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審決分類 審判 判定 その他 属さない(申立て成立) X0941
管理番号 1348966 
判定請求番号 判定2017-600048 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2019-03-29 
種別 判定 
判定請求日 2017-10-26 
確定日 2019-02-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第5300367号商標の判定請求事件について,次のとおり判定する。 
結論 商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」に使用するイ号標章は,登録第5300367号商標の商標権の効力の範囲に属しない。
理由 第1 本件商標
本件登録第5300367号商標(以下「本件商標」という。)は,「続ける技術」の文字を標準文字で表してなり,平成19年11月5日に登録出願,第9類「録音済みのコンパクトディスク」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」を指定商品及び指定役務として,同22年2月12日に設定登録されたものである。

第2 イ号標章
本件判定請求人(以下「請求人という。」)が,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」に使用するイ号標章は,別掲のとおりの構成からなるものである。

第3 請求人の主張
請求人は,結論同旨の判定を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章について
(1)イ号標章の使用について
請求人が,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」に使用するイ号標章は,別掲のとおり,縦書きで右から順に大きく「続ける」と「技術」の文字を併記し,「続ける」と「技術」との間に縦書きで右から順に小さく「やめられない!」と「ぐらいスゴイ」の文字を併記して表されるものである。
甲第3号証,甲第4号証,甲第14号証及び甲第15号証は,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」についてイ号標章が使用されている状態を示す写真及びウェブサイトの写しである。
なお,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章の使用開始日は,遅くとも平成29年4月19日である。
(2)イ号標章が使用されている商品・役務について
甲第3号証等から,イ号標章が使用された出版物が(紙の)書籍として販売されていることは明らかである。また,甲第4号証,甲第14号証及び甲第15号証等から,イ号標章が使用された電子出版物があることは明らかである。
一般に,電子出版物は,販売サイトで購入された後,スマートフォンやパソコンなどのブラウザを通してオンラインで閲覧する場合と,スマートフォンやパソコンなどにダウンロードして閲覧する場合がある。
電子出版物の販売サイト「BookLive」(甲15)でも,請求人が発行するイ号標章が付された電子出版物が販売されている。そして,「BookLive」では,購入した電子出版物をオンラインで閲覧することもダウンロードして閲覧することも可能である(甲16)。なお,閲覧時は,書籍の表紙がブラウザ又は専用アプリケーションでスクリーンに表示される(甲14)。
このことから,イ号標章が付された電子出版物は,その閲覧方法によって,商標法上の商品「電子出版物」について使用されているといえる場合と,役務「電子出版物の提供」について使用されているといえる場合があることが明らかである。
以上より,イ号標章は,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用されているといえる。
2 判定の必要性について
請求人は,被請求人が,平成29年6月22日に差し出した「通知書」を受け取った(甲6の1)。通知書の内容は,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」についてイ号標章を使用する請求人の行為が,本件商標の商標権の侵害等に該当するというものであった。請求人は,請求人の行為が侵害行為には該当しない旨を記載した回答書を平成29年7月14日に送付した(甲6の2)。
しかしながら,それでもなお平成29年8月7日付けの通知書において,被請求人は,請求人の行為を本件商標権の侵害と強弁している(甲6の3)。
請求人は,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章の使用は,本件商標権の侵害ではないと考えているため,判定を請求した。
3 商標権の効力範囲に属しないとの理由について
(1)出版物の題号であること(主位的主張)
ア 過去の裁判例等
商標の使用が,商標権の侵害行為である,すなわち,商標権の効力の範囲に属すると認められるためには,登録商標と同一又は類似の第三者の標章が,単に形式的に指定商品又はこれに類似する商品等に表示されているだけでは足りず,その商品・役務の出所を表示し自他商品を識別する商標としての機能を果たす態様で使用されていることを要するものと解すべきである。
そして,過去の裁判例や特許庁における判定においても,商品「書籍」等に使用するイ号標章のような出版物の題号であって,その題号が単に出版物の内容を示す表示と理解される場合には,商標としての機能を発揮しないものであると判断されている(甲7,8)。
イ 「続ける技術」の語について
イ号標章を構成する「続ける技術」の「続ける」とは,ある事柄を間を置かずに連続して行うといった「継続」を意味する語であり,「技術」とは,ある行為をする「手段」や「方法」を意味する語であるから,「続ける技術」とは全体で「継続するノウハウ(手段・方法)」という観念が生ずる。
そして,イ号標章,すなわち請求人の発行する出版物「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」は,「これまで,やりたいこと,やるべきことを続けられずに自分を責めてしまっていた方はもちろん,続けてはきたけどそれが成果に結びつかないと感じている方」を対象として種々の「継続するノウハウ(手段・方法)」をまとめた出版物である。
また,被請求人の代表者も「本書では,物事が長続きしない理由を解き明かし,行動のコントロールのポイント,さらに継続のためのちょっとしたコツをご紹介します。」という趣旨で同様の出版物を発行している(甲9の1・2)。
このほか,請求人・被請求人以外にも「続ける技術,続けさせる技術」,「はじめる技術 続ける技術」及び「誰がやってもうまくいく!『続ける』技術」のように,「継続するノウハウ(手段・方法)」をまとめた出版物に,「続ける技術」を含む表現を用いた題号の出版物等が多数発行されている(甲10の1?3)。
そうすると,「続ける技術」の語からは,「継続するノウハウ(手段・方法)」といった意味合いが生ずることが明らかである。
ウ 商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章について
商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章の構成は,上述したとおりである。
そして,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章は,出版物の題号が表紙に表されている態様であることは直ちに認識できる。加えて,甲第3号証ないし甲第5号証,甲第14号証及び甲第15号証に示す証拠から明らかなように,書籍の表紙や書籍紹介のウェブサイト等に「菅原洋平」という著者名とともに表されている。
以上より明らかなように,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章に接した需要者は,それが「継続するノウハウ(手段・方法)」が記述された菅原洋平氏による出版物であることを示す題号としての表示であると理解するものと解される。
なお,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章は,「続ける技術」のみが大きく記載されており,イ号標章の題号中,当該部分が強調されているといえる。しかしながら,「続ける技術」という用語は,上述のとおり,「継続するためのノウハウ(手段・方法)」として多数の者に使用されていることや,出版業界において,題号のうち,強調したい部分を他の部分に比して,大きく表示することは,普通に行われていることが経験則上明らかである。
これらの点に照らせば,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章において「続ける技術」が大きく表示されていたとしても,イ号標章に接した需要者は,「続ける技術」という部分を,自他商品・役務の識別機能や出所表示機能を有する商標と理解するというよりは,むしろ,本件出版物が「継続するノウハウ(手段・方法)」に関する内容の出版物であることを強調する部分であると理解するものと考えられる。なお,イ号標章の表示方法に限らず,実際に販売されている書籍などでは,甲第5号証に示すように背表紙での表示方法や,甲第4号証や甲第15号証のテキストで記載された書籍情報の表示から「続ける技術」が題号として使用されていると明らかに認識できる。
したがって,他の表示部分と併せて鑑みれば,イ号標章が出版物の内容を示す題号として請求人の出版物に表示されていると容易に認識できる。
エ 小括
以上より,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章は,出版物の内容を示す題号として請求人の出版物に表示されているものであって,請求人の商品等であることを識別させるための商標として付与されたものでないと認められるから,商標としての機能を発揮するものでない。
したがって,商標法第26条第1項第2号及び同項第3号により,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章は,本件商標権の効力の範囲に属しないものといわざるを得ない。
(2)商品・役務の類否について(予備的主張)
仮に,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章が商標として機能を発揮する態様で使用される場合があったとしても,それでもなお本件商標権の効力の範囲に属しないので,この点を予備的に主張する。
本件商標の指定商品及び指定役務は,第9類「録音済みのコンパクトディスク」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」である。
第2回目通知書(甲6の3)によれば,被請求人は,役務「書籍の制作」が請求人の出版物,すなわち商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」と類似すると主張しているものと推測される。
しかしながら,特許庁において定められている類似群コードにおいて,「書籍」は「26A01」,「電子出版物」は「26A01・26D01」,「電子出版物の提供」は「41C02」に該当する商品・役務である。一方,「書籍の制作」は「41D01」に該当する役務であるため,両者は,類似するものではないと推定される(甲11,12)。
以上より,請求人の出版物と本件商標の指定商品及び指定役務とは,全く異なり類似の関係にあるとは認められないものである以上,本件商標とイ号標章の類否を検討するまでもなく,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用するイ号標章は,本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものであることは明白である。

第4 被請求人の答弁
被請求人は,イ号標章は,本件商標の商標権の効力の範囲に属する旨の判定を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)被請求人は,本件商標の商標権者であるところ,請求人が商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」についてイ号標章の使用をした場合,これらの商品及び役務が被請求人の商品及び役務であると誤認され,出所の混同を生ずるおそれがある。
(2)本件商標は,「続ける技術(標準文字)」である。
(3)他方,イ号標章は,「続ける技術」という記載を含んでおり,本件商標とイ号標章は,同一又は類似の態様である。
(4)商標法第26条第1項第2号及び同項第3号非該当性
この点,請求人は,イ号標章は,出版物の題号として表示されており,また,その題号も「継続するノウハウ(手段・方法)」という意味内容を直ちに認識できるから,商標法第26条第1項第2号及び同項第3号により,本件商標の商標権の効力の範囲に属さないと主張しているが,これらの条項には該当しない。
(5)本件商標は,「セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」及び「録音済みのコンパクトディスク」を指定役務及び指定商品とするものであるが,被請求人は,「続ける技術」との表示を付した書籍を発行し,同書籍を利用して,前記指定役務及び指定商品の提供を行っている。すなわち,前記指定役務及び指定商品と「続ける技術」を表示した書籍とは,一体として提供されているものである。
したがって,需要者は,被請求人が行っている「セミナーの企画・運営」,「書籍の制作」及び「録音済みのコンパクトディスク」の「続ける技術」という本件商標を見た場合はもちろん,「続ける技術」と表示された書籍を見ると,被請求人の役務・商品と認識する状況にある。
(6)被請求人は,前記セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,録音済みのコンパクトディスクの販売等のため,次の書籍に「続ける技術」という表示を付して,同役務・商品と一体として,展開している。
ア 「続ける」技術
イ まんがで身につく続ける技術
ウ 新版 「続ける」技術
エ 続かない女のための 「続ける技術」
(7)Google検索で,「続ける技術」を検索すると,次の表示がなされる。
ア 「続ける」技術 石田淳(被請求人代表者)
イ まんがで身につく 続ける技術 石田淳(被請求人代表者)
ウ 新版 「続ける」技術 石田淳(被請求人代表者)
(8)本件商標が需要者の間に広く認識されていること
本件商標は,被請求人のホームページ,インターネット検索を通じて,需要者の間に広く認識されており,被請求人が行っている「セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」及び「録音済みのコンパクトディスク」とそのために利用されている「続ける技術」を表示した書籍は,需要者の間に広く,被請求人の前記指定役務及び指定商品の出所を表示するものとして認識されている。
(9)イ号標章が商品の出所ないし役務の提供主体を示すこと
請求人は,イ号標章が,出版物の題号として表示されているものであることから,商標としての機能を発揮するものではないと主張し,商標法第26条第1項第2号及び同項第3号に該当すると主張しているが,イ号標章は,単なる出版物の題号ではない。
イ号標章は,「続ける技術」という表示が,書籍の全面に大きく表示されており(甲3),単なる意味内容を表すものではなく,当該書籍の出所が,被請求人であるとの誤認を生じ得るものである。
書籍の全面には,「続ける技術」が特大の文字で,表象的に記載されており,その他の記載は,「やめられない!ぐらいスゴイ」という性質を表す記載が相対的に小さい文字で添えられ,「作業療法士」という肩書きの氏名と,下部に「KADOKAWA」という表示がある程度で,「続ける技術」という標章を付した書籍が,需要者に,被請求人の役務・商品であると誤認される危険性がある。
2 まとめ
よって,イ号標章は,本件商標の効力の範囲に属する。

第5 当審の判断
1 商標権の効力の範囲について
商標権の効力は,商標権の本来的な効力である専用権(使用権)にとどまらず,禁止的効力(禁止権)をも含むものであるから,指定商品と同一又は類似の商品についての登録商標と同一又は類似の商標及び商品の使用に及ぶものである(商標法第25条,第37条)が,同時に同法第26条第1項各号のいずれかに該当する商標(他の商標の一部となっているものを含む。)には,及ばないとされており,同項第6号には,「前各号に掲げるもののほか,需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標」と規定されている。
2 イ号標章について
(1)イ号標章の構成及び使用商品・役務
イ号標章は,別掲に示すとおり,縦書きで右から順に,「続ける」,「やめられない!」,「ぐらいスゴイ」及び「技術」の各文字を4行に分けて配した構成からなる。「続ける」及び「技術」の各文字は,共に同じ書体かつ大きさで上下両端をそろえて当該文字幅程度の行間を空けて大きく配されており,「やめられない!」及び「ぐらいスゴイ」の各文字も,共に同じ書体かつ大きさで上端をそろえて,「続ける」及び「技術」の各文字の長さ内に収まるように字下げして小さく配されており,構成全体としてまとまりのよい外観を呈している。
そして,イ号標章は,請求人が発行(提供)する商品「書籍」(甲3,4)及び商品「電子出版物」(甲4,14,15)並びに役務「電子出版物の提供」(甲4,14,15)について使用されているものである。
(2)商品「書籍」についてのイ号標章の使用
イ号標章は,商品「書籍」については,その表(おもて)表紙の上半分程の面積内に大きく表示されているものであり,イ号標章中の「技」と「術」との文字の間には,「菅原洋平」の文字が中央部に縦書きで,その左横に「作業療法士」の文字が縦書きで小さく表示されており,当該表紙の最下部中央には,「KADOKAWA」の欧文字が横書きで小さく表示されている(甲3)。
また,商品「書籍」の背には,上から順に,「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」(「やめられない!ぐらいスゴイ」の文字部分は,「続ける技術」の文字部分よりも小さな文字で表示されている。),「菅原洋平 作業療法士」(「作業療法士」の文字部分は「菅原洋平」の文字部分よりも小さな文字で表示されている。)の各文字が縦書きで表示され,最下部に「KADOKAWA」の文字が横書きで小さく表示されており(甲4),これらの背文字内容からすれば,当該書籍について,その需要者は,「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」が書名,「菅原洋平 作業療法士」が著者名及びその肩書並びに「KADOKAWA」が発行者(出版社)である請求人(株式会社KADOKAWA)を表示したものであると理解するのが通常である。
以上によれば,商品「書籍」について使用されるイ号標章(「続ける」,「やめられない!」,「ぐらいスゴイ」及び「技術」)は,当該書籍の書名(「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」)すなわち題号として,当該書籍の内容を示すために当該書籍の表表紙に表示されているものであって,出版社である請求人の商品であることを識別させるための商標として当該書籍に付されたものではないことが認められる。
(3)商品「電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」についてのイ号標章の使用
イ号標章は,商品「電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」については,これら「電子出版物」の販売又は提供を行うインターネット上の電子書籍ストアにおける電子出版物の広告画像に,また,これら「電子出版物」の表示画面(映像面)における表紙相当部分(商品「書籍」の表表紙に相当する部分である。以下「表紙相当部分」という。)に,それぞれ表示されているものである(甲14,15)。
すなわち,前者の電子書籍ストアにおける電子出版物の広告画像においては,上記(2)の商品「書籍」の表表紙部分と同様の構成態様からなるものと思われる画像(イ号標章を含む。)が当該広告画像として使用されており,その右横には,「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」の文字と「作者:菅原洋平」の文字が2行に表示され,下部に「出版社:KADOKAWA/中経出版」と表示されている(甲15)ことから,当該広告画像におけるイ号標章は,当該電子出版物の題号として需要者に理解されるものであると認められる。また,後者の表紙相当部分においては,上記(2)の商品「書籍」の表表紙部分と同様の構成態様(ただし,「KADOKAWA」の文字はない。)からなるものと思われる画像(イ号標章を含む。)が映像面に表示され,当該映像面のヘッダー部分の中央部には,「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」の文字が表示されている(甲14)ところ,当該映像面におけるイ号標章は,前者の電子書籍ストアからイ号標章が当該電子出版物の内容を示すための題号として使用されていることを既に承知している需要者が,当該電子出版物を購入後又は提供されている間に視認するものであるから,やはり当該電子出版物の題号として需要者に理解されるにすぎないものであると認められる。
以上によれば,商品「電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」について使用されるイ号標章(「続ける」,「やめられない!」,「ぐらいスゴイ」及び「技術」)は,当該電子出版物の題号(「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」)として,当該電子出版物の内容を示すために当該電子出版物(の提供)の広告画像及び表紙相当部分に表示されているものであって,出版社である請求人の商品又は役務であることを識別させるための商標として当該電子出版物(の提供)に付されたものではないことが認められる。
(4)判断
上記(2)及び(3)のとおり,イ号標章は,請求人が発行(提供)する商品「書籍」及び商品「電子出版物」並びに役務「電子出版物の提供」について使用されているものであるが,いずれも書籍の内容を示すための題号並びに電子出版物(の提供)の広告画像及び表紙相当部分において電子出版物の内容を示すための題号(共に「やめられない!ぐらいスゴイ 続ける技術」)として表示されているものであって,出版社である請求人の商品又は役務であることを識別させるための商標として付されたものではないものと認められるから,需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標であるというべきであって,商標法第26条第1項第6号に該当する。
なお,本件商標の指定商品及び指定役務は,上記第1のとおり,第9類「録音済みのコンパクトディスク」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」であって,請求人がイ号標章を使用する商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」とは,いずれも非類似の商品及び役務であると認めるのが相当であるから,これらの商品及び役務について使用するイ号標章は,商標法第26条第1項第2号及び同項第3号に該当するものとはいえない。
3 まとめ
以上のとおり,商品「書籍,電子出版物」及び役務「電子出版物の提供」に使用するイ号標章は,商標法第26条第1項第6号に該当するから,本件商標とイ号標章との比較をするまでもなく,本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものである。
よって,結論のとおり判定する。
別掲 別掲 イ号標章

判定日 2019-01-24 
出願番号 商願2007-116437(T2007-116437) 
審決分類 T 1 2・ 9- ZA (X0941)
最終処分 成立 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 田村 正明
平澤 芳行
登録日 2010-02-12 
登録番号 商標登録第5300367号(T5300367) 
商標の称呼 ツズケルギジュツ 
代理人 山田 朋彦 
代理人 川口 直也 
代理人 西浦 ▲嗣▼晴 
代理人 出山 匡 
代理人 ▲高▼見 良貴 
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