所 マドラス株式会社(商標権者)の本支店住所所在地及び各店舗所在地である。 (6)使用の態様 本件商標の使用は、商品又は商品の包装に標章を付す行為(商標法第2条第3項1号)、商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為(同2号)及び商品に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し、若しくは領布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(同8号)に該当する。 (7)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標権者が本件要証期間に、日本国内においてその指定商品中「運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」について使用していたことは、明らかである。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した乙1ないし乙12の証拠から以下の事実が認められる。 (1)乙1は、「JADE/2015 AUTUMN & WINTER COLLECTION」をタイトルとする商品カタログであり、1葉目ないし3葉目に別掲2の使用商標の記載があり、4葉目、6葉目及び7葉目に、別掲3のとおりの「JADE」の欧文字の記載があり、4葉目ないし7葉目には、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。 ただし、当該商品カタログの発行日、発行数、頒布先等は明らかではない。 (2)乙2は、株式会社ノアが2016年4月12日に発行した「TOKYO DANCE LIFE no.16」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に「JADEのシューズをチームでゲット!」の記載、3葉目に「JADE横浜ビブレ店 期間限定OPEN!」及び「ストリートダンスをコンセプトとしたシューズブランド『JADE』が横浜ビブレ2階にて3月18日(金)?8月31日(水)の期間限定でPOP UP STOREをOPEN。」の記載があり、それぞれに、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。 ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。 (3)乙3は、株式会社ジャスト・ビーが2016年4月中旬に発行した「SDM 2016年5月号 VOL.53」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、4葉目に、別掲2の使用商標の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。 ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。 (4)乙4は、株式会社ジャスト・ビーが2016年12月初旬に発行した「SDM 2016年12月号 VOL.57」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に「JADE 2016AW“SWITCH”」の記載、3葉目に別掲2の使用商標の記載があり、それぞれに、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。 ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。 (5)乙5は、株式会社バッシラインが2017年1月21日に発行した「SUPER KIDS MAGAZINE」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に、別掲2の使用商標の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。 ただし、当該雑誌の発行数、頒布先等は明らかではない。 (6)乙6は、黒色の靴袋及び青色の靴袋の写真であり、それぞれの靴袋には、別掲2の使用商標の記載があるが、商品「競技用ストリートダンスシューズ」用に使用されたことは確認できない。 (7)乙7は、株式会社小宮紙器が、マドラス株式会社に対し、平成29年1月12日に発行した「靴袋」(乙6)の見積書であり、この見積書の右下部分に、別掲2の使用商標の記載がある。 これにより、本件要証期間である平成29年1月12日に、靴袋(乙6)が存在していたことは推認できる。 (8)乙8は、「ダンスチャンネル」が発行した「10th ANNIVERSARYメモリアルブック」をタイトルとする雑誌の抜粋記事であり、2葉目に、別掲2の使用商標の記載があり、商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。 ただし、当該雑誌の発行日、発行数、頒布先等は明らかではない。 (9)乙9は、発行者・発行日・発行数・発行目的等が不明の資料である。 なお、この資料には、別掲2の使用商標の記載及び商品「競技用ストリートダンスシューズ」の写真が掲載されている。 (10)乙10は、「STREET DANCE KICKS」の欧文字及び使用商標が記載されたシールであるが、このシールの作成日、発行数、使用方法、頒布先等は明らかではない。 (11)乙11は、紙製手提げ袋の写真であり、これには、別掲2の使用商標の記載があるが、商品「競技用ストリートダンスシューズ」用に使用されたことは確認できない。 (12)乙12は、ネクスタ株式会社が、マドラス株式会社に対し、平成28年1月16日に発行した、「紙製手提げ袋」(乙11)の見積書であり、 この見積書には、「納入期日 2016年3月末?2016年4月初旬」の記載、「商品/規格」の欄に「JADE紙手提げ袋」の記載及び「寸法:W430×D150×H385+口折45mm」の記載、「数量」の欄に「1,500枚」の記載がある。 これにより、本件要証期間に、「紙製手提げ袋」(乙11)が存在していたことは推認できる。 2 上記1によれば、当審の判断は、以下のとおりである。 (1)使用者について 株式会社小宮紙器が平成29年1月12日に発行した「靴袋」(乙6)の見積書(乙7)及びネクスタ株式会社が、同28年1月16日に発行した「紙製手提げ袋」(乙11)の見積書(乙12)において、その宛先に「マドラス株式会社」の記載が認められることから、別掲2の使用商標、その他「JADE」の文字からなる商標の使用者は、商標権者であるマドラス株式会社と推認できる。 (2)使用商標について 被請求人が提出した乙1、乙3ないし乙5、乙8及び乙9において、商品「競技用ストリートダンスシューズ」に、別掲2の使用商標が使用されている。 また、乙2において、商品「競技用ストリートダンスシューズ」に、「JADE」の欧文字が使用されている。 本件商標と別掲2の使用商標とは、外観・称呼及び観念を同一にするものであり、本件商標の構成中の「JADE」の欧文字と乙2で記載されている「JADE」の欧文字は、構成文字が同一であり、字体の相違も特に目立ったものではなく、これらから生じる「ジェイド」の称呼及び「ひすい」の観念は同一である。 よって、本件商標と商品「競技用ストリートダンスシューズ」に付された別掲2の使用商標等の商標は、社会通念上同一と認められる。 (3)使用商品について 乙1ないし乙5、乙8及び乙9に掲載された商品は、「競技用ストリートダンスシューズ」であるが、当該商品は、その商品の形状が、日常生活において普通に使用する商品である「スニーカー」などと実質的に何ら変わらないものである。 また、被請求人が、答弁書で述べているとおり、当該商品は、タウンシューズとして使用することも可能である。 そうすると、「競技用ストリートダンスシューズ」は、「靴類」に属する商品であって、「専ら、スポーツをする際に限って使用する特殊な履物」が該当する本件審判請求に係る指定商品中の「運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」の範ちゅうの商品であるということはできない。 (4)使用商標の使用時期について 乙2ないし乙5の雑誌の発行日は、いずれも本件要証期間であるものの、これらの雑誌の発行数、頒布先等が明らかではないため、これらの証拠によっては、本件商標の使用時期が特定できない。 また、乙1、乙8ないし乙10は、これらの商品カタログ、雑誌、シール等の発行日が確認できない。 さらに、乙6及び乙11の別掲2の使用商標が付された「靴袋」及び「紙製手提げ袋」は、本件要証期間に存在していたことは推認できるものの、これらが、「競技用ストリートダンスシューズ」用に使用されたことが明らかではない。 よって、これらの証拠によっては、使用商標の使用時期は特定できない。 (5)使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の取引について 被請求人は、使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の取引に関する書類を何も提出していない。 よって、実際に、本件要証期間に、使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ」の譲渡等の取引が行われたことが認められない。 (6)審判長の審尋に対する被請求人の対応 審判長は、被請求人に対して、上記(3)ないし(5)に係る暫定的見解を示すとともに、既に提出の乙各号証以外の証拠方法の提出を求める旨の審尋を行った。 これに対し、被請求人は、何ら主張、立証していない。 (7)小括 ア 使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」又は「競技用ストリ ートダンスシューズ」の包装に標章を付す行為について 商品カタログ(乙1)において、別掲2の使用商標を「競技用ストリー トダンスシューズ」に使用しているとしても、商品カタログ(乙1)の発 行日や頒布先等が不明である。 また、「靴袋」(乙6)及び「紙製手提げ袋」(乙11)に、別掲2の 使用商標が記載されているとしても、これらが、「競技用ストリートダン スシューズ」用に使用されたことも証明されていない。 さらに、シール(乙10)が、「競技用ストリートダンスシューズ」に 使用されたことも明らかではないうえ、このシールの作成日、発行数、頒 布先等が不明である。 以上から、これらの証拠によっては、被請求人が、本件要証期間に、使 用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」又は「競技用ストリートダ ンスシューズ」の包装に標章を付す行為を行ったことを証明していない。 イ 使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」又は「競技用ストリ ートダンスシューズ」の包装に標章を付したものを譲渡等する行為につ いて 被請求人は、使用商標を付した商品「競技用ストリートダンスシューズ 」の販売等を行ったことを証明する書類をなんら提出していない。 よって、被請求人が、本件要証期間に、使用商標を「競技用ストリート ダンスシューズ」又は「競技用ストリートダンスシューズ」の包装に標章 を付したものを譲渡等する行為を行ったことを証明していない。 ウ 使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」に関する広告、定価 表又は取引書類に標章を付して展示し、若しくは領布し、又はこれらを 内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為について 商品カタログ(乙1)、雑誌(乙2?乙5、乙8)、「靴袋」(乙6) 及び「紙製手提げ袋」(乙11)において、別掲2の使用商標等が使用さ れているとしても、商品カタログ(乙1)及び雑誌(乙2?乙5、乙8) の発行数量や頒布先が不明である。 また、「靴袋」(乙6)や「紙製手提げ袋」(乙11)が、「競技用ス トリートダンスシューズ」用に使用されたことも確認することができない 。 よって、乙2ないし乙5及び乙8の雑誌の発行日が、本件要証期間であ り、また、「靴袋」(乙6)及び「紙製手提げ袋」(乙11)が、本件要 証期間に存在していたことは認められるとしても、被請求人が、本件要証 期間に、使用商標を「競技用ストリートダンスシューズ」に関する広告、 定価表又は取引書類に標章を付して展示し、若しくは領布し、又はこれら を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為を行った ことを証明していない。 エ 「競技用ストリートダンスシューズ」が、指定商品中「運動用特殊靴 (「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」に含 まれないことについて 使用商品「競技用ストリートダンスシューズ」は、本件審判請求に係る 指定商品中「運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シュ ーズ」を除く。)」の範ちゅうの商品とは認められない。 3 むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、本件要証期間に日本国内において 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商品について本件商標を使用していた事実を証明したものということはできない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 別掲1(本件商標) 別掲2(使用商標) |
審理終結日 | 2019-05-23 |
結審通知日 | 2019-05-27 |
審決日 | 2019-06-10 |
出願番号 | 商願2013-33230(T2013-33230) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(W25)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 浦崎 直之 |
特許庁審判長 |
木村 一弘 |
特許庁審判官 |
庄司 美和 豊田 純一 |
登録日 | 2013-12-20 |
登録番号 | 商標登録第5637971号(T5637971) |
商標の称呼 | ジェード |
代理人 | 特許業務法人RIN IP Partners |
代理人 | 宮城 和浩 |
代理人 | 野原 利雄 |