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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1352494 
異議申立番号 異議2018-900325 
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-11-09 
確定日 2019-06-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6072794号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6072794号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6072794号商標(以下「本件商標」という。)は、「Pumila」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年11月17日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同30年7月9日に登録査定、同年8月17日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は、次の(1)ないし(5)の商標であり、いずれも登録商標として現に有効に存続しているものである(以下、これら5件の商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第3324304号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成6年12月20日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年6月20日に設定登録され、その後、同19年3月13日及び同29年2月14日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
2 登録第724340号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和39年12月29日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年11月8日に設定登録され、その後、同52年1月18日、同61年11月13日、平成8年10月30日、同18年7月25日及び同28年9月27日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、さらに、同19年12月19日に、第25類「運動用特殊靴」を商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録第902527号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和44年2月17日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同46年6月21日に設定登録され、その後、同56年7月31日、平成3年9月27日、同13年3月27日及び同23年6月28日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、さらに、同14年1月23日に、第6類、第14類、第18類、第21類、第25類、及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、上記同23年6月28日にされた商標権の存続期間の更新登録において、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」及び第25類「履物」についてのみ更新登録されたものである。
4 登録第2602055号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成3年9月30日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年11月30日に設定登録され、その後、同15年6月24日及び同25年9月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、さらに、同17年2月2日に、第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、上記同25年9月10日にされた商標権の存続期間の更新登録において、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」についてのみ更新登録されたものである。
5 登録第2680732号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成3年9月30日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年6月29日に設定登録され、その後、同16年2月10日及び同26年2月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、さらに、同17年8月31日に、第6類、第9類、第15類、第18類、第19類、第20類、第21類、第22類、第24類、第25類、第27類、第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、上記同26年2月12日にされた商標権の存続期間の更新登録において、第9類「運動用保護ヘルメット,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアンク,水泳用浮き板,レギュレーター,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,メトロノーム,レコード,第20類「揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ」、第21類「コッフェル」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴,仮装用衣服」、第27類「体操用マット」及び第28類「運動用具,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,釣り具」についてのみ更新登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証(なお、甲各号証の表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
1 引用商標の著名性
申立人は、スポーツシューズやスポーツウェアのメーカーとして1948年にドイツで創業(甲8)し、現在においては既に世界的に有名なスポーツ関連商品のメーカー、ブランドとなっている。この点、「英和商品名辞典」では、「Puma プーマ」の項目において申立人あるいは同ブランドが紹介され(甲8)、世界の一流品大図鑑では、世界の一流品として申立人のシューズのほか、「プーマ Puma」のブランドにつき記載がなされている(甲9)。さらに、「ランダムハウス英和辞典」では、「Puma」として申立人が掲載されている(甲10)。
特許庁の異議・審判例(甲11?17)では、いずれにおいても「PUMA」「プーマ」の文字が、我が国の需要者、取引者間で、申立人のスポーツ用品等を表す著名な表示として広く認識されている旨述べられている。これらは、1983年(昭和58年)(甲11)から2017年(平成29年)(甲17)に及ぶものであり、申立人及びそのブランドが、これら期間を通じて我が国で著名性を獲得、維持していることが理解される。
現時点においてもこの点は同様で、直近の「2018年版スポーツアパレル産業白書」(甲18)によれば、我が国でのスポーツ用品のメーカー別売上高において、プーマジャパン株式会社(以下「プーマジャパン」という。)が第9位に記載されている。同社は我が国におけるプーマブランド製品の販売をおこなう会社であるが、2015年(平成27年)から2018年(平成30年)の予測までを通じ、年間売上高は400億円前後で推移している。
同様に、「スポーツシューズビジネス2018」(甲19)によれば、スポーツシューズのメーカー別出荷数量において、プーマジャパンは第6位に記載され、2015年(平成27年)から2018年(平成30年)の予測を通じ、年間出荷数は500万足前後で推移している。また、「2018年版スポーツアパレル市場動向調査」(甲20)によれば、スポーツアパレルのメーカー別出荷金額において、プーマジャパンは第8位に記載され、2015年(平成27年)から2018年(平成30年)の予測を通じ、年間出荷金額は230億円前後で推移している。ブランド別に出荷金額をランキングすれば、プーマジャパンは第7位となり、同期間を通じた年間出荷金額は年間220億円前後で推移している。
さらに、「Sports Business Magazine」のウェブサイトによると、申立人はスポーツ用品メーカーとして2018年(平成30年)度第2四半期において世界3位の売上規模であり、同期の売上収益は、21億8000万ユーロ(約2,812億2,000万円1ユーロ=129円で換算)で、10.5%増、営業利益は1億6,900万ユーロ(約218億100万円同)である。また、同年度第3四半期の売上収益は、34億2,200万ユーロ(約4,482億8,200万円1ユーロ=131円で換算)で10.5%増、営業利益は、2億9,900万ユーロ(約391億6,900万円)と推移している(甲21)。
このように、既に我が国で広く知られたプーマブランドは、現在でも我が国及び世界で活発な商品展開をおこなっており、こうした大規模な活動を通じ、申立人はさらに有名ブランドとしての歴史、実績を積み重ねている。
以上より、引用商標は、スポーツシューズやスポーツウェアと中心とした申立人の業務に係る商品を表す商標として、我が国の需要者、取引者の間で広く認識された著名商標となっている。
2 混同を生ずるおそれ
本件商標は、「Pumila」の標準文字よりなるものであるが、このうち1文字目から3文字目までの「Pum」の文字と最後の「a」の文字は、著名な引用商標の「PUmA」「PUMA」及び「Puma」の文字と共通し、これらをそのまま含むものである。6文字よりなる本件商標にあって、そのうちの4文字までもが引用商標とは共通しており、その並びも同じであるため、これを引用商標と見紛うおそれは高い。たとえ、本件商標が「Puma」の間に「il」の文字を含むものだとしても、これらは例えば「X」や「Z」といった外観上比較的目立つ文字とは異なり、いずれも細い縦線1本より構成されるものであるため、商標中では目立たず、外観上軽視されやすい態様といえる。すると、「Puma」など引用商標を強く、深く記憶している需要者らは、本件商標を一見した際に申立人の商標であると勘違いし、両者を混同するおそれがある。
また、本件商標の前半3文字が引用商標と同一であること、そして最後の文字もが同一であることは、さらに両者の混同可能性を高め、需要者は、文字商標を認識する際、最も強い注意力を語頭部分に向けるのであって、本件商標はわずか6文字の構成にあってそのうち3文字までもが引用商標と語頭において共通するのであるから、需要者らが両者に共通した印象を抱いておかしくない。
引用商標の中には、太い文字で表された「PUmA」のほか、「PUMA」や「Puma」といった態様のものがあり、これらが実質的に同一に扱われる場合はあろうが、そうでなくとも、より一般的な書体の「PUMA」や、とりわけ頭文字が大文字の「Puma」は、本件商標との混同の度合いが高まる。実際にも、プーマブランドは当然ながら普通書体で「PUMA」と紹介されたり(甲21?23)、「Puma」と紹介されたりすることは多い(甲8?10、甲24?27)。これらは引用商標2及び同3と共通するとともに、より一般化した表示として、申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名なものである。
したがって、「Puma」という著名な表示がある一方で、頭文字を大文字とする構成において同一の本件商標が使用された場合には、「Puma」の表示に見慣れた需要者らは、より一層本件商標と「Puma」とを結びつけやすくなり、両者間に混同を生ずる余地が大きくなる。
加えて、本件指定商品は、プーマブランドがその著名性を獲得してきたスポーツシューズやスポーツウェアと分野が完全に重複しているのであり、この点においても両者間の混同のおそれは高いといえる。
本件指定商品の需要者らにとっては、引用商標をはじめとしたプーマブランドはお馴染みであり、殊更スポーツシューズやスポーツウェアといった商品においては、このことは顕著である。「Puma」をよく知る需要者らは、例えば商品に刺繍された本件商標を見て、引用商標との共通性に印象を奪われ、さほど目立つ態様にない中間の「il」の文字には注意を向けることなく、本件商標の付された商品を申立人の業務に係るものと混同しておかしくない。
スポーツシューズやスポーツウェアを含む本件指定商品分野においては、需要者らは著名な「Puma」に強烈な印象、記憶を抱いているのであり、これと頭文字から3文字のつづり及び末尾が同一の本件商標に接した際には、プーマブランドの印象、記憶が思い起こされ、これと混同を生ずる。
スポーツアパレル等の需要者らは、このような構成の商標としては著名な「Puma」を直ちに想起するのであり、これをすべて含み、外観上も紛らわしい本件商標に他方で接した場合には、いきおいこれを申立人と結びつけて、両者間で混同を生ずる結果となる。
このように、本件指定商品分野には、既に申立人の業務に係る商品を表すものとして広く知られた著名な引用商標及び「PUmA」「PUMA」「Puma」の表示が存在するのであって、その一方でこれと文字構成の多くを共通にし、互いに相紛らわしい本件商標が使用された場合には、需要者らは両者を混同するおそれがある。
以上のように、本件商標は、申立人の業務に係る商品との間で混同を生ずるおそれのある商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
(1)申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人は、1948年設立のスポーツシューズ、スポーツウェア等を世界的に製造販売しているドイツ連邦共和国の企業である(申立人の主張、甲8?10)。
イ プーマジャパンは、2003年(平成15年)設立のプーマ・ブランド製品等の生産、輸出入、販売等を行う企業であり、同社のウェブサイトにおいては引用商標1、4及び5を表示してスポーツウェア等同社の取扱い商品の広告が行われている(プーマジャパンウェブサイト)。
ウ 「英和商品名辞典」では、「Puma プーマ」の項目において申立人あるいは同ブランドが紹介され(甲8)、「世界の一流品大図鑑で」は、世界の一流品として申立人のシューズのほか、「プーマ Puma」のブランドにつき記載がなされている(甲9)。さらに、「ランダムハウス英和辞典」では、「Puma」として申立人が掲載されている(甲10)。
エ 株式会社矢野経済研究所発行の「2018年版スポーツ産業白書」によると、スポーツ用品メーカー(スポーツ関連売上高10億円以上)として、プーマジャパンが9位であり、該売上高は、2015年(平成27年)に約429億円、2016年(平成28年)に約400億円、2017年(平成29年)(見込)に約390億円、2018年(平成30年)(予測)に約393億円と推移している(甲18)。
オ 株式会社矢野経済研究所発行の「スポーツシューズビジネス2018」によると、プーマジャパンは、スポーツシューズのメーカー別国内出荷数量では第6位となり、2015年(平成27年)に約521万足(全体の5.8%)、2016年(平成28年)に約472万足(同4.9%)、2017年(平成29年)に約474万足(同4.7%)、2018年(平成30年)(予測)に約480万足(同4.5%)であり、上位の「ナイキジャパングループ」「アディダス ジャパン株式会社」「株式会社ニューバランスジャパン」「アシックスジャパン株式会社」「コンバースウットウェア株式会社」「プーマ ジャパン株式会社」の6ブランドで、全体の約65%を占めている(甲19)。
また、スポーツシューズのメーカー別国内出荷金額ではプーマジャパンは6位となり、2015年に約185億円(全体の5.1%)、2016年に約161億円(同4.1%)、2017年に約153億円(同3.8%)、2018年(予測)に約156億円(同3.7%)であり、前記上位の6ブランドで、全体の約65%を占めている(甲19)。
カ 株式会社矢野経済研究所発行の「2018年版スポーツアパレル市場動向調査」によると、スポーツアパレルのメーカー別国内出荷金額ランキングではプーマジャパンは8位となり、2015年に約225億円(全体の4.3%)、2016年に約229億円(同4.4%)、2017年に約230億円(同4.3%)、2018年に約231億円(同4.2%)である。また、スポーツアパレルのブランド別国内出荷金額ランキングではプーマジャパンは7位となり、2015年に約211億円(同4.1%)、2016年に約218億円(同4.2%)、2017年に約218億円(同4.1%)、2018年(予測)に約219億円(同4.0%)である(甲20)。
キ 「Sports Business Magazine」のウェブサイトによると、申立人はスポーツ用品メーカーとして2018年(平成30年)度第2四半期において世界3位の売上規模であり、同期の売上収益は、21億8000万ユーロ(約2,812億2,000万円1ユーロ=129円で換算)で、10.5%増、営業利益は1億6,900万ユーロ(約218億100万円同)である。また、同年度第3四半期の売上収益は、34億2,200万ユーロ(約4,482億8,200万円1ユーロ=131円で換算)で10.5%増、営業利益は、2億9,900万ユーロ(約391億6,900万円)と推移している(甲21) 。
ク アマゾンのウェブサイトにおいて、[プーマ]ランニングウェア Puma PACEとの記載(ただし、Amazon.co.jpでの取り扱い開始日は、本件商標登録査定後の2018/8/9)(甲24)、サッカーシューズ Puma ONEとの記載(ただし、Amazon.co.jpでの取り扱い開始日は、本件商標登録出願後で査定前の2018/1/24)がある(甲25)。
ケ 特許庁における審決には、「PUMA」、「PUmA」、「ピューマ」、「プーマ」及び申立人動物商標が、申立人の業務に係るスポーツシューズ、被服、バッグ等のスポーツ用品・スポーツウェアを表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されている旨の記載がある(甲11ないし17)。
(2)以上によれば 、申立人は、1948年から「PUmA」の文字及びピューマの図形を申立人のブランドとしてスポーツシューズに使用開始し、我が国においては、プーマジャパンが引用商標1、4及び5を付したスポーツシューズ、スポーツウェア等のプーマブランド製品等の生産、輸出入、販売等を行い、プーマジャパンは2018年の統計によればスポーツシューズのメーカー別国内出荷数量では第6位であり、スポーツアパレルのメーカー別国内出荷金額ランキングでは8位となっている。また、申立人はスポーツ用品メーカーとして2018年(平成30年)度第2四半期において世界3位の売上規模となるなど上位にランキングされている。
そして、申立人提出の証拠を総合的に考慮すれば、引用商標1、4及び5は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係るスポーツシューズ、スポーツウェア等を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認められるものである。
また、引用商標2及び3は、引用商標1(構成中の欧文字部分)、4及び5とはつづりが同じであり、また、申立人のウェブサイトや申立人商品のインターネット販売の商品紹介において、引用商標1、4及び5と一緒に「Puma」及び「PUMA」の商標も使用されていることを踏まえるならば、引用商標1、4及び5と同様に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとみて差し支えない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標と引用商標との類似性の程度について
ア 本件商標
本件商標は、「Pumila」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書に掲載されているものではなく、また、一般に知られている語ともいい難いことから、特定の語義を想起しない一種の造語として認識されるというのが相当であるから、その構成文字に相応してローマ字風の発音をもって「プミラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標1は、別掲1のとおりの構成からなるところ、独特の太く四角い書体で、全体が略横長の長方形を構成するようにロゴ化して表した「PUmA」の欧文字の右上に、左方に向かって飛び跳ねるように前進するピューマのシルエット風図形を配し、「A」の欧文字の右下には、円内にアルファベットの大文字の「R」を円輪郭内に記した記号が小さく添えてあるが、目立たない位置にあることや表示が小さいこと等により看者の印象に残るものではない。
そうすると、引用商標1は、ロゴ化した「PUmA」の欧文字とピューマのシルエット風図形に相応して「プーマ」及び「ピューマ」の称呼を生じ、ネコ科の哺乳類である「ピューマ」の観念を生じるものである。
引用商標4及び5は、別掲4のとおりの構成よりなるところ、独特の太く四角い書体で、全体が略横長の長方形を構成するようにロゴ化して表した「PUmA」の欧文字で表されており、これに接した需要者に、これらの欧文字が一体の構成からなるものとの印象を与えるものである。
そうすると、引用商標4及び5からは、その構成文字に相応して「プーマ」及び「ピューマ」の称呼を生じ、ネコ科の哺乳類である「ピューマ」の観念を生じるものである。
また、引用商標2及び3は、「Puma」及び「PUMA」の欧文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「プーマ」及び「ピューマ」の称呼を生じ、ネコ科の哺乳類である「ピューマ」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との比較
(ア)外観について
本件商標と引用商標(ただし、引用商標1とは、ピューマのシルエット風図形の有無において外観上明らかに相違するが、その構成中の要部である「PUmA」の欧文字部分について比較する。)とは、語頭から3文字目の「Pum(PUm)」の3文字及び本件商標の6文字目と引用商標の4文字目の「a(A)」のつづりを共通にするとしても、本件商標の4文字目の「i」及び5文字目の「l」の有無において全体の構成態様(字体)が明らかに相違しているから、視覚上、これらの文字の相違を容易に認識できるものであって、本件商標と引用商標とは、通常の注意力をもってすれば、その差異は明確であり見誤るおそれはないものである。
(イ)称呼について
本件商標から生ずる「プミラ」の称呼と引用商標から生ずる「プーマ」の称呼とは、語頭において「プ」の音を共通にするとしても、「ミラ」及び「?マ」の音も比較的明瞭に発音されるといえるばかりでなく、この差異が3音といった短い音構成からなる称呼全体の語調、語感に及ぼす影響は大きいといえるものであるから、それぞれを全体として一連に称呼した場合、彼此聞き誤るおそれはなく、明確に聴別し得るものである。
また、本件商標から生じる「プミラ」の称呼と引用商標から生じる「ピューマ」の称呼とは、称呼の識別上最も重要な語頭音を明らかに異にし、その差異音が共に3音といった短い音構成からなる称呼全体に及ぼす影響は大きく、明確に聴別し得るものである。
(ウ)観念について
本件商標は、特定の観念が生じないのに対し、引用商標は、ネコ科の哺乳類である「ピューマ」の観念が生じるから、両商標はその観念においても相紛れるおそれはない。
(エ)小括
以上によれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、その類似性の程度は低いというべきである。
(2)引用商標の独創性等について
引用商標を構成する「PUmA」、「Puma」又は「PUMA」の欧文字は、ネコ科の哺乳類の「ピューマ」を意味する英単語「puma」に由来するものであり、その語自体は、申立人が作り出した造語とはいえず、「puma」の欧文字自体には申立人の独創性は認められない。
(3)本件商標の指定役務と引用商標の指定商品の関連性及び取引の実情
本件商標の指定商品である「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と、申立人の業務に係る商品に含まれる「 スポーツシューズ・スポーツウェア」とは、その用途、目的において共通するものといえ、取引者、需要者にも共通性が認められる。
(4)出所の混同のおそれについて
引用商標は、上記1のとおり、申立人又は同人の業務を表示するものとして、本件商標の指定商品の分野の需要者の間に広く認識され、それら商品に係る取引者、需要者も共通するものであるとしても、本件商標は、上記(1)アのとおり、その構成文字が一体不可分のものと認識されるものであって、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、全体としての視覚的印象、記憶において、看者に全く別異のものとして認識されるものであるから、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして、引用商標又は申立人を連想、想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(5)申立人の主張
申立人は、本件商標が「Puma」の間に「il」の文字を含む6文字から構成されるが、「il」の文字部分は、いずれも細い縦線1本より構成されることから、外観上軽視されやすい態様といえ、需要者らは、「il」の文字には注意を向けることなく、本件商標の付された商品を申立人の業務に係るものと混同する旨主張している。
しかしながら 、本件商標は6文字という少ない文字構成にあって、第4文字及び第5文字における「i」と「l」の文字部分の有無において引用商標と構成が相違するものである。そうすると、本件商標と引用商標とは、これらの文字の有無によって、視覚上、看者に与える印象が明らかに相違し、通常の注意力をもってすれば、かかる文字間の相違点について、それを看過し、本件商標を引用商標と混同するものとはいい難く、その差異は明らかに認識でき互いに見誤るおそれはないものである。
したがって、申立人の主張は採用することができない。
(6) まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)


別掲2(引用商標2)


別掲3(引用商標3)


別掲4(引用商標4、5)

異議決定日 2019-06-06 
出願番号 商願2017-151738(T2017-151738) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
庄司 美和
登録日 2018-08-17 
登録番号 商標登録第6072794号(T6072794) 
権利者 株式会社ヨシダ
商標の称呼 プミラ、パミラ 
代理人 小谷 武 
代理人 小羽根 孝康 
代理人 伊東 美穂 
代理人 藤原 清隆 
代理人 稗苗 秀三 
代理人 石上 和輝 
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