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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201815451 審決 商標
不服201812296 審決 商標
不服201811130 審決 商標
無効2017890086 審決 商標
不服20185959 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W35364145
管理番号 1353289 
審判番号 不服2018-13662 
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-12 
確定日 2019-07-18 
事件の表示 商願2017- 49982拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「孫子税務」の文字を標準文字で表してなり、第35類「経営の診断又は経営に関する指導及び助言,財務書類の作成,財務書類の作成に関する指導及び助言,税務書類の作成,税務書類の作成に関する指導及び助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」、第36類「税務に関するコンサルティング,金融又は財務に関する分析及び助言」、第41類「経営・税務・法務・財務に関する知識の教授,経営・税務・法務・財務に関する能力検定試験の企画・実施,経営・税務・法務・財務に関するセミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,経営・税務・法務・財務に関する書籍の制作,インターネットを含む通信ネットワークによる音声・映像の提供,経営・税務・法務・財務に関する教育用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」及び第45類「法務に関するコンサルティング,官公署に提出する書類の作成,官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類の作成,行政手続きの代理,行政手続きに関する指導及び助言,行政に関する法律事務に関するコンサルティング」を指定役務として、平成29年4月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『孫子税務』の文字を表してなるところ、その構成中の『孫子』の文字は、『孫武』の敬称であって、兵法書である『孫子』については、今日、日本国内においても、ビジネスマン向けに解説書等が書店に並び、愛読され、また、兵法書である『孫子』の中の『戦わずして勝つ』という思想は、現代において広く知られているものといえる。そして、インターネット情報によると、『孫子』の出身地の山東省においては、観光振興や地域おこしなどの公益的な取り組みが行われており、今なお、『孫子』は、少なくとも中国において名声が高く、敬愛され広く知られているものといわざるを得ない。そうとすれば、日本においても広く知られている『孫子』の文字を含む本願商標をその指定役務について独占的に使用することは、孫子(孫武)ゆかりの地域等の人々の感情を害するおそれがあるばかりでなく、当該著名な故人の名前を使用した観光振興や地域おこしなどの公益的な施策の遂行を阻害することとなり、我が国の国際的な信頼も損なうおそれがあるというべきであり、一般に国際信義に反するものとして、公序良俗を害するおそれがあるものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「孫子税務」の文字からなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「ソンシゼイム」の称呼も、格別冗長ではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、「孫子税務」の文字は、一般的な辞書等には載録がなく、また、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであって、たとえ、その構成中の「孫子」の文字が、中国の春秋時代の呉の兵法家である「孫武」の敬称であるとしても、かかる構成において、これに接する取引者、需要者は、構成全体で一体不可分の造語として認識するものとみるのが自然である。
また、原審説示のように中国の山東省において、観光振興や地域おこしなどの公益的な取り組みが行われているとしても、本願商標の指定役務は、観光振興や地域おこしに関するイベント等において利用される蓋然性の高い、地方の特産物、土産物等の商品等とは、密接な関係性を有するとはいえないものである。
そうすると、請求人が本願商標を出願し、登録を受けることが、公益的な機関による観光振興や地域おこしのための施策等に「孫子」の名称を利用することについて支障を生じさせるおそれがあるとはいい難いものである。
さらに、当審において職権をもって調査したが、当該文字を商標として採択、使用することが、孫子ゆかりの地域等の人々の感情を害すると認め得る具体的な事情は、発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものというべき事情はなく、また、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような構成でないことは明らかであり、かつ、本願商標をその指定役務に使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものではなく、加えて、他の法律によって、その使用が禁止されているものとすべき事実も認められないものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2019-06-26 
出願番号 商願2017-49982(T2017-49982) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W35364145)
最終処分 成立  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 木住野 勝也
小俣 克巳
商標の称呼 ソンシゼーム、マゴコゼーム、ソンシ、マゴコ 
代理人 渡邉 宏毅 
代理人 鳥飼 重和 
代理人 沼野 友香 

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