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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W31 |
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管理番号 | 1350778 |
審判番号 | 不服2018-8343 |
総通号数 | 233 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-06-18 |
確定日 | 2019-04-10 |
事件の表示 | 商願2016-143467拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「敦盛」の文字を標準文字で表してなり、第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年12月22日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における同29年12月28日受付の手続補正書により、第31類「ハオルシア,ハオルシアの苗,ハオルシアの種子」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『敦盛』の文字を標準文字で表してなるところ、『敦盛』の文字は、平安末期の武将、平経盛の子として著名な歴史上の人物『敦盛』(平敦盛)を容易に想起させるものである。そして、平敦盛が討たれた兵庫県神戸市須磨区のゆかりの地において、『敦盛』の文字を使用して追悼法要等を開催している実情がうかがえることから、『平敦盛』を容易に想起させる本願商標を出願人が自己の商標としてその指定商品について商標権を取得し、これを独占的に使用することは、『敦盛』の文字を使用した観光振興などの公益的な施策の遂行を阻害するおそれがあるものといえ、社会一般の道徳に照らして穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記1のとおり「敦盛」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、当該文字は、歴史上の人物名である平敦盛を表すものとして、一般の辞書に掲載されているものである。 ところで、一般に歴史上の人物の生誕地やゆかりの地においては、地域振興や観光振興のために、その地の特産品や土産物に歴史上の人物の名称を商標として使用することが多く見受けられる。 そこで、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品である第31類「ハオルシア,ハオルシアの苗,ハオルシアの種子」、すなわち、鑑賞用に栽培される多肉植物の一種であるハオルシア並びにその苗及び種子が、地域振興や観光振興における特産品や土産物等として販売されている実情は発見できないことから、本願の指定商品は土産物等の商品と密接な関係性を有するものとはいえず、また、請求人が本願商標を出願し、登録を受けることが、地域振興や観光振興のためのイベントや史跡での紹介等に「敦盛」の名称を利用することに支障を生じさせるとまではいえない。 そして、本願商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、その構成自体がそのようなものではなくとも、それを本願の指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。 また、本願商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。 さらに、本願商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足る具体的事実も見いだせない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではないから、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-03-05 |
出願番号 | 商願2016-143467(T2016-143467) |
審決分類 |
T
1
8・
22-
WY
(W31)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 駒井 芳子 |
特許庁審判長 |
大森 健司 |
特許庁審判官 |
石塚 利恵 中束 としえ |
商標の称呼 | アツモリ |