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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1351638 
異議申立番号 異議2018-900124 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-05-17 
確定日 2019-05-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第6022815号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6022815号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6022815号商標(以下「本件商標」という。)は,「CURVEFIT」の欧文字を標準文字で表してなり,平成29年7月26日に登録出願,第25類「靴類」を指定商品として,同30年2月5日に登録査定,同月23日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件登録異議の申立ての理由において,本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は,次の3及び4のとおりであり,また,本件商標が同項第15号に該当するとして引用する商標は,次の1ないし4の商標(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)である。
1 登録第4975079号商標(以下「引用商標1」という。)は,「カーブス」の片仮名を標準文字で表してなり,平成16年8月3日に登録出願,「エクササイズ及びフィジカルフィットネストレーニングの教授,エアロビクス及び筋力強化トレーニングの教授,アスレチックジムにおける運動方法の教授,その他技芸・スポーツ又は知識の教授,ヘルスクラブの提供,ボディビルディングに関するジム・ウエイトトレーニングに関するジム・その他の運動用ジムの提供,その他の運動施設の提供」を含む第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同18年8月4日に設定登録されたものである。
2 登録第4986830号商標(以下「引用商標2」という。)は,「CURVES」の欧文字を標準文字で表してなり,平成16年3月15日に登録出願,「エクササイズ及びフィジカルフィットネストレーニングの教授,エアロビクス及び筋力強化トレーニングの教授,アスレチックジムにおける運動方法の教授,その他技芸・スポーツ又は知識の教授,ヘルスクラブの提供,ボディビルディングに関するジム・ウエイトトレーニングに関するジム・その他の運動用ジムの提供,その他の運動施設の提供」を含む第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同18年9月15日に設定登録されたものである。
3 登録第5028807号商標(以下「引用商標3」という。)は,「CURVES」の欧文字を標準文字で表してなり,平成16年3月15日に登録出願された商願2004-23811に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同18年5月11日に登録出願され,「印刷物」及び「被服,履物」を含む第16類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同19年3月2日に設定登録されたものである。
4 登録第5028808号商標(以下「引用商標4」という。)は,「カーブス」の片仮名を標準文字で表してなり,平成16年8月3日に登録出願された商願2004-71524に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同18年5月11日に登録出願され,「印刷物」及び「被服,履物」を含む第16類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同19年3月2日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,標準文字商標であることから,「カーブフィット」,「カーブ」又は「フィット」の称呼及び観念が生じ,引用商標3及び4は,標準文字商標であることから,「カーブス」の称呼及び観念が生じる。
したがって,本件商標と引用商標3及び4とは,共に「カーブ」の称呼及び観念が生じる類似する商標である。
また,本件商標の指定商品である第25類「靴類」は,引用商標3及び4の指定商品中,第25類「履物」と類似する商品である。
したがって,本件商標と引用商標3及び4とは,称呼及び観念が共通する類似する商標であって,その指定商品は類似するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は,申立人の商標として広く一般に知られているから,本件商標がその指定商品に使用された場合,申立人の商品又は役務と出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,前記第1のとおり,「CURVEFIT」の欧文字を標準文字で表してなるものであり,その構成文字は,同書,同大,等間隔で,まとまりよく一体に表され,これより生じる「カーブフィット」の称呼も,格別冗長というべきものでなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして,本件商標は,たとえ,構成中の「CURVE」の文字と「FIT」の文字とがそれぞれ既成の語であるとしても,いずれかの文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認められず,また,いずれかの文字部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないとも認められない。
そうすると,本件商標は,その構成文字全体をもって,特定の観念を生じない不可分一体のものと認識され,把握されるものとみるのが相当である。
してみると,本件商標からは,「カーブフィット」の一連の称呼のみを生じるものであり,特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標3及び4
引用商標3は,前記第2の3のとおり,「CURVES」の欧文字を標準文字で表してなるものであり,「カーブズ」又は「カーブス」の称呼を生じ,「曲線」の観念を生じるものである。
引用商標4は,前記第2の4のとおり,「カーブス」の片仮名を標準文字で表してなるものであり,「カーブス」の称呼を生じるものであり,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標3との類否
本件商標と引用商標3とは,外観においては,構成文字において,前半の「CURVE」の綴りを共通にするものの,後半における綴りにおいて,「FIT」と「S」との差異を有するものであるから,全体の印象が異なり,両者は明確に区別できるものである。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「カーブフィット」の称呼と,引用商標3から生じる「カーブズ」又は「カーブス」の称呼とは,前半の「カーブ」の音を共通にするものの,後半の「フィット」の音と「ズ」又は「ス」の音とにおいて明らかな差異を有し,かつ,全体の構成音数も異にするものであるから,明確に区別できるものである。
さらに,観念においては,本件商標からは特定の観念を生じないのに対し,引用商標3からは「曲線」の観念を生じるものであるから,観念において相紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と引用商標3とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)本件商標と引用商標4との類否
本件商標と引用商標4とは,外観においては,文字の種類を異にするため,明確に区別できるものである。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「カーブフィット」の称呼と,引用商標4から生じる「カーブス」の称呼とは,前半の「カーブ」の音を共通にするものの,後半の「フィット」の音と「ス」の音とにおいて明らかな差異を有し,かつ,全体の構成音数も異にするものであるから,明確に区別できるものである。
さらに,観念においては,両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較することはできない。
そうすると,本件商標と引用商標4とは,その外観,称呼,観念等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,たとえ観念において比較できないとしても,外観及び称呼において明確に区別できる両者は,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(5)他に本件商標と引用商標3及び4とが類似するというべき事情は見いだせない。
(6)小括
以上により,本件商標と引用商標3及び4とは,非類似の商標というべきであるから,その指定商品の比較をするまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知著名性
ア 証拠(甲6ないし甲12)及び申立人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(ア)申立人は,株式会社カーブスジャパン(以下「カーブスジャパン」という。)に対して,引用商標の使用について黙示に許諾している(申立人の主張)。
(イ)カーブスジャパンは,2005年(平成17年)2月28日に設立された東京都港区所在の株式会社であり,フランチャイズチェーンシステムによるフィットネス施設の運営を事業として,主に40歳以上の女性を対象とした会員制フィットネスクラブ事業を実施しており,この事業において引用商標の使用をしている(甲6及び甲8)。
(ウ)カーブスジャパンは,2005年(平成17年)2月に申立人から日本での事業展開の権利を得て,同年7月から8月にかけて3店舗の直営店をオープンさせた。
そして,カーブスジャパンは,フランチャイズ契約による加盟企業を募集し,同年11月から12月には12店舗の加盟店をオープンさせた。その後,店舗数を増加させると共に会員数も増加し,2016年(平成28年)12月には,店舗数は1760店舗,会員数は79万人となった(甲6)。
(エ)カーブスジャパンの店舗は,日本国内の全ての都道府県に所在している(甲7)。
(オ)カーブスジャパンは,2007年(平成19年)から「カーブスマガジン」及び「Curves MAGAZINE」と題した会員誌(以下「会員誌」という。)の発行を開始した。会員誌は,年に4回発行され,1回の発行部数は,当初は約20万部であったが,その後約80万部となっている(甲6,甲8,甲10及び甲11)。
(カ)カーブスジャパンは,会員誌において,「Curves Shopping」と題したページを設け,靴,Tシャツ,タオル,靴下,下着及び手袋など(以下「靴等」という。)の通信販売を行っている(甲8ないし甲11)。
(キ)カーブスジャパンの主要株主である株式会社コシダカホールディングスの資料によれば,2017年(平成29年)9月1日から2018年(同30年)2月28日におけるカーブス事業の売上高が137億11百万円であり,その利益額は24億31百万円であった(甲12)。
イ 判断
前記アで認定した事実によれば,申立人から引用商標の使用の許諾を受けたとされるカーブスジャパンは,会員制フィットネスクラブ事業として,「フィットネスクラブの提供」において,引用商標の使用をしているといえる。
また,カーブスジャパンは,「カーブスマガジン」及び「Curves MAGAZINE」と題した会員誌(雑誌)を発行しているが,当該題の構成中「マガジン」及び「MAGAZINE」の文字部分は,出版物の種類を表すものであるから,出所識別標識としての要部は,「カーブス」及び「Curves」の文字部分にあるといえるため,「雑誌」についても引用商標の使用をしているといえる。
さらに,カーブスジャパンは,会員誌における「Curves Shopping」と題したページにおいて,「靴等」の通信販売を行っているが,当該題の構成中「Shopping」の文字部分は,単に買物をすることができることを表すものであるから,出所識別標識としての要部は,「Curves」の文字部分にあるといえるため,「靴等」についても引用商標の使用をしているといえる。
そして,引用商標は,2005年(平成17年)7月から会員制フィットネスクラブ事業において使用をされており,その事業における店舗数は,当初の3店舗から2016年(平成28年)12月には1760店舗となり,日本国内の全ての都道府県に所在し,会員数は79万人となり,当該事業における2017年(平成29年)9月1日から2018年(同30年)2月28日の売上高が137億11百万円であり,利益額は24億31百万円であったことが認められる。
また,会員誌は,2007年(平成19年)から,年に4回発行され,1回の発行部数は,当初は約20万部であったが,その後約80万部となっていることが認められる。
しかしながら,カーブスジャパンに係るフィットネスクラブ事業の我が国における市場占有率(シェア等)が不明であり,また,一般の雑誌,新聞又はテレビCMなどによる広告宣伝の事実が認められず,さらに,会員誌の発行及び「靴等」の通信販売については,その対象が会員に限られているものといえる。
そうすると,申立人が提出した証拠によっては,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,我が国において,引用商標が商品又は役務を表すものとして,需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度
本件商標と引用商標3及び4とは,前記1のとおり,非類似の商標である。
そして,引用商標1と4とは同一の構成からなるものであり,また,引用商標2と3とも同一の構成からなるものである。
そうすると,本件商標と引用商標1及び2とも,非類似の商標というべきである。
また,本件商標と引用商標との構成文字の共通部分である「CURVE」又は称呼の共通部分である「カーブ」についても,前記(1)のとおり引用商標の周知性が認められないことからすれば,両商標の類似性を判断するに当たり,上記共通性を高く評価することはできない。
したがって,本件商標と引用商標との類似性の程度は低いというべきである。
(3)出所の混同のおそれ
前記(1)のとおり,引用商標は,商品又は役務を表すものとして,需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできず,また,前記(2)のとおり,本件商標と引用商標との類似性の程度は低いものである。さらに,引用商標が既成の語からなることからすれば,その独創性の程度も決して高いとはいえない。
そうすると,本件商標と引用商標に係る商品又は役務の関連性や取引者及び需要者の共通性等を踏まえたとしても,本件商標をその指定商品について使用したときに,これに接する取引者,需要者が申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれはないというべきであり,当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれもないというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものではないから,同法43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分に御注意ください。
異議決定日 2019-04-23 
出願番号 商願2017-99308(T2017-99308) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 渡辺 悦子 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 板谷 玲子
山田 啓之
登録日 2018-02-23 
登録番号 商標登録第6022815号(T6022815) 
権利者 株式会社 菊星
商標の称呼 カーブフィット、カーブ 
代理人 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 

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