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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y25
管理番号 1354184 
審判番号 取消2018-300936 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-12-13 
確定日 2019-07-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第4999800号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4999800号商標の指定商品中第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4999800号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成18年5月9日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」並びに第16類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月27日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成30年12月27日にされたものである(以下、この登録前3年以内の期間を「本件要証期間」という。)。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品中第25類「全商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中第25類「全商品」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 平成31年1月21日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する弁駁
被請求人は答弁書を提出しているが、その内容は実際に本件商標の使用を証明する内容とはいえない。
(1)本件商標を使用したと思われる写真を提出しているが、それが実際市場で販売されたものか、それとも見本として最近数点本件資料の為に見本として制作されたものか判断できない。
(2)同商品の商品タグが見本として数点使用されたとも考えられるが、実際の商品が販売されたものと判断できない。もし実際に商品が販売されているのであれば販売先宛ての商品の「納品書」、「請求書」等が提出されるべきであり実際的な証拠といえるものではない。
(3)雑誌「JSガール」を提出しているが、雑誌に商品が紹介されたとしても実際に市場で商品が販売された証明にはならない。この様な雑誌の場合、誌面を構成するために商品見本を取り寄せて使用する場合が多く、商品の実際の販売の証明にはならない。

第3 被請求人の主張の要点
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証(以下「乙1」等のように表示する。)を提出した。
1 本件商標の使用事実
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、円形の内側に略弧状の曲線と2つの略ハート形を配置してなる図形である。
(2)本件商標の使用者
乙1の「商品タグ」及び乙2の第20頁右下欄、第21頁左下欄には、「株式会社RONI WORLD」の略称及びURLが表示されている。
(3)使用にかかる商品
乙1の「カーディガン」は、請求に係る指定商品「被服」に含まれる。また、乙1の「商品タグ」には商品名「カーディガン」及びその品番等が記載され、乙2の第20頁右下欄には、乙1の「商品タグ」に記載された商品名及びその価格が記載されている。
(4)使用に係る商標
乙1の「カーディガン」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。
(5)使用時期
本件商標の商標権者である「株式会社RONI WORLD」は、本件要証期間内に我が国においてその請求に係る指定商品中「被服」(カーディガン)について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して販売している。乙2には、乙1の「カーディガン」がその価格と共に掲載されており、乙2の発売日は「2017年10月21日」と記載されている。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、本件要証期間内に日本国内において商標権者により指定商品中「被服」について使用していること、すなわち、商品又は商品の包装に登録商標を付する行為(商標法第2条第3項第1号)がなされていることが明らかであるから、本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審における審尋
1 審尋の要旨
審判長は、被請求人に対し、平成31年3月13日付けで、合議体の暫定的見解を示し、被請求人が提出した証拠によっては、本件要証期間内に、商標権者が、本件審判請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを被請求人が証明しているものとはいえない旨の審尋を送付し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。
2 被請求人の回答
上記1の審尋に対して、被請求人は、何ら応答していない。

第5 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、円輪郭内の上部に目と思しき小さい黒塗りハート型図形を2つ並べ、その下に口と思しき両端上がりの弧線を描いた図形よりなるものである。
2 使用商標について
使用商標は、別掲2のとおり、黄色地の二重輪郭内の上部に目と思しき小さいピンク色に塗られたハート型図形を左右に2つ並べ、その下に、ピンク色に塗られた口と思しき両端上がりの弧線を描き、右のハート型図形の上部に、「Roni」と思しき文字がその中に書されたリボンの図形を配してなるものである。
3 本件商標と使用商標との社会通念上の同一性について
本件商標は、円輪郭及びその内部に配された「ハート型図形」や「口と思しき両端上がりの弧線」がすべて黒色で描かれているのに対し、使用商標は、二重輪郭内の地色が、外周は白色で内周は黄色であり、内部に配された「ハート型図形」や「口と思しき両端上がりの弧線」がピンク色で描かれ、両者は明らかに色彩が異なること、本件商標は、一重の円輪郭であるのに対し、使用商標は、二重の輪郭であること、本件商標は、構成右上にリボンを有していないが、使用商標は、リボンを有していることから、これらは外観において同視される図形からなるものとはいえない。
よって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
その他の乙各号証には、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標の表示はない。
4 小括
上記のとおり、被請求人が提出した乙1及び乙2の証拠から認定できる使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標ということはできず、その他被請求人が、本件要証期間に取消請求の対象である商品について、本件商標を使用していることを証明するものはない。
5 結論
以上のとおり、被請求人は、本件要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したといえない。
また、被請求人は、本件要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

別掲1(本件商標)


別掲2 使用標章(色彩は、乙1を参照されたい。)

審理終結日 2019-05-09 
結審通知日 2019-05-13 
審決日 2019-05-27 
出願番号 商願2006-41915(T2006-41915) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y25)
最終処分 成立  
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
豊田 純一
登録日 2006-10-27 
登録番号 商標登録第4999800号(T4999800) 
代理人 内島 裕 

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