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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W07
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W07
審判 査定不服 外観類似 登録しない W07
管理番号 1353239 
審判番号 不服2018-14846 
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-07 
確定日 2019-06-13 
事件の表示 商願2017-73583拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「BIX」の欧文字を標準文字で表してなり,第7類「金属加工機械器具並びにその部品及び付属品」を指定商品として,平成29年6月1日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5877709号商標(以下「引用商標」という。)は,「ビーアイエックス」の片仮名を横書きしてなり,平成28年2月2日登録出願,第7類「金属加工機械器具並びにその部品及び付属品」を指定商品として,同年9月2日に設定登録され,現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,前記1のとおり,「BIX」の欧文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,英語辞書等に採録された成語ではなく,本願商標の指定商品の分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないものである。そして,そのような欧文字からなる商標については,我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるものである。
そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して,これを英語風又はローマ字風に発音した「ビックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
加えて,本願商標のように,何らかの意味を有する成語ではない欧文字3文字は,構成するアルファベット一文字一文字を区切って発音する場合も少なくないというのが相当であるから,本願商標は,その構成文字に相応して「ビーアイエックス」の称呼をも生じ,特定の観念を生じないものである。
したがって,本願商標からは,「ビックス」及び「ビーアイエックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,「ビーアイエックス」の片仮名を横書きしてなるところ,その構成文字に相応して「ビーアイエックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討すると,外観においては,両者は,欧文字と片仮名という文字種を異にするものの,両者は共に態様上の特徴が認められない普通に用いられる方法で表されていることに加え,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり,デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば,両者における文字種の相違が,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
次に,称呼においては,両者は,「ビーアイエックス」の称呼を同一にするものである。
また,観念においては,両者は,共に特定の観念を生じないものであるから,比較することはできない。
そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,称呼において「ビーアイエックス」の称呼を同一にし,外観における差異についても,称呼の同一性を凌駕するほどの顕著な差異とはいえないことから,これらの外観,称呼及び観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合勘案すれば,両者は,相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品「金属加工機械器具並びにその部品及び付属品」は,引用商標の指定商品と同一である。
(5)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一である。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は,「一般的・恒常的な取引の実情として,文字『BIX』を『びっくす』と称する事実を確認することができる一方,『びーあいえっくす』と称する事実を確認できず,本願商標をわざわざ発音し難い『ビーアイエックス』と称呼認定するのは失当である。」旨主張している。
しかしながら,請求人が主張するように,本願商標「BIX」から,「ビックス」の称呼が生じる一方,本願商標のように,既成語ではない欧文字3文字からなる商標の場合,構成するアルファベット一文字一文字を区切って「ビーアイエックス」と称呼されることも極めて自然であり,また,本願商標に接した取引者,需要者が,一種の造語である「BIX」の文字を「ビーアイエックス」と称呼することが不自然であるというような,格別の事情があるものともいい難い。
また,上記(1)で述べたとおり,一つの商標から二つ以上の称呼が生じることはあり得るのであり,その場合,一つの称呼が他人の商標の称呼と同一又は類似であるといえないとしても,他の称呼が他人の商標のそれと類似するときは,両商標は称呼上,類似するものと解するのが相当である。
したがって,請求人の上記主張を採用することはできない。
イ 請求人は,請求人と引用商標の権利者(以下「引用権者」という。)との深い関係を述べた上で,「現在も引用権者への特許権に基づく差止請求・損害賠償請求の訴訟について進行中であり,現時点で,引用権者は,商品名『BIX(ビックス)』の商標的使用を認め,別の商品名『SIO』に変更した状況である」旨主張している。
しかしながら,取引者・需要者は,商標採択の理由やその商標の背景にある事情を必ずしも認識し,理解するものとは限らず,仮にそのような事情を知り得たとしても,本願商標から「ビーアイエックス」の称呼が自然に生じることには変わりなく,請求人の上記主張を採用することはできない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2019-03-20 
結審通知日 2019-03-26 
審決日 2019-04-19 
出願番号 商願2017-73583(T2017-73583) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W07)
T 1 8・ 261- Z (W07)
T 1 8・ 263- Z (W07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤星 直昭森山 啓 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官
平澤 芳行
浜岸 愛
商標の称呼 ビックス、ビイアイエックス 
代理人 杉本 勝徳 

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