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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1352475 
異議申立番号 異議2018-900194 
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-07-26 
確定日 2019-06-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6041076号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6041076号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6041076号商標(以下「本件商標」という。)は、「LunaSoir」の欧文字と「ルナソワール」の片仮名を上下二段に書してなり、平成29年7月31日に登録出願,第3類「せっけん類,化粧品,洗顔料,香料,薫料,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛,口臭用消臭剤,動物用防臭剤」を指定商品として、同30年3月23日に登録査定、同年5月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において、引用する商標は次の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第845029号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SOIR DE LUNE」の欧文字を横書きしてなり、2004年(平成16年)6月29日にFranceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年12月6日に国際商標登録出願、第3類「Soaps; perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions; dentifrices.」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録され、その後、2014年(平成26年)12月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)国際登録第887678号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、2005年(平成17年)7月29日にFranceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2006年(平成18年)1月6日に国際商標登録出願、第3類「Soaps; perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions; dentifrices.」を指定商品として、平成19年7月6日に設定登録され、その後、2016年(平成28年)1月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。)、

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、「LunaSoir」の欧文字及び「ルナソワール」の片仮名とを二段に書してなるものであり、その構成文字に相応して「ルナソワール」の称呼を生ずるものである。また、本件商標の構成中、「L」及び「S」が大文字で表されていることから、本件商標に接した取引者、需要者は、「Luna」及び「Soir」の2語からなることを容易に認識し得るものである。
そして、「Luna」は、ラテン語で「月」の意味を、「Soir」は、フランス語で「夜」の意味を、それぞれ有するところ、本件商標及び引用商標の指定商品の分野では、フランス語が多数使用されており、星を表すフランス語の多くがラテン語を起源とするものである(甲3)。
したがって、フランス語に慣れ親しんだ需要者は、「Luna」の文字から、「月」を意味するフランス語である「Lune」を認識するというのが自然であるから、本件商標は、全体として「月夜」の観念をも生ずる。
イ 引用商標
引用商標1は、「SOIR DE LUNE」の欧文字を横書きしてなるものである。また、引用商標2は、赤字の筆記体で、上部に「Soir de Lune」の文字を円弧状に書し、「e」の末尾からジグザグに筆を運び、下部に「Hubert Isabelle d’Ornano」の文字を小さく表してなるから、看者は、その構成中、相当な面積を占める「Soir de Lune」の文字部分に着目するものである。
そして、引用商標は、その指定商品の分野で、フランス語が多数使用されていることから、構成文字に相応して、フランス語読みで「ソワールドゥリュンヌ」の称呼を生ずるものであって、現実に、その称呼で取引されている(甲4?甲8)。
また、引用商標の構成中、「SOIR」は「夜」の意味を、「DE」は「?の」の意味を、「LUNE」は「月」の意味を、それぞれ有するフランス語であるから、全体として、「月の夜」、「月夜」の観念を生ずる。
ウ 商標の類否
本件商標及び引用商標から生ずる称呼についてみると、両者は、それほど長いとはいえない構成音中「ソワール」の4音(長音を含む。)を共通とする。また、両商標は、「月夜」の観念を同一にするものである。
さらに、外観についてみると、本件商標の要部である欧文字部分は、引用商標の構成文字の前半部分と後半部分を入れ替えたにすぎないように見え、本件商標の欧文字7文字のうち、6文字は引用商標の構成文字と同一である。
以上を総合して考察すると、本件商標と引用商標とは、観念において同一であり、称呼及び外観においても相当程度近似する、類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「LunaSoir」の欧文字と「ルナソワール」の片仮名とを二段に書してなるところ、欧文字及び片仮名は、それぞれが、同じ書体及びほぼ同じ大きさの文字並びに等しい間隔により構成され、かつ、欧文字と片仮名のそれぞれの文字の幅を上段と下段で同じ幅に揃えて二段に表してなるものであるから、視覚上、構成全体がまとまりよく一体的に表されているものである。
そして、本件商標の構成中の下段の片仮名部分が上段の欧文字部分の読みを特定したものと無理なく理解されるものであり、その構成文字全体から生じる「ルナソワール」の称呼も、格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標は、「L」及び「S」の各文字が大文字で表されていることから、「Luna」及び「Soir」の文字から構成されていると理解されることがあって、「Luna」の文字がラテン語で「月」の意味を有し、「Soir」の語がフランス語で「夜」の意味を有するとしても、我が国におけるラテン語及びフランス語の普及度を考慮すれば、これらの語を結合した「LunaSoir」の文字全体から特定の意味合いを理解させるとはいえないものである。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって一種の造語として理解されるとみるのが自然である。
以上のことから、本件商標は、その構成文字に相応して「ルナソワール」の称呼のみを生じ、かつ、特定の観念を生じない造語と判断するのが相当である。
イ 引用商標
(ア)引用商標1
引用商標1は、「SOIR DE LUNE」の欧文字を横書きしてなるところ、各文字は、それぞれ同一の書体、同一の大きさで表されており、各文字部分の間にそれぞれ半文字程度の空白があるとしても、構成全体がまとまりよく一体的に表されていると看取、把握されることから、その構成文字全体からフランス語読み風に「ソワールドゥリュンヌ」の称呼を生じる。
また、その構成文字中の「SOIR」の文字がフランス語で「夜」の意味を有し、「LUNE」の文字がフランス語で「月」の意味を有するとしても、上記アと同様に、我が国におけるフランス語の普及度を考慮すれば、「SOIR DE LUNE」の文字全体から特定の意味合いを理解させるとはいい難く、構成全体をもって一種の造語と理解されるとみるのが自然である。
以上のことから、引用商標1は、その構成文字に相応して「ソワールドゥリュンヌ」の称呼のみを生じ、かつ、特定の観念を生じない造語と判断するのが相当である。
(イ)引用商標2
引用商標2は、別掲のとおり、上部に「Soir de Lune」の文字を赤字で筆記体風に円弧状に表しながら、語尾の「e」の終筆を横方向に複数回描きながら下方に向けて筆を運び、その下部に「Hubert Isabelle d’Ornano」の欧文字を、「Soir de Lune」の欧文字よりも非常に小さく赤字で配した構成からなるものである。
そして、上部の「Soir de Lune」の文字部分が比較的大きく、かつ、構成全体の面積の大半を占めていることからすれば、これに接する取引者、需要者は、顕著に表された当該文字部分に強く印象付けられて着目し、当該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくない。
そうすると、引用商標2は、その構成中の「Soir de Lune」の文字部分を要部として抽出して商標の類否を比較することも許されるべきであるから、当該文字部分から、上記(ア)と同様に、「ソワールドゥリュンヌ」の称呼のみを生じ、また、その文字全体をもって特定の意味合いを有しない一種の造語と理解されるとみるのが自然である。
以上のことから、引用商標2は、その構成中「Soir de Lune」の文字部分に相応して「ソワールドゥリュンヌ」の称呼のみを生じ、かつ、特定の観念を生じない造語と判断するのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標1及び引用商標2の要部である「Soir de Lune」とを比較すると、上記ア及びイのとおり、本件商標は「LunaSoir」であるのに対して、引用商標1は「SOIR DE LUNE」、引用商標2は「Soir de Lune」であり、たとえ本件商標と引用商標とが、それぞれの構成中に「SOIR(Soir)」の文字を含むものであるとしても、当該文字の位置や、それ以外の文字の有無の差異により、明らかに異なるものであるから、本件商標と引用商標とは、外観上判然と区別できるものである。
次に、本件商標と引用商標の称呼を比較すると、上記ア及びイのとおり、本件商標からは「ルナソワール」の称呼が生じ、一方、引用商標からは「ソワールドゥリュンヌ」の称呼が生じるものであり、たとえ本件商標と引用商標とが「ソワール」の音を同じくするとしても、「ルナ」又は「ドゥリュンヌ」の音の有無に明らかな差異があることから、本件商標と引用商標とをそれぞれ一連に称呼するときには、明確に区別し得るものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、ともに特定の観念を生じない造語であることから、比較することはできない。
以上のことから、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において、明確に区別できるものであるから、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
その他、本件商標と引用商標とが類似の商標であると認めるに足る事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標2)
国際登録第887678号(色彩については、原本を参照されたい。)




異議決定日 2019-05-31 
出願番号 商願2017-101201(T2017-101201) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 和田 恵美片桐 大樹 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 中束 としえ
岩崎 安子
登録日 2018-05-11 
登録番号 商標登録第6041076号(T6041076) 
権利者 ロゼット株式会社
商標の称呼 ルナソワール、ルナ、ソワール、ソアール 
代理人 鈴木 昇 
代理人 岡田 稔 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 坂上 正明 
代理人 曾我 道治 

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