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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201218923 審決 商標
不服2019930 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W35
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W35
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W35
管理番号 1349835 
審判番号 不服2018-12684 
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-25 
確定日 2019-04-01 
事件の表示 商願2017- 97324拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第20類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成28年11月21日に登録出願された商願2016?131085に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同29年7月21日に登録出願され,その後,指定商品及び指定役務については,当審における同30年9月25日受付の手続補正書により第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築用又は構築用の金属製専用材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,リノリューム製建築専用材料・プラスチック製建築専用材料・合成建築専用材料・アスファルト・アスファルト製の建築用の専用材料・アスファルト製の構築用の専用材料・ゴム製の建築用の専用材料・ゴム製の構築用の専用材料・しっくい・石灰製の建築用の専用材料・石灰製の構築用の専用材料・石こう製の建築用の専用材料・石こう製の構築用の専用材料及び繊維製の落石防止網の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,セメント及びその製品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,木材の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築用ガラスの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の4件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4553312号商標(以下「引用商標1」という。)は,「いごこち」の文字を標準文字で表してなり,平成13年5月2日に登録出願,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として,同14年3月22日に設定登録され,その後,同24年3月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4568119号商標(以下「引用商標2」という。)は,「メーキング」の文字と「MAKING」の文字を二段に書してなり,平成13年6月19日に登録出願,第16類「雑誌,新聞」を指定商品として,同14年5月17日に設定登録され,その後,同24年7月3日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第5859060号商標(以下「引用商標3」という。)は,「衣ごこち」の文字を標準文字で表してなり,平成27年12月22日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同28年6月17日に設定登録されたものである。
(4)登録第5955052号商標は,(以下「引用商標4」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成27年12月7日に登録出願,第19類「木材,建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具」を指定商品として,同29年6月16日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1,引用商標2及び引用商標3について
本願商標の指定商品及び指定役務が,前記1のとおり補正された結果,引用商標1,引用商標2及び引用商標3に係る指定商品と同一又は類似の商品及び役務は,すべて削除されたものである。
その結果,本願の指定役務は,引用商標1,引用商標2及び引用商標3の指定商品と類似しない役務となった。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして拒絶の理由に引用した登録商標のうち,引用商標1,引用商標2及び引用商標3についての拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標4について
ア 本願商標について
(ア)本願商標は,別掲1のとおり,桃色の正方形の内部に5つの縦長の略長方形状の空洞部を配した図形の下に,「I」の文字が若干太く書された「IGOCOCHI」の欧文字及びその下に「IGOCOCHI」の欧文字より細く,小さく書された筆記体風の「making」の欧文字が中央をそろえるように,それぞれ間隔を設けて配置されているところ,図形部分,「IGOCOCHI」の欧文字部分及び「making」の欧文字部分は,それぞれの構成態様及び配置状況によれば,視覚上分離されて看取されるものである。
(イ)本願商標を構成する図形部分,「IGOCOCHI」の欧文字部分及び「making」の欧文字部分の各部分についてみると,図形部分からは,特定の称呼及び観念は生じない。
また,「IGOCOCHI」の欧文字は,辞書類に掲載のない語であるところ,このような欧文字の語については,我が国において広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音あるいはそれらを組み合わせた発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,その構成文字に相応して,「イゴコチ」の称呼が生じるものである。
しかしながら,「IGOCOCHI」の欧文字は,日本語を欧文字表記するときに普通に使用するローマ字表記とは異なり,「CO」の文字を「コ」の表記として使用していることから,直ちに日本語の「居心地(いごこち)」の文字のローマ字表記とは認められない。
そうすると,「IGOCOCHI」の欧文字は,特定の意味合いを生じない造語として理解されるとみるのが相当であるから,特定の観念は生じないものである。
そして,「making」の欧文字は,「作ること,製造」等の意味を有する我が国で広く知られている英単語(「ベーシック ジーニアス英和辞典」 株式会社 大修館書店)であるから,「making」の欧文字部分からは該語に相応した「メーキング」の称呼及び「作ること,製造」の観念が生じるものである。
(ウ)上記(イ)より,本願商標を構成する文字部分と図形部分とは,観念上のつながりはないものと認められる。
また,文字部分についてみても「IGOCOCHI」の欧文字と「making」の欧文字は,造語と英単語であるから,文字部分全体で特定の観念を有する熟語を形成しているものとはいえない上,観念上のつながりもなく,このほかに各文字部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見当たらない。
(エ)上記(ア)ないし(ウ)より,本願商標を構成する図形部分,「IGOCOCHI」の欧文字部分及び「making」の欧文字部分の各部分が,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合していると認めることはできないものであり,それぞれの部分が独立して,商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると,本願商標に接する需要者,取引者は,その構成中にあって太く書されて,看者の注意をひく,「IGOCOCHI」の欧文字部分に着目して取引にあたる場合も決して少なくないというのが相当であるから,該部分を要部として抽出し,引用商標と比較して,商標の類否を判断することができるものである。
したがって,本願商標は,その要部である,「IGOCOCHI」の欧文字部分より,「イゴコチ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標4について
引用商標4は,別掲2のとおり,「いごこち」の平仮名及び「E」の文字を大きく表した「EGocochi」の欧文字を2段に書してなるところ,両文字部分はともに青緑色で書されているものの,上段の「いごごち」の平仮名は下段の「EGocochi」の欧文字に比較して大きく表されており,その文字種も異なるものである。
また,上段の「いごこち」の文字部分は,その構成文字に相応して,「イゴコチ」の称呼を生じるものである。そして,該文字部分は,「居心地」の文字を平仮名で表記したものと認められるから,「居心地」並びにその意味である「そこにいるときのこころもち。すみごこち。」(「広辞苑 第七版」 株式会社岩波書店)の観念を生じるものである。
さらに,下段の「EGocochi」の欧文字は,その構成文字に相応して,「エゴコチ」の称呼を生じるものである。また,該文字部分は,辞書等に載録のない文字であって,特定の語義を有しない造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものである。
してみれば,引用商標4の上段の「いごこち」の平仮名と「EGocochi」の欧文字とは,近接し,ともに同色で表示されているものの,文字の大きさ及び文字種の相違から,視覚上分離して看取され,また両文字部分から生ずる称呼も異なり,観念上のつながりもない上,このほかに各文字部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見当たらないことから,両文字部分は,それぞれの部分が独立して,商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
そうすると,引用商標4は,その構成中「いごこち」の文字部分を要部として抽出し,本願商標と比較して,商標の類否を判断することができるものである。
したがって,引用商標4は,その要部である「いごこち」の文字部分に相応して,「イゴコチ」の称呼及び「居心地,そこにいるときのこころもち。すみごこち。」の観念をも生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標4との類否について
(ア)本願商標と引用商標4は,それぞれ上記のとおりであるから,両者の外観は明らかに相違するものであり,外観上,明確に区別できるものである。
(イ)本願商標の要部である「IGOCOCHI」の欧文字部分と引用商標4の要部である「いごこち」の文字部分とを比較してみるに,称呼については,両者とも「イゴコチ」の称呼を同一にするものの,外観については,文字数が異なることに加え,文字種が相違し,両者は,外観上,判然と区別し得るものである。
また,観念については,「IGOCOCHI」の欧文字部分は特定の観念を生じないものであるのに対し,「いごこち」の文字部分は「居心地,そこにいるときのこころもち。すみごこち。」の観念をも生じるものであるから,両者は,観念において相紛れるおそれはない。
そうすると,本願商標の要部と引用商標4の要部とは,「イゴコチ」の称呼が同一であるとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,また,観念においても,相紛れるおそれはないものであるから,その称呼,外観及び観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても,その出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当であり,両商標は,非類似の商標というべきである。
(ウ)その他,本願商標と引用商標4とが類似する商標であるとすべき理由は見いだせない。
(エ)したがって,本願商標は,引用商標4とは類似する商標とはいえず,その指定役務が,引用商標4の指定商品と類似するとしても,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(3) まとめ
以上のとおり,本願商標の指定役務は,補正により引用商標1,引用商標2及び引用商標3の指定商品とは非類似の役務となり,本願商標と引用商標4とは非類似の商標であるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)

別掲2 引用商標4(色彩は原本参照。)


審決日 2019-03-18 
出願番号 商願2017-97324(T2017-97324) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W35)
T 1 8・ 262- WY (W35)
T 1 8・ 263- WY (W35)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柿本 涼馬馬場 秀敏池田 光治 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 大森 友子
須田 亮一
商標の称呼 イゴコチメーキング、イゴコチ、メーキング 
代理人 飯島 紳行 

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