• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W03
審判 一部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1349854 
異議申立番号 異議2018-900099 
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-24 
確定日 2019-03-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第6019513号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6019513号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件商標は、「ふきトリ」の文字を標準文字で表してなり、平成27年3月23日に登録出願され、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用綿棒,化粧用脱脂綿」及び第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,尿吸収用パッド,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,失禁用パンツ,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、同29年12月27日に登録審決され、同30年2月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその指定商品中、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用綿棒,化粧用脱脂綿」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
(1)商標第3条第1項第3号について
本件商標は、平仮名及び片仮名で「ふきトリ」と横書きしてなるものであるところ、本件商標と本件指定商品との関連に鑑みると、化粧水、クレンジング料、洗顔料等の商品においては、「くすみの原因の古い角質や毛穴の汚れをやさしく落とし、澄んだ肌に整えるふきとり化粧水です。」(甲1)、「アロエエキス(保湿成分)配合で、クレンジング後の残った油分や毛穴の汚れを落として、肌にうるおいをあたえるふき取り化粧水。」(甲2)の例にみられるような、肌の古い角質や毛穴の汚れ等をふき取って落とす商品が多数流通しているとともに、「ふきとり」及び「フキトリ」の語が、「肌の古い角質や毛穴の汚れ等をふき取って落とす商品」の意味をもって普通に使用され、認識されている(甲1?甲11)。
また、「化粧品の表示に関する公正競争規約」及び「同施行規則」においては、一般消費者が商品を選択するための基準となる名称として「種類別名称」の記載を規定しているが、用途を表す語として「ふきとり用」の語の記述があって、その記載例として「ふきとり用化粧水」が示されているとともに、化粧品に特化した書籍にも「ふき取り化粧水」、「ふき取り用化粧水」、「ふきとり用化粧水」がみられ、これらは本件指定商品の普通名称として認識されているものである(甲12?甲15)。
すなわち、平仮名及び片仮名で記載したにすぎない本件商標「ふきトリ」は、これを本件指定商品中、「ふきとり(用)化粧水」をはじめとする「肌の古い角質や毛穴の汚れ等をふき取って落とす商品」に使用するときは、単に商品の用途、品質を表す標章にすぎないものであって、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)商標第4条第1項第16号について
本件商標を、「肌の古い角質や毛穴の汚れ等をふき取って落とす商品」以外の本件指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「肌の古い角質や毛穴の汚れ等をふき取って落とす商品」であるかのごとく直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれのあることは明白であって、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「ふき」の平仮名と「トリ」の片仮名とを結合した「ふきトリ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字全体からは、特定の意味合いを認識させるとはいい難いものである。
そして、申立人が提出した証拠によれば、本件商標の指定商品中の「化粧品」を取り扱う業界において、「ふきとり」、「フキトリ」又は「ふき取り」の文字が、「(毛穴等の)汚れを落とす(拭き取る)」ほどの意味合いを表す語として、使用されていることはうかがえるものの、平仮名と片仮名を組み合わせた「ふきトリ」の文字に係る証拠は見いだせない。
また、当審において職権をもって調査したが、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「ふきトリ」の文字が、本件商標の登録審決時に、商品の具体的な品質等を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本件商標の指定商品の取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本件商標は、その構成全体として特定の意味合いを想起させない一種の造語として認識、理解されるとみるのが相当であるから、本件商標をその指定商品について使用しても、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということができず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえ、また、本件商標が商品の品質等を表示するものでない以上、本件商標は、商品の品質の誤認を生じるおそれもないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-03-07 
出願番号 商願2015-26540(T2015-26540) 
審決分類 T 1 652・ 272- Y (W03)
T 1 652・ 13- Y (W03)
最終処分 維持  
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 小松 里美
中束 としえ
登録日 2018-02-16 
登録番号 商標登録第6019513号(T6019513) 
権利者 小林製薬株式会社
商標の称呼 フキトリ 
代理人 山田 威一郎 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ