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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1352481 
異議申立番号 異議2018-900352 
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-11-30 
確定日 2019-06-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6078724号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6078724号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6078724号商標(以下「本件商標」という。)は,「APPO」の文字を横書きしてなり,平成29年12月21日に登録出願,第9類「テレビジョン受信機,スライド映写機,ビデオスクリーン,映写用スクリーン,ビデオプロジェクター,映写機,液晶プロジェクタ,マルチメディアプロジェクター,プロジェクションテレビ,アプリケーション及びデータペースの統合のためのコンピュータソフトウェア,データ処理装置,スピーカー用箇体,情報送信装置,眼鏡,テレビジョン受信機用遠隔制御装置,電池用充電器,電気コンバーター,電線」を指定商品として,同30年8月23日に登録査定され,同年9月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標等
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するとして引用する商標は,「OPPO」の欧文字からなり(以下「使用商標」という。),中華人民共和国所在の「広東欧珀移動通信有限公司」などの業務に係る商品(スマートフォンなど)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとするものである。
(2)申立人が,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次のとおりであり(以下,それらをまとめて「引用商標」という。),いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
ア 登録第5620482号商標(以下「引用商標1」という。)
・商標の態様 別掲のとおり
・指定商品 第9類「バッテリーチャージャー,電池」
・登録出願日 平成25年1月8日
・設定登録日 平成25年10月4日
イ 登録第6000742号商標(以下「引用商標2」という。)
・商標の態様 別掲のとおり
・指定商品 第9類「コンパクトディスクプレーヤー,ラジオ,スピーカー,音声用カセットプレーヤー,ビデオテーププレーヤー,MP3プレーヤー,携帯電話機,未記録のオーディオ用テープ,未記録のビデオテープ,ヘッドホンと有線及び無線マイクロホンとオーディオミキサーとその他の附属品から構成されるオーディオ会議のための電気通信機械器具,ビデオカメラ及びその附属品,ビデオモニター及びその附属品,ビデオモニターとビデオカメラとビデオモニター用コントローラーとビデオカメラ用コントローラーとキャビネットとマイクロホンとその他の附属品で構成されるテレビ会議システムのための電気通信機械器具,ビデオプロジェクター及びその附属品,大型スクリーンビデオディスプレイユニット及びその附属品,カムコーダー,ヘッドホン,イヤホン,DVDプレーヤー,ネットワーク用電気通信機械器具,携帯電話機の附属品及びその他の電気通信機械器具,ビデオプリンター」
・登録出願日 平成25年1月8日
・設定登録日 平成29年12月1日
ウ 登録第2238764号商標(以下「引用商標3」という。)
・商標の態様 「APO」の文字を横書きしてなる
・指定商品 第11類「電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」
・登録出願日 昭和62年6月15日
・設定登録日 平成2年6月28日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は,中華人民共和国に所在する広東欧珀移動通信有限公司(Guangdong OPPO Mobile Telecommunications Corp.,Ltd)(以下「OPPO社」という。)及びその日本法人であるオッポジャパン株式会社(以下「オッポジャパン社」という。)並びにオッポデジタルジャパン株式会社(以下「オッポデジタルジャパン社」という。)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標「OPPO」に類似するものであり,またその商品はこれらに類似する商品に使用されるものに該当し,商標法第4条第1項第10号に該当するものである。以下,その詳細を述べる。
ア 需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標について
OPPO社は,2003年に設立され,中国広東省に所在する会社であり,主にDVDプレイヤー,家庭用電気器具,デジタルミュージックプレーヤー,携帯電話機,スマートホン等を含む電気通信機械器具及び携帯情報端末を製造・販売している(甲5)。
同社は,2008年に中国の携帯電話機市場に参入し,2011年には商標「OPPO」のスマートフォンの販売を開始した。広告には世界的に有名な俳優のレオナルドディカプリオを使い,一気に中国市場で人気を獲得した。この点については,日本においても記事に取り上げられた(甲6)。そして,同社は2016年に中国のスマートフォン市場で売り上げのトップとなり(甲7),2017年から,スマートフォンの販売台数でアジア1位,世界4位のシェアを有している(甲8)。
OPPO社の「OPPO」ブランドのスマートフォン商品は,2014年から海外展開が進められ,東南アジア,欧州,米国,インド等で販売等され(甲9?甲11),2017年に東南アジアでは出荷台数が第2位となった(甲12)。これらの情報が本件商標の出願日前に日本において多数の記事に取り上げられた結果(甲13?甲18),「OPPO」商標がスマートフォンを含む携帯情報端末商品について日本の需要者の間に広く認識された。
一方,OPPO社は,2013年にオッポデジタルジヤパン社を設立し,AV機器の展開を行っている(甲19)。2018年現在,日本のハイエンドブルーレイプレーヤ市場シェア1位を獲得している(甲20)。同社は主にブルーレイプレーヤー,ヘッドフォン,ヘッドフォン用のケーブル等を含む電気通信機械器具並びに電線及びケーブルを販売している(甲21,甲22)。
さらに,OPPO社は2017年8月に携帯電話部門の子会社であるオッポジャパン社を設立し,2018年1月31日に,東京で記者会見を開き同年2月9日から日本国内でスマートフォンの販売に乗り出す旨を発表した(甲23?甲25)。
また,OPPO社は世界中において宣伝広告を行ってきた(甲26?甲33)結果,中国・日本を含む,世界中の国・地域の需要者の間に広く認識されるようになった。なお,本拠地である中国,そして日本以外に本件商標の出願日前に世界中に商標登録出願を行った(甲34)。
イ 類似する商標について
本件商標「APPO」は,「アッポ」又は「アポ」の称呼を生ずるものであり,観念においては特に具体的な意味合いを有していない造語である。
上述のとおり需要者の間に広く認識されている商標「OPPO」(使用商標)は,「オッポ」又は「オポ」の称呼を生じるものである。
本件商標「APPO」と使用商標「OPPO」とを比較すると,「PPO」の部分が共通し,相違する部分「A」と「O」が両商標の語頭に位置するとはいえ,その音質,つまり母音の「ア」と「オ」は同行に属し,称呼する際には口の開き方に顕著な相違を有せず,舌の位置がほぼ同じである。したがって,両者は称呼において非常に類似する。さらに,「ア」と「オ」は,両商標の中でともに弱音にすぎず,聴覚される際には「PPO」の部分,つまり,音量が比較的に高い「ッポ」に吸収される傾向にある。特に促音を伴う「ポ」という破裂音は,聴覚上印象の強い部分に該当するため,これを共通する両商標は,語頭音に音質又は音調上に著しい差異のない「ア」と「オ」とあわせて称呼される際には,全体的な印象が極めて類似する。
そして,外観上では「PPO」を共通している両商標は非常に紛らわしいものといえる。
以上により,本件商標と使用商標とは,称呼上及び外観上において極めて類似するものである。
ウ 類似する商品について
前述のとおり使用商標は携帯情報端末,電気通信機械器具,電線及びケーブルについて需要者の間に広く認識されているものであり,これら商品と本件商標の指定商品は類似している。
エ 小括
以上により,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標(使用商標)又はこれに類似する商標であり,その商品又はこれらに類似する商品について使用するものとして,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標1及び引用商標2との類否について
上述の(1)イのとおり本件商標「APPO」は,「アッポ」又は「アポ」の称呼を生じ,観念においては特に具体的な意味合いを有していない造語である。
引用商標1及び2は,アルファベット4文字「OPPO」を横書きしたものであり,「オッポ」又は「オポ」の称呼を生じるものである。また,これらはともに特定の書体で表されているが,これらの書体は区別できる程度の識別力を有する要素をほとんど持っていない。
商標の称呼の類否に関しては,前述の(1)イと同様に極めて類似するといえる。また,外観においては,「PPO」を共通している両商標は非常に紛らわしいものであり,更に引用商標1及び2に使用された書体は区別できる程度の識別力を有する要素とは考えにくいため,互いに類似する。
以上により,本件商標と引用商標と1及び引用商標2は,称呼上及び外観上においては類似するものに該当する。なお,これらの商標はすべて造語であるため,観念においての類似性は考えられない。
そして,引用商標1及び引用商標2の指定商品は,本件商標の指定商品と生産部門,販売部門が一致し,需要者の範囲もほぼ共通しているため,互いに類似する商品に該当する。
イ 本件商標と引用商標3との類否について
引用商標3は,欧文字「APO」を横書きしたものであり,特定の書体で表され,特定の観念を生じない造語であり,その構成より「アポ」の称呼を生じる。
本件商標は,上述の(1)イのとおり「アッポ」又は「アポ」の称呼を生じ,観念においては特に具体的な意味合いを有していない造語である。
両商標の構成を比較する場合,欧文字「P」の数にしか相違点が確認できない。本件商標から「アポ」の称呼も生じうるから,両商標は称呼において同一又は極めて類似する。さらに外観上の相違点について「P」は本件商標で重複して連続的に表示されていることに対し,引用商標3は単に「P」を一文字欠く程度の相違しかなく,外観上では非常に紛らわしい。
また,両商標の指定商品は互いに類似する商品に該当する。
以上により,本件商標は,引用商標3と類似する商標であって,引用商標3の指定商品に類似する商品について使用をするものとして,商標法第4条第1項第11号に該当する。
ウ 小括
以上により,本件商標は引用商標と類似する商標であって,引用商標の指定商品に類似する商品について使用をするものとして,商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第10号について
ア 使用商標の周知性
(ア)申立人提出の甲各号証,同人の主張及び職権調査(インターネット情報など)によれば,次の事実が認められる。
a 中華人民共和国に所在する広東欧珀移動通信有限公司(OPPO社)は,2003年に設立された法人であって,東南アジア,欧州,米国などで主にスマートフォンの製造販売を行っており(甲5,甲8),2016年の中国におけるスマートフォン出荷台数では1位(甲5,甲7,甲8,甲15?甲18),2017年現在のスマートフォン市場ではアジア1位,世界4位のシェアを有している(甲5,甲8,甲20,甲23,甲24)。
b OPPO社は2017年8月に子会社であるオッポジャパン株式会社(オッポジャパン社)を設立し,オッポジャパン社は2018年2月から我が国においてスマートフォンの販売を開始し,現在も販売しており,当該スマートフォンには「OPPO」の文字(外観上,同一視できるものを含む。)が付されている(甲5,甲8,甲20,甲24,職権調査)。
c OPPO社と同じグループに属するオッポデジタルジャパン株式会社(オッポデジタルジャパン社)は,我が国において,2013年に設立され,2018年以前(販売開始時期は確認できない。)からブルーレイプレーヤー,ヘッドフォン,ヘッドフォン用のケーブル等を販売しており,それら商品には「OPPO」の文字(外観上,同一視できるものを含む。)が付されている(甲5,甲8,甲19,甲21,甲22)。
d 我が国の新聞やインターネットにおいて,本件商標の登録出願の日前に,OPPO社に係る記事を掲載しているものがある(甲6,甲7,甲9?甲11,甲13,甲15?甲18)。
e しかしながら,OPPO社,オッポジャパン社及びオッポデジタルジャパン社(以下,3社をまとめて「OPPO社等」という。)の取扱いに係る「OPPO」の文字を付した商品(スマートフォンなど)の我が国における販売台数,売上額など販売実績を示す証拠は見いだせない。
(イ)上記(ア)の事実からすれば,我が国において,2018年以前から「OPPO」の文字を付した商品(スマートフォン,ブルーレイプレーヤなど)が販売されていることは認められるものの,本件商標の登録出願の日前に新聞やインターネットにおいてOPPO社に係る記事が掲載された回数は,7年弱の期間に10回程度と少なく,また,OPPO社等の商品の我が国における販売実績を示す証拠はない(オッポデジタルジャパン社がハイエンドブルーレイプレーヤ市場で1位のシェアを持つ旨の主張,立証(甲20)をしているが,かかる証拠には同社の取締役がそのように述べたとの記載があるだけであり,販売実績を示すものとは認められない。)から,「OPPO」の文字は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人等の業務に係る商品(スマートフォンなど)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(ウ)なお,申立人は,中国や世界におけるスマートフォンの出荷実績などを主張,立証して,商標「OPPO」が我が国において周知である旨主張しているが,仮にそれら出荷実績などが事実であるとしても,外国における事情が,我が国における需要者の認識に直接反映されるものとはいい難く,かかる事情によって上記判断を覆し得ないから,申立人の上記主張は採用できない。
(エ)したがって,「OPPO」の文字からなる使用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
イ 本件商標と使用商標の類否
本件商標は,上記1のとおり「APPO」の文字からなるものであるから,該文字に相応し「エーピーピーオー」及び「アッポ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
使用商標は,上記2(1)のとおり「OPPO」の文字からなるものであるから,該文字に相応し「オーピーピーオー」及び「オッポ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
そこで,本件商標と使用商標の類否を検討すると,両者は,外観においては,文字商標における外観の識別上重要な要素である語頭において「A」と「O」の文字の差異を有し,この差異が共に4文字という少ない文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく,両者は,外観上,相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「エーピーピーオー」及び「アッポ」と引用商標から生じる「オーピーピーオー」及び「オッポ」の称呼を比較すると,両者は,まず「エーピーピーオー」と「オーピーピーオー」及び「アッポ」と「オッポ」の比較においては,それらはいずれも語頭において,「エー」と「オー」の音及び「ア」と「オ」の音の差異を有し,この差異音が称呼の識別上重要な要素である語頭に位置することから,それら称呼全体の語調語感に及ぼす影響は少なくなく,それらをそれぞれ一連に称呼しても,互いに聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
また,「エーピーピーオー」と「オッポ」及び「アッポ」と「オーピーピーオー」の称呼は,いずれも聞き誤るおそれないこと明らかである。
してみれば,両商標は,称呼上,相紛れるおそれはない。
さらに,観念においては,両商標は共に特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。
そうすると,本件商標と使用商標は,外観,称呼において相紛れるおそれがなく,観念において比較できないものであるから,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
ウ 小括
上記アのとおり使用商標は本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記イのとおり本件商標と使用商標は非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と使用商標が使用されている商品が類似するとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標1及び2の類否
本件商標は,上記(1)イのとおり「APPO」の文字からなり,「エーピーピーオー」及び「アッポ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
引用商標1及び引用商標2は,いずれも「OPPO」の文字を別掲のとおりの態様で表してなるものであるから,その構成文字に相応し「オーピーピーオー」及び「オッポ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
そうすると,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,上記(1)イと同様の理由により相紛れるおそれのない非類似の商標ということができる。
イ 本件商標と引用商標3との類否
本件商標は,上記アのとおり「APPO」の文字からなり,「エーピーピーオー」及び「アッポ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
引用商標3は,上記2(2)ウのとおり「APO」の文字からなるものであるから,その構成文字に相応し「エーピーオー」及び「アポ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
そこで,本件商標と引用商標3の類否を検討すると,両者は,外観においては,中間部における「PP」と「P」の文字の差異を有し,この差異が4文字と3文字という少ない文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく,両者は,外観上,相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に,称呼についてみると,まず本件商標から生じる「エーピーピーオー」と引用商標3から生じる「エーピーオー」の比較において,両者は中間部において「ピーピー」と「ピー」の音の差異を有し,この差異が称呼全体の構成音数の差異を生ずるものであり,また,語調語感に及ぼす影響も少なくないから,それらをそれぞれ一連に称呼しても,互いに聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
また,「アッポ」と及び「アポ」の称呼を比較すると,両者は語頭音「ア」の促音の有無という差異を有し,この差異が共に2音という極めて短い称呼全体の語調語感に及ぼす影響は少なくなく,それらをそれぞれ一連に称呼しても,互いに聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに,「エーピーピーオー」と「アポ」及び「アッポ」と「エーピーオー」の称呼は,いずれも聞き誤るおそれないこと明らかである。
してみれば,両商標は,称呼上,相紛れるおそれはない。
さらに,観念においては,両商標は共に特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。
そうすると,本件商標と引用商標3は,外観,称呼において相紛れるおそれがなく,観念において比較できないものであるから,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
ウ 小括
上記ア及びイのとおり,本件商標は引用商標のいずれとも非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似するとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第11号のいずれにも該当するものではなく,その登録は同条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用商標1及び引用商標2


異議決定日 2019-05-30 
出願番号 商願2017-167069(T2017-167069) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W09)
T 1 651・ 261- Y (W09)
T 1 651・ 25- Y (W09)
T 1 651・ 262- Y (W09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 渡邉 あおい
大森 友子
登録日 2018-09-07 
登録番号 商標登録第6078724号(T6078724) 
権利者 アポトロニクス コーポレーション リミテッド
商標の称呼 アポ、アッポ 
代理人 崔 海龍 
代理人 伊東 忠彦 
代理人 大貫 進介 
代理人 伊東 忠重 

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