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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1352471 
異議申立番号 異議2018-900066 
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-03-15 
確定日 2019-05-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第6004666号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6004666号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6004666号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴキブリプッシュプロ」の文字を標準文字で表してなり、平成28年12月27日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同29年11月24日に登録査定、同年12月15日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録第5932296号商標(以下「引用商標」という。)は、「ゴキプッシュPRO」の文字を標準文字で表してなり、平成28年10月4日に登録出願、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,サプリメント」を指定商品として、同29年3月17日に設定登録されたものであり、現在、有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第26号証を提出した。
本件商標と引用商標とは、称呼においては、前半部の「ゴキ」の音、後半部の「プッシュプロ」の音を共通にし、比較的聴別され難い中間部で「ブリ」の2音の有無という相違があるのみであるから、近似するものであり、また、外観においては、印象に残りやすい前半部で「ゴキ」や「プッシュ」の片仮名が同じであり、全構成文字数の半分以上が共通するから、近似するものであり、さらに、観念においては、引用商標の構成中の「ゴキ」の部分が「ゴキブリ」の略称と認識されることから、「専門家向きの(より優れた効果を持つ)ゴキブリ用の押し出し式の薬剤」の観念を共通にする。
そして、本件商標は、引用商標の指定商品と同一の商品を指定商品とするものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観において近似する印象を与え、観念において共通するものであり、同一の商品を指定商品とするものであるから、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがある類似の商標というべきである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「ゴキブリプッシュプロ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔に表されており、その構成全体が視覚的にまとまりある一体的なものとして看取、把握されるものといえる。
また、本件商標から生じる「ゴキブリプッシュプロ」の称呼は、やや冗長ではあるものの、無理なく一連に称呼し得るものである。
さらに、「ゴキブリプッシュプロ」の文字は、辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味を有する語として一般に知られているものでもない。
してみると、本件商標は、その構成全体をもって、一連一体の造語からなるものとして理解され、「ゴキブリプッシュプロ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというべきである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「ゴキプッシュPRO」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔に表されており、片仮名と欧文字との組合せからなるものの、その構成全体が視覚的にまとまりある一体的なものとして看取、把握されるものといえる。
また、引用商標から生じる「ゴキプッシュプロ」の称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
さらに、「ゴキプッシュPRO」の文字は、辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味を有する語として一般に知られているものでもないし、仮に、文字種が異なることにより、当該文字が「ゴキプッシュ」と「PRO」とを結合したものと看取、把握されるとしても、それらは、いずれも具体的に商品の品質を表したものなどとして認識されるとはいい難い。
してみると、引用商標は、その構成全体をもって、一連一体の造語からなるものとして理解され、「ゴキプッシュプロ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというべきである。
なお、申立人は、商品の名称中に「ゴキ」の文字が含まれる薬剤の販売例(甲5、甲13、甲14)、インターネットを用いた「ゴキ」をキーワードとする検索結果(甲15?甲17)及び異議決定例(甲20)を示して、引用商標の構成中の「ゴキ」の文字がゴキブリの略称と認識される旨主張する。
しかしながら、申立人の主張に係る甲各号証によれば、ゴキブリ用の商品名として、その名称中に「ゴキ」の文字を含むものがあることや、ゴキブリの駆除に関する記事において「ゴキ」の文字を「ゴキブリ」の略称的に用いる場合があることはうかがえるものの、その内容を鑑みれば、「ゴキ」の文字が、「ゴキブリ」を意味する語として、一般に広く用いられているとはいい難く、また、引用商標は、上記のとおり、「ゴキプッシュ」と「PRO」とを結合したものと看取、把握される場合があることを考慮してもなお、その構成全体をもって、一連一体の造語からなる商標として理解されるものであり、申立人が挙げた異議決定例に係る商標とは、商標の構成態様を異にするものであるから、申立人による上記主張は、採用できない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであり、「ブリ」の文字の有無という明らかな差異がある上、語尾における「プロ」と「PRO」との文字種の違いもあることから、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「ゴキブリプッシュプロ」の称呼と引用商標から生じる「ゴキプッシュプロ」の称呼とは、「ブリ」の音の有無により、その音の構成及び数に少なからず差異が生じ、それぞれを一連に称呼するときは、語感、語調が相違するものとして聴取されるとみるのが相当であるから、両商標は、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、これらに基づき両商標が需要者に与える印象、記憶等を総合して考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中の「薬剤,医療用試験紙」と同一又は類似するものである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-05-21 
出願番号 商願2016-145126(T2016-145126) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W05)
T 1 651・ 262- Y (W05)
T 1 651・ 263- Y (W05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 片桐 大樹和田 恵美 
特許庁審判長 田中 敬規
特許庁審判官 小松 里美
中束 としえ
登録日 2017-12-15 
登録番号 商標登録第6004666号(T6004666) 
権利者 フマキラー株式会社
商標の称呼 ゴキブリプッシュプロ、ゴキブリプッシュ、プッシュプロ、プッシュ、プロ、ゴキプッシュプロ、ゴキプッシュ 
代理人 吉水 容世 

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