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審決分類 審判 判定 その他 属する(申立て成立) Z2930
管理番号 1352497 
判定請求番号 判定2019-600009 
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 判定 
2019-03-29 
確定日 2019-06-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第4512363号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 商品「かつお節及び宗田節の粉末のみを原料とするパック詰めされただし」に使用するイ号標章は、登録第4512363号商標の商標権の効力の範囲に属する。
理由 1 本件商標
本件登録第4512363号商標(以下「本件商標」という。)は、「だし名人」の文字を標準文字により表してなり、平成12年10月27日に登録出願、第29類「加工野菜及び加工果実,乳製品,食用油脂,食用たんぱく,お茶漬けのり,ふりかけ」及び第30類「調味料,香辛料,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」を指定商品として、同13年10月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 イ号標章
被請求人が商品「かつお節、宗田節」の粉末のみを素材とする「パック詰めのだし」について使用する標章は、別掲のとおりの構成態様からなるもの(以下「イ号標章」という。)である。

3 被請求人
本件は、被請求人の存在しない判定請求である。

4 請求人の主張の要点
請求人は、イ号標章は、本件商標に類似し、その使用商品と本件商標の指定商品も同一であるから、イ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲内に属するものである、との判定を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)判定請求の必要性
請求人は、現在「かつお節、宗田節」の粉末のみを素材とする、不織布製のパックに詰めた「だし」を販売する企画を進めており、その包装にイ号標章を甲第3号証の示す態様で使用することを検討している。
そこで、請求人は、「かつお節、宗田節」の粉末のみを素材とする商品「パック詰めのだし」が、本件商標の商標権の効力の範囲に属しているか否か、自己の商標権の効力の範囲について確認のための判定を求める。
(2)イ号標章の説明
ア イ号標章の外観、称呼及び観念について。
イ号標章は、別掲のとおり「だし」及び「名人」の各文字が縦書き2行に毛筆体で書されてなるものであり、「だし」及び「名人」の文字から、「ダシメージン」の称呼を生じ、「だし取りの名人」の観念が生じる。
イ イ号標章の使用商品
イ号標章の使用商品は、「かつお節、宗田節」の粉末のみを素材とする「パック詰めのだし」である。
(3)イ号標章が商標権の効力の範囲に属することの説明
ア 商品について
イ号標章が使用されている商品は、素材「かつお節、宗田節」の粉末のみからなる「パック詰めのだし」であるが、これは煮出した抽出液を「だし」として使用するタイプの「だしのもと」であることから、本件商標の指定商品中の第30類「調味料」に含まれるものとして扱うのが相当であり、第29類の「加工水産物」に含まれるものではない。
したがって、イ号標章の使用商品「パック詰めのだし」と本件商標に係る指定商品中の第30類「調味料」とは、同一の商品である。
イ 標章について
本件商標は、「だし」及び「名人」の文字が、同書、同大に横一連に標準文字で書されてなるものであり、その構成文字から「ダシメージン」の称呼を生じ、「だし取りの名人」の観念が生じる。
他方、イ号標章は、別掲に示したとおりのものである。
したがって、両商標は、外観においては書体、文字の配置の点で相違するものの、観念及び称呼において共通しており、これらを総合的に勘案すれば、イ号標章は、本件商標に類似する商標というのが相当である。
(4)むすび
以上のとおり、イ号標章は、本件商標に類似し、その使用商品と本件商標の指定商品も同一であるから、イ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲内に属するというのが相当である。

5 当審の判断
(1)本件商標とイ号標章との類否について
本件商標は、前記1のとおり、「だし名人」の文字を標準文字で表してなるのに対し、イ号標章は、別掲のとおり、「だし」及び「名人」の文字を筆書き風に2行に縦書きしてなるものであって、両者は、横書きと縦書き及びイ号標章が筆書き風に書されたものであるという差異は有するものの、構成文字を同じくするものであるから、両者は、類似するものというべきである。
(2)本件商標の指定商品にイ号標章の使用商品が含まれるか否かについて
ア 本件商標の指定商品について
本件商標の指定商品は、前記1に記載のとおり、第29類及び「調味料」を含む第30類に属する商品である。
イ イ号標章の使用商品について
(ア)請求人が提出した証拠によれば、イ号標章を使用する商品(以下「使用商品」という場合がある。)は、以下のとおりである。
甲第3号証は、請求人が現在販売を企画している使用商品の包装のイメージ画像であるところ、これには、右上から左底面の外側に赤線を有する白地の縦長長方形から一部はみ出すように、大きくイ号標章が表示され、その右側に「だしパック」の文字が記載されている。また、包装の右側には、「化学調味料、食塩を無添加」の文字、下部には「業務用 内容量10g×15袋」及び「約1l用」の記載がある。
(イ)上記(ア)の記載内容及び請求人は、使用商品について、「『かつお節、宗田節』の粉末のみからなる『パック詰めのだし』であるが、これは煮出した抽出液を『だし』として使用する『だしのもと』である」と説明していることからすれば、当該商品は、煮出した抽出液を「だし」として使用する、「かつお節及び宗田節の粉末のみを原料とするパック詰めされただし」というのが相当である。
そして、商品「だし」は、動物性、植物性の材料を煮出したり水に浸したりして、うま味成分を抽出したものであって、食塩やしょうゆなどの調味料のように、食材の味を整え、風味を増すために調理に使用されるものであるから、第30類に属する「調味料」の範ちゅうの商品と認められるものである。
そうすると、使用商品「かつお節及び宗田節の粉末のみを原料とするパック詰めされただし」は、煮出した抽出液を「だし」として使用する「だし」と同様の商品というのが相当であるから、第30類に属する「調味料」の範ちゅうの商品と認められるものである。
ウ 本件商標の指定商品にイ号標章の使用商品が含まれるかについて
上記イのとおり、イ号標章の使用商品は、第30類に属する「調味料」の範ちゅうの商品と認められるものであるから、本件商標の指定商品中の「調味料」に含まれる商品と認められる。
(3)まとめ
上記(1)のとおり、本件商標とイ号標章とは類似の商標であり、また、上記(2)のとおり、イ号標章の使用商品「かつお節及び宗田節の粉末のみを原料とするパック詰めされただし」は、本件商標の指定商品中の「調味料」の範ちゅうの商品であるから、イ号標章は、本件商標の効力の範囲に属するものである。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 別掲
イ号標章

判定日 2019-06-03 
出願番号 商願2000-116925(T2000-116925) 
審決分類 T 1 2・ 9- YA (Z2930)
最終処分 成立  
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 金子 尚人
中束 としえ
登録日 2001-10-05 
登録番号 商標登録第4512363号(T4512363) 
商標の称呼 ダシメージン、メージン 

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