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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1353394 
異議申立番号 異議2018-900059 
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-03-09 
確定日 2019-07-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第6003074号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6003074号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6003074号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成29年5月29日に登録出願,同年11月21日に登録査定,第25類「ネックウォーマー,レッグウォーマー,スポーツシャツ,ベスト,水泳着,バンダナ,保温用マフ,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として,同年12月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は,次の(1)及び(2)のとおりであり,いずれも申立人の業務に係る「フットボールに使用するウェアや靴下,一般的な洋服,コート,Tシャツ,下着,帽子」等について使用しているとするものである。
(1)本件商標と同一の構成からなる商標(以下「引用商標1」という。)
(2)本件商標と一部の色彩を異にする商標(以下「引用商標2」という。)
以下,これらをまとめていうときは,「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標はその指定商品について,商標法第4条第1項第10号,同項第15号又は同項第19号に該当するから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第62号証(枝番を含む。以下,枝番の全てを示すときは,枝番を省略する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 引用商標の周知性
(ア)申立人が引用商標を使用するようになった経緯
引用商標は,本件商標と同一又はこれと色が違うだけの類似商標である。当該引用商標は,長年にわたり申立人の業務に係る商品に使用してきた未登録周知商標である。
当該「GRANDE」ロゴは,2000年(平成12年)頃にデザイナーA氏がサッカーユニホームのロゴとして作り,これをウェアに表示して販売していた。最初は個人で販売していたが,2004年(平成16年)に有限会社エル・グラフィカ(代表者A,以下「エルグラフィカ社」という。)を設立し,エルグラフィカ社で販売し,その販売しているウェアの大半は,有限会社イーズ(以下「イーズ社」という。)が制作請負をしていた。イーズ社は,2009年(平成21年)頃から浦和パルコの催事で時々「GRANDE」ロゴを表示した製品を出店販売するようになった。ところがエルグラフィカ社は,イーズ社に対する制作請負代金を滞納するようになっていた。
2011年(平成23年)の東日本大震災の影響でイーズ社及びエルグラフィカ社は事業継続が困難となり,同年4月に支払ができないということで,イーズ社の代表者とエルグラフィカの代表者が申立人の代表者を訪れ,資金を出して事業を引き受けてほしいと頼んできた。
そこで,申立人の代表者は,エルグラフィカ社に「GRANDE」事業譲渡代金として,金400万円を渡した。エルグラフィカ社は,その代金でイーズ社に滞納金を返済した。申立人は,2011年(平成23年)4月に引用商標を使用した商品販売に関する一切の事業をイーズ社及びエルグラフィカ社から譲り受けて,それ以降,フットボールアパレル商品の製造・販売事業を継続している。
この事実は,申立人が,2011年(平成23年)の商品カタログ(甲2)を作成するとともに,ホームページを設立し(甲3の1),取引窓口を,申立人のホームページアドレス,「FOOTBALL PRODUCT/www.grandefp.net」と表示していることから明らかである。すなわち,当該商品カタログに記載されている商取引窓口である「FOOTBALL PRODUCT/www.grandefp.net」の特定商取引表示法表示の販売主が,申立人となっていることがその事実を立証している(甲3の2)。
以来,申立人は,現在に至るまで当該ホームページのアドレスを商取引窓口として事業を行っている。この事実についても毎年作成している新しい商品カタログ(甲2?24)において一貫して当該ホームページのアドレスを商取引窓口としていることからわかる。
申立人が引用商標を使用した取扱商品は,フットボールに使用するウェアやソックスなどのフットボール用品(GEAR)と,一般的な洋服,コート,ワイシャツ類,ティーシャツ,下着,運動用特殊衣服,靴類,運動用特殊靴,靴下,帽子,かばん類,袋物,サッカー用具,ランチシリーズ用品などの流行商品(FASHION)とに大別して商品開発をし,品揃えをしている。
この申立人の取扱商品は,本件商標の指定商品と一致しているため,本件商標が使用されると,申立人の商品と誤認・混同を起こし,関連市場に混乱をもたらすおそれがある。
特に,申立人が販売している商品群の特徴は,引用商標を取扱商品のデザインの一部としていることと,当該引用商標には,「フットボールを愛する人々全てに」というコンセプトを意味付けている点にある。このため,引用商標は,フットボール関係者だけでなく,一般需要者の日常的な部分にフットボールテイスト(趣味性)を主張できるファッションブランドになっている点が人気の要因になっている。
その結果,今や引用商標を付けた一連のブランド商品群は,申立人の業務に係る商品を示すものとして,フットボール業界関連はもちろんのこと一般的なファッションアパレル業界でも広く認識されるようになっている。
よって,引用商標は長年にわたり申立人の業務に係る商品に使用している未登録周知商標になっている。
(イ)申立人による引用商標の使用実態
a 商品カタログに基づく引用商標を使用した商品販売
申立人は,事業譲渡を受けた2011年(平成23年)以降,現在まで毎年継続的に商品カタログを作成して,引用商標を付けた商品の販売をしている。
b イベント参加(甲25?38),コラボ企画(甲39?44),宣伝・広告掲載(甲45?50),サプライヤー契約(チーム・選手)(甲51),「○○GRANDEチーム」の名称使用許諾,インターネット通販契約(甲52?55)による引用商標の周知活動
c その他の引用商標の拡販活動
300万DL突破「BFB2015-サッカー育成ゲーム」と人気サッカーアパレルブランド「GRANDE」とタイアップした(甲56)。
サッカーゲームの中で引用商標を使用したユニホームやその他のフットボール用品を出現させ,サッカーブランドとしての周知活動をした。
d 「GRANDE」フットサルコートとアパレルショップが融合した施設を2017年(平成29年)6月オープンした(甲57)。
(ウ)引用商標は,未登録周知商標である。
引用商標は,2011年(平成23年)に事業譲渡を受けて以来,毎年商品カタログを発行して,広く引用商標を付した商品群を通販,店舗販売及びインターネット販売するとともに,営業活動などによって全国のフットボールチームへのオーダーメード商品を販売したり,オフィシャルサプライヤー契約により専属販売するなどの多様な活動によって,引用商標の周知性に努めてきた。その結果,申立人は,事業譲渡を受けて以来,7年間で,引用商標を使用した商品の総売上高は4億2千5百万円以上にもなった。
イ 引用商標と本件商標との類否
申立人の周知商標である引用商標と本件商標とを比較すると,その外観,称呼,観念ともに同一又は色違いだけの類似する商標である。また本件商標の指定商品は,引用商標を付して販売している商品と同一又は類似である。
したがって,引用商標と本件商標は,同一又は類似商標であること明らかである。
ウ したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は,申立人の商標として広く一般に知られているから,これと同一又は類似する本件商標をその指定商品について使用した場合,申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
ランチ雑貨や生活雑貨を製造販売する株式会社イエロースタジオ(以下「イエロースタジオ社」という。)は,申立人との間で取引関係を結んでいた深い関わりがあり,イエロースタジオ社は,引用商標が申立人の周知商標であることを十分承知している。イエロースタジオ社は,申立人との取引が始まった直後に,エルグラフィカ社との共同名義で本件商標を含む2件の商標権を取得している。このような本件商標権者らの行為は,申立人が商標権を取得していないことを知った上で,周知商標の所有者の承諾を得ることなく商標登録出願し,権利取得したものである。また,申立人が使用している広告の一部をイエロースタジオ社はそのまま使用している。このような行為は,商標権を取得利用して,不正の目的をもって申立人の事業を横取りしようとする行為であるといわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性
証拠(本件商標の登録査定前のものに限る。)及び申立人の主張によれば,以下のとおりである。
ア 申立人は,引用商標に関する事業を行っている(甲2,3)。
イ 2011年(平成23年)から2016年(同28年)までの商品カタログの表紙及び裏表紙(甲2,4?13,15?17)には,引用商標が付されているが,申立人の住所及び名称が記載されている商品カタログは,「2014 SPRING-SUMMER」(甲9),「2014 AUTUMN-WINTER」(甲10),「2015 SPRING-SUMMER」(甲11),「2016 SPRING-SUMMER」(甲12,13),「2016 Autumn Winter APPAREL LINE」(甲16),「2016-2017.Collection. APPAREL LINE」(甲17)である。
そして,それらのカタログには,「ダウンコート,ハーフパンツ,帽子,靴下,ボクサーパンツ,ポロシャツ,Tシャツ,フットボール用ウェア,サンダル,かばん類」等が掲載されている。しかしながら,これらカタログの作成部数,頒布を示す証左は見いだせない。
ウ 申立人がインターネット上の自社ホームページであると主張する書面(甲3,52)には,左上部に引用商標1が表示され,カテゴリーの中の「プレイヤーアイテム+new!」に「プラクティスシャツ+new!」,「プラクティスパンツ+new!」,「ピステ」,「ジャージ」,「ソックス+new!」,「インナー」等が掲載されているが,当該書面には,URLや印刷日もなく,そもそも,これらがインターネット上で公開されていたのかどうかも不明である。
エ 「週刊サッカーダイジェスト」(平成27年2月5日発行:甲45)には,引用商標2の広告が掲載されているが,申立人に係る記載がなく,この広告と申立人との関係は明示されていない。
さらに,「高校サッカーダイジェスト」(平成28年5月25日発行:甲47)は,引用商標1の表示とともに「今年で創立15周年を迎えたサッカーブランド『グランデ』。」と紹介され,併せて引用商標1と色彩の異なる商標を付したジャージなどの商品が掲載されているが,申立人に係る記載がなく,この紹介記事及び記載商品と申立人との関係は明示されていない。
そして,「Basic Item」カタログ(甲49)には,引用商標2が掲載されているが,該カタログの作成日は不明である。
オ 申立人が,2015年(平成27年)12月27日及び同年11月1日に締結したサプライヤー契約書(甲51の1・2)は,具体的なチーム名やスポーツ選手名がマスキングされているだけでなく,これらの契約者(チーム,選手)が,引用商標を付した商品を着用し,どの程度テレビや雑誌等に取り上げられ,一般人の目に触れる機会があったかは不明である。
カ 株式会社サイバードが2015年(平成27年)6月24日に配信した「BFB 2015-サッカー育成ゲーム」のリリース記事(甲56)において,「GRANDEオリジナルユニフォームが購入できます。」の記載とともに,引用商標が付されたTシャツの画像が掲載されているが,申立人に係る記載がなく,この照会記事及び記載商品と申立人との関係は明示されていない。
キ 申立人は,引用商標を使用したユニホームやその他のフットボール用品の総売上高は,2011年(平成23年)以来7年間で,4億2千5百万円以上になったと主張するが,その主張を裏付ける証拠はない。
その他,引用商標が付された商品の市場全体に占める程度,広告宣伝の地域や規模などは明らかではなく,引用商標が我が国の需要者,取引者の間で広く認知されている事実を把握することができない。
ク 以上によると,申立人が提出した証拠からは,引用商標は遅くとも2014年(平成26年)から使用を開始されていることは認められるものの,引用商標を付した商品やそれらの広告と申立人との関係が不明な証拠が多いこと及び申立人の業務に係る商品の市場シェアなどの販売実績,広告宣伝の地域や規模など明らかではないことから,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る「フットボール用ウェア,帽子,靴下,Tシャツ,サンダル,かばん類」等を表すものとして,全国的のみならず,一地方においても我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は,別掲のとおり,「GRANDE」の欧文字を太いゴシック体で大きく表し,その下に同じ横幅で上段の文字に比して小さく「FOOTBALL PRODUCTS」の欧文字を近接して配し,欧文字「GRANDE」の「G」の文字の直上に赤,白及び青の三つの同心円図形及び「DE」の文字の上部に黄色の星図形が二つ並んで配置された構成からなる。
他方,引用商標1は,本件商標とは同一であり,また,引用商標2は,本件商標とは一部の色彩のみを異にするものであるから,本件商標は,引用商標1とは同一の商標であって,引用商標2とは類似の商標と認められ,本件商標と引用商標との類似性の程度は高いといえる。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(2)のとおり,本件商標は,引用商標と同一又は類似の商標であって,本件商標の指定商品中「被服,履物」は,申立人の業務に係る「フットボール用ウェア,帽子,靴下,Tシャツ,サンダル」と同一又は類似の商品と認められる。
しかしながら,引用商標は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る「フットボール用ウェア,帽子,靴下,Tシャツ,サンダル,かばん類」等を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは,類似性の程度が高いものであり,本件商標の指定商品中「被服,履物」と,申立人の業務に係る「フットボール用ウェア,帽子,靴下,Tシャツ,サンダル,かばん類」とは,共に身につけたり,履いたりするファッション関連の商品であって,いずれもファッション関連商品の売り場において販売されるものであり,用途,取引者及び需要者を共通にするといえるから,その関連性は高いものである。
しかしながら,引用商標は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る「フットボール用ウェア,帽子,靴下,Tシャツ,サンダル,かばん類」等を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
そうすると,たとえ本件商標と引用商標とが類似性の程度が高いものであって,本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品とが,関連性を有しているとしても,本件商標は,これに接する取引者,需要者が,引用商標又は申立人を連想又は想起するものとはいえない。
してみれば,本件商標権者らが,本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者において,該商品が,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について,混同を生じるおそれはない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人は,「イエロースタジオ社は,申立人との間で取引関係を結んでいた深い関わりがあり,引用商標が申立人の周知商標であることを十分承知していたといえ,本件商標権者らは,申立人が商標権を取得していないことを知った上で,周知商標の所有者の承諾を得ることなく商標登録出願し,権利取得した。」と主張する。
しかしながら,申立人とイエロースタジオ社における本件商標に関する契約の存在は確認することができない。
また,引用商標は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る「フットボール用ウェア,帽子,靴下,Tシャツ,サンダル,かばん類」等を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
そして,申立人が提出した甲各号証からは,本件商標権者らが,本件商標を使用して申立人の事業を横取りしているなどの事実は見いだせないし,他に,本件商標が不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実を見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(6)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同項第15号及び同項第19号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標(色彩については,原本参照。)


異議決定日 2019-07-03 
出願番号 商願2017-71737(T2017-71737) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 25- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
平澤 芳行
登録日 2017-12-08 
登録番号 商標登録第6003074号(T6003074) 
権利者 株式会社イエロースタジオ 有限会社エル・グラフィカ
商標の称呼 グランデフットボールプロダクツ、グランデ、フットボールプロダクツ、プロダクツ 
代理人 八鍬 昇 
代理人 八鍬 昇 
代理人 大津 洋夫 
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