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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W06
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W06
審判 査定不服 外観類似 登録しない W06
管理番号 1347903 
審判番号 不服2017-650047 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-18 
確定日 2018-11-20 
事件の表示 国際商標登録第1294646号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「GRANIT」の欧文字を横書きしてなり,第6類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として,1996年5月30日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づいて,2016年(平成28年)3月1日に国際商標登録出願されたものである。
その後,指定商品については,原審における平成28年1月5日付けの手続補正書により,第6類「Locks of metal,other than electric,in particular padlocks and bicycle locks.」と補正された。
第2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4790255号商標(以下「引用商標」という。)は,「NEW GRANITE」の欧文字と「ニューグラニット」の片仮名を上下二段に書してなり,平成12年9月14日に登録出願,第11類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同16年7月30日に設定登録され,その後,同26年5月13日に,第20類「家具(「寝台」を除く。),液体貯蔵槽,工業用水槽,液化ガス貯蔵槽,ガス貯蔵槽,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),木製の包装用容器(「コルク製栓・木製栓・木製ふた」を除く。),竹製の包装用容器,プラスチック製きょう木,プラスチック製包装用葉,コルク製栓,プラスチック製栓,プラスチック製ふた,木製栓,木製ふた,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,額縁,食品見本模型,人工池,スリーピングバッグ,つい立て,びょうぶ,ベンチ,マネキン人形,洋服飾り型類,麦わらさなだ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,揺りかご,幼児用歩行器,美容院用いす,理髪用いす,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,海泡石,こはく,洗面化粧台」を指定商品として,商標権の存続期間の更新登録がされたものであり,現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は,「GRANIT」の文字からなるところ,該文字は,「フィンランド生まれのスウェーデンの生理学者」の名を意味する英語(研究社「新英和大辞典」第6版)及び「ロシアのミサイルの名称」,「花崗岩」の意味を有するフランス語(三省堂「クラウン仏和辞典」第6版)又はドイツ語(三省堂「新コンサイス独和辞典」初版)であるものの,該語が我が国において,その意味まで認識できるほどに親しまれた外国語とはいい難いものである。
したがって,該文字は,これに接する者に直ちに何らかの意味合いを認識させるものとはいい難く,一種の造語として認識されるというのが相当である。
そして,欧文字からなる造語の場合,我が国で親しまれた英語風に読むのが一般的であることから,例えば「雄大な」等の意味を有する英語「grand」を「グランド」,「(それ自身で完全な)単一体」等の意味を有する英語「unit」を「ユニット」(いずれも研究社「新英和大辞典」第6版)と読む例によれば,本件商標からは,その構成文字に相応して「グラニット」の称呼を生じるものである。
そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して,「グラニット」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,「NEW GRANITE」の欧文字と「ニューグラニット」の片仮名を上下二段に書してなるところ,その構成中の「NEW」及び「ニュー」の文字部分は,「新しいさま」の意味を有する英語及びカタカナ語として,我が国でよく知られている語であり,各種の商品に係る取引において,その商品が新規のものであること,あるいは,既存のものに改良等を加えた新たなものであること等を表示する際に普通に用いられる語である。
そうすると,「NEW」及び「ニュー」の文字部分は,引用商標の指定商品との関係において,「その商品が既存のものに改良等を加えた新たなものである『新型』の商品」程の意味合いを認識させるものであって,商品の品質を表示するものと認められるものであるから,自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。
一方,引用商標の構成中,「GRANITE」の文字部分は,「花こう岩,みかげ石」等の意味を有する英語(いずれも研究社「新英和大辞典」第6版)ではあるものの,我が国において親しまれた語とはいい難いものであるから,「GRANITE」の文字からは,直ちに何らかの意味合いが生じるものとはいい難く,一種の造語として認識させるというのが相当である。
そして,該「GRANITE」の文字部分の読みを表したと認められる「グラニット」の文字部分については,これが我国において親しまれた外来語とはいい難いものであるから,「GRANITE」と同様に一種の造語として認識させるというのが相当である。
してみれば,引用商標は,「NEW」及び「GRANITE」の欧文字,「ニュー」及び「グラニット」の片仮名を常に一連一体のものとしてのみ認識されるものとはいい難く,その構成中「GRANITE」及び「グラニット」の文字部分が,独立して自他商品の識別標識としての強く支配的な印象を与える部分とみるのが相当であって,引用商標に接する取引者,需要者は,該文字部分をもって取引に資することも少なくないといえるものである。
したがって,引用商標は,その文字全体から「ニューグラニット」の称呼を生じるほか,その構成中,自他商品の識別標識としての強く支配的な印象を与える「GRANITE」及び「グラニット」の文字部分に相応して,「グラニット」の称呼をも生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを対比すると,外観においては,欧文字のみからなる本願商標と,欧文字と片仮名を二段書きしてなる引用商標とは,構成上の差異を有するものであるが,本願商標の「GRANIT」の文字と,引用商標の構成中の「GRANITE」の文字部分とは,書体において顕著な差異はなく,両者は,最初の「GRANIT」までの6文字を共通にし,相違点は,語尾の「E」の文字の有無にすぎないから,外観上,近似した印象を与えるものである
また,称呼においては,本願商標からは,「グラニット」の称呼を生じ,引用商標からは,「ニューグラニット」又は「グラニット」の称呼を生じるものであるから,両者は,称呼上,「グラニット」の称呼を共通にする場合がある。
さらに,観念においては,両者とも特定の観念を生じないから,観念上,比較することができない。
以上のことを総合的に勘案すれば,本願商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,外観において近似した印象を与え,称呼においては同一であるから,外観及び称呼において相紛らわしい類似の商標であるというべきである。
そして,本願商標の指定商品「Locks of metal,other than electric,in particular padlocks and bicycle locks.」(参考訳:金属製錠(電気式のものを除く。),特に南京錠及び自転車用錠)は,引用商標の指定商品中の「錠(電気式又は金属製のものを除く。)」と類似する商品であることは明らかである。
したがって,本願商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,過去の登録例を挙げて,本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら,これらの審決例や登録例は,本願商標とは,図形要素の有無や構成文字の違いなど,その構成及び態様等が異なり,事案を異にするものであり,かつ,具体的事案の判断においては,過去の登録例に拘束されることなく判断されるべきである。
(2)請求人は,「本願商標『GRANIT』と,引用商標構成中『GRANITE』の部分は,外観上,語尾の『E』の文字の有無において差を有するものの,この差異が全体に与える影響は大きいということはできないと述べているが,英語で『KIT(道具一式)』と『KITE(凧)』,『FORT(砦,要塞)』と『FORTE(音楽の強音部)』,『CAP(つば付き帽子)』と『CAPE(岬)』,『CAR(車)』と『CARE(気に掛ける)』,『FLAK(激しい非難,こき下ろし)』と『FLAKE(破片)(一片)』,『FOR(のために)』と『FORE(前方の)』などのように語尾の「E」の有無によって,外観,称呼の違いの他,特に観念の著しく異なる単語が存在している。このような事実を鑑みると,外国語としては英語が最も普及している我が国においては,語尾の『E』の文字の有無が商標全体に与える影響は,むしろ大きいと判断すべきである」旨主張している。
しかしながら,本願商標「GRANIT」と引用商標構成中「GRANITE」の文字部分は,上記1で述べたとおり,我が国において親しまれた語であるとはいい難いことから,両商標に接する需要者,取引者は,いずれも一種の造語として認識し,共に特定の観念を想起するとは認められないものであるから,両商標を観念で比較することはできないというべきものであるから,請求人の挙げる各語の存在をもって,本願商標と引用商標とが類似しないと判断する主張は採用することができない。
また,本願商標と引用商標からは,それぞれ「グラニット」の称呼をも生じるものであって,外観上,近似した印象を与えるものである。
したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決日 2018-07-11 
国際登録番号 1294646 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W06)
T 1 8・ 261- Z (W06)
T 1 8・ 263- Z (W06)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 茂木 祐輔吉田 昌史 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 榎本 政実
須田 亮一
商標の称呼 グラニット 
代理人 特許業務法人筒井国際特許事務所 

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