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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0712 審判 査定不服 観念類似 登録しない W0712 審判 査定不服 外観類似 登録しない W0712 |
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管理番号 | 1349743 |
審判番号 | 不服2018-8522 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-06-21 |
確定日 | 2019-02-14 |
事件の表示 | 商願2016-145726拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第7類及び第12類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年12月28日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同29年9月4日付け手続補正書により、第7類「ベルトコンベヤー用のモータを内蔵した駆動ローラー,ローラーコンベヤー用のモータを内蔵した駆動ローラー,ベルトコンベヤー用のモータを内蔵した駆動プーリー,ローラーコンベヤ?用のモータを内蔵した駆動プーリ?,荷役機械器具用モータ,荷役機械器具,軸・軸受・軸継ぎ手・ベアリング(陸上の乗物用のものを除く。),変速機(陸上の乗物用のものを除く。),動力伝動装置(陸上の乗物用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」及び第12類「陸上の乗物用の軸・軸受・軸継ぎ手・ベアリング,陸上の乗物用の変速機,陸上の乗物用の動力伝動装置,陸上の乗物用の機械要素」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第598763号商標(以下「引用商標1」という。) ・商標の構成:別掲2のとおり ・登録出願日:昭和31年9月20日 ・設定登録日:昭和37年10月9日 ・書換登録日:平成16年1月28日 ・指定商品:第11類「ボイラー(輸送機械用のものを除く。),タンク用水位制御弁」 (2)登録第2715890号商標(以下「引用商標2」という。) ・商標の構成:別掲3のとおり ・登録出願日:平成2年8月11日 ・設定登録日:平成8年8月30日 ・書換登録日:平成19年3月28日 ・指定商品:第9類「回転変流機,調相機,配電用又は制御用の機械器具,整流器,変圧器,誘導電圧調整器,配電盤,継電器,開閉器,断路器,遮断機,制御器,抵抗器,蓄電器,避雷器,リアクトル,点滅器,接続器,配線函,ヒューズ」を含む第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (3)登録第5374568号商標(以下「引用商標3」という。) ・商標の構成:別掲4のとおり ・登録出願日:平成22年3月2日 ・設定登録日:平成22年12月10日 ・指定商品:第7類「土木機械器具,荷役機械器具」 (4)登録第5510775号商標(以下「引用商標4」という。) ・商標の構成:別掲5のとおり ・登録出願日:平成24年3月13日 ・設定登録日:平成24年7月27日 ・指定商品:第12類「軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,制動装置」 (5)登録第5529477号商標(以下「引用商標5」という。) ・商標の構成:別掲6のとおり ・登録出願日:平成24年4月24日 ・設定登録日:平成24年10月19日 ・指定商品:第12類「軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,制動装置」 (6)登録第5823756号商標(以下「引用商標6」という。) ・商標の構成:別掲7のとおり ・登録出願日:平成25年12月23日 ・設定登録日:平成28年2月5日 ・指定商品:第9類「電気接続具,プラグ・ソケットその他の電気接続具,電気制御用機械器具,電気抵抗器」を含む第9類、第16類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 なお、以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、紺色の太字で横書きされた「KyOWA」の欧文字(以下「文字部分という。」)と、その2文字目の「y」の文字の右上部から5文字目の「A」の文字を超えたさきまで、その文字の太さと同じ太さの水色の横線を、該「y」の文字の下部から1文字目の「K」の文字を超えたさきまで、その文字の太さと同じ太さの水色の横線(以下「水色の線」という。)を配してなる構成態様からなるものである。 そして、文字部分と、水色の線とは、色彩及びその構成態様が異なることから視覚上、分離して看取させるものであり、また、水色の線は、単純な線として理解されるものである。 そうすると、本願商標は、その構成中、文字部分が、取引者、需要者において、強く支配的な印象を与える要部といえるものである。 してみれば、本願商標は、その要部である文字部分の構成文字に相応して、「キョーワ」の称呼を生じ、また、その構成文字は、一般によく知られた既成語ではないことから、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標 ア 引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標5及び引用商標6(以下「引用商標A」という。) 引用商標Aは、別掲2、別掲3、別掲5、別掲6及び別掲7のとおり、図形又は立体的形状等と、顕著に書された「KYOWA」の欧文字とを組み合わせた構成態様からなものである。 そして、引用商標Aの「KYOWA」の文字部分は、視覚的に分離して看取される態様であることに加え、他の構成要素である図形又は立体的形状等と、常に一体のものとして把握すべき特段の事情も見いだせないことから、「KYOWA」の文字部分は、それぞれが要部として独立して自他商品の識別機能を果たすものといえる。 してみれば、引用商標Aは、その要部である「KYOWA」の文字より、「キョーワ」の称呼が生じるものであり、観念においては、上記(1)のとおり、当該文字が一般によく知られた既成語ではないことから、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標3 引用商標3は、別掲4のとおり、ラッコと思しき動物の図形(以下「動物図形」という。)の少し離れた下部に、円輪郭図形の下部が切り取られ、その部分に「K」の文字を入れ込んだ図形(以下「円輪郭図形」という。)及びその右側に「株式会社キョーワ」の文字を組み合わせた構成態様からなるところ、動物図形及び円輪郭図形と文字部分は、外観、称呼及び観念上のつながりや関連性は認められないことから、それぞれが要部として独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。 そして、文字部分中の「株式会社」の文字は、法人の種類を表す語であるから、商標の要部となり得る部分は、「キョーワ」の片仮名部分であるとみるのが相当である。 してみると、引用商標3からは、その構成中の要部である「キョーワ」の文字部分に相応して、「キョーワ」の称呼を生じ、また、「キョーワ」の文字は、一般によく知られた既成語ではないことから、特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否 ア 外観について 本願商標の「KyOWA」の文字部分と引用商標Aの「KYOWA」の文字部分との類否について検討すると、両者は、文字の綴りを共通にするものであるから、外観上、近似した印象を与えるものである。 次に、本願商標の「KyOWA」の文字部分と引用商標3の「キョーワ」の文字部分とを対比すると、外観においては、欧文字及び片仮名という文字種を異にするところがあるものの、両者は共に態様上の特徴が認められない書体で表されていることに加え、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換することが一般的に行われている取引の実情があることを考慮すると、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。 イ 称呼及び観念について 本願商標の「KyOWA」の文字部分と引用商標の「KYOWA」及び「キョーワ」の文字からは、共に「キョーワ」の称呼を共通にし、観念においては、共に特定の観念を生じないものであるから、観念上、両者を比較することはできない。 ウ 商標の類否について 上記ア及びイより、本願商標の文字部分と引用商標の各文字部分とは、観念において比較できないとしても、称呼において「キョーワ」の称呼を同一にし、外観においては近似した印象を与えるか、あるいは外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、本願商標と引用商標は、相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。 (4)本願商標と引用商標の指定商品の類否 ア 引用商標1、引用商標4及び引用商標5について 本願商標の指定商品中、第7類「軸・軸受・軸継ぎ手・ベアリング(陸上の乗物用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」及び第12類「陸上の乗物用の軸・軸受・軸継ぎ手・ベアリング,陸上の乗物用の機械要素」は、引用商標1の指定商品中、第11類「タンク用水位制御弁」並びに引用商標4及び引用商標5の指定商品、第12類「軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,制動装置」と同一又は類似である。 イ 引用商標3について 本願商標の指定商品中、第7類「ベルトコンベヤー用のモータを内蔵した駆動ローラー,ローラーコンベヤー用のモータを内蔵した駆動ローラー,ベルトコンベヤー用のモータを内蔵した駆動プーリー,ローラーコンベヤ?用のモータを内蔵した駆動プーリ?,荷役機械器具」は、引用商標3の指定商品、第7類「土木機械器具,荷役機械器具」と同一又は類似である。 ウ 引用商標2及び引用商標6について 本願商標の指定商品中、第7類「荷役機械器具用モータ」は、引用商標2の指定商品中、第9類「回転変流機,調相機,配電用又は制御用の機械器具,整流器,変圧器,誘導電圧調整器,配電盤,継電器,開閉器,断路器,遮断機,制御器,抵抗器,蓄電器,避雷器,リアクトル,点滅器,接続器,配線函,ヒューズ」及び引用商標6の指定商品中、第9類「電気接続具,プラグ・ソケットその他の電気接続具,電気制御用機械器具,電気抵抗器」と同一又は類似である。 (5)小括 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、また、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品も同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (6)請求人の主張について ア 請求人は、「協和」、「共和」、「京和」及び「キョーワ」等を含む企業名称が多数存在すること(第1号証?第4号証、第24号証?第26号証)、そして、それらの企業は、ハウスマークとしての商標を欧文字で表す際、その要部を抽出し、「KYOWA」と表記することが一般的に行われている(第9号証)と述べた上で、「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」は自他商品役務識別力に欠けるとして、商標法第3条第1項第4号を引用し(第27号証、第28号証)、「KYOWA」の文字だけでは、いずれの企業名称を示すのか判然とせず、もはや、「KYOWA」だけでは自他商品役務識別力に欠けると考えるのが妥当であり、よって、「KYOWA」の文字だけでは、相互の区別ができない状況にある我が国産業界の特殊事情を考慮し、会社名に由来する「KYOWA」においては、文字商標「KYOWA」の部分において対比するのではなく、商標全体としての外観上のデザインの相違に着目し、類否判断すべきである旨を主張し、「KYOWA」等を含む登録商標の併存例(第10号証?第23号証)を挙げている。 しかしながら、請求人が、提出した証拠からは、「協和」、「共和」、「京和」及び「キョーワ」等の文字を含む企業名が存在することは確認できるものの、「KYOWA」の文字そのものが、ありふれた名称に該当すると認めることのできる証左は発見することができない。 また、そもそも、商標法第3条第1項第4号の「ありふれた名称」には、その名称全体のものとしてありふれたものが該当すると解すべきであり、名称を構成する要素の一部分を抜き出し、「KYOWA」の文字に自他商品の識別標識としての機能を有しないとする請求人の主張は採用し得ない。 そして、請求人が挙げる事例は、いずれも本願商標とその構成態様を異にするものであるところ、商標の類否判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録の例があるからといって、本願商標も必ず登録されるものであるということにはならない。 イ 請求人は、本願商標中の「Y」の字の上下から延びるラインは、「ベルトコンベヤー」と「製作所(SEISAKUSYO)」の頭文字「S」を掛け合わせてデザインされたものであり、本願商標を「株式会社協和製作所」なる企業名称に因んで新たなハウスマークとして採択した旨を述べている。 しかしながら、一般的に商標に接する取引者、需要者は、請求人の商標採択の理由やその思い、それが図形と一体になっている否かにとらわれることなく称呼することが可能であれば、自由に称呼し、取引等に資するというのが相当であるから、商標の類否について、これらの理由が上記(3)の判断に影響を及ぼすものではない。 よって、請求人の上記主張はいずれも採用することができない。 (7)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標 (色彩については、原本参照。) 別掲2 引用商標1 別掲3 引用商標2 別掲4 引用商標3 別掲5 引用商標4 別掲6 引用商標5(色彩については、原本参照。) 第1図 第2図 第3図 第4図 別掲7 引用商標6(色彩については、原本参照。) |
審理終結日 | 2018-12-10 |
結審通知日 | 2018-12-17 |
審決日 | 2018-12-28 |
出願番号 | 商願2016-145726(T2016-145726) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W0712)
T 1 8・ 263- Z (W0712) T 1 8・ 262- Z (W0712) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今田 尊恵 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
浜岸 愛 榎本 政実 |
商標の称呼 | キョーワ |
代理人 | 並川 鉄也 |
代理人 | 西津 千晶 |
代理人 | 小谷 昌崇 |
代理人 | 小谷 悦司 |
代理人 | 川瀬 幹夫 |