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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X25
管理番号 1354208 
審判番号 取消2018-300829 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-11-01 
確定日 2019-07-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第5379990号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5379990号商標(以下「本件商標」という。)は、「VIRTUOUS」の文字を標準文字で表してなり、平成22年8月27日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同年12月24日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、同30年11月14日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「被服」について登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張した。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら意見を述べていない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
1 使用の事実1
(1)本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、衣服(品番93604)の製造を中国の企業に発注し、この製品を平成28年(2016年)9月に仕入れている。この衣服には、本件商標と社会通念上同一の商標が付された合皮ワッペン、ブランドネーム及びブランドラベルが付されている。
そして、本件商標権者は、上記衣服を日本国内において顧客に対して販売している。当該事実は、商標法第2条第3項第2号に規定する「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡」するものであることから、本件商標の使用に該当する。
以下、その事実を詳述する。
(2)本件商標権者は、2016年(平成28年)2月29日付けで中国の縫製工場に対し、同年9月1日を納期とする品番93604(品名:モール裏キルト全開ZIP JK)の縫製加工指図書を送付している(乙1)。
上記加工指図書には、本件商標に係る商標と同一の英文字である「VIRTUOUS」と表記した合皮ワッペンを衣服に付着させ、「VIRTUOUS」と表記したブランドネームを付し、かつ同一の表記をしたブランドラべルを取り付けることが指示されている。
そして、本件商標権者は、上記加工指図書のとおり中国にて縫製された品番93604の衣服を、日本国内において顧客に対して販売している(乙2,3)。
乙第2号証の「品番別 出入照会」において、「計上日」は本件商標権者における商品の仕入れ、倉庫移動及び売上げの計上日であり、品番93604の衣服は2016年(平成28年)9月9日に仕入れがされ、10月7日に得意先に対する売上の計上がされたことが明らかである。
また、上記売上中の伝票No.2674000の内訳は、乙第3号証の「売上伝票照会」に記載されている。なお、本件商標権者と得意先との取引情報は、すべてコンピュータシステム上にて交換されている。
以上のとおり、本件商標権者は、平成28年(2016年)10月に、日本国内の顧客に対して、本件商標と社会通念上同一の商標を付した衣服を販売している。
2 使用の事実2
(1)本件商標権者は、衣服(品番938F4)の製造を中国の企業に発注し、この製品を平成30年(2018年)10月に仕入れている。この衣服には、本件商標と社会通念上同一の商標(筆記体にて「Virtuous」と表された商標)が表示されたブランドネーム及びブランドラベルが付されている。
そして、本件商標権者は、上記衣服(品番938F4)を日本国内において顧客に対して販売している。当該事実は、商標法第2条第3項第2号に規定する「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡」するものであることから、本件商標の使用に該当する。
以下、その事実を詳述する。
(2)本件商標権者は、2018年(平成30年)5月15日付けで中国の縫製工場に対し、品番938F4(品名:起毛ポロトレーナー)の縫製加工指図書を送付した(乙4)。上記加工指図書には、本件商標「VIRTUOUS」と同一の英文字を筆記体にて表した商標「Virtuous」を表示したブランドネーム及びブランドラベルを製品に取り付けることが指示されている。
そして、本件商標権者は、上記加工指図書のとおり中国にて縫製された品番938F4の起毛ポロトレーナーを、日本国内の顧客に対して販売している(乙5、6)。
乙第5号証の「品番別 出入照会」において、「計上日」は本件商標権者における商品の仕入れ及び売上げの計上日であり、品番938F4の起毛ポロトレーナーは2018年(平成30年)10月19日及び22日に仕入れがされ、同月22日に得意先に対する売上の計上がされたことが記載されている。
また、上記売上中の伝票No.1365641の内訳は、乙第6号証の「売上伝票照会」に記載されている。なお、本件商標権者と得意先との取引情報は、すべてコンピュータシステム上にて交換されている。
以上のとおり、本件商標権者は、平成30年(2018年)10月に、日本国内の顧客に対して、本件商標と社会通念上同一の商標を付した衣服を販売している。
3 結び
以上より、少なくとも平成28年(2016年)10月及び同30年(2018年)10月に、本件商標権者が本件商標と社会通念上同一の商標が付された衣服を販売していたことが明らかである。
よって、本件商標は、本件商標権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、取消請求に係る「被服」に使用されていたことが明らかである(商標法第2条第3項第2号)。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
なお、事案にかんがみ、まず被請求人の主張する使用の事実2から述べ、次に同使用の事実1について述べる。
(1)本件商標権者は、「BLUEMATE CO.,LTD」の表示がされた縫製加工指図書をもって、契約先である有限会社カーキプランニングを通じて、中国上海の工場に品番を「938F4」とする品名「起毛ポロトレーナー」(以下「使用商品」という。)の縫製加工指図を2018年(平成30年)5月15日付けで行い、同年7月9日に指示内容の一部修正を行うなどした(乙4)。
(2)上記縫製加工指図書には、ブランドネーム及びブランドラベルの記載内容に関する指示があり、それらいずれにも筆記体で表された「Virtuous」(以下「使用商標」という。)の表示がある(乙4の3葉目)。
(3)同縫製加工指図書には、洗濯ラベル及び付加ラベルに関する指示があり、それらいずれのラベルにも表示者の名称及び住所として、本件商標権者の名称及び住所と一致する「(株)ブルーメイト/岐阜県岐阜市柳津町流通センター/1-14-1」(審決注:「/」は改行を示す。)の表示がある(乙4の3葉目)。
(4)日本国内の顧客に対する販売の記録として提出された品番別出入照会(乙5)及び売上伝票照会(乙6)によれば、前記(1)に記載の使用商品と整合する、品番「938F4」の「キモウポロトレーナー」に関して、「有限会社カーキプランニング」からの「仕入」が「18/10/19」及び「18/10/22」付けで計上され、その後、得意先を「イオン九州(株)」とする「売上」が「伝票No.1365641」によって「18/10/22」付けで計上されており(乙5)、上記売り上げは、売上伝票照会(乙6)に記載の「計上日」、「得意先」、「伝票No.」、「品番」及び「品名」と一致している。
(5)以上の事実のほか、品番を「93604」とする品名「モール裏キルト全開ZIP JK」について、ブランドネームを籠文字で表した「VIRTUOUS」とする2016年(平成28年)2月29日付けの縫製加工指図がなされ(乙1)、上記と同一品番「93604」の商品「ウラキルトモールニットJK」が同年9月9日に岐阜倉庫に仕入られ、その一部が「16/10/07 売上」、「伝票No.002674000」及び得意先「(株)イズミ」として計上され(「品番別出入照会」乙2)、上記売り上げは、売上伝票照会(乙3)に記載の「計上日」、「得意先」、「伝票No.」及び「品番」と一致している。
2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「VIRTUOUS」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、使用商品に付された使用商標とは、筆記体か否か、2文字目以降の文字が大文字か小文字かという差異があるものの、その綴り字を全て同じくするものであって、同一の綴り字に照応して同一の称呼(「バーチャス」)を生じ、観念においても異なるものではない(なお、「virtuous」は「徳の高い」等の意を有する英語であるから、当該意味合いが理解される場合は同一の観念を生じるといえる)ことからすれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商品は、前記1(1)及び(4)のとおり、「起毛(キモウ)ポロトレーナー」と称される商品であるところ、該商品は、被服の範ちゅうに属する商品と認められる。
(3)使用時期について
本件商標権者である株式会社ブルーメイトは、前記1(1)ないし(4)の事実からすれば、同人が縫製加工を指示し納品された使用商標を付した使用商品について、少なくとも2018年10月22日に譲渡したということができ、上記時期は要証期間(平成27(2015)年11月14日?平成30(2018)年11月13日)内である。
なお、前記1(5)に示す事実(被請求人の主張する使用の事実1)については、本件商標権者の表示が必ずしも明らかでないものの、「VIRTUOUS」の表示が認められ、各証拠(乙1?3)の様式が前記1(1)から(4)までに示す事実を裏付ける各証拠(乙4?6)と同様であることからすれば、2016年(平成28年)2月29日付けの縫製加工指図書に基づき縫製、納品された「VIRTUOUS」の商標を付した商品について、同年10月7日に株式会社イズミに譲渡されたということができ、本件商標の使用を裏付ける一事情として参酌し得るものということができる。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者である被請求人が、本件要証期間内に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標を付した使用商品を譲渡したと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2019-04-24 
結審通知日 2019-05-07 
審決日 2019-05-24 
出願番号 商願2010-67755(T2010-67755) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X25)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
板谷 玲子
登録日 2010-12-24 
登録番号 商標登録第5379990号(T5379990) 
商標の称呼 バーチャス、バーチュアス 
代理人 平岩 康幸 
代理人 小島 清路 
代理人 宇野 健一 
代理人 馬場 資博 

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