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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W29
管理番号 1347874 
審判番号 不服2017-14130 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-25 
確定日 2018-12-27 
事件の表示 商願2016-69128拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「霧島おいも豚」の文字を標準文字で表してなり、第29類「豚肉,豚肉を使用した肉製品,調理済みの豚肉,豚肉の加工品,冷凍した豚肉,豚肉を使用したカレー・シチュー又はスープのもと,豚肉を主材とする惣菜,豚肉を用いたなめ物」を指定商品として、平成28年6月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『霧島おいも豚』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『霧島』の文字は、『鹿児島県中北部の市。霧島山の略。』(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有し、『おいも豚』の文字は、『おいも(さつまいも)を与え飼育した豚』程の意味を理解させるものであるから、本願商標全体よりは、『霧島山周辺地域でおいも(さつまいも)を与え飼育した豚』程の意味を理解させるものである。そして、本願商標の構成中の『おいも豚』の語は、『おいも(さつまいも)を与え飼育した豚』程の意味を表すものとして、実際に使用されている実情があるから、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、『霧島山周辺地域でおいも(さつまいも)を与え飼育した豚肉、霧島山周辺地域でおいも(さつまいも)を与え飼育した豚肉を使用した商品』程の意味を認識、理解するにとどまり、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて職権で証拠調べをし、その結果を請求人に対して同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、平成30年6月29日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 請求人の意見
請求人は、上記証拠調べ通知に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、「霧島おいも豚」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成中、「霧島」の文字は、別掲1のとおり、「鹿児島県中北部の市。霧島山の略。」、「宮崎・鹿児島県境にある霧島山、およびその付近の呼称。」の意味を有する語である。また、「おいも」の文字は、「サトイモ・ヤマノイモ・ジャガイモ・サツマイモなどの総称」の意味を有する「いも」の語に、丁寧語の「お」の文字を付したものであり、「豚」の文字は、「ブタ。また、ブタの肉。」(「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店))の意味を有する語である。
そして、本願商標の構成中、「霧島」の文字は、本願の指定商品との関係において、別掲2のとおり、霧島山周辺地域において養豚が行われている事実があるから、これに接する需要者、取引者をして、「霧島山周辺地域」の意味合いを認識させるものである。
また、別掲3のとおり、「〇〇豚」の文字は、「〇〇を飼料として育った豚の肉」との意味合いを表示するものとして使用されている事実があるから、本願商標の構成中、「おいも豚」の文字は、これに接する需要者、取引者をして、「いもを飼料として育った豚の肉」の意味合いを認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「霧島山周辺地域でいもを飼料として育った豚の肉及びそれを使用した商品」との意味合いを認識するにとどまるとみるのが相当であるから、本願商標は、商品の品質及び原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げ、本願商標は請求人が創作した一体不可分の造語であり、本願商標全体から、指定商品の品質として「霧島山周辺地域でおいも(さつまいも)を与え飼育した豚」程の一義的な意味合いは認識されない旨主張している。
しかしながら、商標が自他商品識別標識としての機能を有するか否かは、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例、審決例に本件の判断が拘束されるものではない。また、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「霧島山周辺地域でいもを飼料として育った豚の肉及びそれを使用した商品」との意味合いを認識するにすぎないものであって、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとはいえないことは、上記(1)で述べたとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 「霧島」の文字について
(1)株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」の「霧島」の項に「鹿児島県中北部の市。霧島山の略。」の記載がある。
(2)株式会社小学館発行「大辞泉第二版」の「霧島」の項に「鹿児島県鹿児島湾北岸にある市。『霧島山』の略。」の記載がある。
(3)株式会社小学館発行「国語大辞典」の「霧島」の項に「宮崎・鹿児島県境にある霧島山、およびその付近の呼称。」の記載がある。

2 霧島山周辺地域において、養豚が行われている事実
(1)2005年8月29日の日経MJ(流通新聞)において、「鹿児島の『霧島高原純粋黒豚』??消費者意識し生産限定(市場鮮略を追う)」の見出しの下、「『かごしま黒豚』ブームの火付け役となり、現在もその頂点に立つ『霧島高原純粋黒豚』。長い生育期間と良質な飼料、霧島連峰の名水が珠玉の一品を生んだ。さわやかな風が吹き抜ける山あいに、養豚場はある。豚舎をのぞくと、黒豚たちが粉状にしたサツマイモ入りの飼料をほおばっていた。」、「『薩摩の黒い宝石』とも呼ばれる黒豚の生産から販売までを一手に手がけるのが霧島高原ロイヤルポーク(鹿児島県霧島町)だ。」の記載がある。
(2)「高原町」(宮崎県西諸県郡高原町)のウェブサイトにおいて、「町の位置」の見出しの下、「高原町は、宮崎県の西南部、国立公園霧島山を境に鹿児島県と接する静かな山あいに位置しています。」の記載がある。また、「畜産のまち たかはる」の見出しの下、「牛と並んで歴史のある養豚は、一時期減少傾向にありましたが、現在は飼育頭数も回復しており肉豚の生産技術は県内でも高いレベルにあります。」の記載がある。
(http://www.town.takaharu.lg.jp/modules/contents02/index.php?content_id=2)
(http://www.town.takaharu.lg.jp/modules/contents07/index.php?content_id=14)
(3)「はざま牧場」のウェブサイトにおいて、「『きなこ豚』の育つ生産地」の見出しの下、「きなこ豚の育つ『はざま牧場』は、九州宮崎の霧島連山に囲まれた都城にある、はざま牧場は飼育数7000頭という国内でも有数の規模を誇る養豚場です。豊かな霧島の大自然にある『はざま牧場』で、きなこ豚は丹念に育てられています。」の記載がある。
(https://www.f-hazama.co.jp/)

3 「○○豚」の文字が、「○○を飼料として育った豚肉」との意味合いを表示するものとして使用されている事実(〇〇は、飼料として使用された作物、植物などの普通名称、総称又は別称。以下同じ。)
(1)「いも豚」及び「おいも豚」の文字が、「いも(類)、サツマイモを飼料として育った豚肉」との意味合いを、「かんしょ豚」の文字が、「甘藷を飼料として育った豚肉」との意味合いを表示するものとして使用されている事実
ア 2018年4月23日の日経MJ(流通新聞)において、「旭食肉協同組合、内外で好評??イモ食の豚、甘い口溶け(食のフロンティア)」の見出しの下、「サツマイモで育った千葉県のブランド豚肉『いも豚』だ。いも類をエサに混ぜて育てたいも豚は脂に甘みが強く、獣臭さが少ないのが特徴だ。」の記載がある。
イ 「旭食肉共同組合ネットショップ」のウェブサイトにおいて、「千葉県産いも豚の“美味しさ”の秘訣」の見出しの下、「エサが違うから、旨さが違う!!」、「肉質、味、安全性を重視してさつまいも中心のいも類(さつまいも、タピオカ)を使用した飼料で、じっくり育てた豚は、旨味・甘み・風味・コクが大きく違います。」の記載がある。
(http://www.ask-ham.com/shop/contents?contents_id=355532)
ウ 「中部飼料株式会社」のウェブサイトにおいて、「いもぶたって何?」の見出しの下、「美味しさを最大限に引き出す為、いもぶたはエサからこだわりました。デンプン質の多いいも類を30%配合するほか、米、きな粉など純植物性原料を使用しました。・・・豚本来の自然な味わいの豚肉に仕上げました。」の記載がある。
(http://e-niku-smile.com/imobuta)
エ 2013年4月10日の朝日新聞において、「県産牛肉と豚肉使いハンバーグ弁当 ローソンが県内で5日から販売 /宮崎県」の見出しの下、「JAグループの宮崎牛専門店『博多みやちく』と合同で開発。ハンバーグには宮崎産の和牛と、サツマイモを飼料にした『おいも豚』を半分ずつ使っている。」の記載がある。
オ 2006年2月2日の西日本新聞において、「◎宮崎の食材 東京でPR 3月15日まで産直フェア/九州NEWS」の見出しの下、「メニューは宮崎牛のステーキ、サツマイモで育てた『おいも豚』のしゃぶしゃぶ、地鶏『みやざき地じ頭とっ鶏こ』とジャコの炊き込みごはんなど。」の記載がある。
カ 2005年7月23日の日本経済新聞において、「宮崎ハマユウポーク、JA宮崎経済連(宮崎市)??甘み特徴(九州いち押し)」の見出しの下、「甘藷(かんしょ)を与え肉に含まれるビタミンEなどを増やした『かんしょ豚』(野尻町)といった個別ブランドが市場に出ている。」の記載がある。
(2)「ハーブ豚」の文字が、「ハーブを飼料として育った豚肉」との意味合いを表示するものとして使用されている事実
ア 2013年2月16日の朝日新聞において、「(be report)えさに秘密、ひと味違う食材続々 豚や牛に『ハーブえさ』」の見出しの下、「えさを工夫して育てた肉や魚の食材が増えている。ハーブ入りのえさを与えたハーブ豚や、ユズの果汁を加えたえさで養殖したユズブリなど、特別なえさで肉質をよくしたり、風味を改善したり。」の記載がある。
イ 2004年2月16日の日本経済新聞において、「食事宅配充実??高齢者に食べやすく、カロリー控えめ(タウン・ビート)」の見出しの下、「ハーブを飼料に与えたハーブ豚やハーブ鶏、鮮度の高い刺し身など素材の高級さで他社との違いを演出する。」の記載がある。
ウ 2003年12月17日の日本農業新聞において、「羊蹄山麓ハーブ豚が好評/北海道真狩村の印南さん」の見出しの下、「【北海道・真狩】真狩村の養豚農家・印南正治さん(54)が、シナモン、ナツメグなど天然ハーブを加えた専用飼料で育てた『ハーブ豚』が好評だ。豚特有のにおいがなく、ひと味違うおいしさで贈答用などに人気だ。」の記載がある。
エ 2003年3月6日の日経MJ(流通新聞)において、「日清飼料、ブランド肉、ハーブ育ち、家畜ごとに飼料を配合。」の見出しの下、「すでにハーブ飼料を使って飼育したハーブ鶏、ハーブ豚、ハーブ牛のブランドなどが誕生」の記載がある。また、「ハーブ飼料で育てた畜産物の主な採用事例」として、「崎陽軒 ハーブ豚を使った特製シウマイ」の記載がある。
オ 「北九福鳥株式会社」のウェブサイトにおいて、「大分ハーブ豚」の見出しの下、「ハーブ豚の特徴」として「4種の天然ハーブ(オレガノ、シナモン、ジンジャー、ナツメグ)と純植物性飼料育ちの豚肉です。」の記載がある。
(http://www.fukucho.com/pork.html)
カ 「ハーブ村」のウェブサイトにおいて、「ハーブ豚(とん)」の見出しの下、「ハーブ豚は肉質の優れた親豚から生まれた子豚にオレガノ、シナモン、ジンジャー、ナツメグの4種類の天然ハーブを加えた純植物性飼料を給与して育てています。純植物性飼料を食べて育つので脂肪酸組成のバランスがよくヘルシーな豚肉です。」の記載がある。
(http://www.herb-mura.com/products/pig.html)
(3)「麦豚」の文字が、「麦を飼料として育った豚肉」との意味合いを、「米豚」の文字が、「米を飼料として育った豚肉」との意味合いを表示するものとして使用されている事実
ア 2017年11月18日の朝日新聞において、「SA、地元食材で勝負 4店舗、コンテスト参加 /群馬県」の見出しの下、「麦を飼料に育て、ほどよい甘みのある県産『麦豚』と特産のマイタケなどの野菜を味わえるせいろ蒸しがメイン。」の記載がある。
イ 2016年12月9日の日本農業新聞において、「[高知・JA四万十ミニ移動編集局] 特産豚 四万十ポーク 発信に力 直営店で経営安定 四国デュロックファーム」の見出しの下、「豚肉は『四万十ポーク』として県内外で販売する。『四万十ポーク』は生産者ごとに飼料用米を与える『米豚』、麦を与える『麦豚』などの特徴がある。」の記載がある。
ウ 2011年4月9日の毎日新聞(地方版)において、「まちかど:袋井市・米豚肉の発表会 /静岡」の見出しの下、「袋井市・米豚(こめぶた)肉の発表会 浅岡の農産物直売所『どんどこあさば』で8日、米を飼料にした豚肉の試食会が開かれた。」の記載がある。
エ 「Rakuten」の「2年連続ふるさと納税1位!宮崎県都城市のふるさと納税楽天サイト 都城」のウェブサイトにおいて、「お米で育ったお米豚」の見出しの下、「都城産のお米豚を食べる国産飼料用米は宮崎県都城市を中心とした南九州で収穫されたものを主に使用しています。」の記載がある。
(https://item.rakuten.co.jp/f452025-miyakonojo/mj-3103/)
オ 「富士産業株式会社」のウェブサイトにおいて、「讃岐こめ豚の加工品」の見出しの下、「讃岐平野にてお米を与えて育てた『讃岐こめ豚』 お米を与え育てることで、肉に旨みと甘味が加わり、やわらかな肉質で女性に好評です。」の記載がある。
(https://www.fuji-sangyo.co.jp/personal/furuya.html)
(4)その他、「○○豚」の文字が、「○○を飼料として育った豚肉」との意味合いを表示するものとして使用されている事実
ア 2016年11月18日の読売新聞において、「道産原料の飼料で育てた豚 ホクレン 転作トウモロコシ活用=北海道」の見出しの下、「ホクレンは、畑の連作障害を避けようと栽培されるトウモロコシを主体に独自開発した豚用配合飼料『道産98ポーク』で育てた豚肉『とうきび豚』を販売した。」の記載がある。
イ 2018年5月19日の朝日新聞において、「ケッコーなお味で 県産ブランド肉『オリーブ地鶏』 県、牛・豚とPR /香川県」の見出しの下、「『オリーブ牛』『オリーブ豚』に続いて誕生した県産ブランド肉『オリーブ地鶏』。牛、豚と同じくオリーブの搾りかすを飼料に混ぜて与えることで、肉のうまみや甘みが増したという。」の記載がある。
ウ 「讃岐三畜銘柄化推進協議会」のウェブサイトにおいて、「香川県の県花県木であり百有余年の歴史を誇るオリーブと、丹精込めて育て上げた香川県産豚が結ばれ誕生した『オリーブ豚』。オリーブ飼料を給与することで得られた新しい味わいの誕生です。」、「試験の結果、オリーブ飼料を給与することで、旨味・甘味成分が高まることが確認されました。なかでも、フルーティーな甘味が特徴の果糖(フルクトース)が高いことがわかりました。」の記載がある。
(http://www.sanchiku.gr.jp/whats/olive/pork/)

審理終結日 2018-10-24 
結審通知日 2018-10-30 
審決日 2018-11-14 
出願番号 商願2016-69128(T2016-69128) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W29)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 有水 玲子
小松 里美
商標の称呼 キリシマオイモブタ、キリシマオイモトン、オイモブタ、オイモトン、イモブタ、イモトン、キリシマブタ、キリシマトン、キリシマオイモ、キリシマイモ 
代理人 木村 満 
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