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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W09
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
管理番号 1350783 
審判番号 不服2018-9625 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-12 
確定日 2019-03-27 
事件の表示 商願2017- 66366拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第9類「自動車運転の教授・安全運転行動・事故回避運転技術及び運転者技術向上の分野における教育及び訓練を提供するためのダウンロード可能なモバイル機器用アプリケーションソフトウェア,自動車運転者の能力・運転行動・安全性等に関するデータの収集及び報告のためのテレマティックによる通信を提供するためのダウンロード可能なモバイル機器用アプリケーションソフトウェア,自動車運転者のリスク特性の測定及び評価並びに安全運転のスコアの計算及び報告のためのダウンロード可能なモバイル機器用アプリケーションソフトウェア,その他のダウンロード可能なモバイル機器用アプリケーションソフトウェア,アプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア」を指定商品として,平成29年5月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の3件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1858750号商標(以下「引用商標1」という。)は,「Mentor」の欧文字を横書きしてなり,昭和58年5月10日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同61年4月23日に設定登録され,その後,平成8年9月27日,同17年12月20日に商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,同18年3月29日に,第9類「電子応用機械器具及びその部品」とする指定商品の書換登録がなされ,さらにその後,同27年11月4日に,商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4448513号商標(以下「引用商標2」という。)は,「MENTOR」の文字を標準文字で表してなり,平成10年3月9日に登録出願,第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路,その他の電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機システムに関するコンサルティング」を指定商品及び指定役務として,同13年1月26日に設定登録され,その後,同22年10月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第4882697号商標(以下「引用商標3」という。)は,「メンター」の文字を標準文字で表してなり,平成16年12月7日に登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータシステムの設計に関するコンサルティング,半導体の設計に関するコンサルティング,コンピュータ及びその周辺機器の設計に関するコンサルティング,コンピュータ及びコンピュータソフトウエアの貸与」を指定商品及び指定役務として,同17年7月22日に設定登録され,その後,同27年4月28日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
以下,これらをまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,上段の2文字目及び下段の3文字目は,青色で自動車のハンドルを想起させるようにデザイン化された「e」の文字と理解されるものであって,これよりは,「mentor」の文字及び「by edriving」の文字を二段に書してなるものと看取されるものである。
そして,上段の「mentor」の文字は,下段の「by edriving」の文字に比較して大きく書されており,両文字部分は視覚的に分離して看取される。
また,上段の「mentor」の文字は,「よき指導者」等の意味を有する英語(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」小学館)として広く親しまれているものであるが,下段の「by edriving」の文字は,構成中の「edriving」の文字が辞書等に載録のない文字であるから,「by」の文字が「・・・によって」等の意味を有する英語(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」小学館)として広く知られているとしても,下段の文字全体は,特定の語義を有しない造語として認識されるものである。
そうであれば,上段と下段の文字部分の間には観念的な繋がりはないといえるものであり,他に本願商標全体を常に一体のものとして把握しなければならない事情も見出せない。
さらに,本願商標全体から生じる「メンターバイイイドライビング」の称呼は,冗長である。
そうすると,本願商標は,上段の「mentor」の文字と下段の「by edriving」の文字とが,それぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものというべきであり,上段の「mentor」の文字部分をも要部として抽出し,引用商標と比較することが許されるものである。
したがって,本願商標は,その構成中の「mentor」文字部分(以下,「本願商標要部」という。)から,「メンター」の称呼及び「よき指導者」程の観念をも生じるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は,「Mentor」の文字からなるところ,上記(1)と同様に「メンター」の称呼及び「よき指導者」程の観念を生じるものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は,「MENTOR」の文字からなるところ,上記(1)及びアと同様に「メンター」の称呼及び「よき指導者」程の観念を生じるものである。
ウ 引用商標3について
引用商標3は,「メンター」の文字からなるところ,該文字は「良き指導者」等の意味を有する語(「広辞苑 第7版」岩波書店)として広く知られているものであるから,「メンター」の称呼及び「良き指導者」程の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標1及び引用商標2について
外観については,本願商標要部と引用商標1及び引用商標2とは,本願商標構成中の「e」の文字はデザイン化されていること,語頭又は構成文字全体が大文字か小文字かの違いはあるものの,構成文字は同一であること,さらに,商標の使用においては,商標の構成文字をデザイン化したりすることは一般に行われていることであることから,両者は近似したものといえるものである。
また,称呼及び観念については,本願商標要部及び引用商標1及び引用商標2は,「メンター」の称呼及び「よき指導者」の観念を共通にするものである。
したがって,本願商標要部と引用商標1及び引用商標2は,外観において近似し,称呼及び観念を同一にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。
イ 本願商標と引用商標3について
外観については,本願商標要部と引用商標3とは,欧文字と片仮名の違いはあるものの,称呼及び観念については,「メンター」の称呼及び「よき指導者」の観念を共通にするものである。
そして,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で平仮名,片仮名及びローマ字等に相互に変更したり,デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があって,これより,商標より生ずる称呼及び観念において記憶し,これを頼りに取引に当たることが少なくないというのが相当であることから,本願商標要部と引用商標3の構成文字及び文字種の差異が,称呼及び観念の一致を凌駕するほどに看者の印象に強く残るとはいえない。
したがって,両商標は,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品は上記1のとおりであるところ,これらの商品は引用商標の指定商品の範囲に含まれる同一又は類似の商品である。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は,「下段の欧文字中『edriving』は出願人の商号『eDriving,LLC』の要部であること及び『by』の部分が『?による』程の意味合いを理解させることより,商標全体として『イードライビング社による良き指導・助言』程の一体不可分の特定の観念を生じるものであり,また,上段の構成要素が下段の構成要素よりも大きく表されているが,このような一体不可分の特定の観念を生じることに加え,両構成要素中の共通の『e』の欧文字のみを自動車のハンドル(ステアリングホイール)を容易に想起させる程度に特徴的に図案化し且つ青色に彩色した点で,両構成要素を外観的にもまとまりのある一体不可分のものとして結びつける効果を発揮させるものである。したがって,本願商標のかかる構成においては,これに接する取引者,需要者が,殊更『mentor』の文字部分のみに着目するというより,むしろ,『mentor by edriving』の構成文字全体をもって一体のものと認識,把握するとみるのが自然である。また,本願商標は,かかる構成態様においては,その構成中『mentor』の欧文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすというべき特別な事情も見いだすこともできない。よって,本願商標は,全体として一体不可分のものとして認識,把握されるべきであるから,全体として『メンターバイイードライビング』の称呼及び『イードライビング社による良き指導・助言』程の観念が生じるものである。 」旨を主張している。
しかしながら,「edriving」の文字が,請求人の名称として,本願商標の指定商品を取り扱う業界において,広く知られているものであるとはいえないものであるから,本願商標の指定商品の取引者,需要者が,該文字から「イードライビング社」を想起,認識するものとはいえないし,上記(1)のとおり,「edriving」の文字は辞書等に載録のない文字であって,特定の語義を有しない造語として認識されるものである。
そうすると,本願商標に接する取引者,需要者は,本願商標から「(請求人である)イードライビング社による良き指導・助言」を想起,認識するとはいい難く,本願商標全体からそのような観念が生じるとはいい難い。
また,上記3(1)のとおり,本願商標構成中の「mentor」の文字は「by edriving」の文字に比較して大きく書されており,両文字部分は視覚的に分離して看取されるものであること,両文字部分の間には観念的な繋がりもなく,一連で親しまれているものでもないから,両文字部分を常に一体のものとして把握しなければならない事情も見出せないこと及び本願商標全体から生じる「メンターバイイイドライビング」の称呼は冗長であることからすれば,「mentor」の文字と「by edriving」の文字とがそれぞれ独立して自他商品の識別機能を果たし得るものというべきである。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
イ 請求人は,「本願及び各引用商標の指定商品は,コンピュータソフトウェアその他の電子応用機械器具であり,その関連需要者は,この種の商品知識に精通していることが多く,高度かつ細心の注意を払って商品選択を行うのを常とすることから,本願商標と各引用商標の各々の構成態様の外観上の顕著な差異を十分に認識し,区別できるものである。したがって,需要者に強く訴える商標の視覚的要素,つまり,外観構成も重視,考慮して,総合的に商標の類否(出所混同の有無)について判断するのが現在の商取引の実情に最も合致するものといえる。」旨を主張している。
しかしながら,本願商標構成中の「mentor」の文字部分が独立して自他商品の識別機能を果たし得るものであることは,上記アのとおりであり,また,上記(3)のとおり,商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で平仮名,片仮名及びローマ字等に相互に変更したり,デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があって,これより,商標より生ずる称呼及び観念において記憶し,これを頼りに取引に当たることが少なくないというのが相当であることから,仮に,本願商標の指定商品を取り扱う業界における需要者,取引者が,商品知識に精通していることが多く,高度かつ細心の注意を払って商品選択を行うのを常とするとしても,本願商標要部と引用商標との比較における,「e」の文字がデザイン化されていること,及び大文字か小文字かの違い,あるいは,構成文字及び文字種の違いはあるものの,これらの差異が,称呼及び観念の一致を凌駕するほどに看者の印象に強く残るとはいえない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
ウ 請求人は,過去の審決例及び登録例を挙げて,本願商標も同様に取り扱われるべきである旨を主張している。
しかしながら,これらの審決例や登録例は,本願商標とは,図形要素の有無や構成文字の違いなど,その構成及び態様等が異なり,事案を異にするものであり,かつ,具体的事案の判断においては,過去の審決例や登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから,これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(6) まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標[色彩は原本参照])




審理終結日 2018-10-30 
結審通知日 2018-11-02 
審決日 2018-11-14 
出願番号 商願2017-66366(T2017-66366) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W09)
T 1 8・ 262- Z (W09)
T 1 8・ 263- Z (W09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 赤星 直昭森山 啓 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 須田 亮一
大森 友子
商標の称呼 メンターバイイイドライビング、メンター、バイイイドライビング、イイドライビング 
代理人 宮城 和浩 
代理人 特許業務法人RIN IP Partners 
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