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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W09
審判 一部申立て  登録を維持 W09
審判 一部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1347914 
異議申立番号 異議2018-900151 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-06-12 
確定日 2018-12-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第6029663号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6029663号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6029663号商標(以下「本件商標」という。)は、「Creative!」の欧文字及び記号からなり、平成29年4月10日に登録出願、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電線及びケーブル,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,電子出版物,乾電池,充電式電池,電気アダプタ,体重計,歩数計,運動による消費カロリー量測定計,運動強度及びピッチの測定計,充電器,カメラ用フラッシュランプ」の他、第7類、第8類、第10類ないし第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同30年2月8日に登録査定、同年3月23日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4926969号商標の2(以下「引用商標」という。)は、「クリエイティブ・テクノロジー」の片仮名及び「Creative Technology」の欧文字を二段に書した構成からなり、平成17年5月10日に登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」の他、第16類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として同18年2月10日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の指定商品中、第9類「全指定商品」については商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本件商標について
本件商標を構成する「Creative」の英文字は、「創造的な」の意味合いを有する英語で、その音訳表記に相当する片仮名文字の「クリエイティブ」と共に、広く一般に使われ、日本人の間で馴染み親しまれている言葉である(甲3?甲5)。
したがって、本件商標は、構成文字に照応する「クリエイティブ」の称呼を生じる。
(2)引用商標について
引用商標の構成中、「Creative」の英文字及び「クリエイティブ」の片仮名は、上述したとおり、「創造的な」の意味合いを有する英語及びその音訳表記として広く一般に使われ、日本人の間で馴染み親しまれている言葉である(甲3?甲5)。
一方、引用商標を構成する「Technology」の英文字及び「テクノロジー」の片仮名は、「科学技術」の意味合いを有する英語及びその音訳表記として、やはり広く一般に使われており、日本人の間で馴染み親しまれている言葉である(甲6?甲8)。
そして、引用商標の指定商品、特に、第9類の指定商品には「業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」等、科学技術(Technology)の分野に属する又は関連するものが多数含まれている(甲2)ことを鑑みれば、引用商標を構成する文字のうち「Technology」及び「テクノロジー」の文字部分は、指定商品との関係で、商品の特徴、分野を表していると認識されるものであることから、商標としての自他商品識別力が相対的に弱い。
これに対して、引用商標の構成中、「Creative」及び「クリエイティブ」の文字部分は、いずれの指定商品との関係においても、商品の品質、機能、特徴等になり得ないことは明らかであることから、当該文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすといえるものである。
したがって、引用商標は、構成全体に照応する「クリエイティブテクノロジー」の称呼に加えて、「Technology」及び「テクノロジー」の文字部分を省略した「Creative」の英文字及び「クリエイティブ」の片仮名に照応する「クリエイティブ」の称呼を生じるとするのが相当である。
また、引用商標の構成文字は、欧文字部分が18文字、片仮名部分が14文字となっており、それらの構成全体から生じる「クリエイティブテクノロジー」の称呼も長音「ー」を除いて11音で冗長である。今日の簡易迅速を尊ぶ取引においては、このような構成の商標に接する需要者及び取引者が、引用商標の後半を構成する「Technology」及び「テクノロジー」の文字部分を省略し、構成前半の「Creative」及び「クリエイティブ」の文字部分をもって取引される場合も少なくないと考えられる。
このような取引の実情の観点からも、引用商標が、その構成中の「Creative」及び「クリエイティブ」の文字部分に照応する「クリエイティブ」の称呼を生じるとすることには合理的な根拠が存在するといえる。
(3)本件商標及び引用商標の指定商品について
本件商標の指定商品の指定商品中、上述のとおり、第9類の全ての指定商品は、引用商標の指定商品と類似の関係にあるものである(甲1、甲2)。
2 結論
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼上、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であって、また、本件商標の第9類の指定商品と、引用商標の指定商品とは互いに類似するものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第9類の全ての指定商品について、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「Creative!」の欧文字及び記号を太字により書した構成からなるところ、その構成中、「Creative」文字は「創造的な,創造力のある」等の意味を有する英語(甲3)として、我が国においても広く親しまれた語であり、また、「!」の記号は、エクスクラメーションマーク(感嘆符)であって、当該記号部分からは特段の称呼及び観念は生じない。
そうすると、該「Creative!」からは、「創造的な」程の意味合いが理解されるものである。
してみれば、本件商標は、その構成全体として、「クリエイティブ」の称呼及び「創造的な」程の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり「クリエイティブ・テクノロジー」の片仮名及び「Creative Technology」の欧文字を二段に書してなるところ、その構成中「Creative」の欧文字は、上記(1)のとおり「創造的な,創造力のある」等の意味を有する英語として、「Technology」の欧文字は、「科学技術」等の意味を有する英語(甲6)として、我が国においても広く親しまれた語と認められるものである。
また、引用商標の構成中、「クリエイティブ」及び「テクノロジー」の片仮名は、それぞれ、前述の「Creative」及び「Technology」の英語と同じ意味を有するカタカナ語として、広く親しまれた語と認められるものである。
そうすると、「クリエイティブ・テクノロジー」及び「Creative Technology」の文字からは、「創造的な科学技術」程の意味合いが理解されるものである。
また、「Creative Technology」の欧文字の上段に「クリエイティブ・テクノロジー」の片仮名を二段にした引用商標の構成においては、上段の片仮名は下段の欧文字部分の表音を表したものと容易に認識させるものと認められる。
してみれば、引用商標は、その構成文字全体に相応して、「クリエイティブテクノロジー」の称呼を生じ、「創造的な科学技術」程の観念を生じる。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標の外観について比較すると、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成態様からなるものであるところ、両商標は、その構成文字において、片仮名の有無、構成文字数の差異、「!」エクスクラメーションマークの有無の差異を有することから、本件商標と引用商標とは、外観において、明確な差異を有し、外観上、互いに紛れるおそれはない。
次に、称呼については、本件商標は「クリエイティブ」の称呼が生じ、一方、引用商標は「クリエイティブテクノロジー」の称呼を生じることから、両商標を比較してみれば、構成音数における6音と12音の差異、後半の「テクノロジー」の称呼の有無の差異を有することから、本件商標と引用商標とは、称呼において、明確な差異を有し、称呼上、互いに聴別し得るものである。
また、観念については、本件商標は「創造的な」程の観念を生じ、一方、引用商標は「創造的な科学技術」程の熟語的観念を生じるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念においても明確な差異を有し、観念上、互いに紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)判断
以上によれば、本件商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 申立人の主張について
申立人は、引用商標の構成中「Technology」及び「テクノロジー」の文字は、その文字の有する意味において、指定商品中、第9類の商品との関係では自他商品識別力が相対的に弱い部分といえること、及びその構成全体の文字構成、称呼が冗長であることもあいまって、構成前半の「Creative」及び「クリエイティブ」の文字部分を分断し、この部分のみをもって取引される場合も少なくない旨を主張している。
しかしながら、引用商標は、これを構成する「クリエイティブ」及び「テクノロジー」並びに「Creative」及び「Technology」の文字は、何れも我が国において広く親しまれたカタカナ語及び英語であることから、これらを結合した片仮名部分と欧文字部分は、共に、「創造的な科学技術」程の熟語的意味合いを生じるものであって、それぞれの文字部分は、一連のものと看取されることに加え、引用商標全体から生じる「クリエイティブテクノロジー」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、片仮名部分と欧文字部分のいずれもが一連のものと理解されるものであって、その構成文字の一部を抽出し、分断して取引されることはないというべきである。
よって、申立人の上記主張は、採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、申立てに係る商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-12-12 
出願番号 商願2017-48580(T2017-48580) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W09)
T 1 652・ 262- Y (W09)
T 1 652・ 263- Y (W09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
田中 幸一
登録日 2018-03-23 
登録番号 商標登録第6029663号(T6029663) 
権利者 パナソニック株式会社
商標の称呼 クリエーティブ 
代理人 柏 延之 
代理人 徳田 佳昭 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 西田 浩希 
代理人 砂山 麗 
代理人 高田 泰彦 
代理人 佐藤 泰和 
代理人 中村 行孝 
代理人 朝倉 悟 
代理人 本宮 照久 
代理人 宮嶋 学 
代理人 今岡 智紀 
代理人 永井 浩之 

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