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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W21
管理番号 1348927 
審判番号 不服2017-15240 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-12 
確定日 2019-02-08 
事件の表示 商願2016-53214拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「守護鈴」の漢字を標準文字により表してなり,第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),ガラス製又は陶磁製の包装用容器,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),ろうそく消し,ろうそく立て,お守り,おみくじ,香炉」を指定商品として,平成28年5月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は,「本願商標は,『まもること。』の意味を有する『守護』の文字と,『主として金属製で球形の鳴物。』の意味を有する『鈴』の文字とを一連に組み合わせてなる『守護鈴』の文字を,標準文字で書してなるところ,本願の指定商品中『お守り』を取り扱う分野においては,鈴の形状のものが複数の神社・仏閣で販売されており,それらの中には『守護鈴』と称しているものも見受けられる。そうとすると,本願商標は,これをその指定商品中『鈴状のお守り』に使用するときは,単にその商品の品質,形状を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の『お守り』に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において,請求人に対し,平成30年8月14日付けで,別掲1ないし3のとおりの事実を示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の審尋を発し,相当の期間を指定して,これに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の意見の要点
「守護札」,「守護符」及び「守護矢」は,実際の取引において使用されている名称であり,商品の名称として定着したものであって,「守護鈴」とは明らかに事案・実情が異なるものである。これらの使用例をもって本願商標が商品の品質を表示するにすぎないと結論付けるのは,実際の取引実情が反映されておらず,客観性が欠けている。
お守りは,我が国の長い宗教文化に関わるものであり,何をどう称するか既に定着した商品分野であるといえ,甲5?7,12,14?17から,「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」の名称は,「守護鈴」ではなく,「鈴守(り)」であることは明らかである。
審尋における使用例として,ヤフオク(Yahoo!JAPANが提供するインターネットオークションサービス)のウェブサイトで出品者が掲載しているページにおいて「守護鈴」の語が使用され,写真に掲載されている鈴に「守護鈴」のタグが付されている例があるが,富士山の登頂時にもらったと思しきこの鈴が「御守護鈴」と記載されたり「お守りの鈴」と記載されたり(甲28)と,同じ場所で販売又は配布されるお守りの鈴に付されるタグが異なる名前であるという点が不自然であり,かつ,ヤフオクのウェブサイトは,個人が自由に出品物の紹介をし,出品物の写真を撮って掲載する取引形態であり,このような形態における使用は,取引の実情を反映しているとは到底いい難いため,当該使用例は,「守護鈴」が「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」を表示すると決定付ける客観的根拠にはなり得ない。
本願商標である「守護鈴」の文字は,漠然と「まもること」や「警護」に関わる「鈴」程度のイメージを想起させるにすぎない造語であって,何ら特定の意味合いを直接的に表示することはない。
請求人は1250年もの歴史をもつ宗教法人であり,妙見宗の総本山として,お守りや祈祷等宗教文化に深く通じているから,当該商品分野を深く理解している。請求人は,「守護鈴」は「鈴のお守り」を直接的に示す表示ではないとの認識の下,本願商標を登録出願し,自らの商品を示す標識として本願商標を使用している(甲20,21)。
(なお,平成29年12月1日付け手続補正書に添付された第1号証ないし第26号証は,甲第1号証ないし甲第26号証と,平成30年9月25日付け意見書に添付された第26号証ないし第27号証は,甲27号証ないし甲28号証と,同28年11月29日付け意見書に添付された第1号証ないし第23号証は,甲第29号証ないし甲51号証と読み替えた。)

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「守護鈴」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「守護」の語は,「まもること。警固。」(甲1)等の意味を有するものであり,「鈴」の語は,「主として金属製で球形の鳴物。」(甲2)の意味を有するものである。
そして,別掲1のとおり,本願商標の指定商品である「お守り」の分野においては,一般に「守護札」,「守護符」及び「守護矢」と称し,それぞれ,「守護」の文字と「札」,「符」及び「矢」の文字とを結合して,「お守りの効能のある札,符,矢」に使用されている。
また,「守護鈴」の文字に関しては,別掲3及び別掲4のとおり,「鈴のお守り」に使用されている例がある。
さらに,本願商標の指定商品である「お守り」の分野においては,請求人の提出する証拠(甲5,6,8,11?17)並びに別掲2及び別掲4のとおり,「鈴のお守り」が複数の神社・仏閣で製造又は販売されている。
以上からすると,本願商標は,これに接する取引者,需要者をして,「守護」の文字と「鈴」の文字とを組み合わせたものと容易に認識され,「お守りの効能のある鈴」すなわち「鈴のお守り」程の意味合いを容易に認識させるものといえる。
そうすると,「守護鈴」を標準文字で表してなるにすぎない本願商標を,その指定商品中「お守り」に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,その商品が「鈴のお守り」であることを認識,理解するにとどまるというべきであるから,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。
したがって,本願商標は,その指定商品中「お守り」との関係においては,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「守護鈴」の文字は,漠然と「まもること」や「警護」に関わる「鈴」程度のイメージを想起させるにすぎない造語であって,何ら特定の意味合いを直接的に表示することはない旨主張する。
しかしながら,前記(1)のとおり,本願商標は,その指定商品中「お守り」との関係においては,構成全体から「お守りの効能のある鈴」すなわち「鈴のお守り」程の意味合いを容易に認識させるものであるといえる。
イ 請求人は,お守りは,我が国の長い宗教文化に関わるものであり,何をどう称するか既に定着した商品分野であるといえ,実際の取引の場においては,例えば「交通安全御守」,「安産守」などと記されているから,一般に「○○○守(り)」,「○○○御守(り)」と称されるものであり,また,「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」の名称は,「守護鈴」ではなく,「鈴守(り)」であることは明らかである旨,及び「守護札」,「守護符」及び「守護矢」は,実際の取引において使用されている名称であり,商品の名称として定着したものであって,「守護鈴」とは明らかに事案・実情が異なるものであるから,これらの使用例をもって本願商標が商品の品質を表示するにすぎないと結論付けるのは,実際の取引実情が反映されておらず,客観性が欠けている旨主張する。
しかしながら,たとえ,「鈴のお守り」や「鈴の付いたお守り」を「鈴守(り)」と称している例があるとしても,前記(1)のとおり,本願商標が,その指定商品中「お守り」との関係においては,構成全体から「お守りの効能のある鈴」すなわち「鈴のお守り」程の意味合いを容易に認識させるものである以上,上記認定を左右しない。
ウ 請求人は,自らの商品を示す標識として本願商標を使用しており,需要者は「守護鈴」の名前でもって出願人に係る商品と認識し,取引がなされているから,本願商標は,請求人の商品を識別する標識として実際に機能している旨主張する。
上記主張は,本願商標は,請求人が指定商品に使用してきた結果,使用により識別力を獲得している旨述べているものと解されるが,請求人が,「守護鈴」と称する鈴のお守りを販売している(甲20)ことは認められるが,提出された証拠によるも,本願商標の指定商品である「お守り」につき,使用により自他商品の識別力を獲得したなどの特段の事情があるものとは認められない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第2項の要件を具備しない。
エ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,かつ,同条第2項の要件を具備しないから,これを登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 「お守りの効能のある札,符,矢」を「守護札」,「守護符」,「守護矢」と称している例
(1)「◎観世音寺信仰たどる 太宰府市・九州歴史資料館 出土品50点余を展示/ブロック最前線・KYUSHU」の見出しの下,「展示品は・・・▽サルを描いたお守り用守護札など。」との記載がある。(2003年6月18日付け 西日本新聞朝刊 26頁)
(2)「お守り作り,準備万全 奈良・唐招提寺=奈良」の見出しの下,「・・・参拝者らに新年に授与するお守り『千手観音守護札』を作る準備を行った。」との記載がある。(2006年12月27日付け 大阪読売新聞朝刊 31頁)
(3)「大山寺山門前に『お福わけポスト』日本遺産を記念,『御利益』届けて/鳥取県」の見出しの下,「昔は地域の代表者が大山寺を参り,お金を託された家々に守護札を渡していた。」との記載がある。(2016年7月3日付け 朝日新聞大阪地方版 鳥取27頁)
(4)「運慶作仏像,収蔵庫改修費支えて 浄楽寺,一部クラウドで募る/神奈川県」の見出しの下,「・・・支援額に応じて支援者限定の朱印帳や守護札,収蔵庫内への記名・・・などの特典を用意する。」との記載がある。(2017年11月15日付け 朝日新聞東京地方版 神奈川33頁)
(5)「【買い物情報】上野・日本橋・銀座」の見出しの下,「希少性の高いトンボ玉や,守護符の役割もある・・・と呼ばれるビーズも出品。」との記載がある。(2003年11月14日付け 産経新聞東京朝刊 26頁)
(6)「季節ハタハタ 豊漁祈願 男鹿・真山神社で漁師ら=秋田」の見出しの下,「・・・紙を切り抜いて漁船とハタハタをかたどった御弊や,守護符(お守り)が漁師たちに配られたほか・・・」との記載がある。(2009年11月22日付け 東京読売朝刊23頁)
(7)「◎きょうからしめ縄市 高岡市の有蟻正八幡宮」の見出しの下,「・・・しめ縄に守護符を取り付ける作業に追われた。」との記載がある。(2014年12月23日付け 富山新聞 23頁)
(8)「富山県内の初詣情報」の見出しの下,「【石川県津幡町】◇倶利迦羅不動寺 ・・・守護矢,だるま,福寄せくま手などの縁起物は本堂でも準備する。」との記載がある。(2005年12月30日付け 富山新聞 18頁)
(9)「年の瀬ムード高まる 特別警戒やお歳暮商戦=山口」の見出しの下,「◆防府天満宮で破魔矢づくり・・・破魔矢の長さは0.5?1メートルで,心願成就壁掛破魔矢や家内安全鏑矢(かぶらや),開運厄除(やくよけ)守護矢など5種類。」との記載がある。(2006年12月2日付け 西部読売新聞朝刊 28頁)
(10)「縁起物:熊野那智大社,1万点用意し迎春準備/和歌山」の見出しの下,「・・・初詣で用の『守護矢』など縁起物をそろえる迎春準備が進んでいる。」との記載がある。(2006年12月13日付け 毎日新聞地方版 23頁)
(11)「年の瀬の足音が・・・ 多賀大社で初もうで用の破魔矢づくり/滋賀県」の見出しの下,「破魔矢は,鏑矢(かぶらや)と守護矢の2種類。」との記載がある。(2009年12月2日付け 朝日新聞朝刊 24頁)
(12)「年末年始お出かけガイド(下)」の見出しの下,「◆明治神宮(渋谷区)・・・守護矢1000円・・・」との記載がある。(2010年12月31日付け 東京新聞朝刊 18頁)
(13)「迎春もうすぐ 鳥取・長田神社=鳥取」の見出しの下,「・・・福熊手などとともに,家内安全や厄災よけのための『守護矢』を分けて並べていた。」との記載がある。(2014年12月25日付け 大阪読売新聞朝刊 29頁)
(14)「ワンダフルな1年へ 初詣 境内に活気 おみくじに一喜一憂 長野・善光寺」の見出しの下,「だるまや守護矢などの縁起物売り場には人だかりができ・・・」との記載がある。 (2018年1月3日付け 中日新聞朝刊地方版(長野総合版) 19頁)

別掲2 「鈴のお守り」が製造又は販売されている例
(1)「初参り案内」の見出しの下,「▽飛騨総社(高山市神田町)・・・前0から先着2000人に鈴のお守りを贈る。」との記載がある。(2007年12月31日付け 中日新聞朝刊地方版(岐阜総合版) 17頁)
(2)「桔梗鈴:キキョウで知られる遍照寺,お守り販売--香住/兵庫」の見出しの下,「・・・キキョウをあしらった鈴のお守り『桔梗(ききょう)鈴』の販売を始めた。」との記載がある。(2013年8月28日付け 毎日新聞地方版 26頁)
(3)東京大神宮のウェブサイトにおいて,「お札・お守り」の項に,「厄除開運鈴」の見出しの下,「古来,鈴の清らかな音色は身に降りかかる災難を祓うといわれています。その霊力をいただき,災厄が祓われますように祈念した太鼓型の鈴です。」との記載ととともに,鈴のお守りの写真が掲載されている。
(http://www.tokyodaijingu.or.jp/ofuda_omamori/)

別掲3 当審における審尋の本文中に記載した,鈴のお守りに「守護鈴」の文字を使用している例
「ヤフオク!」のウェブサイトにおいて,「世界遺産の富士山を登頂したときにいただいた御守護鈴と富士山のポストカードをセットにしました」との記載とともに,「御守護鈴」と記載のタグが付された鈴の写真が掲載されている。
(http://www.page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/180964776)

別掲4 原審の拒絶理由通知書において示された,鈴の形状をしたお守りに「守護鈴」の文字を使用している例
常陸国総社宮のウェブサイト(http://www.sosyagu.jp/other_juyo.php?type=&benefit=8)
「御守り・御神札・絵馬」の見出しの下,「守護鈴」の項に「交通安全の守護鈴の付いたお守りです。ストラップ付きなので,車のキーと一緒に持ち歩くことが出来ます。」

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審理終結日 2018-12-11 
結審通知日 2018-12-12 
審決日 2018-12-27 
出願番号 商願2016-53214(T2016-53214) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W21)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
庄司 美和
商標の称呼 シュゴレー、シュゴリン、シュゴスズ 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
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