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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W3542
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W3542
審判 査定不服 観念類似 登録しない W3542
管理番号 1351570 
審判番号 不服2018-6646 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-15 
確定日 2019-05-09 
事件の表示 商願2017- 63356拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「CSL」の文字を標準文字で表してなり,第35類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成29年5月9日に登録出願されたものである。
そして,指定役務については,原審における同年12月4日付け手続補正書により,別掲1のとおりの役務に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願商標の拒絶の理由に引用した登録第5796977号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成27年5月21日に登録出願,第35類「事業の企画・運営及び管理に関する助言」及び第42類「コンピュータの設計及び開発,コンピュータソフトウエアの設計及び開発,コンピュータソフトウエアの設計・作成・保守に関する指導及び助言,コンピュータハードウエアの設計及び開発,コンピュータハードウエアの設計に関する助言,他人のためのコンピュータの設計」を指定役務として,同年10月2日に設定登録されたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標
本願商標は,「CSL」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,辞書等に掲載されていない語であって,特定の観念を認識させない一種の造語といえるものである。
そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して「シーエスエル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,別掲2のとおりの構成よりなるところ,各種のレタリング文字が広く使用され,商品及び役務に標章等を付す際に,様々なデザイン化が行われている現状にあっては,無理なく「C」「S」「L」の欧文字を,青色で,同じ高さ,同じ太さ,同じ描法でつなげて表したものと認識できるというのが相当である。
そして,「CSL」の欧文字は,辞書等に掲載されていない語であって,特定の観念を認識させない一種の造語といえるものである。
してみれば,引用商標は,その構成文字に相応して「シーエスエル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討すると,両商標は,外観においては,色彩やレタリングの有無における差異を有するものの,いずれも同じつづりからなる「CSL」の欧文字を表したものとみるのが相当であるから,両者は外観上の共通性を有し,近似した印象を与えるものである。
次に,称呼については,両商標は,「シーエスエル」の称呼を共通にするものである。
そして,観念については,両商標は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。
そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,外観上近似した印象を与えるものであって,称呼を共通にするものであるから,外観,称呼,観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務中,別掲1において下線で示す第35類の指定役務と,引用商標の指定役務中の第35類「事業の企画・運営及び管理に関する助言」とは,共に,事業や企業経営に関する役務であって,各種企業に対し経営に関する指導や助言を行うものであり,主にはコンサルティング事業者によって提供される役務である。
そうすると,両役務は提供の手段,目的,需要者の範囲が一致し,共通の事業者によって提供される役務であるから,両者は同一又は類似の役務というのが相当である。
また,本願商標の指定役務中,別掲1において下線で示す第42類の指定役務と,引用商標の第42類の指定役務「コンピュータの設計及び開発,コンピュータソフトウエアの設計及び開発,コンピュータソフトウエアの設計・作成・保守に関する指導及び助言,コンピュータハードウエアの設計及び開発,コンピュータハードウエアの設計に関する助言,他人のためのコンピュータの設計」とは,共に,コンピュータのソフトウェアやハードウェアを用いた役務,又はこれらの設計や保守,管理を行う役務であって,主にコンピュータのエンジニアやプログラマーのような専門家によって提供される役務である。
そうすると,両役務は,役務の提供の手段,目的が一致し,共通の事業者によって提供される役務であるから,両者は同一又は類似の役務というのが相当である。
オ 小括
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,引用商標の指定役務と同一又は類似する役務について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,引用商標は,「CSL」の文字を,文字の一部をつなげた,青い太文字で書し,前記文字に影をつけたレタリングをすることによって,視覚的効果を与える引用商標の構成態様は強い印象を与えるものであり,本願商標は引用商標とは外観において全く相違し,取引者,需要者に与える認識,印象,記憶,連想を全く異ならしめる旨を主張する。
しかしながら,商品及び役務の標章に各種のレタリング文字が広く使用され,様々なデザイン化が行われている現状にあっては,引用商標を構成する「C」「S」「L」の欧文字は,格別デザイン性の高いものともいい難いことを併せ考えるに,引用商標にレタリングがなされていることは,本願商標と引用商標が別異のものであることを認識させるほどの強い印象を与えるものということはできない。
そうすると,両商標は,前記(1)ウのとおり,共に同じつづりの欧文字で構成される商標であって,外観上の共通性を有し,外観において近似した印象を与えるものというのが相当であるから,外観において明確に相違する商標ということはできない。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
イ 請求人は,本願商標と引用商標が抵触する役務の分野においては,役務の出所を特定し,提供を受けるか否かを慎重に判断するため,役務の選択においては称呼のみならず外観も捉えること,及びこれらの役務の広告は,プレゼンテーションやインターネットを通じて行われるのが一般的であり,需要者は商標の外観を明確に認識することからすると,当該役務の分野においては,外観において明確に相違する本願商標と引用商標とが相紛れることはない旨を主張する。
しかしながら,商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは,単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的,限定的な実情を指すものではなく,指定商品全般についての一般的,恒常的な実情を指すものと解すべきである(最高裁昭和47年(行ツ)第33号参照)ところ,請求人が主張する本願商標と引用商標が抵触する役務の分野における取引の実情については,それが当該役務の分野における一般的,恒常的な実情というべき証拠の提出はなく,また,そのように解すべき事情も見いだせないものである。
してみれば,かかる請求人主張の取引の実情とは,当該指定役務全般についての一般的,恒常的な実情ということはできないから,本願商標と引用商標についての類否判断が左右されるものではない。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
ウ 請求人は,過去の審査,審決例をあげ,「一方がレタリングされた故に外観上著しく相違した場合には,称呼が同一のものであっても非類似のものとしてきた」,「ローマ字3文字からなる商標の一方がレタリングされてデフォルメされてデザイン化されたもの,ないしは図形と結合された場合には,相互に非類似のものとして登録されてきた」旨を主張する。
しかしながら,請求人が指摘した審査,審決例は,いずれも本件審判とは商標の構成等において相違するものであるから,本件審判とこれらの事件を同一に論ずることは適切とはいえない。
また,そもそも商標の類否判断は,当該商標の査定時又は審決時において,その商標が使用される商品,役務における取引の実情等を考慮し,本件の事案に即して本願商標と引用商標とを対比することにより,個別具体的に判断されるべきものであって,過去の審決例等の判断に拘束されるものではない。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標の指定役務(下線は合議体による。)
第35類「人事管理事務の代行,営業事務の代行,総務事務代行,商品の売買契約に関する事務処理代行,顧客管理・商品の仕入・配送に関する事務の代行・在庫管理の代行,商品の販売に関する事務の代理又は代行,商品の受発注事務代理又は代行,請求書の作成に関する事務の代行,他人の代りに行う会計の管理・請求書の作成及び照合に関する事務の代行,請求書の送付の事務の代行,データ入力事務の代行,データ作成に関する事務処理の代行,電子計算機用データの入力に関する事務,コンピュータデータベースへのデータ入力及び検索代行並びにこれらに関する助言,コンピュータによる文書の作成及びファイルの管理,文書又は磁気テープのファイリング,一般事務の代理又は代行,会計に関する経理事務の代行,経理・会計に関する事務処理,コールセンター事業の運営及び管理,企業の顧客情報の収集・管理・分析,商品の売買契約の代理・取次ぎ・媒介,市場分析,市場調査,市場調査又はその市場調査の結果の整理もしくは分析,価格比較の調査,ビジネスデータの分析,市場調査に基づくデータの集計及び分析,統計の分析,経営の診断又は経営に関する助言,商品の販売に関する情報の提供,事業の企画・管理又は運営並びにこれらに関する診断・指導又は助言,企業の経営に関する診断・指導及び管理,経営・企業・事業・経済・商業に関する情報の提供,事業の管理又は運営,マーケティング,経済に関する統計情報の提供,経済動向に関する調査・研究及び分析又はこれらに関する情報の提供,経済予測及び分析,景気動向の分析・予測及びそれらに関するコンサルティング,景気動向調査,景気統計の分析,経済情勢・企業状況の分析と情報の提供,統計の編集,統計分析,商品販売・消費者支出・経済予測・市場分析に関する統計的情報の提供,事業統計の作成及び分析,事業の統計に関する助言,企業・職場における組織管理・人事管理に関する指導・助言・コンサルティング,企業の組織・企業の合理化・労務管理に関する助言及び指導,経営戦略及び経営組織に関する企画・助言及び情報の提供,事業の管理・運営及び組織に関する支援及び助言,事業組織に関する診断及び指導・コンサルティング,人事管理・組織の運営に関する指導・助言及び情報の提供,業務効率の改善に関する助言及び指導,事業の能率化に関する診断・指導及び助言,企業の事務管理に関する診断及び指導・コンサルティング,従業員の勤労意欲の向上の仕方に関する指導・診断・助言,事業に関する指導・助言,マーケティングに関する指導及び助言,企業経営・管理に関する評価・研究又はコンサルティング,経営に関するコンサルティング」
第42類「コンピュータ・アプリケーションソフト・コンピュータネットワークシステム・コンピュータソフトウェアに関する問題のトラブルシューティング(技術支援),コンピュータの操作又はコンピュータプログラムの使用マニュアルの作成およびそれらに関する情報の提供,ヘルプデスクによるコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア及びコンピュータ周辺機器の操作方法に関する技術的助言,情報技術(IT)基盤についてのサービスデスク・ヘルプデスクによる技術的助言,遠隔操作によるデータのバックアップ,電子計算機用プログラムの遠隔操作,電子計算機の遠隔操作,通信ネットワークシステムの遠隔操作,コンピュータプログラムの故障診断及びウィルス検査,電子計算機システム監査,コンピュータネットワークシステムのセキュリティ対策に関する診断又はコンサルティング,通信ネットワークシステムのセキュリティ対策に関する診断又はコンサルティング,電子計算機用プログラムの動作の検証,電子計算機用プログラムの動作の検証についての助言,コンピュータシステムの遠隔監視,通信ネットワークシステムにおける障害の遠隔監視,コンピュ-タにおけるウィルスの検出・排除及び感染の防止・パスワ-ドに基づくインタ-ネット情報及びオンライン情報の盗用の防止並びにコンピュ-タにおけるハッカ-の侵入の防止等の安全確保のための監視及び通報及びそれらの安全確保に関する情報の提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子計算機用プログラムの提供,クラウドコンピューティング,コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),ウェブサイトにおけるサーバの記憶領域の貸与,サーバの記憶領域の貸与及びこれに関する情報の提供,インターネットにおけるサーバの記憶領域の貸与,クラウドコンピューティングの形態によって行われるコンピュータウェブサイトのホスティング,サーバのホスティング,電子計算機の貸与,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する調査・分析又は助言,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,電子計算機用プログラムの環境設定及びその機能の拡張・追加,通信ネットワークシステムの設計・企画又は保守及び環境設定,通信ネットワークシステムに関する調査・分析又は助言,電子計算機システムの設計・作成又は保守及び環境設定,電子計算機システムの設計・作成又は保守及び環境設定に関する調査・分析又は助言,電子計算機システムの設計・作成又は保守及び環境設定に関する情報の提供,ウェブサイトの作成又は保守,電子商取引における利用者の認証,電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機を用いて行うデータ処理,インターネットにおけるホームページの作成,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,インターネット用サーバの貸与」

別掲2 引用商標(色彩については,原本参照。)


審理終結日 2019-03-08 
結審通知日 2019-03-12 
審決日 2019-03-27 
出願番号 商願2017-63356(T2017-63356) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W3542)
T 1 8・ 263- Z (W3542)
T 1 8・ 262- Z (W3542)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 澤藤 ことは馬場 秀敏古橋 貴之杉本 克治 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 鈴木 雅也
真鍋 恵美
商標の称呼 シイエスエル 
代理人 田島 壽 
代理人 青木 篤 
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