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審決分類 |
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 W41 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W41 |
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管理番号 | 1347887 |
審判番号 | 不服2018-9019 |
総通号数 | 230 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-02-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-07-01 |
確定日 | 2019-01-22 |
事件の表示 | 商願2017- 42450拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「出雲駅伝」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成29年3月29日に登録出願され、その後、指定役務については、審判請求と同時に提出された同30年7月1日受付の手続補正書により、第41類「駅伝大会の企画・運営又は開催」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『出雲駅伝』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、『出雲』の文字は、『旧国名。今の島根県の東部。』又は『島根県北東部、出雲平野の中心にある市。』を指称する語であり、また、『駅伝』の文字は『駅伝競走の略。』を意味する語であるから、本願商標は、全体として『出雲(島根県東部)地域又は出雲市における駅伝競走』程の意味合いを有するものというのが相当である。そうすると、本願商標をその指定役務に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、それが『出雲(島根県東部)地域又は出雲市における駅伝競走に関する役務』であること、すなわち、その役務の質を表示しているものと容易に認識するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、 出願人は、同条第2項の規定によって、本願商標は登録を受けることができるものである旨主張するが、出願人は何ら具体的な証拠を提出していないことから、同条第2項の要件を具備するものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、前記1のとおり、「出雲駅伝」の文字からなるところ、その構成中の「出雲」の文字は「島根県北東部、出雲平野の中心にある市」の意味を、「駅伝」の文字は「駅伝競走の略」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)として一般によく知られているものである。 そうすると、本願商標を補正後の指定役務である「駅伝大会の企画・運営又は開催」に使用しても、これに接する需要者は、「出雲市において企画・運営又は開催される駅伝大会」程の意味合いを容易に認識するというが相当である。 してみれば、本願商標は、役務の質、提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項該当性について 請求人は、本願商標は使用された結果、自他役務識別力を獲得するに至っている旨主張し、証拠として、甲第1号証及び添付書類第1号ないし添付書類第89号を提出している。 そこで、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものであるか否かについて、以下検討する。 ア 請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)請求人は、1989年(平成元年)から、現在までの29年間にわたり、出雲市において駅伝大会を開催しており、少なくとも1994年(平成6年)ごろから当該駅伝大会の略称として「出雲駅伝」の名称を使用している(添付書類1?89)。 (イ)請求人は、「出雲駅伝」の名称が印刷されたチラシやシールなどを県内及び関東方面の図書館、高等学校、体育施設、スポーツ店、関東学連加盟大学等に頒布している(添付書類1?15)。また、当該駅伝大会は、テレビ、ラジオで全国的に放送されており(添付書類18?55)、大会結果は、サンケイスポーツ、日刊スポーツ、スポーツ報知などの各スポーツ新聞において「出雲駅伝」の文字とともに紹介されている(添付書類58?69)。 イ 判断 上記アからすると、請求人は、1989年(平成元年)から、現在までの29年間にわたり、本願の指定役務である「駅伝大会の企画・運営又は開催」の役務を行っており、少なくとも1994年(平成6年)ごろから該役務について「出雲駅伝」の名称を使用していることが認められる。 そして、請求人の開催する駅伝大会はテレビ、ラジオで全国的に放送され、その大会結果は、各スポーツ新聞に「出雲駅伝」の文字とともに紹介されている。 また、職権調査によれば、請求人以外の者が「出雲駅伝」の文字を本願の指定役務である「駅伝大会の企画・運営又は開催」について使用している事実は発見できなかった。 してみれば、本願商標は、その指定役務である「駅伝大会の企画・運営又は開催」について、請求人によって長年にわたり継続的に使用をされた結果、需要者が、請求人の業務に係る役務であることを認識するに至ったものというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。 (3)むすび 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものの、同条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから、原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-01-08 |
出願番号 | 商願2017-42450(T2017-42450) |
審決分類 |
T
1
8・
17-
WY
(W41)
T 1 8・ 13- WY (W41) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 白鳥 幹周 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
木住野 勝也 小俣 克巳 |
商標の称呼 | イズモエキデン |
代理人 | 田邊 義博 |
代理人 | 田邊 義博 |