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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X1835
管理番号 1351536 
審判番号 取消2018-300127 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-03-02 
確定日 2019-04-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第5440562号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5440562号商標の指定商品及び指定役務中,第18類「かばん類,袋物」及び第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5440562号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成23年3月3日に登録出願,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,皮革,傘」及び第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,並びに,第3類,第14類,第16類,第21類及び第24類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同23年9月22日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成30年3月20日にされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第18類「かばん類,袋物」及び第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれの者によっても使用した事実が存在しないから,その商標登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁等
(1)「商品別購買履歴」(乙2)は,商品コード:32449-007,商品名:ASKFG30TK,種類:608ADニット,素材:40シルクカシミヤ,年度:2016,季節:春・夏,上代(税込):58000の商品(以下「本件被服商品」という。)に関するものであって,本件商標権者が本件商標を使用しているとするポーチ(袋物)(乙1。以下「本件袋物」という。)に関するものでない。何故なら,本件袋物も,本件被服商品と同様に単独で販売されているものならば,商品コード,商品名,種類,素材等を表示した「商品別購買履歴」が,証拠として提出できるはずであるが,その提出がないし,当該履歴にも,そのような記載がない。
また,「商品別購買履歴」(乙2)が,本件袋物のものであるとするのであれば,その上代が,1個「58000」円とは,余りに高く,本件袋物の上代としては,想像できない。
これらのことから,商品別購買履歴(乙2)は,本件被服商品のものと見るのが,正当であり,「袋物」の購買履歴と見ることは,妥当性を欠くものといえる。
さらに,被請求人は,「商品別購買履歴」(乙2)には,その右上に本件被服商品のデフォルメされた図案の右上に本件袋物のデフォルメされた図案が記載されていると主張するが,当該図案には,「ポーチ付き」と表示されていることから,「袋物」(ポーチ)が本件被服商品に付けられ,本件被服商品が売れれば,「袋物」(ポーチ)も同時に本件被服商品に付いているものと理解されるものである。
本件袋物が,単にノベルティとして使用されているものであれば,その「袋物」に本件商標を使用しても,それは,本件商標の使用に当たらないことは,判例も認めるところである(甲4)。
したがって,本件商標は,何ら指定商品ついて使用されていないといわざるを得ない。
(2)被請求人は,本件商標が本件袋物に刺繍で施されていると,主張するが,当該刺繍は,5個の円形を均等に配置した表示になっているにすぎない(乙1の1・2)。
一般に,5弁の花弁を持つ花,例えば,梅,桜,梨,桃,カタバミ等は,その花を図案化し,刺繍等として表示しようとすれば,円形5個を均等に配置した様な図柄で表示されるものであるから,乙第1号証の刺繍は,本件商標の図柄の表示であるか否か不明であり,本件商標であるとはいえない。
また,被請求人は,商品別購買履歴(乙2)の図案の右下にも,本件商標の存在を示す黒点が描かれていると主張するが,それは,単なる黒点で,本件商標の図柄を示しているとは,認識できるものではなく,本件商標が,使用されているとはいえない。
(3)被請求人は,本件袋物が販売された店舗は,被請求人のグループ会社が運営する店舗であると主張するが,提出された証拠には,本件商標の使用されている事実が全く立証されておらず,本件袋物の掲載すら見当たらない。
請求人の調査では,本件袋物は,いずれの店舗においても,販売されている事実を見出せない(甲3)。それのみならず,本件審判の請求前,インターネット上においても,被請求人の「かばん類,袋物」について調査したが,本件商標の付された商品「かばん類,袋物」は,全く見出せない(甲9,10)。

第3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,審判事件答弁書において,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
1 本件商標の使用態様について
本件袋物の写真(乙1の1・2)のとおり,本件商標は,袋物の右下に,刺繍で施されている(商標法第2条第3項第1号)。
2 本件商標が施された袋物の販売について
「商品別購買履歴」(乙2)には,右上には本件袋物がデフォルメされた図案が記載されており,当該図案の右下にも,本件商標の存在を示す黒点が描かれている。
そして,「商品別購買履歴」(乙2)によれば,本件袋物は,平成28年3月から同30年3月にかけて,複数回にわたり販売された(商標法第2条第3項第2号)。
3 袋物の販売者について
「商品別購買履歴」(乙2)によれば,本件袋物が販売された店舗は,「ミッドタウン」及び「伊勢丹AD」でああって,これらはいずれも,「ADEAM」とのブランドを冠した店舗である(乙3,4)。
「ADEAM」は,本件商標権者のグループ会社である株式会社ADEAMインターナショナル(乙5。以下「ADEAM社」という。)が運営する店舗である。両社は,住所と取締役を共通にし(甲2,乙6),また,「ADEAM」の店舗の人員を募集する際,本件商標権者がその窓口となることもある(乙7)。さらには,「ADEAM」ブランドの商標は,本件商標権者が登録し,管理している(乙8,9)。このように,両社は別の法人であるものの,経済的・人的に密接な関係性を持っており,実質的にはほぼ同一の主体ともいえる。
したがって,本件袋物を販売した者は,ADEAM社ではあるものの,ADEAM社は,本件商標権者と実質的に同一の主体といえることから,本件商標権者が本件商標の使用を行ったと評価できる。
また,本件商標権者とADEAM社を,実質的に同一の主体と評価できないとしても,以上の事情からは,本件商標権者からADEAM社に対しては,本件商標の使用について,黙示の許諾が存在するといえる。
4 まとめ
以上より,本件審判の請求の登録前3年以内に,本件商標が,その指定商品及び指定役務中,第18類「かばん類,袋物」及び第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用されている(商標法第2条第3項第1号及び同項第2号)ことは明らかである。

第4 当審における審尋
1 審尋の要旨
審判長は,被請求人に対し,平成30年7月25日付けで,合議体の暫定的見解を示し,被請求人が提出した証拠によっては,本件審判の請求の登録前3年以内に,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件審判請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについて登録商標を使用していることを被請求人が証明しているものとはいえない旨の審尋を通知し,期間を指定して,これに対する意見を求めた。
2 被請求人の回答
上記1の審尋に対して,被請求人は,平成30年8月27日付け審判事件上申書により,本件審判事件を請求人と和解により終結する旨回答し,その後,被請求人は,同年11月8日付け回答書により,請求人から和解により本件審判事件を終結する意思がないとの返答があったことから,本件審判事件の審理を終結してほしい旨の回答があった。

第5 当審の判断
1 被請求人の提出証拠における使用商標
被請求人に係る乙各号証及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)要証期間後に撮影された写真(乙1の1・2)によれば,商品「袋物」(以下「使用商品」という。)の右下に,別掲2のとおり,5弁の花様の刺繍(以下「使用商標1」という。)がある。使用商標1は,花心部分に円図形を配し,その周りに5つの円図形を花びら状に均等に配してなるものであり,花心部分と花びら部分をつなぐ部分は,つながりが見られるが,特段の模様はない。
(2)商品別購買履歴(乙2)の右上には,簡略化した洋服の図案の右上に「ポーチ付き」の文字とともに上辺の両端を左右の上方に曲線を伸ばした横長長方形に,その内部の右下に黒点(以下「使用商標2」という。)を配した図案が掲載されているところ,当該図案および使用商標2は,いずれも不鮮明であって,その外観が判然としない。
2 本件商標と使用に係る商標との社会通念上の同一性について
本件商標は,別掲1のとおり,花心部分に円図形を配し,その周りに一部に突起を有する円図形を花びら状に均等に配してなるものであり,花心部分の円図形の外側に沿って,花びら状の円図形の突起の間に5つの正五角形状の図形を配してなるものである。
他方,使用商標1は,上記1(1)のとおり,花心部分に円図形を配し,その周りに5つの円図形を花びら状に均等に配してなるものであり,花心部分と花びら部分をつなぐ部分は,つながりが見られるが,特段の模様はない。
そうすると,使用商標1は,本件商標と花びら状の円図形における突起の有無及び5つの正五角形状の図形の有無の差異により,外観において同視される図形とはいい難いことから,本件商標と社会通念上同一の商標と認めることはきない。
また,使用商標2は,単なる黒点であるから,本件商標と外観において同視される図形でないことは明らかである。
なお,被請求人は,商品別購買履歴(乙2)の右上に,使用商品をデフォルメした図案が記載されており,当該図案の右下に使用商標1が黒点で描かれている旨主張しているが,上記のとおり図案及び使用商標2は,いずれも明確に視認出来ない状態で記載されていることから,当該図案が商品「袋物」であって,当該黒点が本件使用商標1を表したものとは認められない。
その他の乙各号証には,本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標の表示はない。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについて,本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件審判の取消請求に係る指定商品及び指定役務について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務中,第18類「かばん類,袋物」及び第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,商標法第50条の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本件商標


別掲2 使用商標1(色彩については原本参照)


審理終結日 2019-02-05 
結審通知日 2019-02-13 
審決日 2019-03-12 
出願番号 商願2011-15275(T2011-15275) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (X1835)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 早川 文宏
平澤 芳行
登録日 2011-09-22 
登録番号 商標登録第5440562号(T5440562) 
代理人 丸山 幸雄 
代理人 岡崎 ▲廣▼志 
代理人 中山 健一 
代理人 杉村 光嗣 
代理人 杉村 憲司 
代理人 藤本 一 
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