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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W07
管理番号 1350739 
審判番号 不服2018-16599 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-12 
確定日 2019-03-18 
事件の表示 商願2018- 93595拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第7類「荷役機械器具,包装用機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具」を指定商品として,平成30年7月20日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第812226号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和41年7月30日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同44年4月5日に設定登録され,その後,同54年11月29日,平成元年4月18日,同11年4月27日,同21年4月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,同21年6月24日に,第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,業務用電気洗濯機 ,業務用撹はん混合機,業務用皮むき器,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置」,第9類「アーク溶接装置,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,青写真複写機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター」,第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,ボイラー,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,美容院用又は理髪店用の機械器具(「いす」を除く。),業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,業務用食器消毒器,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置」,第16類「印刷用インテル,活字,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板」,第20類「荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,美容院用いす,理髪用いす,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。」及び第28類「遊園地用機械器具(「業務用テレビゲーム機」を除く。)」とする指定商品の書換登録がなされたものであり,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,3つの同一の菱形図形であって,黄色で着色した菱形図形を中央上部に,その左下及び右下には濃紺色で着色した菱形図形を,それぞれの間に若干の隙間を設けながら配した構成からなる,立方体と思しき図形(以下「立方体図形」という。)と,立方体図形の右側に濃紺色で横書きした「SMART Cube」の欧文字を配した構成からなるところ,立方体図形は,天面が黄色,側面2つが濃紺色で着色された立方体を斜め上から見た様子を描写した図形を表したものと認められるものであって,特定の称呼及び観念を生じるものではない。
また,「SMART Cube」の文字部分中,「SMART」の文字は「(外見・身なりが)きちんとした,あか抜けた,さっそうとした」等の意味を,「Cube」の文字は「立方体」等の意味を有する英語(共に「ランダムハウス英和大辞典 第2版」 株式会社小学館)であるものの,「SMART Cube」の文字部分全体としては,辞書等に載録のないものであり,本願指定商品を取り扱う業界においては,特定の意味合いを有する語として使用されている等の事情もないものであるから,特定の意味合いを有しない一種の造語とみるのが相当である。
そうすると,文字部分全体としては,その構成文字に相応した「スマートキューブ」の称呼を生じ,特定の観念を生じるものではない。
そして,立方体図形と文字部分とは,立方体図形の一部と文字部分が同じ濃紺色で着色されているとしても,それぞれが視覚上分離されて看取されるものであり,両部分に観念上のつながりもない上,このほかに各部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見当たらないことから,立方体図形と文字部分とが,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合していると認めることはできない。
そうすると,立方体図形と文字部分は,それぞれが独立して,商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,立方体図形を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,3つの同一の菱形図形であって,白色で着色した菱形図形を中央上部に,赤色で着色した菱形図形をその左下に,そして緑色で着色した菱形図形を右下にし,それぞれの間に若干の隙間を設けながら配した構成からなる,立方体と思しき図形としたものであるところ,該図形は,天面が白色,側面のが赤色及び緑色で着色した立方体を斜め上から見た様子を描写した図形を表したものと認められるものであって,特定の称呼及び観念を生じるものではない。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標の要部である立方体図形と引用商標とは,図形の描き方や色彩の違いはあるものの,いずれも同一の菱形図形を3つ組み合わせて立方体としたものであり,立方体を構成する各菱形図形の間に若干の隙間を設けている点や,斜め上から見た様子を描写した立方体を表している点において共通しており,全体としてその構成の軌を一にするものであって,いずれも「3つの同一の菱形図形を若干の隙間を設けながら組み合わせて表した立方体を,斜め上から見た様子を描写した図形」として需要者の記憶に強く印象付けられているものといえるから,本願商標の立方体図形と引用商標とは,外観上,相紛らわしいものというべきである。
また,本願商標の構成中の立方体図形と引用商標は,ともに特定の称呼及び観念を生じるものではないから,称呼及び観念は,比較することができない。
してみれば,本願商標と引用商標は,需要者に与える印象,記憶,連想等が,「3つの同一の菱形図形を若干の隙間を設けながら組み合わせ立方体を,斜め上から見た様子を描写した図形」という点において外観を共通にするものであるから,本願商標と引用商標を同一又は類似の商品に使用した場合は,需要者がその出所について混同を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって,本願商標は,引用商標に類似する商標といえるものである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品は上記1のとおりであるところ,これらの商品は引用商標の指定商品に含まれる商品である。
(5)小括
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似の商標であって,かつ,その指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は,「本願商標は,立方体図形と欧文字とがその配置,配色において,全体として一体感が生じるように構成しており,欧文字部分を捨象して,殊更,その構成中の立方体図形部分のみを分離抽出して取引に供するものではない。 」旨を主張している。
しかしながら,上記(1)のとおり,立方体図形と文字部分とは,立方体図形の一部と文字部分が同じ濃紺色で着色されているとしても,それぞれが視覚上分離されて看取されるものであり,これらの間には観念上のつながりもない上,このほかに各部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見当たらないことから,立方体図形と文字部分とが,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合していると認めることはできないものであり,それぞれの部分が独立して,商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって,本願商標構成中の立方体図形を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものであるから,請求人の主張を採用することはできない。
イ 請求人は,「本願商標の図形部分と引用商標のみを比較してみても,各図形全体の配色において明らかな差異を有するものである。」旨を主張している。
しかしながら,上記(3)のとおり,立方体図形と引用商標は,「3つの同一の菱形図形を若干の隙間を設けながら組み合わせて表した立方体を,斜め上から見た様子を描写した図形」という構成の軌を一にする図形であり,色彩において差異を有するとしても,それだけをもって,両商標が類似の商標ではないとはいうことはできず,本願商標と引用商標を同一又は類似の商品に使用した場合は,需要者がその出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって,請求人の主張は採用することができない。
(7) まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)

別掲2 引用商標(色彩は原本参照。)


審理終結日 2019-01-22 
結審通知日 2019-01-23 
審決日 2019-02-05 
出願番号 商願2018-93595(T2018-93595) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 悠太赤澤 聡美 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 須田 亮一
大森 友子
商標の称呼 スマートキューブ、スマート、キューブ 

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