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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W09
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W09
管理番号 1347876 
審判番号 不服2018-3825 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-01 
確定日 2018-12-28 
事件の表示 商願2016-146757拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「EYECARE GLASS PREMIUM」の欧文字を横書きしてなり,第9類「眼鏡,サングラス,スポーツ用眼鏡,眼鏡用レンズ及びサングラス用レンズ,眼鏡の部品及び付属品,眼鏡ケース,眼鏡ふき」を指定商品として,平成28年12月15日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『EYECARE GLASS PREMIUM」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ,その構成中の「EYECARE GLASS」の文字は,『目と目の周辺の皮膚の保護とファッション性を兼ね備えたサングラスの一種』ほどの意味合いを有するものである。また,構成中の『PREMIUM』の文字は,『高級な』等を意味し,指定商品との関係においても,商品の品質を誇称する表示として取引上普通に使用されているものである。そうすると,これらの文字を結合した本願商標は,『高級なアイケアグラス』ほどの意味合いを認識させるにすぎず,これをその指定商品中,『高級なアイケアグラス,高級なアイケアグラス用レンズ,高級なアイケアグラスの部品及び附属品』に使用しても,単に商品の品質を表示するにすぎず,自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがありますから,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において,平成30年8月17日付けで通知した審尋により,別掲に示すとおりの使用例等の事実を新たに示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の見解を示し,請求人に意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の意見
請求人は上記審尋に対し,所定の期間を経過するも何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は「EYECARE GLASS PREMIUM」の文字からなるところ,その構成中「EYE」の文字は「目,眼,眼球」等の,「CARE」の文字は「世話,保護,看護」等の,「GLASS」の文字は「眼鏡」等の,「PREMIUM」の文字は「(同種の他のものより)上等な,上質な」等の意味を有する英語(いずれも ランダムハウス英和大辞典〈特装版〉小学館)として,それぞれ広く知られているものである。また,「EYECARE GLASS」の文字は,「目と目の周辺の皮膚の保護とファッション性を兼ね備えたサングラスの一種」の意味を有する「アイケア グラス」の語(大辞泉 第2版 小学館)に通じるものであるから,本願商標全体としては,「目を保護する上質な眼鏡」程の意味合いを有するものである。
そして,別掲の新聞記事及びインターネット情報によれば,「EYECARE GLASS」の片仮名表記である「アイケアグラス」の文字が,本願商標に係る指定商品との関係において,「目や目の周辺を保護する眼鏡やサングラス」を指称する語として,また「PREMIUM」及び「プレミアム」の文字が「(同種の他のものより)上質なものであること。」を指称する語として,普通に使用されている実情を確認できる。
そうすると,本願商標は,その構成文字全体から「目や目の周辺を保護する上質な眼鏡やサングラス」あるいは「目や目の周辺を保護する眼鏡やサングラス用の上質な商品」の意味合いを容易に理解させるものである。
してみれば,本願商標をその指定商品中,上記の意味合いに照応する商品について使用したときは,これに接する需要者,取引者は,上記の意味合いを理解し,商品の品質を表示したものとして理解するにすぎず,自他商品の識別標識としては認識されないというのが相当であるから,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するものである。
また,本願商標の指定商品中,上記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,自身が販売する特定の商品にのみ本願商標を使用するものであって,不特定な単に高級なアイケアグラスを意味するものではないから,本願商標は,単に商品の品質を示すものとして認識されるものではなく,自他商品識別標識としての機能を果たしうるものである旨主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標に係る各語の意味及び本願商標の指定商品を取り扱う業界における取引の実情からすれば,本願商標がその指定商品に使用されるときは,その商品に接する需要者,取引者は,本願商標が「目や目の周辺を保護する上質な眼鏡やサングラス」あるいは「目や目の周辺を保護する眼鏡やサングラス用の上質な商品」であるという商品の品質を表したものとして理解するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ないから,請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 「アイケアグラス」の文字が「目や目の周辺を保護する眼鏡やサングラス」を指称する語として普通に使用されている例
(1)メガネドラッグのウェブサイトにおいて,「花粉対策メガネ 様々な場面で大切な瞳を守ります」の見出しの下,「アイケアグラス」との記載がある。
(http://www.meganedrug.com/products/pollen/index.html)
(2)Ciモールのウェブサイトにおいて,「アイケアグラス プロガード (白 1.5)」との商品紹介ページに,「いままでなかった! 保護グラスのインナーに初めてくもり止め老眼レンズをセットしました!両面曇り止めコート付で常にクリアーな視界を確保。頭を包み込むラップラウンド構造で安全,快適な保護グラス。耐熱・耐衝撃素材のポリカーボネートを使用。紫外線99%カット」との記載がある。
(http://www.ci-medical.com/shop/g/g8018756/#)
(3)おしゃれメガネのオガタのウェブサイトにおいて,「アイケアグラス」との見出しの下,2つの商品を掲載している。
(http://osharemegane.com/shop01/71.html)
(4)メガネドラッグ オンラインストア e-momo shopのウェブサイトにおいて,「アイケアグラス」の見出しの下,「花粉やチリ,ほこりをシャットアウト アウトドアにも」との記載がある。
(http://www2.enekoshop.jp/shop/meganedrug/item_list?category_id=495882&sort=4&num=20)
(5)You Love Eyeのウェブサイトにおいて,「アイケアグラス」との見出しの下,2つの商品を掲載している。
(http://www.you-love-eye.com/category/189.html)
(6)名古屋眼鏡株式会社のウェブサイトにおいて,「『スカッシーシリーズ』『メオガードシリーズ』など,アイケアグラスで使用する曇り止め液は何を使えばいいのですか?」との記載がある。
(http://www.meigan.co.jp/cgi-bin/meigan_faq/qprev.cgi?qno=140&cno=90)
(7)1988年6月23日付け日経流通新聞の21ページにおいて,「資生堂の『アイトーク』??目を保護し日焼け防ぐ(開発トピックス)」の見出しの下,「資生堂から発売されているサングラス『アイトーク』が人気を呼んでいる。紫外線と近赤外線を一〇〇%カットしたサングラスで,目と目もとの“日焼け”を防ぐことを目的に開発されたもの。同社ではサングラスと呼ばず,アイケアグラスと呼んでいる。」との記載がある。

2 「PREMIUM」及び「プレミアム」の文字が「(同種の他のものより)上質なものであること。」を指称する語として使用されている例
(1)HOYAのウェブサイトにおける,「HOYALUX SUMMIT PREMIUM」の商品紹介ページに,「新しい見え方,装用感を一人ひとりに。設計にこだわり装用感をさらに高め,幅広い方に満足していただけるプレミアムレンズです。 あなたの日常にワンランク上の見やすさをお届けします。」との記載がある。
(https://www.vc.hoya.co.jp/products/progressive/summit_premium.html)
(2)メガネのZoffオンラインストアのウェブサイトにおいて,「Zoff PREMIUM」の見出しの下,「世界に知られる“メガネの聖地” 福井県鯖江ならではの技術と品質を凝縮した純日本製シリーズ」との記載がある。
(https://www.zoff.co.jp/shop/contents/100made.aspx)
(3)Amazonのウェブサイトにおいて,「Bolle Premium スタイリッシュ保護メガネ BOSSPSI」という商品が掲載されている。
(https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3-BOLLE-SAFETY-BOSSPSI-%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%8D/dp/B00IE3GFO0)
(4)メガネのイタガキのウェブサイトにおいて,「さぁ,本番はこれからだ。Best of BESTEYES Series.ベストアイズシリーズ最高傑作」の見出しの下,「有名ブランドのフレーム製造を数多く抱える程,国内でも有数の技術を持つ『三工光学』が作り上げた『ベストアイズプレミアム』はまさに最高峰の技術を駆使して作り上げられた逸品です。」との記載がある。
(http://www.megane-itagaki.co.jp/10_171_bst-prm.html)
(5)ナリナリドットコムのウェブサイトにおいて,「全国に110店舗を展開するメガネ・サングラスの『オンデーズ』は7月25日,重量わずか3グラムの業界最軽量級メガネフレーム『AIR FIT PREMIUM(エア フィット プレミアム)』を開発したと発表した。」との記載がある。
(https://www.narinari.com/Nd/20130722407.html)
(6)メガネスーパーのウェブサイトにおける,「Betapla Premium」の商品紹介ページにて,「Betaplaシリーズの機能性に個性を加えた最上級モデル。知的で上品な大人のこだわりデザインに抜群のかけ心地。」との記載がある。
(https://www.meganesuper.co.jp/frame/betapla-premium-2/#feature)


審理終結日 2018-10-23 
結審通知日 2018-10-26 
審決日 2018-11-06 
出願番号 商願2016-146757(T2016-146757) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (W09)
T 1 8・ 13- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 滝口 裕子 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 須田 亮一
大森 友子
商標の称呼 アイケアグラスプレミアム、アイケアガラスプレミアム、アイケアグラス、アイケアガラス、アイケア、グラスプレミアム、ガラスプレミアム、プレミアム 

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