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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y0942
管理番号 1350732 
審判番号 取消2017-300321 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-05-12 
確定日 2019-03-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第5093855号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5093855号商標(以下「本件商標」という。)は、「フェアキャスト」の片仮名と「FairCast」の欧文字を二段に書してなり、平成18年1月25日に登録出願、第9類「通信ネットワークを通じてダウンロードが可能な電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク・磁気テープ・ICカード等の記録媒体,その他の電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク・磁気テープ・ICカード等の記録媒体,未記録の磁気ディスク・磁気テープ・ICカード等の記録媒体,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したオンラインショッピングのためのサーバーの貸与その他のサーバーの貸与,通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与,コンピュータネットワークを介して行うオンラインショッピングによる購買履歴・帳票等のデータ処理を行う電子計算機用プログラムの提供及びこれらに関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を含む、第9類、第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年11月22日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成29年5月29日である。
なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成26年5月29日ないし同29年5月28日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「通信ネットワークを通じてダウンロードが可能な電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク・磁気テープ・ICカード等の記録媒体,その他の電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク・磁気テープ・ICカード等の記録媒体,未記録の磁気ディスク・磁気テープ・ICカード等の記録媒体,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したオンラインショッピングのためのサーバーの貸与その他のサーバーの貸与,通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与,コンピュータネットワークを介して行うオンラインショッピングによる購買履歴・帳票等のデータ処理を行う電子計算機用プログラムの提供及びこれらに関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供(但し、「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用して緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」を除く。),電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」(以下「本件請求商品及び役務」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件請求商品及び役務について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
2 審判事件弁駁書における主張
(1)被請求人は、本件商標を「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したオンラインショッピングのためのサーバーの貸与その他のサーバーの貸与,通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」(以下「本件請求役務1」という。)に使用する例として乙第1号証ないし乙第23号証を提出しているが、これらの証拠及び答弁の内容から被請求人が真に本件商標を本件請求役務1に使用していることは証明されていない。
ア 乙第1号証について
乙第1号証添付のホームページは被請求人のグループ会社を紹介する記事で、本件商標の使用とは関連性がない。
イ 乙第2号証について
本号証ではウェブページが添付されており、そこには「FairCast」「フェアキャスト」の文字が表示されていることはうかがえる。しかし、被請求人が下線を付しているように、これは「学校連絡網サービス」に関する紹介ページであり、このサイトからでは本件請求役務1との関連性を認識することができない。
この点、被請求人は答弁書内で「学校連絡網システムの名称」と述べ「本システム」と略して用いているが、乙第2号証及びその他の証拠方法から被請求人のいう「システム」というのはコンピュータハードウェア設備ではなく、「サービス」「仕組み」の意味であると理解する。
上記に加えて、要証期間にインターネット上に当該ページが存在していたか不明である。
ウ 乙第3号証について
本号証添付の資料から2006年7月19日にニュースリリースが行われたことが推認できる。ここには「子どもを守る情報共有の新しい仕組み」として本件商標が紹介されているが、10年以上も前のニュースであり、要証期間の本件商標の使用を証明あるいは推認できるものではない。
エ 乙第4号証ないし乙第6号証について
これらに添付の記事は10年も前の新聞雑誌記事であり、IT分野の急速な発展と変化が起きる実情に鑑みれば、これらの記事に紹介されていることが現在も行われているか不明である。
また、これらの記事には、紙媒体の電話連絡網がもつ個人情報問題が解決されることが紹介されているのであって、個人情報の保護がサービスとして提供されているかはうかがい知ることができない。今日において個人情報を適切に管理することは個人情報取扱事業者であれば当然の義務・責務(例えば、個人情報の保護に関する法律第20条)であり、これを個人情報取扱事業者による他人に対する労務便益とは理解されていない。
被請求人は、答弁書で「高度なセキュリティーレベルを備えた被請求人のデータセンターのサーバー内で厳重に管理する機能を有することが評価され」と乙第4号証ないし乙第6号証を説明しているが、そのような評価を具体的に紹介した記述は見当たらない。加えて、個人情報に関するデータをデータベースとして管理するのは第35類の類似群35G03の範ちゅうに属する役務であって、本件とは無関係な主張である。
以上から、乙第4号証ないし乙第6号証は本件審理の証拠としては考慮されない。
オ 乙第7号証ないし乙第10号証について
この新聞雑誌記事も約10年前の新聞、記事で要証期間外の事実に関するものであり、本件商標の要証期間の使用の証明又は推認に寄与するものではない。
カ 乙第11号証について
本号証の資料は被請求人が2017年5月15日に行ったニュースリリースであるとみられるところ、答弁書記載のことは記述があるが、このページでは「FairCast学校連絡網」と紹介し、「複数メディアを活用した一斉連絡サービス」「学校と保護者をつなぐ一斉連絡網サービス」と紹介されている。「緊急時の連絡・通報の代行」は第45類に属する役務(類似群42T01)で本件請求役務1とは異なる。また、ASPサービスに関する紹介とも見られなくはないが、いずれにせよ、本件請求役務1の広告記事ではない。
キ 乙第12号証及び乙第13号証について
これらの新聞雑誌記事及びニュースリリースは要証期間外に発行されたものであり、本件商標の使用の立証に資するものではない。
ク 乙第14号証及び乙第15号証について
本号証添付の資料はサービスログイン画面のようである。ASPないしはSaaSサービスにおけるログイン画面としては普通であり、なにが実現できるか明らかではない。
この点を被請求人は「保護者、学校等の管理者等の本システムの利用者が、該ウェブサイトにログインすることで、通信ネットワークを通じて、被請求人が提供するシステムやサーバーの記憶領域に管理されたデータ・サーバーの情報処理機能が利用できるものであり、上述したように、あらかじめ被請求人のデータセンターのサーバー内に記録された連絡先に対して、一斉に情報を通信することができるシステムである」と説明するが、これは学校連絡網サービスの構造を説明しているにすぎず、この説明を基礎付ける客観的資料は何ら見当たらない。ログインの目的、ログイン後どのような行為ができるのか不明である。
乙第1号証ないし乙第13号証までで要証期間のものであると認識できるものは乙第11号証のみで、そこには情報の一斉配信については説明されているが、サーバーへのアクセスや情報処理機能の利用といったサービスの説明は皆無である。そうとすれば、当該ログイン画面は、学校連絡網としての情報の一斉配信のためのログイン画面と理解するのが自然である。
被請求人は、乙第14号証及び乙第15号証によって本件請求役務1の証明を試みているところ、当該表示は結局のところ「サーバーの貸与」「通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」について本件商標の使用が証明できるかに尽きる。
「サーバーの貸与」は必ずしも明確な表示とはいえないが、文字どおり解釈すれば、コンピュータサーバーという物理的な物体の貸与を指すことになるが、これでは被請求人の「学校連絡網サービス」とは相いれないことは明らかである。他方、「サーバーの貸与」に「サーバー内の記憶領域の貸与」も含むとの解釈が成り立つのであれば、「サーバーの貸与」と「通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」は同じ役務を指すことになる。
ここに、「サーバー内の記憶領域の貸与」というのは一般的にレンタルサーバーといわれる役務を指す。このことは、被請求人自身も認めている(乙21、乙22)ため、争いのない事実である。
レンタルサーバーというのは乙第22号証で説明されているように、ウェブサイトやウェブアプリケーションをインターネットで一般公開するために利用されるもので、自前の設備等を持たずにインターネットを利用することが最大のメリットとする(乙21、乙22)。サーバーの運営・管理はサーバー所有者側が行うため、利用者はどれほどのサーバー内の記憶(容量)を占有・レンタルできるかということが重要である。当該役務の利用にあたっては、利用者に対しそのサーバーがいかなる性能を持つものであるか、「サーバーの特性」及び「容量」等を説明することが絶対的に不可欠である。その利用料も容量や期間に応じた体系又は定額制等として利用者に示される。
乙第22号証に示されている「日本の主なホスティングサービス提供事業者・サービス一覧」に示されたレンタルサーバーサービスの広告資料を甲第2号証にて提出する。
この資料をみても、使用容量やサーバーのスペックについて説明されているのが「サーバー内の記憶領域の貸与」の役務の広告に該当するところ、被請求人の提出した乙号証には「サーバー」又は「容量」といった語や説明は存在せず、容量ごとにいくらかという利用者が能動的に選択可能な料金体系も示されていなければ、サーバー利用規約のようなものも提出されていない。
商標法上の「役務」というのは独立して商取引の目的たりうべきものであるところ、被請求人のような法人がサーバーの記憶領域の貸与の役務を、このような不十分な説明に基づいて独立した労務として取引しているとは到底考えられない。
もし、保護者名や連絡先、パスワード等の情報データを格納・利用することがサーバーの記憶領域の貸与であるとの主張をされているのであれば、牽強付会といわざるを得ない。被請求人提出の各証拠によれば、保存された情報を用いているのは当該役務の利用者ではなく、被請求人の連絡システム(コンピュー夕プログラム)である。記憶された情報をその記録した者が能動的に用いることができない以上、利用者がこの記憶容量を占有しているとはいえないのであり、提供された容量を「貸与」されているとはいえない。
ケ 乙第16号証について
本号証に添付の資料は乙第11号証と関連するところ、上記カで述べたとおり、本件請求役務1の使用を看取することはできない。
コ 乙第17号証ないし乙第20号証について
これらは、被請求人の展示会での広告物展示資料であると主張されているところ、サーバー内の記憶領域の貸与に関する料金説明等が全くなく、「学校業務支援ゾーン」に展示されており、これを見た者がレンタルサーバーに関する広告と考えることはできない。
サ 乙第21号証及び乙第22号証について
これらの資料については上記クで述べているとおりである。
シ 乙第23号証について
被請求人は商品役務の二面性の資料として判決を添付している。しかし、この二面性は取引者、需要者がその二面性を感得できて初めて成立するところ、被請求人の「学校連絡網サービス」は「サーバー内の記憶領域の貸与」との関係で二面性は成立しない。なぜなら、「サーバー内の記憶領域の貸与」は「学校連絡網サービス」の利用者に何ら説明されていなければ、サーバーの記憶領域を利用者が自由に使用してもいない。
(2)以上述べたとおり、被請求人が使用証拠として提出した資料は、いずれも本件商標の使用を裏付けるものではない。
3 平成30年2月13日付け口頭審理陳述要領書
(1)乙第24号証について
被請求人は、被請求人提出の口頭審理陳述要領書で「被請求人の本システムは、自社でデータセンターを備えていることが特徴の一つであり、被請求人は、その点を説明した広告宣伝を行っている。」と主張して乙第24号証を提出している。
しかし、この証拠は、被請求人提出の証拠説明書によると作成日が2017年10月3日となっており、要証期間外の書類である。これに関連してすでに提出されている乙第4号証及び乙第5号証も要証期間外の書類であるので、上記主張は証拠能力を欠く書類に基づいた客観性のない主張である。
また、被請求人は「データセンター」とは何かについて明らかにしていないが、「データセンター」は「顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスを提供する施設」を指す言葉で(甲3)、他人に提供する施設サービスである。この意味で理解されているにも拘わらず、なぜにこれが「サーバーの記憶領域の貸与」に該当するのか不明であり、被請求人の主張は根拠に欠くものである。また、自社のデータセンターを自ら使用しているのであれば、それは、そもそも他人のために行う労務又は便益とはいえない。
ASPサービスやクラウドサービスはそのプログラムを格納するための置き場所(サーバー)が必要なのは当然であるが、それが自社所有なのか他社所有なのかは需要者の知るところではなく、また、システムの利用者が選択できないものである。少なくとも、被請求人の本システムにおいてはそのような選択の余地はない。
したがって、被請求人が本件商標の下で「サーバーの記憶領域の貸与」の役務が行われている旨の主張は失当である。
(2)乙第25号証ないし乙第28号証について
被請求人は、被請求人提出の口頭審理陳述要領書において、本件商標の下に「入試情報配信サービス」を行っている旨主張し、乙第25号証ないし乙第28号証を提出している。
乙第25号証は本システムの利用規約であるところ、4枚目(20/27の頁)のところには「FairCast[R]」(審決注:「[R]」は「○」の中に「R」の記号である。以下同じ。)サービス利用料金表(1.4版)<平成26年4月1日以降適用>」と記されている。他方、3枚目(3/27の頁)には1.4版は2013年12月12日に改訂版として出されたと記されており、証拠説明書の日付と一致していない。そして、2013年12月12日は要証期間外となっているので、要証期間に「入試情報配信サービス」が提供されていたとする事実を裏付ける資料には該当しない。
また、乙第26号証の作成日は要証期間外であり、乙第27号証及び乙第28号証は「2013年9月1日 入試情報配信サービスを開始しました」と記されているのみで、要証期間の使用を裏付ける証拠にはならない。
以上から、提出された乙第25号証ないし乙第28号証はいずれも本件商標の使用を裏付ける資料にはなり得ない。
さらに、被請求人の主張する「入試情報配信サービス」を乙第26号証で見てみると、「電車遅延や天候不良、開始時間の変更など、常に最新情報をリアルタイムに配信できる!」と説明されている。これらの情報は学校入試という進学に関する情報ではなく、「緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う」ものである。この点について被請求人は「入試情報を配信又は入試情報を問い合わせすることができる電子計算機用プログラムの提供」であると主張しているが、この主張と乙第26号証にある説明とは一致しない。
加えて、被請求人は「この入試情報配信サービスには、他の契約とは別の料金表があり、何等かに付帯した役務ではなく、独立した役務であることは明らかである」旨主張しているが、そうであれば、なおさら「学校連絡網サービス」としての本件商標とは関係ない役務といえる。
被請求人が主張する入試情報が、学校の進学に関することを意図しているのであれば、それを裏付ける資料が必要であるが、そもそも入試情報サービスは第41類に該当する役務(類似群41A01)で、この役務をインターネットを介して行っているものである。
被請求人は、このような提供手段も「電子計算機用プログラムの提供」に該当すると主張しているようであるが、これは「電子計算機用プログラムの提供」を万能表示であるがごとく極端に広く解釈して適用している。例えば、オンラインゲームの提供が第41類にあり、インターネットショッピングモールの提供が第35類で保護されるように、プログラムで実現される内容に基づいて分類分けされるものである。国際分類の注釈では「第42類には、主として、理論的又は実用的な側面を有する活動分野に関する個別的又は集団的な人により提供されるサービスが含まれる。当該サービスは、化学者、物理学者、エンジニア、コンピュータプログラマー等のような専門家によって提供されるものである。」と説明されている。
この解釈に沿って、乙第26号証に示される情報をみると、「入試情報配信サービス」は「電子計算機用プログラムを提供」しているのではなく、(緊急)情報の提供を行っているにすぎない。よって、被請求人の主張は失当である。
4 平成30年4月10日付け上申書における主張
(1)乙第29号証及び乙第30号証について
被請求人は乙第26号証と同等の内容が要証期間に電磁的方法により提供されたことを証明する書面を提出し説明することが口頭審理で求められ、これに応答する形で乙第29号証及び乙第30号証を提出した。
しかし、乙第29号証及び乙第30号証は乙第26号証と(i)サービスフロー図表に説明が加えられている(ii)ページ最後の説明文の文言に下線が消えている(iii)利用期間が「申込時?3月10日」に変更されている点で一致していない。
かかる不一致はもはや「同等」とはいい難いもので、被請求人は口頭審理で要求された書面を提出しているに至っておらず、被請求人上申書で主張されている内容を事実と認めることはできない。
また、被請求人は上申書で乙第26号証の具体的内容を説明しているが、いずれも証拠に裏付けられた主張ではなく、また、前述のとおり乙第26号証が電磁的方法により提供されたとする事実は確認できない以上、当該部分における主張を採用することはできない。このことは被請求人上申書が乙第26号証を中心に説明しているため、当該上申書における主張全体の信ぴょう性に疑念を抱かざるを得ない。
被請求人が称している入試情報配信サービス利用期間については、乙第26号証が「申込時?2月末」となっているが、乙第29号証及び乙第30号証では「申込時?3月10日」に変更されている。この点、乙第31号証におけるサービス利用規約を確認すると、当該規約第7/25、18/25及び22/25頁にてそれぞれ利用期間の末日が「3月10日」と説明されている。これらの改定規約は「平成28年4月1日から実施するものとします。」と説明されており、それ以前の改定には利用期間の末日は記載されていないため、当該サービスの利用期間が2月末日から3月10日に変更となったのは平成28年4月1日であると考えるのが自然である。
かかる視点に基づいて乙第29号証及び乙第30号証を見ると、これらに示されている日付は2015年(平成27年)2月12日及び2016年(平成28年)2月17日であり、規約上の利用期間の変更が行われるよりも前に、既に利用期間が3月10日となっていたことになる。つまり、乙第29号証及び乙第30号証に示されている内容は利用規約の改定と矛盾している。
したがって、被請求人の主張及び乙第29号証及び乙第30号証は信ぴょう性を欠くものである。
(2)乙第31号証について
乙第31号証は、「FairCast[R]」サービス利用規約として全文が提出されている。こちらの規約第3条「用語の定義」の(19)に「入試情報配信サービス」の定義として「本サービスのうち、学校から受験生及びその保護者に対し、配信をするサービス」とされている。
そこで、「本サービス」の定義について確認すると、利用規約第4条(第5/25頁)に「本サービスの内容は、別途当社が定める『「FairCast[R]」サービス内容』に記載の通りとします。」と説明されている。
この「FairCast[R]」サービス内容が何か書類が提出されていないが、審理事項通知書の見解のとおりに解釈すると、「FairCast[R]」サービス内容は「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用して緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」に関する役務であり、当該「入試情報配信サービス」もこの範ちゅうを出ないものと考えるのが、規約の規定から合理的に導かれるものである。つまり、被請求人が上申書で主張している「学校からリアルタイムに受験生や保護者に配信できるだけでなく、受験生や保護者側から、最新情報の確認・問い合わせができることを特長とするサービスである」、「本サービスは、一方的に連絡・通報するシステムではない」との説明と矛盾していることになる。
(3)乙第32号証について
口頭審理においては、乙第25号証において変更履歴事項が残ったままで内部用資料として見えるために、外部に提供されるものであることが求められたと記憶している。これに応答する形で、被請求人はこの度会員用ホームページ内のウェブページの写しを提出している。
当該ページには「サービス利用規約はこちらでご覧下さい。」とあるものの、このリンク先が、確かに乙第31号証の「FairCast[R]」サービス利用規約であることは不明であるし、この規約のリンクが要証期間に存在していたかも不明である。サービス利用規約は、通常の取引においては、契約締結時に契約者に渡されるものであるので、乙第32号証のみで乙第25号証又は乙第31号証の「FairCast[R]」サービス利用規約が外部に提供された事実を証明していると認めることはできない。
(4)乙第33号証について
被請求人は平成27年度「入試情報配信サービス」の利用申込書を提出している。しかし、当該書類は取引書類用のフォームであって、取引の事実を示すものではないので、要証期間に提供されていた書類と認めることはできない。
(5)乙第34号証ないし乙第37号証について
被請求人は、新たな証拠として広告物及びメール写しを提出している。
しかし、乙第35号証ないし乙第37号証のメールの添付ファイル「入試情報配信サービス.zip」と乙第34号証の関係性が不明である。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第37号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 審判事件答弁書における主張
(1)本件商標の使用の事実
被請求人は、日本最大のシステムインテグレーターであり、特に、官公庁や教育等の公共分野、金融向けのシステム開発を大々的に行ってきている企業である(乙1)。そして、本件商標は、被請求人が提供する学校連絡網システムの名称として、使用しているものである(乙2)。
ア 本件商標を使用する役務について
本件商標を使用する学校連絡網システム(以下「本システム」という。)は、2006年7月にサービスを開始した(乙3)。本システムは、従来の電話連絡網に代わり、電子メールのみならず、固定/携帯電話(音声)やFAX等、複数の手段、メディアによって、昨今、社会問題化している子供の安全の確保について、関係者が共有すべき緊急情報や連絡情報などを、正確かつ迅速、公平に一斉に連絡する画期的なシステムであること、さらには、個人情報やプライバシーに関する国民の意識の高まりに伴って、連絡網や名簿が作りにくい環境にある中、個人情報を学校等に提出することなく、高度なセキュリティーレベルを備えた被請求人のデータセンターのサーバー内で厳重に管理する機能を有することが評価され(乙4?乙6)、サービス提供開始と同時に、静岡県三島市、袋井市、岐阜県大垣市、東京都豊島区、大阪府吹田市、福岡県福岡市など、全国12の地区町村の学校等、50を超える施設や団体、1万5千世帯に導入され、このことは、新聞等において大々的に報道された(乙4、乙7?乙9)。
以降、子供が巻き込まれる事件や、東日本大震災や台風等の自然災害、インフルエンザ等の疾病の流行など、子供の安全が危惧される事案が増えている中で、被請求人は、本システムを積極的に展開してきた。その結果、本システムは、2009年9月には全国400校、約20万世帯で、2017年4月には全国約1,000校で利用されるに至っている(乙10、乙11)。そして、子供の安全の確保は、今や国民的な関心事となっていることから、各自治体や学校が本システムを導入した際には、新聞等において幾度となく報道がされてきた(乙12)。
また、本システムは、その安全性、信頼性の高さから、様々な分野において賞を受賞してきた。その一例として、2008年度には、「ソリューションビジネス・サービスシステム部門」で初のグッドデザイン賞を受賞(乙13)、2009年度には、経済産業省、内閣府、総務省、財務省、文部科学省、国土交通省が定める情報化月間の取り組みにおいて、「情報化月間推進会議議長表彰」を受賞した(乙10)。
このように、被請求人が、本件商標を使用している本システムは、学校一斉連絡網システムの代表的なシステムとして知られているものである。
イ 本件商標の要証期間における使用について
被請求人は、本件商標について、上述したように、2006年より使用しているところ、要証期間においては、以下のとおり、本件商標の使用をしている。
(ア)被請求人による本件商標の使用1
被請求人は、本システムを提供するにつき、ウェブサイトを設置し、該ウェブサイトの最上段の目立つ部分に、「FairCast」と「フェアキャスト」の文字を上下二段に表示している(乙2)。また、「フェアキャスト」のみ、「FairCast」のみを表示してなるものも存在する。
本システムは、保護者、学校等の管理者等の本システムの利用者が、該ウェブサイトにログインすることで、通信ネットワークを通じて、被請求人が提供するシステムやサーバー内記憶領域に管理されたデータ、サーバーの情報処理機能が利用できるものであり、上述したように、あらかじめ被請求人のデータセンターのサーバー内に記録された連絡先に対して、一斉に情報を通信することができるシステムである。そして、乙第14号証は、本システムのログイン画面の写しであり、該画面の右上には、目立つように、「FairCast」と「フェアキャスト」の文字が上下二段に表示されている。
さらに、本システムの稼働状況は、乙第15号証のウェブサイトで確認することができる。該ウェブサイトの右上にも、大きく目立つように、「FairCast」と「フェアキャスト」の文字が上下二段に表示されている。また、「FairCast」のみを表示してなるものも存在する。
このように、被請求人が、本件商標を要証期間に使用していることは明らかである。そして、本件商標を使用している役務は、本件請求役務1の範ちゅうに属するものである。
(イ)被請求人による本件商標の使用2
被請求人は、本件商標を付した広告物を提供することにより、本件商標を本件請求役務1に使用している(乙16)。乙第16号証の広告物は、上記の乙第2号証であるウェブサイトにおいて、提供されているものであり、2017年2月28日以降、現在も継続して提供している。そして、乙第16号証の上部において、上段に「フェアキャスト」、下段に「FairCast」を配して表示している。さらに、その下方には、「FairCast」と「フェアキャスト」を上下二段に表示している。
乙第16号証における本件商標の使用は、被請求人が提供する本システムの広告物に該当するものである。すなわち、本件請求役務1の範ちゅうに属するものである。
(ウ)被請求人による本件商標の使用3
被請求人は、展示会において、本件商標を付した広告物を展示することで、本件商標を本件請求役務1に使用している(乙17?乙20)。
乙第17号証は、2016年5月18日ないし20日に開催された、第7回教育ITソリューションEXPOで展示した展示パネルの初校の写しであり、乙第18号証は、当該博覧会の実施報告書である。乙第18号証の報告書4頁、6頁、15頁に、本システムの展示物が実際に展示されたことが報告されている。
また、乙第19号証は、2017年5月17日ないし19日に開催された、第8回教育ITソリューションEXPOで展示した展示パネルの最終稿の写しであり、乙第20号証は、当該博覧会の実施報告書である。乙第20号証の報告書13頁、16頁、17頁、73頁に、本システムの展示物が実際に展示されたことが報告されている。
そして、乙第17号証、乙第19号証において、そのパネルの中央に、「FairCast」と「フェアキャスト」の文字が上下二段に表示されている。また、乙第17号証、乙第19号証の上方に、「フェアキャスト」の文字が表示されている。
乙第17号証及び乙第19号証における本件商標の使用は、本システムの広告物に該当するものである。すなわち、本件請求役務1の範ちゅうに属するものである。
(エ)請求にかかる指定役務中の、いわゆる「サーバーの貸与」や「サーバーの記憶領域の貸与」とは、サーバーの利用者が、利用者自身がサーバーの運営・管理をしなくてもいいように、事業者が所有するサーバーの記憶領域や情報処理機能を利用させる役務であり、当該事業者所有のサーバーが設置されたデータセンターと呼ばれる施設において、提供されるものである(乙21、乙22)。
そして、被請求人が本件商標を使用して提供しているシステムは、上述したように、被請求人のデータセンターのサーバーを利用し、サーバーの記憶領域や情報処理機能を利用してなるシステムである。
この点、本システムについて、例えば、ASPサービスのように捉えることもできるが、商品や役務が二面性を有する商品・役務である場合には、それぞれ二つの分類等に属する商品について登録商標が使用されていると扱って差し支えないとするのが、昭和57年(行ケ)67号の判決(乙23)を始めとする多数の裁判例、審決例であり、被請求人が本件商標を使用している本システムについても、同様に判断されて然るべきである。すなわち、本件商標が、仮に、他の役務にも使用されていると認識されることがあるとしても、本件請求役務1の範ちゅうに属するものであると判断されるべきである。
(2)結論
以上より、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標権者である被請求人によって、本件請求商品及び役務について使用していたものとはいえないとする請求人の主張は誤りである。
2 平成30年1月30日付け口頭審理陳述要領書における主張
審理事項通知書によれば、審判合議体は、被請求人が本件商標を使用しているシステムは本件商標の指定役務中の第42類「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用して緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」に含まれる役務と推認している。
被請求人は、答弁書において、本件商標は本件請求商品及び役務中、第42類「通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」等に使用している旨説明したが、これを補強する証拠を提出し説明すると共に、本件請求商品及び役務中、第42類「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供(但し、「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用して緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」を除く。)」(以下「本件請求役務2」という場合がある。)に含まれる役務について、本件商標を使用しているため、改めてその事実について新たな証拠を提出し説明する。
(1)指定役務「通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」を現実に行っていることについて
被請求人が提供する本システムは、「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用して緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」に含まれるものであることは、被請求人も認めるところであるが、「通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」の側面を有するものである。
すなわち、本システムは、答弁書でも述べたように、自社で本システム用のサーバーを備えたデータセンターを介して提供されるシステムである(乙4、乙5)。一般的な一斉配信サービスは、データセンターを自社で所有しないか、あるいはサーバーを備えたデータセンター設備を他社に委託しサービスを提供しているところ、被請求人の本システムは、自社でデータセンターを備えていることが特長の一つであり、被請求人は、その点を説明した広告宣伝を行っている(乙24)。そして、国民が個人情報の保護に敏感である昨今、当該特長が、本システムの導入の決め手の一つとなっており、導入後も高い評価を得ているものである(乙4)。
ところで、「サーバーの記憶領域の貸与」とは、請求人も述べるように、「利用者自身がサーバーの運営・管理を行わずにすむように、事業者が所有するサーバーの記憶領域や情報処理能力を利用させる」役務である。そして、本システムが通信ネットワークを利用したシステムであることは、乙第2号証ないし乙第20号証から明らかである。
審理事項通知書においては、本システムについての本件商標の使用は、あくまでも「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用して緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」に含まれる役務と推認しているが、上述したように、本システムは、「通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」を含む全体としてのシステムについて、本件商標を使用しているものである。
加えて、答弁書にて述べたように、不使用取消審判においては、商品や役務が二面性を有する場合には、それぞれ二つの分類等に属する商品について登録商標が使用されていると扱って差し支えないとの裁判例、審決例が多数存在するところである(乙23)。特に、本システムについては、自社で専用サーバーを備えたデータセンターを所有していることが特長であり、この点は十分に考慮されるべきである。
したがって、本システムについての本件商標の使用は、「通信ネットワークにおけるサーバーの記憶領域の貸与」に該当する。
(2)本件商標を本件請求役務2について使用していることについて
本システムは、「緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う」ものだけではなく、連絡や通報ではない情報配信等をも行うシステムである。
乙第25号証は、2015年4月1日版の本システムの利用規約である。当該利用規約の20頁?24頁には、平成26年4月1日以降に適用される本システムの利用料金が明示されている。この料金は、契約内容ごとに利用料金が異なっており、その契約内容とは、[1]単体校契約、[2]教育委員会契約、[3]入試情報配信サービスの3種類である。
ここで、[1][2]の契約は、いわゆる学校における連絡網をシステム化したものであるが、[3]の契約は、入試情報を配信する機能を有するシステムである。より具体的には、学校の台風や地震などの自然災害に伴う休校や、運動会等の開催、不審者情報などを学校から連絡・通報するだけではなく、学校から入試に関する情報を配信し、また、学生や保護者からの問い合わせを受けることができるシステムである(乙26)。
そして、この入試情報配信サービスには、他の契約とは別の料金表があり、何等かに付帯した役務ではなく、独立した役務であることは明らかである。
してみれば、被請求人は、「入試情報を配信又は入試情報を問い合わせすることができる電子計算機用プログラムの提供」を行っているものというべきである。
また、「本システム」について、「入試情報配信サービス」が搭載されたのが、2013年9月1日からであることが、被請求人のホームページ内の新着情報一覧からも明らかである(乙27、乙28)。なお、乙第28号証は、インターネットアーカイブ(WayBackMachine)のウェブサイトに保存されている被請求人の2015年6月27日におけるホームページの写しである。
以上よりすれば、被請求人が、要証期間に、「入試情報を配信又は入試情報を問い合わせすることができる電子計算機用プログラムの提供」を行っていたことは明らかである。そして、被請求人の使用役務「入試情報を配信又は入試情報を問い合わせすることができる電子計算機用プログラムの提供」は、「緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」に該当しない。
そうとすると、被請求人は、本件商標を、要証期間に「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」にも使用しているというべきである。
3 平成30年3月13日付け上申書における主張
(1)乙第26号証と同等の内容が要証期間に電磁的方法により提供されていたことについて
被請求人は、乙第26号証と同等の内容が要証期間に電磁的方法により提供されていたことを証明する書類として、乙第29号証及び乙第30号証を提出し説明する。
乙第26号証は、乙第27号証、乙第28号証として提出した被請求人の提供にかかる「フェアキャスト/FairCast」のホームページ内の新着情報一覧で記されている「2013年9月1日 入試情報配信サービスを開始しました。」の文字中の「入試情報配信サービス」の文字にリンクされ、取引者や需要者が見ることができるようになっている「入試情報配信サービス」の案内である(http://www.faircast.jp/pdf/2013/nyuushi.pdf)。
そして、乙第29号証、乙第30号証は、インターネットアーカイブ(WayBackMachine:https://archive.org/)に保存されている前記ホームページの乙第26号証がリンクされているページの写しであるが、これが保存されたのは、本件の要証期間である2015年(平成27年)2月12日(乙29)及び2016年(平成28年)2月17日(乙30)である。
してみれば、乙第26号証が、要証期間に、電磁的方法により提供されていたことは明らかである。
(2)乙第26号証の「入試情報配信サービス」の要証期間の具体的内容について
入試情報配信サービスとは、被請求人が提供している「FairCast」の「学校通信網システム」以外のサービスとして、2013年9月1日に開始したものである(乙27)。
入試情報配信サービスとは、電車遅延や天候不良、入試開始時間の変更などの入試関連情報を、学校からリアルタイムに受験生や保護者に配信できるだけでなく、受験生や保護者側から、最新情報の確認・問い合わせができることを特長とするサービスである(乙26)。
例えば、回線輻輳などにより、学校側が配信した入試情報が不着となった場合でも、受験生や保護者側から問い合わせることにより、配信された情報を確認できるものであり、本サービスは、一方的に連絡・通報するシステムではない。
「FairCast」の利用者が、「入試情報配信サービス」を利用する場合は、「FairCast」のログイン画面(乙14)から、ログインすることによって、入試情報配信サービスを利用することができる。また、配信される入試情報の内容は、上述した電車遅延等に限られるものではなく、願書の受付期間や受験する学校の情報、受験に際して注意点・変更点や受験応援コメント等、連絡・通報以外の入試に関連する情報を学校側が自由に入力し配信することができるシステムとなっている。
そして、乙第26号証が、要証期間に電磁的方法により提供されていたことは、上記(1)で述べたとおりである。
(3)乙第26号証の「入試情報配信サービス」が要証期間に提供されていたことについて
ア 「入試情報配信サービス」が要証期間に提供されていたことを示す書類として、乙第31号証を提出する。乙第31号証は、2016年4月1日版の「FairCast[R]」サービス利用規約の全文である。
この「FairCast[R]」サービス利用規約は、「FairCast」の利用者に向けた利用規約であり、「FairCast」の会員用ホームページ内で閲覧することができるものである(乙32)。「FairCast[R]」サービス利用規約は、「サービス利用規約」「プライバシーポリシー」「サービス内容」「サービス利用料金表」「利用者用利用規約」からなり、「サービス利用規約」や「サービス内容」では、「入試情報配信サービス」の定義(乙31 5頁)や、「FairCast」サービス中の「入試情報配信サービス」に関する例外規定(乙31 6頁、7頁、10頁及び15頁)等が、「サービス利用料金表」では、「入試情報配信サービス」に関する料金が規定されている(乙31 22頁)。
そして、「FairCast[R]」サービス利用規約は、上述した「サービス利用規約」「プライバシーポリシー」「サービス内容」「サービス利用料金表」「利用者用利用規約」のいずれかが変更された場合、その内容と日付が、利用規約の2頁、3頁に記載される。この点、乙第31号証は、その3頁において、直近の変更履歴が2016年4月1日付で「サービス利用規約」「サービス内容」「サービス利用料金表」が変更されたものであることがわかる。
また、「FairCast[R]」サービス利用規約の改定について、「サービス利用規約」は平成28年4月1日、「プライバシーポリシー」は平成27年7月1日、「サービス内容」は平成28年4月1日、「サービス利用料金表」は平成28年4月1日、「利用者用利用規約」は平成25年9月13日が実施日であり、それぞれの末尾に記載されている。
乙第31号証の変更履歴、各内容の実施日の一番新しい日付は、平成28年4月1日である。そうとすると、乙第31号証は、本件の要証期間である2016年(平成28年)4月1日以降に提供されていたことは明らかである。
そして、「入試情報配信サービス」の利用規約である乙第31号証が要証期間に提供されていたことからすれば、「入試情報配信サービス」が、要証期間に提供されていたというべきである。
イ さらに、乙第26号証が要証期間に提供されていたことを客観的に確認できる書類として、平成27年度「入試情報配信サービス」の利用申込書を提出する(乙33)。我が国の学校年度とは、4月1日から翌年3月31日までをいうのが一般的であり、平成27年度とは、平成27年(2015年)4月1日から平成28年(2016年)3月31日までをいう。また、乙第33号証の右上には、「20151118版」の記載があり、これは、「2015年11月18日の作成版」を意味するものである。
そうとすると、乙第33号証は、前記期間における「入試情報サービス」の利用を申し込むための書類であり、乙第33号証は要証期間に提供されていた書類であることは明らかである。
そして、「入試情報配信サービス」の申込書である乙第33号証が、要証期間に提供されていたことからすれば、「入試情報配信サービス」が要証期間に提供されていたというべきである。
(4)乙第25号証の「サービス利用規約」により「サーバーの記憶領域の貸与」の役務が要証期間に提供されていたことについて
乙第25号証の「FairCast[R]」サービス利用規約は、主に「FairCast[R]」の料金表であるところ、「FairCast」の料金体系は、IDの数と通信カウント(通信ポイント)による。ここで、IDとは、「FairCast」を利用することができるユーザーを識別するための符号であり、通信カウントとは、「FairCast」の利用量を図る単位(乙31 5頁)であって、IDの数や通信カウントの組み合わせによって、プラン料金、利用料金が異なる仕組みになっている。乙第25号証と乙第31号証は、共に「FairCast[R]」サービス利用規約であるため、以下、便宜上、乙第31号証をもって詳細を説明する。
例えば、乙第31号証の18頁で示されている「プラン料金」は、1ID当たり、10カウント分の通信利用量の場合は、「プラン10」で600円、30カウント分の通信利用量の場合は、「プラン30」で840円となっており、通信利用量が多いほうが料金が高くなっている。
また、乙第31号証の22頁「入試情報配信サービス」の料金表では、500IDの場合は100,000円、1,000IDの場合は180,000円とIDの数が増えるたびに、料金も高くなっている。
そして、通信利用量又はIDの数が多い場合に料金が高くなるのは、すなわち、サーバーの利用量が多いからに他ならない。しかして、サーバーの利用量とは、被請求人が所有するデータセンター内のサーバーの記憶領域と処理装置を、「FairCast」の利用者が使用する量のことである。
そうとすると、被請求人が提供する「FairCast/フェアキャスト」は、請求人が弁駁書で述べるように、「利用料が容量に応じた料金体系となっている」という「サーバー内の記憶領域の貸与」の特徴を有しているといわざるを得ない。
そして、上述するように、乙第31号証は、本件の要証期間である2016年(平成28年)4月1日以降に、使用されていたものである。
そうとすると、「FairCast[R]」サービス利用規約である乙第31号証が、要証期間に提供されていたことからすれば、「サーバーの記憶領域の貸与」が要証期間に提供されていたというべきである。
(5)本件商標の使用を立証する新たな証拠の提出とその説明
本件商標を「入試情報配信サービス」に使用していることを立証する新たな証拠として、乙第34号証ないし乙第37号証を提出し、説明する。
乙第34号証は、「入試情報配信サービス」の内容の案内(広告物)及び料金表であるところ、乙第35号証ないし乙第37号証は、被請求人が、これを第三者に頒布したメールの写しである。そして、これらのメールは、2015年11月30日、2015年11月24日、2016年4月12日に送信したメールであり、いずれも要証期間である。
(6)本件商標の使用が商標法第2条第3項第7号及び同項第8号に該当することについて
ア 本件商標の使用が、商標法第2条第3項第7号に該当することについて
被請求人は、乙第26号証を用いて「入試情報配信サービスに関する情報の提供」を電磁的方法により提供するにあたり、映像面に標章を表示して役務を提供した。したがって、本件商標の使用は、本件請求役務2についての商標法第2条第3項第7号の「使用」に該当する。
また、被請求人は、「サーバーの記憶領域の貸与」を含む「学校連絡網システム」及び「入試情報配信サービス」を電磁的方法により提供するにあたり、乙第14号証、乙第15号証の「FairCast/フェアキャスト」のホームページの映像面に標章を表示して役務を提供した。
したがって、本件商標の使用は、取消請求にかかる指定役務「サーバーの記憶領域の貸与」についての商標法第2条第3項第7号の「使用」に該当する。
イ 本件商標の使用が商標法第2条第3項第8号に該当することについて
乙第26号証の「フェアキャスト/FairCast」入試情報配信サービスのご案内は、被請求人が提供する「入試情報配信サービス」の広告を内容とするものであり、被請求人は、これを電子的方法により提供したから、本件商標の使用は、本件請求役務2についての商標法第2条第3項第8号の「使用」に該当する。
乙第31号証「FairCast[R]」サービス利用規約は、被請求人が提供する「入試情報配信サービス」又は「学校通信網サービス」の価格表及び取引書類を内容とするものであり、被請求人は、これを電磁的方法により提供したから、本件商標の使用は、本件請求役務2についての商標法第2条第3項第8号に該当する。
さらに、乙第34号証の「入試情報配信サービスのご案内」は、被請求人が提供する「入試情報配信サービス」の広告物及び価格表であり、被請求人は、これを頒布したから、本件商標の使用は、本件請求役務2についての商標法第2条第3項第8号の「使用」に該当する。

第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば次のとおりである。
ア 乙第3号証は、2006年(平成18年)7月19日付けの本件商標権者(被請求人)のニュースリリースであり、そこには「(株)NTTデータ(・・・)は、・・・子どもを守る情報共有の新しい仕組み『FairCast TM-子ども安全連絡網』について、全国一斉にサービスを開始します。」「『FairCast(フェアキャスト)』は、従来の電話連絡網に代わり、電子メールのみならず、固定/携帯電話(音声)やFAXにより、すべての保護者・教職員・自治会等の方々に対して、正確・迅速・公平に一斉連絡する仕組みです。」の記載があり、「サービスの流れ」の図には、配信者がパソコンで送信先を選択しメッセージを入力し一斉配信ボタンを押下すると、当該メッセージが「子ども安全連絡網連絡センタ」を介し、メール、電話などで保護者に配信され、配信者は送達確認ができる旨が記載されている。
イ 乙第9号証は、日経テレコン21-記事検索の写しであり、2006年7月20日の毎日新聞において「不審者対策:緊急連絡を電話・メールで一斉送信 三島・袋井の8校2園でも/静岡」の見出しの下「子供を狙う不審者対策への関心が強まる中、NTTデータは19日、全国各地の小中学校などに子供を通わせる保護者ら約1万5000世帯を対象に、電話やメールによる保護者への緊急連絡を一斉に送信できる『FairCast(フェアキャスト)』サービスを始めた。」の記載がある。
ウ 乙第11号証は、2017年(平成29年)7月4日にプリントアウトしたと認められる書面であり、そこには「『FairCast[R]学校連絡網』 LINEへの配信サービス提供について」のタイトルのもと、「2017年5月15日」「株式会社NTTデータ」の記載があり、「背景」の項に「NTTデータが学校向けの連絡網サービス『FairCast学校連絡網』の提供を始めてから10年を迎えました。」の記載があり、「FairCastのサービス概要(特長)」の項に「『FairCast学校連絡網』は、全国1,000校(2017年4月現在)が利用している、学校と保護者をつなぐ一斉連絡網サービスです。」「・・・学校から保護者へ一斉送信する際、配信先として事前に受信者(保護者)が登録をしたメール、電話(音声)・FAXの3つの通信手段での配信が可能です。」の記載がある。また、「図1:一斉配信イメージ」には、配信者がパソコンで送信先を選択しメッセージを入力し配信ボタンを押下すると、当該メッセージが「フェアキャスト連絡センター」を介し、メール、LINE、電話などで一斉配信され、配信者は送達確認ができる旨の記載がある。
エ 乙第27号証は、2018年(平成30年)1月15日にプリントアウトしたと認められる本件商標権者のウェブページの写しであり、「フェアキャスト-子供安全連絡網 新着情報一覧」の見出しの下、「2013年9月1日 入試情報配信サービスを開始しました。」の記載がある。
オ 乙第28号証は、2018年(平成30年)1月15日にプリントアウトしたと認められるインターネットアーカイブ(WayBackMachine)のウェブサイトに保存されている2015年6月27日の本件商標権者のウェブページの写しである。ページの上段に「NTTDaTa」の記載があり、また、「FairCast[R]」の文字が表され、「Topics」の見出しの下、「2013年9月1日 入試情報配信サービスを開始しました。」の記載がある。
カ 乙第29号証及び乙第30号証は、インターネットアーカイブ(WayBackMachine)のウェブサイトに保存されている本件商標権者のウェブページの写しである。乙第29号証は2015年2月12日のものであり、乙第30号証は2016年2月17日のものであるところ、いずれも、ページの上段に「NTTDaTa」の記載があり、また、「フェアキャスト」と「FairCast[R]」の文字が二段に表され、「入試情報配信サービス開始のご案内」の見出しの下、「FairCast[R]の入試情報配信 学校側からの一斉配信(PUSH型)に加えて、掲示板機能による受験生・保護者からの問い合わせ(PULL型)も可能!」の記載がある。また、その下には、PUSH型及びPULL型をイメージした図とともに、学校側には「電車遅延や天候不良、開始時間の変更など、常に最新情報をリアルタイムに発信できる!」の記載があり、受験生・保護者には「掲示板機能により最新情報を随時確認」の記載がある。
さらに、「*利用者向けヘルプデスクを無料開放・・・」「*利用者IDカード&かんたん登録ガイドは、・・・無料で印刷・納品する・・・。」「*利用期間は、申込時?3月10日となります。」などの記載がある。
キ 乙第31号証は、「『FairCast[R]』サービス利用規約」であり、これは、「『FairCast[R]』サービス利用規約等変更履歴」「『FairCast[R]』サービス利用規約(1.5版)」「『FairCast[R]』プライバシーポリシー(1.6版)」「『FairCast[R]』サービス内容(1.6版)」「『FairCast[R]』サービス利用料金表(1.5版)」「『FairCast[R]』利用者用利用規約(1.3版)」の項からなる。
(ア)「『FairCast[R]』サービス利用規約等変更履歴」(乙31 2頁、3頁)において「日付」欄の「2006/07/19」の「変更内容」欄には「初版発行」の記載があり、「日付」欄の「2013/09/13」の「変更内容」欄には「入試情報配信サービスを追加」の記載があり、同じく「2016/04/01」には「・・・、サービス利用料金表1.5版として改訂」の記載がある。
(イ)「『FairCast[R]』サービス利用規約(1.5版)」(乙31 4頁?12頁)の「1.本規約の適用」には「株式会社エヌ・ティ・ティ・データが提供する『FairCast[R]』サービス(以下『本サービス』という。)は、本規約に基づきサービスを提供します。」の記載があり、「3.用語の定義」には「(19)入試情報配信サービス」として「本サービスのうち、学校から受験生及びその保護者に対し、配信するサービス」の記載がある。また、「5.本サービスの提供条件」には「本サービスは、教育委員会又は学校教育機関等から、関係者や在籍する者の保護者へ向けた多メディア一斉連絡を目的とするものです。」の記載がある。さらに、「7.利用契約の変更」「8.契約期間中の利用者の増加」「10.契約期間」「11.利用契約の更新」において、入試情報配信サービスに限定した記載がある。
(ウ)「『FairCast[R]』サービス利用料金表(1.5版)」(乙31 18頁?22頁)の「4.料金」には「(1)単体校契約」「(2)教育委員会契約」「(3)入試情報配信サービス」がある。「(3)入試情報配信サービス」においては、料金表の記載とともに表外に「※利用者向けヘルプデスクを提供いたします。」「※利用者IDカードおよびかんたん登録ガイドを印刷・納品いたします。」「※利用期間は、利用契約成立日?3月10日となります。」の記載がある。
(2)上記(1)からすれば、次の事実を認めることができる。
ア 本件商標権者は、平成18年(2006年)7月から「FairCast[R]」サービス(当初は「FairCast-子ども安全連絡網」と称していた。また、「FairCast学校連絡網」と称する場合もある。)を提供し(乙3,乙9,乙11,乙31)、平成25年(2013年)9月から「FairCast[R]」サービスに加え、学校から受験生及びその保護者に対して配信する「入試情報配信サービス」(以下「使用役務」という。)を開始し(乙27,乙28,乙31)、少なくとも平成28年(2016年)4月まで使用役務の提供を継続していた(乙31)。
イ 「FairCast[R]」サービスは、従来のいわゆる電話連絡網に代わり、配信者がパソコンで送信先を選択しメッセージを入力し配信ボタンを押下すると、当該メッセージが本件商標権者の運営する「連絡センター(サーバー)」を介し、メール、電話などで事前に登録された保護者に通報され、配信者は送達確認ができるというサービスである(乙3,乙11)。
一方、使用役務は、「FairCast[R]」サービスに加え、学校から受験生及び保護者に対して電車遅延や天候不良、(入試)開始時間の変更など(入試関連情報)の入力情報を一斉配信し、受験生及び保護者は、掲示板機能により最新情報を随時確認、問い合わせができるというサービスである(乙29,乙30)。
そして、使用役務は、本件商標権者が提供する「FairCast[R]」サービスに追加された役務であるものの、「FairCast[R]」サービスとは契約方法、契約期間、料金体系が異なることから独立して提供される役務といえる(乙31)。
ウ 本件商標権者は、平成27年(2015年)2月12日及び平成28年(2016年)2月17日に本件商標権者のウェブページにおいて使用役務を紹介し、その際「フェアキャスト」及び「FairCast[R]」の文字を二段に表示(以下「使用商標」という。)していた(乙29,乙30)。
そうすると、本件商標権者は平成27年(2015年)2月12日及び平成28年(2016年)2月17日に、使用役務に関する広告を内容とする情報に使用商標を付して電磁的方法により提供したということができる。
2 判断
(1)使用商標について
上記1(2)ウのとおり、使用商標は「フェアキャスト」と「FairCast[R]」の文字からなるものであり、上記第1のとおり、本件商標は「フェアキャスト」と「FairCast」の文字からなるものである。
そうすると、両商標は「[R]」の有無の差異を有するものの、「[R]」は登録商標であることを表示するにすぎないものであり、いずれも「フェアキャスト」と「FairCast」の文字からなるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
(2)使用役務について
上記1(2)イのとおり、使用役務は、配信者がパソコンを利用して電車遅延や天候不良、(入試)開始時間の変更など(入試関連情報)の入力情報を入力するなど一定の操作を行うことにより、当該入試関連情報を事前に登録された宛先(受信者)に一斉に配信することができ、また、受信者からも当該情報を掲示板機能により問い合わせができるというものであり、配信者は入力した入試関連情報の配信、受信者は電子掲示板の利用が可能なコンピュータプログラムを利用しているものといえる。
そうすると、使用役務は、「インターネットを利用した入試関連情報について配信又は電子掲示板の利用可能な電子計算機用プログラムの提供」に該当するものということができる。
そして、かかる「インターネットを利用した入試関連情報について配信又は電子掲示板の利用可能な電子計算機用プログラムの提供」は、本件請求役務2の範ちゅうに属する役務であること明らかである。
(3)使用時期及び使用行為について
上記1(2)ウのとおり、本件商標権者は、要証期間の平成27年2月12日及び平成28年2月17日に使用役務に関する広告を内容とする情報に使用商標を付して電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)。
(4)使用者について
上記1(2)ア及びウのとおり、使用商標を使用した者は本件商標権者である。
(5)小括
上記(1)ないし(4)からすれば、本件商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件請求役務2の範ちゅうに属する役務について使用商標を使用したと認められる。
(6)請求人の主張について
請求人は、入試情報配信サービス利用期間については、乙第26号証が「申込時?2月末」となっているが、乙第29号証及び乙第30号証では「申込時?3月10日」に変更され、乙第31号証におけるサービス利用規約の7、18及び22頁に利用期間の末日が「3月10日」と説明されている。これらの改定規約は「平成28年4月1日から実施・・・」とあることから当該サービスの利用期間が2月末日から3月10日に変更となったのは平成28年4月1日と考えるのが自然であり、乙第29号証及び乙第30号証に示されている内容は利用規約の改定と矛盾している旨主張している。
しかしながら、乙第25号証として提出された「『FairCast[R]』サービス利用料金表(1.4版)<平成26年4月1日以降適用>」中には、「4.料金」の「(3)入試情報配信サービス」において「*利用期間は、利用契約成立日?3月10日となります。」の記載がある。そうすると、当該サービスの利用期間は、平成26年4月1日には「利用契約成立日?3月10日」であったといえるから、乙第29号証及び乙第30号証に示されている利用期間に関する内容に矛盾があるとはいえない。
したがって、上記に関する請求人の主張は理由がない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品及び指定役務中「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供(但し、「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用して緊急時の連絡・通報その他の連絡・通報を行う電子計算機用プログラムの提供又はこれに関する情報の提供」を除く。)」の範ちゅうに属する「インターネットを利用した入試関連情報について配信又は電子掲示板の利用可能な電子計算機用プログラムの提供」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品及び指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2018-10-19 
結審通知日 2018-10-24 
審決日 2018-11-08 
出願番号 商願2006-5434(T2006-5434) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y0942)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 田中 亨子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 小松 里美
金子 尚人
登録日 2007-11-22 
登録番号 商標登録第5093855号(T5093855) 
商標の称呼 フェアキャスト、フェアカスト 
代理人 黒川 朋也 
代理人 森川 邦子 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 工藤 莞司 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
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