• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W293043
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W293043
管理番号 1354212 
審判番号 不服2018-8953 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-29 
確定日 2019-07-22 
事件の表示 商願2017-9475拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「五ケ山ダムカレー」の文字を標準文字で表してなり、第29類、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成29年2月1日に登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、当審における同30年8月12日付け手続補正書により、第29類「五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレー,五ヶ山ダム周辺地域に因んだレトルトカレー,五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレーのもと,五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレールウ,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ即席カレー,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ調理済みのカレー」、第30類「五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレーを使用した弁当,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ調理済みカレーライス,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ冷凍カレーライス,五ヶ山ダム周辺地域に因んだ調理済みカレーうどん」及び第43類「五ヶ山ダム周辺地域に因んだカレー料理を主とする飲食物の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標の構成中、『五ケ山ダム』の文字は、福岡県筑紫郡那珂川町大字五ケ山地先に設置され、2018年運用を開始する予定の『五ケ山ダム』を理解させるものであり、また、各地のダム周辺地域において、ダムを模したカレーが『○○ダムカレー』(○○はダムの地域名等)と称して、飲食店等で販売、提供されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品、指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、その商品、役務が『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス用のカレー』、『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス』及び『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライスを主とする飲食物の提供』であることを認識するにすぎず、本願商標は、商品の品質、役務の提供の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標をその指定商品、指定役務中、『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス用のカレー』、『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライス』及び『五ケ山ダムの、ダムを模したカレーライスを主とする飲食物の提供』以外の商品、役務に使用した場合、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において、審判長は、請求人に対し、平成31年3月20日付けで、別掲2に係る証拠を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨の審尋をし、期間を指定して、これに対する回答を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
前記3の審尋に対し、請求人は、令和元年5月7日付け回答書を提出し、要旨以下のように主張した。
(1)商標法第3条第1項第3号の認定にあたっては、取引等の事情も考慮されるべきである。請求人は、指定商品及び指定役務に係る補正の文言について、敢えて「五ヶ山ダム周辺地域に因んだ○○」としたが、その理由は、請求人と地域貢献との繋がりに基づくものである。
(2)請求人は、地域に根差したオリジナルメニューを提供し、企業の売りであるコラーゲンを活かした食の提供を続けている。カレーにもコラーゲンを入れ、五ヶ山ダム周辺地域では、請求人の提供するあのカレー、という認知がされている。メディアで多く取り上げられ、請求人が提供する商品や飲食サービスとの関係性や話題性が相俟って、五ヶ山ダムカレーも請求人によるブランドであるとの認知がされているものである。
(3)上記のような経緯でメニュー化された五ヶ山ダムカレーは、他のダムカレーの例と取引事情等が異なるため、単にダムの形状を表現したカレーとして取引者等が認識するものではない。
(4)審尋において指摘された、請求人以外の使用例については、請求人の知名度にあやかり提供している便乗的な事例といえる。

5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本願の指定商品及び指定役務について、前記1のとおり補正された結果、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれはなくなった。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記1のとおり、「五ケ山ダムカレー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「五ケ山ダム」の文字は、原審における平成29年8月30日付け拒絶理由通知書をもって示した事実(別掲1(1)及び(2)参照)に加え、別掲2(1)の事実からすると、福岡県に建設され、2019年に本格運用を開始する予定の「五ケ山ダム」を表したものといえる。
また、上記拒絶理由通知書をもって示した事実(別掲1(3)及び(4)参照)に加え、別掲2(2)ないし(5)の事実からすると、ダムの堤体を御飯で、貯水池をルーで表現したカレーや、ダムの堤体を再現した仕切りがある容器を使ったカレー等、ダムの形状を表現したカレーを総称して「ダムカレー」といい、ダムを有する地区ごとに提供されるご当地ダムカレーについては各ダムの名称を冠して「○○ダムカレー」と称しているものといえるところ、国土交通省が推進するダムツーリズムの人気を背景に2009年頃から独自のダムカレーを提供する店が全国的に増え始め、近年では官民一体となってカレー作りに取り組むケースが増えており、現在では石川県を除く全国46都道府県に約160種類以上のダムカレーがあること、また、ダムカレーのレトルト商品も販売されていることが認められる。
さらに、別掲2(6)のとおり、請求人以外の者が、五ケ山ダムをイメージしたダムカレーを「五ケ山ダムカレー」と称して提供している事実もある。
これらの事情を鑑みれば、「五ケ山ダムカレー」の文字からなる本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、ダムカレーの一として「『五ケ山ダム』の形状を表現したカレー」であると認識、理解するにすぎないものというべきである。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係においては、商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、五ヶ山の地で、店舗や通販を通じて、地元食材を中心にした食を提供しているところ、メディアで多く取り上げられ、五ヶ山ダムカレーも請求人によるブランドであるとの認知がされていることから、他の地域で一般的に提供されるダムカレーの例と取引事情等が異なり、本願商標は、自他商品・役務識別力を有している旨主張する。
しかしながら、当該主張を裏付ける証拠は何ら提出されていないことに加え、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う分野において、「○○ダムカレー」の文字は、ダムを有する地区ごとに提供されるご当地ダムカレーを表すもの、すなわち、商品の品質、役務の質を表示するものとして普通に用いられているのが実情であるから、「五ケ山ダムカレー」の文字からなる本願商標を本願の指定商品及び指定役務に使用するときは、当該商品の品質及び役務の質を表示するにすぎないというほかない。
また、請求人は、請求人以外の「五ケ山ダムカレー」の使用例については、請求人の知名度にあやかり提供している便乗的な事例である旨主張する。
しかしながら、当該主張を認めるに足る証拠は、何ら提出されていない。
したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 平成29年8月30日付け拒絶理由通知書をもって請求人に示した事実
(1)「福岡県」ウェブサイト
「その他の出先機関」の項の「福岡県五ケ山ダム建設事務所」のページにおいて、「業務内容」の見出しのもと、「五ケ山ダムは、那珂川水系那珂川の福岡県筑紫郡那珂川町大字五ケ山地先に多目的ダムとして建設するもので、那珂川総合開発の一環をなすものです。」との記載があり、また「管轄区域」の見出しのもと、「福岡県筑紫郡那珂川町大字五ケ山地内/佐賀県神埼郡吉野ヶ里町松隈地内」との記載がある。
(http://www.pref.fukuoka.lg.jp/soshiki/4805600/)
(2)「毎日新聞」ウェブサイト
2017年2月10日の「五ケ山ダム 2公園整備 那珂川町、観光スポットへ オートキャンプ場、物販やカフェ施設 来春完成目指す /福岡」の見出しの記事において、「那珂川町は、県などが佐賀県境に建設中の県内最大級の五ケ山ダム(総貯水量4020万立方メートル)を観光に生かそうと、オートキャンプ場、カフェなどを備えた二つの公園を造る。ダムが運用を始める2018年4月に合わせた完成を目指す。事業費は約9億円。ダム北側の周回道路と国道385号が合流する箇所には、4ヘクタールの桑河内ふれあい公園(仮称)を造り、電源などがあるオートキャンプの個別サイト19区画とフリーサイト20区画、芝生広場やせせらぎ水路を設ける。ダム工事を見学できた国道沿いの南側高台は9000平方メートルのダムサイト記念公園(仮称)にする。約500平方メートルの物販やカフェが入る拠点施設を造り、貸自転車を置くことなども検討している。ダム周辺には他に県がビオトープや親水公園を整備する予定があり、町は下流の南畑ダム沿いにあるグリーンピアなかがわとも連携させ、観光スポットにする考えだ。【勝野昭龍】」〔福岡都市圏版〕との記載がある。
(https://mainichi.jp/articles/20170210/ddl/k40/010/418000c)
(3)「黒部ダム」ウェブサイト
「黒部ダムカレーとは 黒部ダムカレーは日本一の大きさを誇る黒部ダムをモチーフに、昭和40年初頭に扇沢(現在の扇沢レストハウス)で発売され続けてきた『アーチカレー』がその元祖となり、2009年7月に長野県大町市の観光・地域振興を目的に『黒部ダムカレー』という名称で7店舗が参加して販売されはじめ、今ではご当地グルメとしても話題になり、参加店も増え続けています。大町市観光、黒部ダム観光の際にはぜひ『黒部ダムカレー』を食べてみてください。」との記載があり、黒部ダムを模した「黒部ダムカレー」を提供する複数の店舗が紹介されている。
(http://www.kurobe-dam.com/damcurry/)
(4)「独立行政法人 水資源機構」
「立ち寄りグルメ」の項において、「立ち寄りグルメ一覧」の見出しのもと、「水資源機構周辺には、ダムカレーなど施設にまつわるおいしい食べ物があります♪散策にぴったりな食事やおやつに、“寄り道”してみてはいかがでしょうか。」との記載のもと、各ダムを模したカレーが紹介されている。
(http://www.water.go.jp/honsya/honsya/foodNEW/index.html)

別掲2 平成31年3月20日付け審尋をもって請求人に示した事実
(1)「五ケ山ダム」について
2018年3月15日付け「西部読売新聞」(朝刊、34ページ)において、「五ケ山ダムが完成 那珂川 来年本格運用=福岡」の見出しの下、「県が那珂川町で建設していた『五ケ山(ごかやま)ダム』が完成した。・・・約1年後に本格運用を開始。」の記載がある。
(2)「ダムカレー」に関する国土交通省のウェブサイトにおける記載
ア ダムへの理解や防災の啓発、水源域の活性化等を目的に、国土交通省水管理・国土保全局が運営する「ダムコレクション」において、「ダム知識ファイル グループ3 ダムを楽しむ (2)ダムを食べる?」の見出しの下、「ダムツーリズムの人気を背景に、観光客向けの新たなグルメ『ダムカレー』がブームに。ダム内のレストランや近隣の飲食店で食べられるカレーライスで、ダムの姿をご飯とルーで表現しているのが特徴。味も見た目も楽しめると好評で、この数年で新たなダムカレーが次々に生まれています。」の記載とともに、各種ダムカレーの写真が掲載されている。
(http://www.mlit.go.jp/river/damc/card/index.html)
イ 「国土交通省」のウェブサイトにおいて、「ダムツーリズム」の見出しの下、「国土交通省では、民間ツアー会社と連携してダムツアーを実施しています。ダムとその周辺地域の環境を活用し、地域と連携してダムの観光資源としての活用を図っています。」の記載とともに、季刊パンフレット「ダムを見に行こう」等が掲載されている。
(http://www.mlit.go.jp/river/dam/dam_tourism.html)
各パンフレット中の「ダムツアー」においては、「ツアー内容」に「昼食ダムカレー」等と記載されているツアーが存在するほか、平成26年10月に発刊されたVol.7「ダムを見に行こう(秋号2014)」において、「ダム見学とともに『ダムカレー』を食べてみませんか?」の見出しの下、「各ダムの周辺には『ダムカレー』や『ダムかき氷』などダムに関する食べ物が販売されております。今回は、各ダム周辺で食べることができる『ダムカレー』の一部をご紹介いたします。ダムの見学とあわせて、さまざまな『ダムカレー』の食べくらべをしてみてはいかがでしょうか?」と記載され、「三国川ダムカレー」「津軽ダムカレー」「湯西川ダムカレー」「川治ダムカレー」「八ツ場ダムカレー」「宮ケ瀬ダムカレー」「日吉ダムカレー」「よことくダムカレー」「温井ダムカレー」「嘉瀬川ダムカレー」に関するそれぞれの説明と写真が掲載されている。
(http://www.mlit.go.jp/river/dam/tourism/vol07.pdf)
(3)「ダムカレー」に関する新聞記事
ア 2014年9月24日付け「東京読売新聞」(朝刊、33ページ)において、「[上州・道の駅巡り](8)八ッ場ふるさと館(連載)=群馬」の見出しの下、「同駅の食堂の名物となっているのが、着工間近の八ッ場ダム本体をモチーフにした『八ッ場ダムカレー』(同850円)だ。みなかみ町の『道の駅みなかみ水紀行館』には、2009年から販売されている『みなかみダムカレー』があり、篠原社長は『同じようなものではつまらない』と、ダムカレーとしての“差別化”を図った。八ッ場ダムの設計図を基に、水をせき止める『堤体』を忠実に再現したという仕切りが中央にある容器を使い、ルーとご飯を完全に分断した。ご飯の盛りつけ方で堤体を表現するみなかみのものとはまったく違う趣となった。」の記載がある。
イ 2016年4月2日付け「朝日新聞」(朝刊、26ページ)において、「ダム愛、深く 秘境っぽく静か・カード求め県外から・ご当地カレー /大分県」の見出しの下、「観光スポットの一つとして、ダムが注目を集めている。ダム巡りをするファンが現れたり、国土交通省や県が『ダムカード』を出したり。ダムにちなんだ料理も登場している。・・・管理事務所でもらえる『ダムカード』。ダムに親しみを持ってもらおうと、国交省が2007年に発行を始めた。・・・国交省によると、発行を機に全国のダムを巡る『ダムマニア』が出現。観光に結びつく可能性があるとみて、13年ごろから各地のダムの見どころをまとめたパンフレット制作や、民間企業とツアーを組んできた。・・・カード発行と前後して広まった『ダムカレー』もダムめぐりの楽しみの一つ。ご飯をダム、ルーを水に見立てる。各地に『ご当地ダムカレー』が存在する。」の記載がある。
ウ 2016年6月28日付け「毎日新聞」(地方版、23ページ)において、「ダムカレー:静かなブーム 『狭山池』も商品化目指し 大阪狭山市、帝塚山学院大生に試作品作り依頼 /大阪」の見出しの下、「ご飯をえん堤に、ルーを貯水池に見立てた『ダムカレー』。ダムがある地区ごとに独自のダムカレーを売り出し、静かなブームを呼んでいる・・・『日本ダムカレー協会』の事務局長で割烹『三州家』(東京都墨田区)5代目の宮島咲さん(44)によると、全国には5月末時点で72種類のダムカレーがあるという。・・・ダムを所管する国土交通省は、ダムの好感度を上げるため、宮島さんらダムマニアを招いて勉強会を開催。その場で宮島さんはダムカレーのアイデアを提案したという。こうしたこともあり、ダムカレーはメディアで取り上げられるようになり、徐々に広がった。」の記載がある。
エ 2018年10月4日付け「朝日新聞」(朝刊、27ページ)において、「鶴田ダムカレー、形にこだわり 管理所協力、さつま町など19店一斉販売へ/鹿児島県」の見出しの下、「さつま町の飲食店など19店が、地元にある九州最大規模のダム『鶴田ダム』にちなんだご当地カレーを一斉に売り出す。全国でも数少ない『ダムカレーのない県』だったが、国交省九州地方整備局鶴田ダム管理所が協力。皿にご飯を盛る際に使う独自の型枠をつくるなど、形にこだわり、味を競う個性的なカレーが生まれた。・・・最近はダムを観光資源として活用するため、地元自治体や観光団体などの旗振りでカレーづくりに取り組むケースが増えているという。」の記載がある。
オ 2018年10月23日付け「西部読売新聞」(朝刊、27ページ)において、「鶴田ダムカレー誕生 官民が協力 『空白県』返上 細部も再現=鹿児島」の見出しの下、「日本ダムカレー協会によると、ダムカレーは2009年頃から全国に広まり始めた。10日現在、石川県を除く全国46都道府県に約150種類がある。・・・九州でもユニークなメニューが提供されており、福岡市南区の『マサラキッチン』は、福岡県内を流れる那珂川流域の三つのダムを『3ダムカレー』として表現。」の記載がある。
カ 2018年11月16日付け「毎日新聞」(夕刊、1ページ)において、「チェック:ダムカレー続々建造 3年で3倍、150店に 全国で観光利用、地域おこしも」の見出しの下、「盛ったご飯をえん堤に、ルーを水に見立てた『ダムカレー』を出す店が全国で増えている。『日本ダムカレー協会』によると、この3年で3倍に増え、現在150店以上。ダムの形を忠実に再現したものから、多様なトッピングで彩られたものまでさまざまだ。・・・国土交通省が各地のダムで配布している『ダムカード』が人気になるなど、ダムを観光資源として活用しようという動きも追い風になり、各地で地元の名産品などを使ったダムカレーが登場している。同協会のリストによると、現在、石川県以外の46都道府県にご当地のダムカレーがある。」の記載がある。
(4)「ダムカレー」に関する書籍及び雑誌
ア 「るるぶ情報版 中部21 通巻4964号 立山 黒部 アルペンルート’17」(JTBパブリッシング 2016年4月15日発行)において、「立山黒部アルペンルート おみやげセレクション」の見出しの下、「黒部ダムカレーレトルト 520円 長野県大町市のご当地カレー、黒部ダムカレーのレトルト商品。ダム湖をイメージしたグリーンカレーは辛口で、ココナッツ風味との相性が抜群!自宅で手軽に黒部の味が楽しめる。」の記載とともに、レトルト商品の包装箱の写真が掲載されている(36頁)。
イ 「ブルーガイド・グラフィック ダム大百科」(株式会社実業之日本社 2017年2月28日発行)において、「ダムに行ったらダムカレー」の見出しの下、「ダムカレーの形状はそれぞれ異なり、唐揚げなどの副材で周囲の景観を表現したものから、堤体のかたちを忠実に表現したもの、堤体が陶器でできているものなど様々。・・・ダム巡りの際に困ることは食事であろう。基本的にダムは山の奥にあるため、付近にコンビニやレストランなどないことが多い。ダムカレーは、そんなダム愛好家へ一筋の光を与える商品となった。ダム巡りの行程にダムカレーの食事が組み込まれ、食事難民になることもなくなったのだ。それと同時に、過疎化に悩んでいる水源地の人々に潤いを与えた。」等の記載とともに、6種類のダムカレーに関するそれぞれの説明と写真が掲載されている(56?57頁)。
ウ 「地球の歩き方JAPAN ダムの歩き方 全国版-はじめてのダム旅入門ガイド」(株式会社ダイヤモンド・ビッグ社 2018年3月31日発行)において、「ダム巡りを盛り上げる名脇役!ダムカレーの歴史と未来を考える」の見出しの下、「2016年、ダムカレーの種類は30種類増え、合計95種類となった。国土交通省のダムインフラツーリズムが本格始動し、行政によるプッシュがダムカレー増加の大きな要因となった。」等の記載とともに、8種類のダムカレーに関するそれぞれの説明と写真が掲載されている(98?102頁)。
エ 「ツウになる!ダムの教本」(株式会社秀和システム 2018年10月30日発行)において、「ダムカレー」の見出しの下、「『ダムに行ったらダムカレー』、最近ではこんな言葉があるほど、ダムカレーは市民権を得てきた。」等の記載とともに、7種類のダムカレーに関するそれぞれの説明と写真が掲載されている(259?263頁)。
(5)日本全国の「ダムカレー」について
「日本ダムカレー協会」のウェブサイトにおいて、「ダムカレー年表」の見出しの下、2007年以降に販売を開始した全国各地の160種類以上の「ダムカレー」の一覧表が掲載されている。
(http://damcurry.pw/damcurry-list/history)
(6)請求人以外の者が「五ケ山ダムカレー」の文字を「カレー料理を主とする飲食物の提供」に用いている事実
ア 「日本ダムカレー協会」のウェブサイトにおいて、「那珂川3ダムカレー」の見出しの下、「提供店:マサラキッチン 名称:那珂川3ダムカレー(脊振ダムカレー・南畑ダムカレー・五ヶ山ダムカレー) 販売開始日:2016年6月20日」の記載とともに五ヶ山ダムカレーを含めた3種類のダムカレーの写真が掲載されている。
(http://damcurry.pw/archives/1359)
イ 「フクオカーノ!」のウェブサイトにおいて、「大橋『マサラキッチン』で“チキンカレー+タンドリーチキン”。ライスの壁でカレーを堰き止める“ダムカレー”仕様です。 2016年07月09日」の見出しの下、「ライスの壁でカレーを堰き止める"ダムカレー"仕様です。那珂川にある3つのダムのうちの1つ、五ケ山ダム(建設中)をイメージしているそうで、この他にも脊振ダム、南畑ダムがあり、それぞれ様式が違います。タンドリーカレーは自然の岩山を、黄色いピクルスは放水をイメージしているそうです。」等の記載とともに五ヶ山ダムカレーの写真が掲載されている。
(http://fukuokano.net/curry/4563322.html)



審理終結日 2019-05-20 
結審通知日 2019-05-24 
審決日 2019-06-04 
出願番号 商願2017-9475(T2017-9475) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (W293043)
T 1 8・ 13- Z (W293043)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤井 彩音守屋 友宏 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 石塚 利恵
中束 としえ
商標の称呼 ゴカヤマダムカレー、ゴカヤマダム、ゴカヤマカレー 
代理人 本夛 伸介 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ